「ゴーストトリック」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

ゴーストトリック - (2013/06/22 (土) 01:22:31) の編集履歴(バックアップ)


ゴーストトリック

【ごーすととりっく】

ジャンル アドベンチャー
対応機種 ニンテンドーDS
発売・開発元 カプコン
発売日 2010年6月19日
定価 5040円
分類 良作

概要

逆転裁判シリーズを手掛けた『巧舟』氏の新作ということで話題になったりならなかったりした新感覚ミステリー。
プレイヤーは主人公のタマシイとなって自らの死の真相を追うこととなる。

ストーリー

…しばらく 気を失っていた…
気がついたら、女が立っていた
知らない女だ…たぶん

その横に、男がヒトリ
やはり、知らない男だ…たぶん
…そして、私はといえば…

すでに、死んでいた

「アナタ様は"死者のチカラ"を得た。
 しかし、それはほんの"一時"
 夜が明けて、明日の朝日がさすとき…
 アナタ様は"消滅"いたします。」

今夜。街の片隅で、命と記憶を奪われた"私"は、タマシイとなって目覚めた。
私は、なぜ殺されたのか?
私は、誰に殺されたのか?
そして…私は、誰だったのか…?
…タマシイは、明日の朝"消滅"する…
一夜かぎりの "孤独な追跡劇" が、今。始まる!

システム

シセルは今夜、様々な "死" と巡り合うことになる。そんな亡骸達の運命を死者のチカラを使って更新していくのがゲームの主な目的となっている。

  • 死の4分前に戻り《トリツク》そして《アヤツル》ことで死の運命を変える。ゲーム的には、画面上の物体を動かし、ギミックを発動させ運命の更新というゴールに辿りつかせる。ピタゴラスイッチ的なパズルゲームとなっている。
    • なお、制限時間は現実世界での4分ではない。これはあくまで物語の設定上の数値である。
  • シセルの能力は主に4つ。
    • 《トリツク》
      • 物体に文字通りとり憑くことができる。ただし、コアと呼ばれる光球の見える物体にしかとり憑くことができない。また、一度に移動できる距離は限られているので、様々な物体を乗り継いで行くことが攻略上重要となる。
      • ちなみに、副次効果としてこの能力の使用中は時が止まる。
    • 《アヤツル》
      • とり憑いた物体を文字通り操ることができる。なお、効果は物体によって異なる。積極的にアヤツルことが突破口を開くことに繋がる。 あまりやりすぎると初見殺しの罠にほぼ確実に引っかかるが。
    • 《死の4分前》
      • 死にたての亡骸の死ぬ4分前に戻ることができる。
    • 《デンワ線》
      • 遠く離れた場所にある電話に電話線を伝って移動することができる。番号がわかっていればどこにでも移動できるが、4分前の世界に来ている場合は通話中の電話線しか使えない。
      • 4分前の世界では移動と同時に電話が切られてしまうため、事実上の一方通行になっている。状況を見て移動するか否かを決めなければならない。

登場人物

  • 一部を紹介する。なお、登場人物の多くは死にまつわる単語から付けられている。
    • シセル
      • 自分でも何者なのかわからない本作の主人公、気がついたら死んでいた。自分の死の真相を探るため、命と引きかえに得た"死者のチカラ"で多くの死者を救いながら夜の街を奔走(?)する。名前の由来は「死せる」。
    • リンネ
      • 本作のヒロインで、シセルの死体の第一発見者になった刑事。目的のためならば何度でも死ぬ、歩く死亡フラグ。名前の由来は「輪廻」。
    • カバネラ警部
      • リンネの上司。ユニークな人物だが、自身の真っ白な経歴を守るためには何でもするという一面を持つ。名前の由来は「屍(かばね)」。
    • クネリ
      • ゴミ捨て場で出会った謎の電気スタンド。くねくねするのが好き。シセルに死者のこと、チカラのことを教える。どうやらシセルのことを知っているようだが…。
    • ミサイル
      • リンネが飼っているポメラニアン。主人のために頑張る忠犬。シナリオ担当・巧氏の愛犬がモデルで、逆転裁判にも同名の犬が登場する。
    • ネズミ
      • 陰の主役。本作の象徴といっても過言ではない。

特徴・長所

  • テキストは巧節全開で中々読み応えがあるものになっている。
    • キャラも濃く、クセモノ揃いで魅力的。特に主人公シセルは見た目やパッケージ、広告などにも載っているマヌケな死様とは裏腹に、作中では非常にカッコイイ。
  • ミステリーとオカルトが融合した質の高いシナリオ。
    • 謎が謎を呼び、増えていく登場人物を巻き込んでどんどん展開されていくミステリー。それが後半に入り一気に収束していく様はまさに圧巻。意外な展開や、恐るべきドンデン返しが待っている。
  • 画面は常に劇場の観客視点のような真横からの視点(ムービーを除く)となっており、建造物や車両などは中が丸出しになっている。
    • 『8時だよ全員集合』や『吉本新喜劇』のような感じとでも言えばわかるだろうか。
  • グラフィックは丁寧に描かれている、それでいて本作独特の"味"もよく表現されている。視点は常に真横だがそれもあまり気にならない。
    • ドット絵で描かれたキャラクターがヌルヌル動く。それはもう気持ち悪いぐらいよく動く。
  • BGMのレベルが高い。
    • 作曲は初代逆転裁判の杉森雅和。ミステリアスかつ熱い曲調は雰囲気に見事に合っており、ゲームを盛り上げてくれる。
  • 作中には逆転裁判シリーズを連想させる発言や人物も。
    • 逆転裁判同様、仲間はもちろん悪役であってもコミカルで憎めない、嫌味のないキャラたち。
  • トリツク、アヤツルなどのアクションが非常に個性的。

短所

  • 全編を通して登場するオカルト要素。
    • 主人公が幽霊と言う時点でまあ当然だが、それがシナリオの根幹に非常に深く関わってくるため、好みは分かれる所。特に終盤のシナリオはその要素が非常に強い。
  • 終盤が駆け足気味、意味ありげな部分が割とスルーされている。もっと掘り下げられる所はあっただろう。
  • パッケージイラストが地味。ただでさえとっつきの悪い斬新なシステム・ストーリー・世界観なので逆転裁判のスタッフ製作であることを知らなければ手にも取られなさそう。
    • もっとも、これも本作の味の一つなのだが。
  • 前述の通り操作がかなり独特な割にゲーム中に示されるヒントが少ない。
    • 序盤は慣れないので苦労するが、総当たりで行けるので何度か繰り返せばクリア可能。後半は慣れてくるがその分仕掛けの難易度も増し、「気づき」が必要になる事も多い。特に中盤の山場である第9章などはかなりの難関。
      • そのためやり直しながら試行錯誤していくのが基本となるのだが、やり直す度に強制会話を聞かされたりする不親切な場面も多い。
  • ボリューム不足。
    • やり込み要素のような物は一切無いので、1度クリアしてしまえばそれまでである。もっともそれは逆転裁判シリーズも同様だが。
    • 逆転裁判シリーズ同様、小ネタは多いのでそれを探す楽しみはある。行く必要の無い場所に行くと、事件の核心と関係あったりなかったりする話が聞ける事も。
  • セーブできない時間が長い。

移植

  • iPhone/iPodtouch/iPad向けに移植されている(2010年12月16日配信)。
    • 数章ごとにまとめた分割販売となっているが、全章購入しても1,500円と非常に安価である。
    • しかも第1章・第2章は無料で遊べるという大サービスぶりである。

余談

  • 公式PVが妙にオシャレ。一度は観てみることをおすすめする。
  • 劇中に登場する「テンテコの舞」をディレクターの巧舟氏が自ら踊ってみた動画がネットに上がっている。
  • サウンドトラックは何故かカプコンの通販サイトの限定版の購入特典のみ。*1
    • 一度は再販されたが即完売、現在サウンドトラックは入手困難である。
      • 2013年6月19日から、iTunes Musicでサウンドトラックの配信が開始された。
  • 本作は他のカプコン作品と比べると妙に取扱いが厳しく、ニコニコ動画などにアップされたプレイ、サントラ動画は悉く削除されている。