「朧村正」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

朧村正 - (2012/10/15 (月) 17:25:59) の編集履歴(バックアップ)


朧村正

【おぼろむらまさ】

ジャンル ARPG
対応機種 Wii
メディア 12cm光ディスク 1枚
発売元 マーベラスエンターテイメント
開発元 ヴァニラウェア
発売日 2009年4月9日
定価 7,140円(税込)
プレイ人数 1人
セーブデータ 1ブロック使用(最大5ファイル保存可)
SDメモリーカードへのコピー可
周辺機器 ヌンチャク
クラシックコントローラ/同PRO
ゲームキューブコントローラ
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
備考 みんなのおすすめセレクション:2010年2月25日/2,800円(税込)


概要

江戸時代(元禄)を舞台にした横スクロール型のアクションRPG 。シンプルな操作で華麗なアクションを披露し、日本的な色彩を取り入れたグラフィックが特徴。

ストーリー

大悪党・飯綱陣九朗の魂に体を乗っ取られ、妖刀を振るう悪の剣豪となってしまった美濃国鳴神藩の姫・百姫が主人公の百姫伝と、過去もなぜ自分が妖刀を持っているのかも忘れてしまった忍者・鬼助を主人公にした鬼助伝の2つのストーリーで構成されている。
百姫伝では陣九朗の改心と百姫の人生の決意、鬼助伝では鬼助の身分違いの恋と復讐が語られる。

評価点

  • 真っ先に目に入るのがヴァニラウェアの本領発揮とも言えるグラフィックの美しさである。日本画の色彩を取り入れた、懐かしさと新鮮味を合わせ持った美しい画像。その中を昔話のイラストのようなデザインのキャラクターがなめらかなアニメーションで動くさまはつい見とれてしまうほど。
    • 特に凝っているのが食事の場面である。ふっくらと炊きあがったご飯。立ち上る湯気。もちもちとした団子。香ばしい色に焼きあがった魚。見ているだけで食欲をそそり、一口ごとに無くなっていくアニメーションはグルメ番組を凌駕した美味しそうな食事映像と言っても過言ではない。
+ 御食事所編

+ 野外料理編

  • 音楽は和風を基本として美しい曲から激しい曲まで非常に高いクオリティのものが揃っている(作曲はベイシスケイプ)。
    • 道中のBGMは各曲穏やかと激しい2つのバージョンが用意されており、敵との遭遇でそれが自然な形で切り替わるようになっている。
  • システム面では、ボタン一つで攻撃とコンボ・防御ができる簡潔さと、画面上の敵を一度に攻撃する居合斬りで見られる爽快さを兼ね備える。防御や奥義の使用で刀の霊力を消費し、霊力がなくなると折れる。そのため装備した3つの刀を切り替え使い分けながら戦うテクニックも要求されアクション性を高めている。
    • 低難度の「無双」と高難度の「修羅」の切り替えがほぼ自由にできる。また難易度の違いによる隠し要素などはないため、好きな方を選択できる。
      • 条件を満たすとさらに高い難度の「死狂」が選べるが、体力1のままで進む、まさに決死のモードである。
  • エンディングの分岐があり、ある程度やりこまなければ真のエンディングに到達できない。
  • バグが非常に少ない。
    • 本作をクリアまで通してやっても、多くの奥義やボスがある割にバグと思わしきものはほとんどない。きちんとデバッグをしたのだろう。
      • 研究や解析をしだすと次々と出てくるものの、進行に困るものはほとんどなく、普通にプレイしている分にはまず起こらない。

難点

  • 内容の短さは大きな難点である。ただラスボスを倒すだけなら、各ストーリーとも5時間、計10時間程度で終わる。セーブポイントも頻繁にあるので、ともすればあっと言う間に終わったと思うプレイヤーもいるだろう。
    • 話の始まりが説明不足と感じる部分もある。これは容量不足で内容を一部カットした事に由来する。ただ、進めていけば理解できる範囲でもある。同じくボスもあと4体登場する予定だった。なお、片方で出なかったボスはクリア後に戦うことが出来る。
  • 操作が簡単ではあるが、その代わり戦闘中は常にAボタンを叩き続ける事になる。ボス戦は10分以上も連打を続けるので手が非常に疲れる。連射機能のないFC初期のシューティングゲームのようである。
    • しかし連打のみのゴリ押しが通るのは「無双」までであり、「修羅」「死狂」あたりになると連打だけでは勝てず、きちんとパターンを読むことが必要。
  • 各刀に用意された特殊技である奥義は性能差が激しい。霊力のコストパフォーマンスがいい割に高い攻撃能力と長い無敵時間があるものもあれば、大した効果の期待できないものまで様々。
    • 「死狂」では奥義を使った時の無敵時間が重要になるため必然的に使う刀が限られてくる。
    • 大きく霊力を消費する奥義は、刀の霊力をいかに消費せずに戦うかが肝となっているシステムにそぐわない。
    • ただし慣れれば「死狂」であっても、奥義を使わずとも攻略は十分可能。
    • 一応、クリア後に霊力が使い放題になる装備品の入手は可能。これを使えばどんな奥義も使い放題。
  • 交通の便が悪い。基本的に移動は徒歩。
    • ショートカット機能であるカゴ屋もあるが、数が少なくわき道に設置されており、さらに一方通行のうえに行きたいところに行けないので使い勝手はいまいち。
    • ワープ用アイテムもあるが、ワープ先が「最後に立ち寄ったセーブポイント」なので思った場所に飛ぶためには使用前に状況を整えておく必要があり、こちらもあまり使い勝手は良くない。
      • 「立ち寄った事のあるセーブポイントのいずれか」であればまだ違っただろうが…
    • クリア済みのダンジョンもやっぱり基本的に徒歩。帰りは上記のワープ用アイテムがあるため楽だが、行きに関してはレベルや装備が強くなってしまうと単調さが強くなる。
      • 戦闘を回避するアイテムがあるが、所持数が10個と少なく売ってる店も限られている。
  • キャラの画風とは裏腹の本格的時代劇であるが、出演声優が時代口調のセリフになれていない節が感じられ、少々興を削ぐ。
    • どうしても気になるというのなら、設定で音声をOFFに可能。

総評

手軽で簡単と本格派を合わせ持ち、アクションが苦手な人も得意な人もやりやすく手応えを感じるバランスを持つゲームで、だれもが心を奪われる美しいグラフィックは特筆すべき長所である。「みんなのニンテンドーチャンネル」のアンケートで2番目に高い評価であるゴールドを獲得し、廉価版である「みんなのおすすめセレクション」第一弾に選ばれている、出来についてはお墨付きと言えるだろう。ただし、夜中にプレイするのはお勧めできない。主に食欲的な意味で。 2012年の東京ゲームショウでPSVITAに移植されることが発表された。発売は2013年3月28日で追加要素も存在するようだ。