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ペーパーマリオRPG - (2011/06/22 (水) 12:46:49) の編集履歴(バックアップ)


ペーパーマリオRPG

【ぺーぱーまりおあーるぴーじー】

ジャンル アクションRPG
対応機種 ニンテンドーゲームキューブ
発売元 任天堂
開発元 インテリジェントシステムズ
発売日 2004年7月22日
定価 5,800円
マリオシリーズ・関連作品リンク

概要

マリオストーリー」の正式な続編。そのため、ストーリーに絡みこそしないものの『マリオストーリー』に登場した地名やキャラクターの名が随所に登場する(一部は本編中にも出てくる)。仮題段階では実際に『マリオストーリー2』とされていた。

ストーリー

ある日、マリオの元に手紙が届く。差出人はピーチ姫であった。それにはこのようなことが書かれていた。

「私は今、キノコ王国を巡る旅に出ているのですが、宝の地図を手に入れました。ゴロツキタウンという街で物売りのおばあさんからもらった箱に入っていたのです。私一人じゃ宝探しは大変なので手伝ってください。地図は手紙に入れておいたのでそれを持って、必ず来てください。ゴロツキタウンの港で待っています。」

その手紙を読んでゴロツキタウンの港に来たマリオだったが、ピーチ姫の姿が見当たらない。港で姫を探しているとフランクリ先生を探しているクリボーの女の子、クリスチーヌに出会い、彼女に地図のことを話すと、彼女の恩師である考古学の権威、フランクリ先生から話を聞くことができた。

フランクリによると、伝説の宝を手にするためには7つのスターストーンという宝石を集め、1000年の扉を開かなければならないという。この地図は七つのスターストーンのありかを指し示す魔法の地図だったのである。

宝を追っていけばピーチ姫とめぐり会えるだろうと思い、マリオは新たな冒険に出るのであった。

システム

  • 登場人物もステージも何もかもが前作よりも「紙っぽさ」が増している。具体的には「マリオが折り紙を折るように、紙飛行機や船に変形する」、「仕掛けが動く際絵本のようにページがめくれたり、壁紙のように吹っ飛んだりする」といった具合である。
    • 前作ではただの演出に過ぎなかった「紙」をギミックなどに反映させることでゲームの一要素として確立させることができた。
  • 基本的なシステムは前作とほぼ同じなので、前作をプレイした人なら特に違和感なくプレイできる。同時に前作とのストーリー的な繋がりはほとんど無いため、前作未プレイの人にも安心してプレイできる。
    • 細かい点で言うなら、新たに「スーパーガード」が搭載されていることが挙げられる。通常のガードよりは判定が厳しいものの成功すればダメージが0になるというまさに諸刃の剣のようなシステムである。それゆえ連続攻撃をスーパーガードしきった時の爽快感もひとしお。
    • アクロバットの追加。攻撃後にタイミングよくボタンを押すと特殊なアクションが発生し、舞台を盛り上げそれに応じてスターパワーが追加される。定位置に戻るまでに連続でキメることでさらに追加される。
  • 新たなシステムとして「劇場システム」が上げられる。本作の戦闘パートは劇場の舞台で行われているという設定のために観客が見ており*1、攻撃アクションに成功する等の行為でスペシャル技を使うための「スターパワー」が増えていく(逆にアクションコマンドをミスしたりなど、がっかりさせるような行動を取ると観客が帰ってしまう)。他にも照明器具が落ちてきたり、ドライアイスが噴出して凍り付いたり視界が悪くなったりなど、劇場の小道具を利用した仕掛けが数多く存在する。
  • 戦闘のテンポは非常に良く、簡単な操作で様々な技を繰り出せる。技の出し方もボタン連打、スティック入力など多彩。またステージをクリアすると入手できる「スターストーン」を使ったスペシャル技も存在する。
  • ストーリー攻略中、凄まじい数の敵キャラ(推定1000体)が現われることがある。これらはハンマーなどの攻撃方法で派手に蹴散らすことが出来、なかなか気持ちいい。
    • ある意味ではゲームキューブの性能を誇示していると思われる。このような演出はほぼ全ステージに登場する。
  • ステージの合間では前作と同様ピーチパートが挿入される他、今作はスーパークッパブラザーズ(クッパパート)なるミニゲームがプレイできる。*2
  • 前作で(も)留守番役だった緑のヒゲことルイージ。今作では彼もエクレア姫なる人物を救う為に冒険しており、ステージをクリアする事に彼の話を聞く事ができる。同時に旅のことを記した小説も出版されており、なんとベストセラーとなるほどの人気になっている。ゲーム内でも商品になっており、実際に読むことができる*3。どうでもいいが、こちらのラスボスは何故かクリキング(前作プロローグのボス)である。
  • バッジの組み合わせやアクションコマンドによってかなり楽になるのだが、総合的な難易度は前作と比べるとやや上昇。
  • 収集要素。
    • 敵キャラのプロフィールや料理、バッジといった情報が記録されるようになった。

個性溢れる仲間キャラ

  • 今作では前作同様に仲間になるキャラ一人一人に個性があり、各キャラにしか出来ないアクション・攻撃が存在する。本作を攻略するには全員の力が必要で、こういったRPGにありがちな「いらないキャラ」が誰一人として存在しない*4。また前作とは違い仲間にも固有のHPが設定され*5、これにより戦略の組み方が変わった。(以下、少しだけ紹介)

クリスチーヌ

  • 考古学者を目指すクリボーの女の子。本作のヒロイン的存在で、自己主張が強い性格。
  • 前作のクリオポジションで特技はクリオ同様に『ものしり』。マップ上で使えば攻略のヒントだけでなくちょっとした小ネタを喋ってくれることもある。全ての人物に大してコメントしてくれるため、攻略中でなくても一見の価値あり。
    • 本作のものしりはきちんと履歴が保存されており、すべての敵キャラにものしりをするといった遊び方も可能。ちなみに、戦う機会が限られているボスキャラにものしりをしそこねた場合も救済措置が用意されている。
  • 攻撃方法は頭突き。ランクが上がればマリオのレンゾクジャンプと同じ性能の技を使うこともでき、コマンド入力に成功する限り半永久的にダメージを与えることができる。

ノコタロウ

  • ハナハナ村に住むノコノコ、前作のカメキポジション。気弱だが決してヘタレではなく、勇気を出してマリオの冒険についていく。
  • 甲羅になることで遠くにあるスイッチを押すことができる。さらにボタンを押しっぱなしにすればホールドすることができ、任意のタイミングでスイッチにぶつけることができる。もちろん敵に対する先制攻撃も可能。
  • 地上の敵をまとめて攻撃する技を持っており、さらにランクが上がると防御無視の技も覚える。地上の敵に対してはめっぽう強いが、他のノコノコ同様空中からの攻撃を喰らうとひっくり返って一回休みになってしまう。

音楽

  • 全体的に良質で、ボス戦のように盛り上げるところはしっかり盛り上げ、不気味なところはしっかり怖さを演出している。
  • ややテクノよりで、さらに重い曲など、癖が強いのは賛否が分かれるところか。
    • ちなみに作曲は「ファイアーエムブレム」でおなじみの辻横氏や「マリオ」にはなくてはならない存在となった近藤氏などといった豪華な面々。特にファイアーエムブレムでの辻横氏の重厚な曲のイメージを持っている人には尚更衝撃的である。

難点

  • 移動のテンポが悪く、遠いところまで行く為のショートカットがほとんどない。
    • この欠点が顕著に表れるのがステージ4。ショートカットが無い上にかなり距離が離れているウスグラ村とオドロン寺院を何度も何度も行き来しなければならず、繰り返す雑魚敵との戦闘にだんだんとだれてしまう。
    • ウーロン街という街は空中に浮いている設定で、飛行船でしか行けない。しかしこの飛行船、途中の航行シーンはカットできても乗り降りがカットできない(これも割と時間がかかる)。
    • ステージ7の人探しイベントも上記のウーロン街を含めてあちこちを行き来する必要があるため、この欠点はかなり痛い。
  • バトル中ステージの仕掛けが動く瞬間がほとんどノーヒント。
    • ピンチの時に凍らされてしまったりすると文字通りお手上げ状態。中には自軍にだけマイナスに働くものもあったりする。
  • 持てるアイテムの数が少ない(初期で10個)。
    • 「100階ダンジョン」で手に入るあるアイテムを入手すると20個まで持てるようになるが、それがある階が50階。難易度も相まってかなりしんどい。
  • クリア後のやり込み要素が薄く、隠しダンジョンである100階ダンジョン以外に特に新しいイベントなどは無い。
    • とは言え本編クリア後の各人物のその後を知る事ができるため、あながち薄いとも言い切れない。

本作の大きな特徴

本作最大の特徴はなんと言っても、およそマリオシリーズらしくないシリアスな世界観・言語などであろう。*6
賛否分かれたり、語り草になったりと本作を語る上では絶対に外せない要素である。

  • まず最初の舞台である「ゴロツキタウン」はあちこちが荒れ放題で、中央には街のシンボルたる絞首台が堂々と鎮座している。しかもオープニングイベント中会話している後ろでいきなりヤ○ザの抗争が展開される。のっけからこれである(ちなみにマリオ達はもちろん誰も見向きもしない)。
    • さらに「親から金を盗んだ」「イカサマした」などの犯罪行為・反社会的な言動、心理的恐怖を描いたシナリオなど、これまでファンシーでのほほんとしていた他のマリオシリーズと比べるとかなりハードな描写が多い。
    • ひらがな表記にされているとはいえ、「しぬ」などといった表現も登場する。
  • 序盤のストーリーこそ「近隣住民を恐怖に陥れるドラゴン退治」「悪の組織との戦い*7」など、ここまでは他のゲームでもよくある流れ。だがステージ3では一転、闘技大会に勝ち抜きながら謎の人物の指令をこなし、大会の裏にひそむ陰謀を暴くというミステリアスな展開に。この後もステージ4で別ベクトルの恐ろしい目に遭う事となる。
    • ボスBGMも打って変わっておちゃらけた雰囲気が一切排除されており、バトル直前の流れもあって非常に緊張感漂うものとなっている。
  • 敵である「メガバッテン」の首領であるバツガルフは平気で部下を使い捨て、勝つ為には手段を厭わない冷酷な性格をしたギャグ要素のない極めて真面目な人物。彼の部下であるペケダーを始め本作の登場人物はどこか抜けた所が多い為、異彩を放っている。*8
  • 主にピーチパートで描かれるピーチとあるキャラクターの交流。
  • いわゆる男の娘が登場する。
  • 他にも死にかけている人間にハエがたかる、これまたマリオらしくない堅くて重い音楽などがある。
    これらの傾向は続編『スーパーペーパーマリオ』でより一層顕著になる。
    というか、前作の時点でその片鱗はあったのだが。

総評

  • マリオらしくないシリアスなストーリー・人物などの登場により、新たなファンを獲得すると同時にマリオシリーズの中でも異色の存在となった。*9ストーリーは申し分ない出来なので、今までと違うマリオを体験してみたい人はプレイするのをお勧めする。
  • 続編に「スーパーペーパーマリオ」が出ている。ジャンルはアクションアドベンチャーゲームになり、よりシリアスで謎めいたストーリーが展開される。
  • また3DSで本作の流れを次ぐペーパーマリオシリーズの続編が発売されることが決定している。

小ネタ

  • ガンダムシリーズのシャアに似たパロディキャラが登場する(台詞もシャアが言っていたセリフを言うこともある)。
  • 他の任天堂作品のパロディもチラホラ登場する。
    • 主だったものは『ファイアーエムブレム』と『カエルの為に鐘は鳴る』。