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スーパーロボット大戦64 - (2011/12/29 (木) 22:24:58) の編集履歴(バックアップ)


スーパーロボット大戦64

【すーぱーろぼっとたいせんろくよん】

ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 ニンテンドウ64
発売元 バンプレスト
開発元 招布、エーアイ
発売日 1999年10月29日
価格 7,800円
スーパーロボット大戦シリーズリンク


概要・特徴

  • 64で発売された唯一のスパロボ。
  • 新規参戦作品は『六神合体ゴッドマーズ』『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』。
    • この内、『第08MS小隊』は紹介されず、新規参戦作品は『ゴッドマーズ』『ジャイアントロボ』だけと紹介された。
      • ゴッドマーズは設定上撃墜されると問答無用でゲームオーバーになる。
  • 主人公はリアル・スーパーと男・女の組み合わせ計4人から選択で、後の『第2次α』『第3次α』を先取りしている。
    • 選んだキャラにより主人公機やライバル、シナリオが変化する。また本作よりオリジナル主人公が明確にシナリオに絡むようになった。
  • ROMカートリッジの仕様上、当時のスパロボとしては格別の快適さを誇る。特にセーブやロードはほぼ一瞬で終わる。
  • シリーズ初の「合体攻撃」「改造限界の差別化」「撃墜数ボーナス」(本作での仕様は獲得資金が上昇)「底力のLV制導入」、後の携帯機で採用される「自軍パイロットのレベルに応じた敵パイロットのレベルの変動」と、後の作品のスタンダードといえるシステムを採用。
  • F/完結編』に引き続き一部の武器をフル改造すると追加武器が出るが、本作ではボーナス扱いのため追加料金なしで追加できる。
  • 敵のレベルは固定ではなく、プレイヤーのレベルの上位数名の平均に応じたものになっている。そのため、基本的にプレイヤーと敵の強さに大きな差は発生せず、緊張感のある戦いを持続できる。
    • ただしその敵のレベルには上昇限界がある。一方プレイヤーの限界値はそれをはるかに上回る。
  • 2回行動のレベルが引き下げられた。全てのパイロットに当てはまるわけではないが、リアル系ならレベル30~40代、スーパー系でもレベル50代までに2回行動が出来る。
  • 独自のシステムとして『スーパーロボット大戦リンクバトラー』とのデータリンクと「ダミー」システムがある。それぞれ詳細は後述。

評価点

戦闘面の演出の向上

  • 背景は3D化され、視点が変化するようになった。ユニット自体もズームアップしたり手前に突進するなど、従来の作品に比べてスピード感と迫力が増した。
  • 合体攻撃が実装されたことで、複数ユニットを必要とするような原作の攻撃も再現できるようになった。
    • 黒い三連星によるジェットストリームアタック*1をはじめとする敵3人小隊による連携攻撃の再現や、ダイナミック系によるファイナルダイナミックスペシャル等が登場した。
    • バンプレストオリジナルにおいては、スーパー系男主人公で使用可能。習得が非常に特殊で後継機の入手との2者択一だが、演出・破壊力共に凄まじい。
  • ジャイアント・ロボのグラフィックにおいて、ロボの顔の横に大作が掴まっているのだが、宇宙や水中での戦闘では大作が宇宙服を着ているグラフィックに差し替えられるなど細かいこだわりが光る。

ストーリー

  • 地球が外宇宙からの侵略者に占領された状態から物語がスタートするという、現在をもってシリーズの中でも異色な舞台設定。
    • 外宇宙からの侵略者(ムゲ帝国)に加え、ムゲ帝国の手先となった地球人(スペシャルズ)による二重の支配が行われており、さらに地球に潜んでいた人類以外の第三勢力も出現してムゲ帝国に協力、さらに別の異星人連合も現れて…という四面楚歌の状況。そのため、自軍はあくまで少数による抵抗勢力として描かれており、それ相応の苦境に立たされる場面もある。
    • 敵首領を倒すためだけとはいえ、スパロボでは初めて外宇宙にまで足を伸ばした作品である。
  • スパロボでも屈指のクロスオーバー。先の世界観を生かし、主人公や版権キャラの濃密なクロスオーバーが実現している。
  • あらゆる意味で本作における中心的存在になっているのが『F/完結編』ではいまいちな扱いだった『新機動戦記ガンダムW』。
    • 5体のガンダムは『F』の雪辱を果たすような強さ。さらに5体とも『Endless Waltz』の機体にパワーアップできる隠し要素もついている。
    • 原作再現はシリーズで最も多く、機体のほうもトラゴスやパイシーズといったマニアックな機体が揃い、登場人物もアレックス、ミュラーといった一話のみの脇役や、作品の中で重要な立ち位置にもかかわらず登場の機会に恵まれないカーンズといった人物が登場する唯一の作品である。
    • 中盤の手前において「OZ(『ガンダムW』の敵組織)からの勧誘を受けるか」という選択肢があり、今後の展開が大きく変化する。
      • 敵組織といっても、本作におけるOZはトレーズをはじめとするスペシャルズ内の反帝国派が打倒帝国のために組織したもの。スペシャルズへの不信もあり、内部情勢は穏やかではないものの、味方が悪に走るわけではない。
      • ルートは大きく分けて3つ存在し、OZと手を組まない場合にはサンクキングダムの「完全平和主義」に同調するかという選択肢がある。各ルートの詳細は後述。
    • ネタ方面では、五飛の「ズール皇帝こそが正義だ」という発言は、その後の彼のシリーズにおける立ち位置を色んな意味で確固たるものにした。
      • このイベントが余りにも強烈過ぎる為変な印象を持たれがちだが、彼の名誉の為に言っておくと原作ではまともな人物である。
  • スパロボでは不遇な傾向にある『ガンダムΖΖ』が優遇されている。
    • マイナーキャラの参戦(ガザの嵐隊や3D等)やアクシズとの共闘、特に最終決戦の三つ巴の戦いの完全再現はファンなら歓喜もの。
    • マシュマー・セロもしくはキャラ・スーンが愛機と一緒に正式に仲間になる。
  • 『機動武闘伝Gガンダム』もドモン以外のシャッフル同盟4人や、彼ら以上に参戦機会が少ないキラル・メキレルが初登場。
    • キラルは当初からトレーズの暗殺を狙い、終盤は条件付きで『ガンダムW』のマグアナック隊を率いて救援に駆けつけるなどやたら目立つ。
  • スーパー系などの70年代の参戦作品からも、旧シリーズに登場しなかった多くのキャラ・ユニットが登場しているほか、シナリオもそれまで再現されなかった部分が再現されている。
    • 例を挙げるとエリカ(マジンガーZ)やヤヌス侯爵(グレートマジンガー)、暴竜鬼(ゲッターロボG)など。
  • 本作はシナリオ的に、初めて『逆襲のシャア』が完全再現されている。
  • 『ダンクーガ』も飛行ブースター無しの状態やガンドール、ムゲ帝国の初登場など初めてまともな原作再現がされた。

バンプレストオリジナルキャラ関連

主人公は4名。乗機は固定である。スーパー系男のみ後継機の有無は選択制。

  • リアル系主人公の二人はともに悲壮感漂うシナリオ展開。男主人公は富野由悠季作品、女主人公は高橋良輔作品を意識したようなキャラ・機体設定となっており、どちらも最初から死を覚悟して戦いに望むことになる。
  • 戦闘時の専用BGMについても各キャラの性格をうまく反映しており評価が高い。
+ オリジナルキャラの詳細
  • アークライト・ブルー
    • リアル系男主人公。ゲリラ狩りに巻き込まれ、偶然見つけたソルデファーに乗り込んで戦うことになる。リアル系の王道、いわゆる「巻き込まれ型」の展開だが、さらに第1話の時点で育て親の親族と幼馴染を失うという不幸過ぎる身の上をもつ。
    • ライバルであるエルリッヒとの戦いを通じての交流、和解も魅力。
    • 因みにコンピューター、特にソフトウェアに詳しいという、ガンダムのアムロの機械いじりを連想させる趣味を持っている。故に搭乗機のソルデファーのソフトウェア調整は彼が行なっている。
    • 特殊能力としてガンダムシリーズのニュータイプ(以下NT)を持っている。『第4次』の主人公がNT技能を、『A』の主人公はNTもしくは強化人間技能を持っていたが、これらが単なるステータスの底上げであったのに対し、アークはストーリー中でもNT的な存在として扱われる。しかも他のUC作品の面子と溶け込んでいるため違和感がない
    • 搭乗機はソルデファー→アシュクリーフ。
  • セレイン・メネス
    • リアル系女主人公。開始以前からゲリラに参加しており、1話において自身以外が全滅した状態でスヴァンヒルドに乗り生き残ることになる。
    • ライバルのリッシュは軟派な外見と馴れ馴れしい言動に見合わず、内面は渋く気の優しい青年であるため「綺麗なガウルン(『フルメタル・パニック!』の登場人物)」とも称される。説得が前提だが、ライバルキャラとしては味方になるのは彼が一番早い
      • 1話の出会いでいきなりリッシュに惚れられるのだが、彼女は終始一貫して冷たくあしらっている(このため最後まで恋愛補正は一方通行である)。ただし味方になった後は「仲間の1人」程度には認識してもらえた模様。
    • スヴァンドヒルドの後継機ラーズグリーズに関して、勝手に戦闘データを使われ激怒するシーンがある,故にラーズグリーズが彼女の後半の搭乗機になるのだが。
    • 搭乗機はスヴァンヒルド→ラーズグリーズ。この機体、『太陽の牙ダグラム』のダグラムに激似なことで知られており、当時発売されていた攻略本でも指摘されている。
      • さらには部隊名のアイディアで「ソーラーファング(太陽の牙)」という名称を出そうとして自粛させられるネタまであり、意図がなかったとは思えない。
  • ブラッド・スカイウインド
    • スーパー系男主人公。武機覇拳流というロボットを使った格闘術を得意とする。
    • バンプレストオリジナル主人公の中で最も悪人面であり、また本編開始まで山で修行していたが故に世間を知らずに育ったという珍しいタイプ。
    • 同門にカーツ・フォルネウスという男がいるのだが、途中で離反し、たびたび拳で語り合うことになる。
    • ライバルのカーツを再度仲間にする条件が彼の撃墜数なのだが、機体特性的に条件を満たすのは結構大変である。
    • アースゲインとヴァイローズは規定のレベルに達すると強力な技が追加されるという、現在の視点から見ても独自のシステムを持つ。
    • 搭乗機はアースゲイン→条件次第でスーパーアースゲイン。
    • クロスオーバー面では格闘家という点から『Gガンダム』のキャラと絡むことが多い。
  • マナミ・ハミル
    • スーパー系女主人公。ハミル伯爵家の子女。こちらもバンプレストオリジナルでは珍しい、上流階級出身の主人公。彼女の執事もサブパイロットとして使用可能。
    • その後の展開次第でスパロボ史上初の女性だけが乗った後継機が誕生する。
    • そのためか、スーパー系女主人公の専用曲は明らかに「トップをねらえ! ~Fly High~」を意識したBGM。
    • 後の説得でアイシャが新たなサブパイロットになる。その際に彼女を気遣い、執事がサブパイロットを降りる演技は、動揺するマナミを含め見ものである。
    • 搭乗機はスイームルグ→スイームルグS。マナミとアイシャの2人の掛け合いの戦闘会話は、大変面白いので全て見ることをオススメする。
    • なお、アイシャはスイームルグが複座機なためか唯一リンクバトラーには登場しない。
  • アル=イー=クイス
    + 物語中盤で現れ、プレイヤーをパニックへ陥れた謎の敵。
  • その正体は、銀河先進文明と言われた古代文明の最後の生き残り。
  • エントロピーの増大によって自分達が消滅する前に自らの後継者を探すため、銀河各地に争いの火種を撒いた本作の黒幕的な存在である。
  • 当初はムゲ帝王のムゲ帝国とズール皇帝の銀河帝国に期待していたようだが、この2つを地球人が撃破した為、自分達の後継者に地球人を選んだ。しかし当然拒絶され最後の戦闘となる。
  • 彼女?らの機体の攻撃法は氷、分身、業火、重力、隕石と結構独特であり、戦闘時の専用BGM「狂った飢餓戦士」と共に、強烈な印象が残った人もいるだろう。
  • また、メンバーの一人であるアヴィ=ルーは、本作において「ゲッターロボ」の武蔵が戦死する元凶でもある。

ルート分岐について

本作品では前述の通り、『ガンダムW』に関連したルート選択によって3つのルートに変化する、さらに選択により終盤2つのルートに分岐する。

+ 各ルート解説
  • OZルート
    • 本来なら敵であるジェリドやハマーン、果てはシロッコ、バスク、ヤザン隊と共闘することになるという珍しい展開がウリなルート。
    • 無論選択次第で敵対する事にもなるが、こちらのルートだとOZと敵対し終盤にシロッコと闘うことになる。
    • リアル男とスーパー女でこのルートを選択すると色々と複雑なライバルの裏事情が垣間見れる。
  • 独立軍ルート
    • こちらは『ガンダムW』の終盤のホワイトファング編が完全再現されており、カーンズも比較的早く登場する。こちらだとミリアルド率いるホワイトファングと死闘を繰り広げる。
    • また、食料危機や一時的な資材不足で一部ユニットがしばらく出撃出来なくなる事態が発生する。
    • 本作品を象徴する、リアル系のシナリオ『その瞳に未来は映ることなく』を通るのはこのルートである。
    • 前述の五飛の迷言もこのルートで聞ける。
  • 完全平和ルート
    • 『ガンダムW』のサンクキングダム崩壊までのシナリオが完全再現されているルート。
    • これも選択肢次第で分岐するのだが、このルートを選ぶと一時的に一部キャラが離脱する。
    • また、スーパー系男でこのルートを選ぶと無条件でスーパーアースゲインを入手する。
  • ムゲ宇宙ルート
    • 終盤の分岐ルートの1つ。
    • ダンクーガの原作再現でムゲ宇宙へ乗り込む。この際にデスガイヤー将軍と2度戦うが、復活後に倒すとキャラ次第で専用の撃破セリフが用意されている。
    • また、展開の関係上ネェル・アーガマは破棄される。またムゲ宇宙では3日過ぎただけだが、外の世界では4ヶ月経っているという事が明らかになる。
  • シャアの反乱ルート
  • 逆襲のシャアの序盤フィフス・ルナ落としが再現されるルート。
  • ここでの敵は、最初の選択で選んだ三つのルート次第で登場する敵が3つのパターンに分かれることになる。
  • また、独立ルートならキャラかマシュマー説得した方が味方増援として現われ、さらにノイエ・ジールが入手出来る。
  • そして、アムロが逆襲のシャア時の衣装へ衣替えする。

問題点

バグ

  • 限界反応バグ。機体の限界反応が全くの無意味であり、計算される数値に制限がかからないというもの。
    • これにより、一部改造段階の高いユニットが限界まで性能を発揮できるようになった。代表的な機体がアプサラス及びデンドロビウム等の限界が低く改造度が高いリアル系ユニットである。また、真ゲッター2も回避能力を思う存分発揮できるようになっている。
  • 超能力・聖戦士バグ。超能力(命中回避に最大64%&攻撃力+補正)と聖戦士(命中回避に最大32%&ハイパーオーラ斬りの攻撃力+補正)の二つの特殊能力はレベル制で、段階に応じて補正値が上がるのだが、バグにより常に最大値の補正がかかる。但しどちらも攻撃力補正はこれまたバグにより無効になっている。
    • この恩恵を一番に受けているのがゴッドマーズ。バグにより重装甲+超回避+高火力という凄まじいユニットになっている。しかもパイロットが最終的に『奇跡』を習得するため、どんな敵も問答無用で叩き落とす。欠点といえば、射程と移動力が低いことと撃墜されるとゲームオーバーになることのみ。とはいえ狙わないで撃墜される方が難しいのだが…。
    • これ以前のスパロボではスーパー系はほぼ避けないユニットだったため、敵の攻撃をびゅんびゅん回避するゴッドマーズは多くのプレイヤーを唖然とさせた。ちなみに超能力を持っているパイロットは全てスーパー系。そのためユニットさえ何とかすればリアル系のごとく避けてくれる。
  • リアル系でOZルートを選択するとダイターン3が終盤まで表示されないバグがある。

システム面の問題

  • 計算式の関係でリンクバトラーでリンクし一気にレベルが上がると、攻撃力のインフレが起こり装甲が無意味なものとなる。更にパートナー補正が攻撃力+30%とかなり強力でさらにそのインフレに拍車をかけている。*2
    • このため、敵味方を問わず「当たれば落ちる」というケースが続出する。後述のダミーさえ外してしまえばボスクラスの敵でさえ一撃で墜ちるという事態も日常茶飯事。
      • この影響で、前述のゴッドマーズを除くスーパー系は「避けられないし当たれば落ちる」と使い勝手が悪い。超能力を持たないキャラは精神コマンド「鉄壁」(装甲を1ターンの間2倍にする)が無ければ攻撃力のインフレに付いて行けずお荷物状態になる。
      • ただし、『α』以前の作品では、終盤に敵の攻撃力と射程がインフレ状態になることが多く、多くのスーパー系が「必殺技だけが頼りの一発屋」と言われており、スーパー系冷遇は何も本作に限ったことではない。
      • リンクバトラーによるレベル上げを行わず、全滅プレイもあまり行わなければそれなりのバランスでプレイできる。
  • ダミーシステムの存在。
    • これはあらゆるダメージを数回(ユニットによって異なる)無効化する敵専用の特殊能力で、全てのダミーを破壊しなければダメージを与えられない。ただし精神コマンド「自爆」はダミーの影響を受けない。
      • 主にリアル系の一部ボスが実装しているが、その数最大7つ。どんな弱い攻撃でもダミーを破壊できるとはいえ、実装しているのはル・カインやハマーン、シロッコ、ガトー、シャアといった当てるだけでも大変なものばかりで、かなりイライラさせられる。
  • セーブデータ数が少ない。本ソフトに保存できるセーブデータは2つであり、増やすにはコントローラーパック(2つ拡張)が必須となる。
  • 20話前後という早いタイミングでラスボスの一人と戦い、そして必ず倒さないといけない衝撃の展開が起こる。無論ターン経過やHP減少による途中撤退は無いうえ、能力値も最終話仕様のまま
    • 自軍の状態によってはダメージが全く与えられないという事態になったプレイヤーもいる。なおかつ、毎ターンHPが30%回復するため、1ターンで止めを刺さないとまず勝てない。

参戦作品の扱い

  • 『08小隊』は原作途中での参戦のため、パイロットはシロー・アマダ、アイナ・サハリンの2人のみで、ユニットもEZ-8及びアプサラスのみ、原作再現もほとんどない。
    • 主人公のシローは能力と精神が中途半端で、陸戦用のEZ-8共にお世辞にも使えるとは言えない。アイナは精神が優れ支援に向いており、アプサラスは改造段階の関係で本作最強のMA。
  • 『0083』はユニットが5機(その内戦艦一艘)、パイロットもコウとガトーの二人のみ。こちらも原作再現は皆無。ただしユニットの性能は優秀。
    • ルートによっては主人公であるコウよりもガトーの方が目立ち、ライバルとは思えないくらい絡みもない。しかし本作のコウは過去作に比べ能力が大幅に引き上げられており充分一線を任せられる強さになった。
    • ガトーは敵組織に監禁されている状態で登場する。ソロモンの悪夢が悪夢を見るはめになるとは。
  • 『蒼き流星SPTレイズナー』は、いわゆる第2部からのスタートだが、グラドス帝国はムゲ帝国の被支配国として地球を支配しているという微妙な立場。
  • 『ジャイアント・ロボ』がシリーズ初参戦でありながら冷遇気味。
    • ジャイアント・ロボはあらゆる点で微妙な性能。隠しユニット入手に関わる大作の撃墜数が条件を満たしたら倉庫番にするプレイヤーが後を絶たなかった。
    • なお、その隠しユニットである銀鈴ロボはパイロットが前述の超能力持ちなうえ精神が充実しており、改造段階も高いため原作に反して明らかにジャイアントロボよりも強い。
    • 原作同様ではあるが、序盤からBF団はとにかく目的も行動理由もよく分からない。これが終盤、もしくは続編への伏線であるなら十分理解できるのだが、そんなことは無かった。
      • 終盤でいきなり銀河帝国に接触するのだが、これまた真相は不明。結局決戦シナリオが存在せず、終盤でフェードアウトしいつの間にか登場しなくなるという冷遇ぶり。攻略本でも「全てが謎」という書かれ方をされていた。ビッグファイアにせよ孔明にせよ、一体何がしたいのだろう?
    • 一方でクロスオーバー面では、イベント戦闘とはいえ、衝撃のアルベルトがGガンダムのキャラクターと生身で戦うシーンがある。しかも対戦相手は中の人が同じという夢の対決。
  • 『Gガンダム』は能力もシナリオ面でも優遇されているが、その中でボルトガンダムのみが特殊能力や対空攻撃の手段に乏しく、使いづらい。
    • 今作では1度だけ師匠と共闘するマップがあるが、最終的には死亡してしまい仲間にはならない。また、ルート展開によっては最後までドモンと解り逢えない可能性もある。
      • 代わりと言っては何だが、今作では条件を満たせばシュバルツ・ブルーダーが死亡することなく最後まで仲間として戦ってくれる。
  • 『逆襲のシャア』の原作再現の都合上、最終的にクワトロは無条件で裏切るため育てるメリットがない。攻略本でも「困った人」呼ばわりされていた。
    • 一方でクワトロを取り巻く部下であるアポリー、ロベルト、キグナンなどは扱いがおかしくなっている。
  • 『ガンダムW』はストーリー面でも挙げられているように超優遇されているが、それでも一部に問題あり。
    • ストーリー的にも重要な、記憶喪失のトロワが記憶を取り戻すイベントがない。
    • EW版の機体は機体性能が大幅に上がるものの、射程が1ばかりになるうえ空への攻撃手段が乏しくなるサンドロック&デスサイズや、シールド防御と切り払いが出来なくなるヘビーアームズなど、射程や防御面で弱体化するユニットが多くやや癖がある。
  • 一部除きガンダムZZ勢がユニット性能的に優遇されている。特にビーチャは中盤で早々と奇跡を覚えるため、GP-02加入後はスーパーロボットの代用として、ジュドーの代わりに1軍入りすることも。
  • ラスボスを倒した後の展開があっさりしすぎている。
    • 「ラスボスとの会話→スタッフロール」で終了である。後日談的なエピソードなどない。参戦作品やオリキャラが魅力的だっただけに戦いの後彼らがどうしているか描いてほしかったという声は多い。

総評

占領下から始まるダークで独特なストーリーや、魅力的な四人のバンプレストオリジナルキャラ、複数回の分岐によるストーリーの変化など長く楽しめる作品。
興味がある方は是非プレイを。

余談

  • スーパーロボット大戦A』の主人公機やラスボス機は本作品の後継機と主人公機をモチーフにしている。ただし内2機は原型機とはかなり戦闘法が異なっている。
  • 後に同人作品ではあるが、『スーパーロボット大戦64データベース』が販売されている。
  • 本作品のタイトルテーマ熱き魂は、当時のPVでは歌詞が付いたものが使用されMIO氏が歌っているのだが、残念ながらサントラが発売されていないだけでなくスーパーロボット魂 ザ・ベストでも収録されていないため未だにCD化していない。
  • 本作のCMナレーションは、明神タケル役の水島裕氏が務めた。また後年ゴッドマーズに声付きで参戦したのはこれより12年後の第2次Zが初となった。

関連作:スーパーロボット大戦リンクバトラー

【すーぱーろぼっとたいせんりんくばとらー】

ジャンル シミュレーションバトル
対応機種 ゲームボーイカラー(全GB共通)
発売元 バンプレスト
発売日 1999年10月1日
定価 4,725円
スーパーロボット大戦シリーズリンク

概要

スーパーロボット大戦64に先行して発売された作品。
『64』の大戦から1世紀半が経った時代を舞台とし、「ロボットやパイロットのデータを集めて試合に勝ち上がっていく」「集めたデータで対人戦が可能」という、トレーディングカードゲーム的な内容となっている。

特徴

GBパックを用いて『64』とリンクさせることで『機動戦士ガンダムF91』『無敵超人ザンボット3』『戦国魔神ゴーショーグン』の3作品のユニットを送り込んだり、周回攻略速度を速めるための経験値タンクとして使うことができる。
そういった意味で、『64』をプレイするには必ずセットで手元に揃えておきたい一本である。
また、後に発売される『スパロボ学園』の先駆的存在とも言える(スパロボ学園と違い短いながらもきちんと各作品のBGMも再現されている)。
スパロボ64の難易度が高めだったこともあり、本作はなかなかのヒットをしたようだ。
本作品の精神コマンドは、通常のスパロボに比べるとかなり独特なものになっている。
上記の通り、リンクさせるとユニットとキャラが追加されるが、同時に敵パイロットのレベルも上昇する。
本作のゴッドマーズはゴッドファイヤーを使用後にファイナルゴッドマーズを使用するが、64や次に登場したDでは使われず、第2次Zにて再び使用された。
また、CPU専用のユニットとして、グフ(ランバ・ラル)、マスターガンダム、東方不敗が登場する。