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クロス探偵物語 - (2011/04/10 (日) 15:40:14) の編集履歴(バックアップ)
クロス探偵物語
【くろすたんていものがたり】
ジャンル
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アドベンチャー
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対応機種
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セガサターン プレイステーション
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メディア
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CD-ROM 2枚組(PS版は3枚組)
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発売・開発元
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ワークジャム※
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発売日
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【SS】1998年6月25日 【PS】1999年8月1日
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定価
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6,800円
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プレイ人数
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1人
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備考
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【PS】Major Wave 1500:前後編共に2000年9月28日発売/1,500円
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※
概要
ワークジャムから発売されたコマンド総当たり式本格推理アドベンチャーゲーム。
企画・脚本・監督は『ゼロヨンチャンプ』の神長豊。発売元のワークジャムは『探偵 神宮寺三郎』シリーズで知られている。キャラクターデザインは玉置一平。主題歌「大都会交響楽」を務めたのはピチカート・ファイヴ。
マッハシークと呼ばれる独自の高速データ読み込み技術を使用しており、データロードの時間が短縮されているのが特徴。
SS版のみ『もつれた7つのラビリンス』とサブタイトルがつく。
謳い文句は「今世紀最高にして究極!推理アドベンチャーゲーム大革命、今ここに勃発!!」
冒頭までのストーリー
主人公は、母親を早くに亡くし父親と2人暮らしをしていたが、その父も小学生の時に交通事故で帰らぬ人となっていた。
数年後、高校を卒業した剣は亡き父の墓参りに訪れた際、一人の女性に出会う。
そこで彼女の口から父親の死は交通事故のように見せかけた殺人であったと示唆される。実は主人公自身も父に残された保険金が2億と大金であったことから、密かに疑問を抱いていた。
主人公は父の死の謎を抱えつつも、父の正義を守る意思を継いで探偵になる為、噂に名高い名探偵に弟子入りしようとある探偵事務所を訪れる…。
評価点
軽快さ
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本作のシステム上最大の特徴としてワークジャム独自の「マッハシーク」が存在する。
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これは簡単に言うと「必要なデータを先読みして読込み時間を減らす」という技術で、カートリッジからCDに媒体が変わってから不満点の一つに挙げられた「ロードによる読み込み待ち」が一切ない(当然ロードはあるが、プレイ中の先読みでユーザーにストレスと与えない作りになっている)。
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勿論マッハシーク頼みでなく、読み込みのストレスの無さは例えばキャラに台詞を言わせている裏で次の台詞を読み込んだり、読み込みの前に印象的な一枚絵を入れて読み込みを演出上の「間」のようにみせかけたりといった地道な努力の成果も多分にある。
キャラクター
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主人公は高校を卒業したばかりの若くて行動力があり、決めるところは決めるがちょっぴり3枚目なところもあったりするお茶目な性格で、プレーヤーは親近感を覚え、すんなりとゲームの世界に入っていきやすい。
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脇を固めるキャラクターも、老練なベテラン探偵の上司だったり無意味に若い勝ち気な女性助手だったり高名な推理作家の孫娘だったりと、これでもかと言うほどのステレオタイプ。
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しかし、聞く見るなどコマンド入力時のキャラクターのレスポンスが巧みで、コロコロ変わる反応一つ一つが見ていて楽しい。それでいてたまに意外なコメントをするためありきたりと感じさせない(服装すらも頻繁に変わる)。
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グラフィック枚数は、SS版で5000枚ありPS版では10000枚と差分アニメとしてはかなり多い。
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ただし、青年漫画タッチの為、今時の萌絵風の美少女を期待する人はやめた方がよいかもしれない。
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声優陣も草尾毅(PS版のみ)、横山智佐、斎賀みつき、香川葉月、川澄綾子、稲葉実、井上和彦と非常に豪華。
ストーリー
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全7話のオムニバス。基本はオーソドックスなコマンド選択&ポインタ形式のアドベンチャーゲームだが、シナリオによってサウンドノベル調になったり3Dダンジョン風になったりする。しかし、統一感が損なわれず、ぐいぐいとシナリオに引き込まれていく。
以下、各話の解説
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第1話「名探偵登場」
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依頼者の女性が一人暮らしするマンションにて、深夜二時頃依頼者の就寝中に帽子を被った男が侵入。「その場は撃退できたが、このままでは夜眠ることもできないので調査してほしい。」と弟子入りの為に半ば強引に主人公は女性の依頼を引き受ける。
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第2話「疑惑」
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依頼者の息子が、一人暮らししているマンションで首吊り死体で発見された。警察は自殺と断定したが、「息子は自分に黙って自殺するような人間ではない。真犯人を見つけ出して欲しい。」と嘆願する。何かを感じた主人公は依頼を引き受ける。
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第3話「ゆがんだ名門校」
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名門お嬢様学校に勤める教師が短い期間に立て続けに癌に犯され死亡した。当初は偶然病死のタイミングが重なっただけと思われたのだが、厳しすぎる校則の撤廃とそれが叶わぬ場合の次なる犠牲者を示唆する脅迫状が、校内掲示板に貼り出される事件が起こる。その文面に校則違反の罰が原因で自殺した女生徒の呪いと噂する生徒達の動揺と、名門の名に傷が付くことを怖れた女学長が、冴木探偵事務所へ秘密裏に事件解決することを求めて依頼に訪れる。依頼者とひと悶着あった上司の代わりに主人公が引き受ける。
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第4話「依頼者」
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主人公が探偵事務所に入りたての頃のある雨の夕方、上司が不在中に「恋人が宇宙人がどうか調べて欲しい」と依頼してきた男がいた。いぶかしむ女性助手を尻目に彼は静かに語り出す…。
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第5話「紺碧の記憶」
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女性助手たちとともに、助手の姉が写真撮影をしている伊豆へとバカンスに向かった主人公。姉の泊まる、崖にせり出して立つホテルに遊びにいった主人公と助手は、撮影スタッフが自室で死亡しているのを見つける。電話線が切られ、どこに犯人が潜んでいるか分からない状況で、更にもう一人の死体が発見された…。
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第6話「満月の夜に」
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「満月の日はツイてない…」そのジンクスを固く信じ絶望感に苛まれる男の代わりに、ビルの最上階にある忘れものを取りに行くことにした剣。彼は制限時間以内にセキュリティだらけのハイテクビルの中を最上階までたどり着き、男の願いを叶える事が出来るのか?
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3Dダンジョン調のシナリオ。唯一ゲームオーバーがある。
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第7話「タランチュラ」
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上司が毒物によって倒れた。事務所に置かれた封筒から、上司はこの行為がかつて自分の追いかけていた恐ろしい組織によるものだと気づく。上司はこの組織に妻と娘を殺されていたため、刃向かってはならないと主人公に忠告するが、ある屋敷へ来いという招待状が主人公のもとに届く。上司が狙われたことへの怒り、そして謎の組織の正体を確かめるために主人公は招待先へと向かう…。
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最後の話にふさわしく最大のボリュームを誇り、4つのルートに分岐する。
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事件内容そのものもある程度地に足のついた緩急のあるものになっている。
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パッケージの裏に各話のクリア想定時間が記載されており、それでその話の大体のボリュームが分かる。
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ただし、あくまで目安であり、ゲームにある程度なれている人ならば、記載時間の2/3~半分の時間でクリアできる。
システム
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非常に丁寧に作りこまれたユーザーフレンドリーなシステムで一般的な推理ADVを踏襲しながら昇華させたものになっている。
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「話す」「調べる」などのコマンド選択&虫眼鏡型ポインタのクリックによる調査。推理もコマンド選択の場合と、文字入力(詳細は後述)の2つがある。
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文章はバックログとメッセージスキップ、スキップは未読・既読判別なし。音声は要所のみ。捜査中などは無し、プロローグや犯人指摘の場面は有り。
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推理面での細かいシステムとして、舞台の見取り図・人物の簡易プロフィール参照がいつでも可能。
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どんな選択肢を選ぼうが(第6話以外で)ゲームオーバーになることは絶対にない。ただし、トリックを文字入力する場面で正解が分からなかったり、第5話や第7話のように舞台の広い事件では先に進めるフラグが分からなくなったりして、ハマってしまう場合はある。
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本作には文字入力システムが採用され、重要な場面での推理、例えば犯人の名前・犯行の手口などを、プレイヤーが直接文字で入力する必要がある。
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つまり漠然と捜査をしていたり、セーブ&ロードで選択肢をすべて試すという方法では解決できない(勿論、何回かミスをすればヒントをくれたりする)。
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これは、コマンド選択式になって「コマンド総当たり」という解法が一般的になってしまった推理ものに一石を投じ、プレイヤーがきちんと推理し確信を持って行動する必要性を生み出している。
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少しの答えの揺らぎは許すような設計になっているので、言葉探しと言う推理の本質と異なる部分でもたつくことは少ない。(例 「でんち」でも「かんでんち」「あるかりでんち」でも正解、と言う感じ)
賛否両論点
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アドベンチャー以外の形式の話は人によって微妙と感じるかもしれない。
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サウンドノベル調の話はただ話を聞くだけの為、ゲーム内でやるのではなくドラマCDとして付随したほうがよいのでは?といった意見が散見される。
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3Dダンジョン調の話は操作性が悪く「迫真のリアルタイム3Dアクション」の看板に偽りありと言われやすい。
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アクセントとも言えるが、二つとも、他の話にほとんどからまず、密度も薄い。
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元々後者の話は急遽入れたものだったため、少ない容量と開発期間しかなく開発者も悔いがあるとコメントしている。
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ただし、シナリオそのものは決して悪くなく、特に後者の話はクリア後は心が朗らかになること請け合いである。
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ほぼ毎回最後がどつきオチのため、人によっては食傷気味になるかもしれない。
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ただし、途中からどつき落ちがない(話の流れ的に入れることができない)話が3話連続で続くので、それほど食傷感は強くない。
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劇画調の死体はかなりグロテスクで耐性が無い人にとっては辛い。
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CERO・PTA上等&これでもかと言わんばかりにとにかく惨殺体が多い。この傾向は第7話で頂点を迎える。
難点
仕様
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一話において、ある人物の居る場所を探すために文字入力をする場面があるのだが、2つのヒントのうち1つが「大きな卵」。
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これは日本人なら誰もが知っているある施設のニックネームなのだが、数十年前ならいざ知らず今となっては完全に死語になっており、首都圏外出身の20歳前半以下のプレイヤーにとっては、全話を通して最難関かもしれない。
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特定の場面で特定のコマンドを何度も行わないと次の場面に進まない(セーブもできない)ため、そこで「全ての行動を試したのに…」とつまずきやすい。
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フラグ管理に一部失敗しているところがあり、まだ発生していない事件の情報が突然出たりする部分がある。
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セーブが、全編通して1箇所のみ。ただし、最終話以外は一本道なので、そんなに困る事も無い。また、音量調節も無い。
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選択しているコマンドが太字になるだけなので多少見にくく、画面上に右にあるものがコマンドの配置としては左にあるなど、疑問を感じる部分がある。
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マッハシークでグラフィックデータを軽くする関係上、画面を粗くし、アニメが部分的な箇所だけが動くという、少々古い手法をとる結果となっている。
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とはいえ、上記はせいぜい、少し気になる(不親切な)点程度で、そこまでのものではない。
未完成
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本作の最大にして、ほぼ唯一の難点。
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当初から続編が予定されていたらしく、本編シナリオにも伏線が残されたままの箇所が多い。(例えば、オープニングから語られている主人公の父親の死や、その他の人物との関係が消化されないままになっている)
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00年に発売された廉価版では、続編の予告ムービーが追加されていたが、08年に公式サイトにて企画の中止が発表されてしまった。
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当時のファミ通のインタビューによれば「続編は必ず製作する」「構想はほぼ完成している」との事で、2002年の新作発表会では「これから同社は『探偵 神宮寺三郎』シリーズ、『クロス探偵物語』シリーズを2本の柱に、ゲーム制作に注力していく」と完全にシリーズ構想が存在していた。
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なぜ、そうなってしまったかは後述。
バージョンによる変更点
セガサターン版とプレイステーション版
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PS版は数々の追加要素が加わり、まさに完全版の名に相応しい完成度となっている。
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作画監督の玉置一平曰く、PS版は「スタッフの目指した完成系」。
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主人公の音声はSS版では収録されておらずテキストのみであったが、PS版では新たに声優(CV草尾毅)の収録による音声がついた。
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第1話において依頼人の声がプロの声優のものに再収録され、窓の鍵など、重要な視点の画像など多くのグラフィックが追加された。
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第6話のステージ・部屋の仕掛けが、大幅に変更・追加され、第1~5話の進め方で第6話の制限時間が変わる仕様が無くなった。また、タイマーの下に体力ゲージが表示され、便利になった。
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SS版に収録されていた「せがた三四郎」関連の部分が全削除、グラビア本では代わりに「サッチー」のページになった。
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新規オープニングムービーの追加。リアルタイム処理の為完成度の低かったオープニングが、大幅にクォリティアップした。
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特典ディスクの存在。サウンドノベル調の話をドラマCD化して付属。
通常版と廉価版
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一本の作品から前後編へと分離したことでいくつかの部分が追加された。
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前編には第1話から第4話までを収録し、前編のエンディングと後編の紹介映像が追加された。
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後編には第5話から第7話までを収録し、前編のダイジェストムービーと『クロス探偵物語2』の予告映像が追加された。
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ただし、通常版に付属したドラマCDはない。
続編発売中止の原因
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ワークジャムという何分マイナーなメーカーから発売された為に認知度が低く、とにかく売れなかった。
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制作には神長豊のワンマン的な要因が強く、『探偵 神宮寺三郎』の3倍の労力がかかるらしい。
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それだけ作り込んで販売不振では、1/3の時間で安定して売上げが望める『神宮寺三郎』に見劣りするのは明かで何らかの横やりが入ったのは容易に推察される。
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そもそも、収録されている予告PVもいきなり粗くなった作画(絵柄からして違う)を筆頭に明らかに見切り発車で、全体的に何とも言えない同人臭さが漂っている。
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その後、神長氏が脚本の『探偵 神宮寺三郎 InnocentBlack』、出世作『ゼロヨンチャンプ』の続編『ドリフトチャンプ』が共に転けてしまいメディアへの露出が極端に減った為、責任を取らされた可能性もある。
総評
痒い所まで手が届くシステムと、ミステリーに明るい人間ですら唸らせる要素を含んだ名作で未だに、続編を熱望するファンも少なくない
難易度も手頃でADVの入門編としてもお勧めできる。
ただし、あくまで、未完成で消化不良感があるためそれを気にする人は避けた方がよい。
余談
小ネタの多さに定評があり、変な選択肢を選んだりポインタクリック(美女キャラの顔や胸元等)すると、プレーヤーに黒須が鋭いツッコミを入れてくれる。
開発段階の仕様は「I-VACS」呼ばれるものを作っていた。
これは2枚組のゲームの1枚目をプレイした結果それまでにかかったコマンド数等を元にパスワードを表示し、それを送ることで最適な2枚目が決定し、直接郵送でお届けするというものだった。しかし、郵送によるタイムラグが「プレイヤーにガマンさせない」というコンセプトを持つ「クロス探偵物語」の主旨に大きくはずれる為、ギリギリになって変更された。
このゲームの評価が高かったこともあり、ワークジャムは後に『探偵 神宮寺三郎』シリーズの製作を行うことになる。(本作内にも神宮寺三郎をパロディにした箇所が散見される)
が、ワークジャム版神宮寺第1号となる『InnocentBlack』はシナリオでの神宮寺の扱いが悪かった(弱い、カッコ悪いと散々な評価を受けている)のを始めとするマイナス要因から(前述の通り)スッ転び、シリーズの長い雌伏の原因になった。