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スーパードンキーコング3 謎のクレミス島 - (2012/12/08 (土) 00:55:51) の編集履歴(バックアップ)


スーパードンキーコング3 謎のクレミス島

【すーぱーどんきーこんぐすりー なぞのくれみすとう】

ジャンル アクション
対応機種 スーパーファミコン
発売元 任天堂
発売元 レア
発売日 1996年11月23日
定価 6,800円
ドンキーコングシリーズ・関連作品リンク

概要

任天堂・レア社のタッグで制作されたスーパードンキーコングシリーズの第3弾。前作に登場したディクシーコングと新キャラクターのディンキーコングが主人公を務める。


ストーリー

キャプテンクルールとの戦いに勝ったドンキーたちは、DKアイランドでのんびりと過ごしていました。
ある朝、ディクシーがディディーの部屋を訪れると、ディディーの姿はなく、走り書きのメモだけが置いてありました。

ディクシーへ
ドンキーとしまをたんけんしてくる。あす、もどる。
ディディーより

しかし、2日経ってもドンキーとディディーは帰ってこない。心配になったディクシーはクレミス島へ向かい、リンクリーとファンキーに話を聞くことにした。
リンクリーによると、ドンキーとディディーの姿は見かけたけれど、行き先は聞いていないとのこと。
ファンキーを訪ねると、親せきのディンキーコングを連れていくように言われます。
ディンキーは赤ちゃんコングですが、きっと冒険の大きな助けとなるでしょう。
ディクシーとディンキーは謎につつまれたクレミス島でドンキーとディディーを見つけ出すため冒険に出発しました。


特徴および前作からの変更点

「チームアップ」の性能の変更

  • 前作ではどちらが投げても同じだったが、今作ではどちらが投げるかでアクションが大きく変わる。
    • パワーのあるディンキーがディクシーを投げる場合は遠く(あるいは高く)まで投げることができる。
    • 反対にディクシーがディンキーを投げる場合はあまり遠く(あるいは高く)まで投げることができず、動きも鈍くなる。その代わり、特定の床にぶつけると穴を開けたり「ローリングプレイ*1」を行ったりすることができる。

アニマルフレンドの変更

  • 前作のアニマルフレンドのうちランビ・ラトリー・クラッパー・グリマーがリストラされ、代わりにエリーとパリーが追加された。アニマルフレンドが登場する機会も多く、アニマルバレルで変身するステージも増えた。
    • エリー:象のアニマルフレンド。パワーはないが、以下のようなさまざまなアクションが可能。エリーのアクションを主体にしたステージも多く、アニマルフレンドの中で最も多く登場する。
      • タルを持ち上げて投げることができる。鼻で離れたところにあるタルを吸い寄せることも可能。
      • 滝や水辺の水を吸い込み、発射して攻撃できる。使えるのは一部のステージのみで、使えるステージでは画面右下にゲージが表示される。
      • ネズミが苦手で、スニークという敵を明るい場所で見ると一目散に逃げ出す。ロストワールドではスニークに驚いて暴走するエリーを操作するステージもある。
    • エンガード・スクイッター・スコークス:基本的には前作と同じ。スクイッターは敵やタルを踏むことができるようになった。
    • コークス:今作ではスコークス同様、飛ぶことができる。卵を吐くことはできないが、代わりにタルを足でつかんで運ぶことができる。足でつかむのでコングたちは運べず、変身のみの登場。
    • パリー:小鳥のアニマルフレンド。コングたちの頭上を一定距離を保って飛び、アイテムを取ってくれる。アイテムを持つ鳥「ブーティバード」以外の敵(主に蜂の敵である「バズ」)にぶつかると逃げてしまう。禁止サインまで連れて行くとほかのアニマルよりもいいものに変身する。ボーナスバレルになることが多い。

評価点

シリーズ最高のグラフィック

  • 「スーパーファミコン史上最高のグラフィック」を自ら謳うだけあって、グラフィックはシリーズ最高なのはもちろん、スーファミの中でもトップクラスのグラフィックを誇る。

やりこみ要素のパワーアップ

  • 普通にゲームを進めるだけでも各ステージのボスを倒したり、島に住むクマの願いを聞いたりしてアイテムを集めていく必要がある。
  • 「ボーナスステージ」「DKコイン」が前作に引き続き登場。
    • 各ステージに隠されたボーナスステージをクリアすると「ボーナスコイン」が入手できる。ボーナスコインは隠しエリアのステージを開放するために必要となる。
    • DKコインは各ステージに隠れている「コイン」という敵を倒して入手するのだが、コインは盾で正面と上をガードするので鋼鉄製タンクを使い背後から攻撃しなくてはならず、コインの攻略法が一種の謎解きになっている。
  • 各地のほこらに封印されていたりクマに飼われていたりする「バナナバード」の収集。封印はミニゲームをクリアすることで解くことができる。すべて集めると真のエンディングを見ることができる。
  • ちなみに、今作の最大達成率は103%。「ハードモード」(後述)をクリアするとさらに達成率が上がる。

練りこまれたステージ構成

  • 相変わらず高めの難易度設定に加え、ステージごとに凝ったギミックが用意されており、以下の楽しくもトラウマなステージとしてよく名前が挙げられる。また、ボーナスステージやボスの攻略法にも一ひねり加えられており、こちらも一筋縄ではいかなくなっている。
    • 後ろからついてくる魚「ニブラ」を空腹にさせないよう、敵を食べさせながら進む「はらぺこニブラ
    • 下から迫ってくるのこぎりに追いかけられながら木の中をのぼっていく「ハラハラのこぎり
    • スクイッターに変身して謎の照準に撃たれないように工場地帯を進む「ねらわれたスクイッター
    • ステージ全域で雷が落ちてくる上、水中に逃げ込んでも雷が落ちると即死する「カミナリに気をつけろ
    • 左右逆の操作+後半の高速覚えゲーに泣かされる「ポンコツロケットでゴー

良質なBGM

  • 今作のBGMは主にイーヴリン・フィッシャー氏が担当しており、デヴィッド・ワイズが担当した前2作とは雰囲気が異なる(わずかだがデヴィッド・ワイズが作曲した曲もある)が、軽快なメロディーが楽しい『Stilt Village』(湖ステージ)やエレキギターが唸る『Nuts and Bolts』(工場ステージ)、「ハラハラのこぎり」でおなじみの『Treetop Tumble』(森ステージ)など、いずれも良曲ぞろいである。また、渓谷ステージで流れる『Rockface Rumble』は前作の鉱山ステージで流れた『Mine』の良アレンジとなっている。

前作からの改善点

  • エリアと全体MAPを自由に行き来できるようになり、「ステージが難しくてセーブポイントが利用できず詰む」ことがなくなった。
  • 相変わらず残機は保存できないが、買い物などに必要なベアーコインがセーブに反映されるようになった。
  • スワンキーの所に何度でも行けるようになった。今作ではボールを的にぶつける「ポイポイゲーム」のテントを経営しており、ゲームに入り浸っているクランキーとの勝負に勝つとバナナやベアーコインが入手できる。負けても景品をくれるのは良心的。

問題点

ドンキーコングが空気

  • 今作でもドンキーは敵に捕まっているため、ゲーム中にはほとんど登場しない。「キャプテンクルールにトドメを刺す」という見せ場があった前作に比べてさらに存在感が薄くなってしまった*2
    • ただ、ゲーム内でドンキーがテキストで喋ったのは本作が初である。

ストーリーも空気

  • 冒険の目的は上記の通り「行方不明になったドンキーとディディーを探し出す」ことなのだが、途中で出会うクマたちもコングファミリーも彼らの行方についてまったく触れないので、ゲームを進めるうちに冒険の目的を忘れてしまう。*3
  • ラスボスを倒すと突然ドンキーとディディーが姿をあらわす。どうやら探検の途中で連れ去られたらしいのだが、詳しい事情ははっきりせず真相は不明。しかもクランキーに「2人の冒険はどうだった?」と尋ねられると、「よくがんばったと思う」「感動した!」と答えるのだが…どこで見ていたんだ?
    • 実は同時にラスボスの直前に戦ったボスの部品が落ちてくるのだが、その中央にフィルムらしきものが回っているのが分かる。ビデオでも回していたのだろうか。
      • もっとも、レア社のメタネタは今に始まったことではないのだが。
  • ちなみにラスボスについてもまったく触れられていないので、登場が唐突に感じる(一応世界征服を企んでいたり、カミさんがいたりするらしいのだが)。おかげで今作のクレムリン軍団がどういう組織なのかもいまいち把握できず、ストーリーのよく分からない感じを助長している。*4

ディクシーとディンキーの性能差

  • 前作同様ディクシーの使い勝手が良すぎるのに対し、当たり判定が大きいディンキーでプレイすると難易度が急上昇する。特に、こちらに向かってくる敵をかわしながら横に張られたロープを移動する「クラスプロープ」「クレバスをのぼれ」や、動きが鈍くなる水中ステージをディンキーだけでクリアするのは至難である。
    • 前作でディクシーと共に冒険したディディーはわずかにスピードなどの能力が高く、タイムアタックに挑戦する層からは必要とされていたのだが、体格が大きいディンキーのメリットは水切りジャンプと踏みつけの威力の高さしかない。
  • ディンキー独自のアクションを使う機会も少ない。特に「水切りジャンプ」の活躍する機会が「あるステージのボーナスバレルに行くとき」と「あるステージのDKコインを取りに行くとき」の2回しかない(しかも、その2か所も他の手段で行くことができたりする)のは哀しい。「ローリングプレイ」にいたっては攻略には一切必要ない。

ボーナスステージの難しさ

  • 今作のボーナスステージは入る条件がシビアなものが多い。特に前述のパリーがボーナスバレルに変化するステージの場合、連れて行くのに失敗するとステージごとやり直さなければならないため手間がかかる。また、アニマル禁止サインでボーナスステージが出現するのは1回きりなので、ボーナスステージ自体もやり直しができず、余計に緊張感が高まる。
    • もちろん、ラスボスと戦うためにはすべてのボーナスコインを集める必要がある。なお、ボーナスコインを集めていないと最終ワールドで先に進めなくなる。*5
  • あるボーナスステージではアクションとかけ離れたシューティングになる。説明なしに突然始まるので初見でクリアするのは難しい(特にボーナスコインの取り方!)。

アニマルフレンドの存在が微妙

  • 本来攻略の手助けとなるべきはずのアニマルフレンドだが、今作で初登場したエリーとパリーはともにクセが強く、難易度を上げるための存在と言われがちである。
  • アニマルフレンドに「変身」して進むステージばかりで「乗る」機会が少ないのも「特殊操作を要求される=難易度上昇」というイメージを強めている。そのせいか、コークス・パリー以外のすべてのアニマルフレンドに乗って進む「ともだちがいっぱい」というステージがある。

その他

  • 全体の雰囲気が前作までと比べ若干洋ゲーチックになったことで賛否が分かれているようだ。特に敵キャラクターについては前2作からほぼ完全に一新され、「ジンガー」などお馴染みだったモンスターも似た役割のキャラクターに置き換えられている。そのほかには以下のような点が挙げられる。
    • 前作までのクレムリン軍団の配色が爬虫類らしいものであったのに対し、今作では緑(コブル、コプター、ノッカ、コイン)・青(クランプル)・黄色(リコイル)・ピンク(スキッダ、クリンプ、コインドーザー)・赤(バズーカ、クラスプ)など極彩色の単色になっていること。
    • なぜかピエロの顔をした魚「ココ」や大きく血走った目をした貝「リラーチ」など、水中の敵のデザインが不気味なこと。
  • 本作にもレア社おなじみの「チートモード」が存在する。データ選択画面でコマンドを入力したあと特定のチートコードを入力すると発動する。チートコードの中には「服の色を変える」「ボーナスステージの曲をクリスマス風に変える」といったお遊び的なものから「DKバレルの数を減らす」「DKバレル、コンティニューバレルをなくす」といった実質的なハードモード(この状態でクリアすると達成率が上がる)まで、さまざまなものがある。

その後の展開

  • 前作同様、GB版が制作されている。『ドンキーコングGB ディクシー&ディンキー』というタイトルで、ストーリーからコース設計、ボスの挙動までがほとんど別のゲームとなっている(本作は当初『ドンキーコングランド2』としてGB後期に開発されていたが、一端開発中止となってGBC用に作り直された逸話がある)。また、日本版はGBC専用ソフトとして発売されたが、海外版はモノクロとなっている。
  • 2005年にGBAに移植されたが、BGM・ボイスやミニゲームの差し替え、追加ボスなどのテコ入れがことごとく不評を買う微妙な出来となってしまった。ただし、新規追加されたエリアの完成度は高い。
  • Wiiバーチャルコンソールで配信されていた。

余談

  • 後の作品『ドンキーコング64』では、リンクリーは故人(故猿?)となっているのだが、この作品の少し後ぐらいに亡くなったようだ。
    すなわち、リンクリーの存命していた最後の作品でもある。前作で初登場したのに今作を最後に死亡させられるのは、ある意味では不遇である。
    • ちなみに、GBAのリメイク版では『1』に登場したキャンディー、『ドンキーコング64』に登場したランキー、タイニー、チャンキーが登場している。
  • ゲーム中、バザー(雑貨屋の熊)との会話で『ゼルダの伝説』のリンクがこの島を訪れたと思われるセリフがある。情報を聞く際、バザーに足元を見られ大金を支払ったようだ。
  • この時期は既にN64が発売されてたため、リンクリーが会話でN64で遊んでいるパターンがある。その際BGMが『スーパーマリオ64』のお城のテーマになる。