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カルドセプト - (2013/06/06 (木) 09:16:36) の編集履歴(バックアップ)


カルドセプト

【かるどせぷと】

ジャンル ボードゲーム
対応機種 セガサターン
発売元 セガ・エンタープライゼス
開発元 大宮ソフト
発売日 1997年10月30日
価格 5,800円
分類 良作

概要

大宮ソフトが開発したボードゲーム。
基本システムは「モノポリー」型だが、「マジック・ザ・ギャザリング」のようにクリーチャー同士の戦闘があるトレーディングカードゲームの要素が加わっている。

特徴

ブック構築

  • 最初に自キャラを作った後、プレイヤー(以下『セプター』)は最初に与えられたカードから50枚を選び『ブック』を作成する。同じカードは4枚まで投入可能。
    • カードの種類は土地に配置する『クリーチャー(所謂モンスター)』、そのクリーチャーに戦闘時使用させる『アイテム』、マップ移動時に使用する『スペル』の三種類。これらをバランスよく入れるのが常識ではある。
      • アイテムは武器・防具・巻物・道具の4カテゴリがあり、クリーチャーはそれぞれ使えるアイテムのカテゴリが異なる。強力なクリーチャーと強力なアイテムがあれば万能、などとはいかない。
    • 同じマップでもブックの内容によって戦略が全く違ってくるため、様々なカードがあるこのゲームではその気になればクリーチャー無しで勝つことも可能。
  • 属性を持つクリーチャーは属性毎にある共通の特徴を持つものが多い。例えば火属性ならSTやHPが高いクリーチャーが多く、地属性は援護能力を持つクリーチャーが多い・・・など。
    • 無属性のクリーチャーはこの地形効果を受けられないが、その分個性的でハマると強いクリーチャーが揃っている。
    • 基礎パラメータの高さを選ぶか、特殊能力の強さを選ぶか、スペルやアイテムとの相性は、敵の作戦への対策は・・・。ブック構築で考えるべき事はいくらでもある。

試合の流れ

  • 試合が始まると、各々のセプターはブック中のカード6枚と一定の『魔力』を持ってマップの周回を開始する。
    • 最初は全員『城』から始まり、『砦』というチェックポイントを通ってからまた城に戻ってくることにより周回が成立。マップにもよるが、『砦』さえ通れば廻る方向は任意なのでマップは自由に動きまわることができる。
    • 手札は毎ターン、ブックから1枚ずつ引いていく。50枚全部引き終わっても1周してループするので、カード切れで試合が終わってしまうことは無い。もちろん土地に配置したクリーチャーのカードも、使ったスペル等のカードもまた引くことができる。
  • 1ターンに1回、ダイスを振ってその出目分進む。ダイスを振る前に手札に『スペル』があればそれを使うことが出来る。マップ上のクリーチャーにダメージを与えるもの、次のダイスの出目を操作するもの、対戦相手を動けなくするもの、ブックのカードを覗き見するもの、魔力を得るもの・・・など多種多様。
  • 所有者のいない土地に止まると、そこに手札からクリーチャーを召喚して配置し占領する。
    • クリーチャーを召喚するには魔力(お金)が必要になる。また、召喚条件として呼ぶクリーチャーの属性と同じ属性の土地が1つか2つ必要だったり、ディスカード(カードを1枚生贄にする)の必要がある者もいる。
      • 強力な能力を持つクリーチャーほどコストや制限が厳しい傾向にあるため、代償が大きくて強いクリーチャーばかりでなく、弱いが低コストで条件が緩いクリーチャーも必要になってくる。
    • 土地の属性と同じ属性のクリーチャーなら『地形効果』を受けて戦闘中のHPに補正がかかる。また土地のレベルが高くなる程これも厚くなる。
    • 占領した土地に領地コマンドで魔力を払うと『レベル』が上がり、また同エリア内で同じ属性の土地を複数持つと『連鎖』が起きて価値と通行料が上昇する。さらに『護符』という株に似た要素も存在する。
  • 既に所有者のいる土地に止まった場合は『通行料』を払わなければならないが、手札のクリーチャーを召喚して『侵略』することも可能。
    • 止まった側が侵略を選ぶとクリーチャー同士の戦闘が発生。互いの能力値の他に特殊能力やアイテムも鑑みて勝敗が決定し、侵略側が相手のクリーチャーを撃破すればその土地を奪うことができる。
    • これがこのゲーム最大の醍醐味である。通行料激高の土地に相手が止まって小踊りしていたら、土地を奪われ大逆転されたというのは日常茶飯事。もちろんその逆も可能。
      • クリーチャーの出し惜しみ、明らかに勝てないクリ-チャーによる玉砕も作戦の一つとなり得る。
  • これを繰り返し、手持ちの魔力+土地の価値+護符の価値が目標値以上になった状態で城に帰り着けば勝利。逆に言えば城に帰り着かない限りはゲームは続くので、そういった状態から形勢をひっくり返す事もカードと運次第では決して不可能ではない。

先述したように、基本ルールは「モノポリー」や「いただきストリート」に類似しており、それらの経験者には理解しやすい。魔力は現金、クリーチャーの配置と土地レベルアップは物件の購入と投資、護符は「いたスト」の株に、それぞれ相当する。
ただし、他人の土地に止まった際にクリーチャーを戦闘させて強奪を試みることができる点、様々なスペルを使える点、それらのカードはあらかじめ構築したブックから順次ドローされる点が、本作の独自性である。

その他の特徴

  • このゲームでは、そのターンに引いたカードや、スペル選択・クリーチャー配置の際にカードを選んでいる間の全手札が、対戦相手に公開された状態となる。
    • 対戦相手の手札の内容は、戦闘を始めとするゲーム中の立ち回り全てに大きく影響を与える最有力情報。見えることで対戦相手への牽制効果もあり、戦闘時におけるアイテム使用の駆け引きをよりスリリングにするスパイスとしてプラスに働いている。
  • 手に入れたカードはコレクションの一覧に加えられ、閲覧することができる。加藤直之や中井覺など著名イラストレーターによるカードイラストは味わい深く、コレクション欲を掻き立ててくれる。
    • コレクションを加えていくことによって「ある条件」を成立させると、ご褒美として特殊なカードが手に入る。全種類コンプリートまでの道は遠く、険しい。
    • ステージ終了時に見られる一枚絵もコレクション要素があり、こちらも見ごたえあり。ゲームでは語られないカルドセプトの背景に触れることができるだろう。

ゲームモード

  • ストーリーモード
    • 先端が老人の顔になっていて人語を話す不思議な杖「ゴリガン」と共に、執拗につきまとうライバル「ゼネス」や世界各地で暴れ回るセプター達相手に戦いつつカードを集めていくモード。待ち受けるセプター達はそれぞれ特徴あるブックを駆使する。カードの収集と、敵セプターの持つブック・戦うマップに応じたブックの構成が勝つための近道となる。
    • このモードではゴリガンがゲーム中におけるポイントや新しい地形の注意点を色々教えてくれるため、プレイしながらルールや勝つためのヒントを学べるようになっている。
    • どのマップも優勝することがクリア条件となる。クリアすれば多くのカードを手に入れるとともに次のマップに挑戦可能で、一度クリアしたマップは何回でも再挑戦可能で、マップによっては相手が変わったり、同じ相手でも使用してくるブックが変わる場合もある。負けても何かしらのカードは手に入るため、難しいマップでもブックを強化していくことでいずれはクリアできるようになるはずである。一応初期ブックでもクリアは可能である。
    • 登場するセプターはブック構成、行動パターン、行動時の台詞等で個性が出ておりcpuと対戦しているような気にさせないようなつくりになっている。
      • 今作に登場するセプター達は一応その地域を荒らしている者たちなのだが主人公に負けた時に大抵改心する。また、台詞や行動原理がユーモラスでどこか憎めない所がある。
  • 対戦モード
    • 人間・CPUキャラクター(キャラクター毎に特有のブックが存在する)を交えて最大4人まで対戦することができるモード。ある意味このモードが「カルドセプト」の真骨頂。基本的に一度でもクリアしたマップが使用可能で、勝利条件を色々設定することが出来る。
      • 「アンティ」ルールを設定することでブックのカードを賭けて勝負することができる。対戦終了後にブックの中からアンティ(賭け札)がランダムに選ばれ、下位のプレイヤーは上位のプレイヤーにアンティの対象となったカードを奪われる。まさに「賭けカルド」である。
    • この対戦モードは、他のプレイヤーとのカードトレード機能も搭載している。手持ちのカードについて、「そのカードをまだ1枚も持っていないプレイヤー」に対して1枚だけ渡すことが可能。

問題点

  • 対戦中CPUキャラクターのメッセージをスキップできない。
    • このシリーズではcpuキャラクターは行動時台詞を言うのだが今作ではスキップができない為に頻繁に間が発生する。
  • 相手のカードが見づらい。
    • 隙を見せたらすぐ逆転されてしまうゲームである以上、手札が見える一瞬の内に内容を把握する事が勝利のカギである。プレイ中は常に目を凝らして画面を注視していなければならない
    • カードの読み合いも重要なゲームであるため、これを見落とすのは大きな痛手である。ちなみにCOMがこちらの手札を見落とすことはない。
  • CPUの思考が単純、クリーチャーの配置(自分の地形優先かばら蒔き)→地形合わせ(交換か地形変化)→LV上げ(節約か奮発)の繰り返しを手当たり次第に行いスペルも適当に使うだけ(例:マジックボルトはHP20のクリーチャーを優先いなければ一番HPの高いクリーチャーに使用)で無駄な戦闘*1も行う。
    • 戦闘に関してはクリーチャーの強さ(特に無効化や反射)を知ったり、ゲームを盛り上げる為の措置とも言えなくもない。全キャラが勝てる戦闘しかしないのではただのサイコロゲームになってしまう。一応侵略頻度はセプターごとに違っており個性付けの一つにもなっている。
  • 狙ったカードが手に入らない。TCGのそれを忠実に再現してあるため原則として『××すれば〇〇のカードが手に入る』ということはなく、何十回とゲームをプレイしても手に入らないカードは手に入らない。
    • マップによって獲得しやすいカードの種類は若干異なる。また、「数回勝つ毎に必ず未入手のカードが手に入る」「持っていないカードに限り、他のプレイヤーとのトレードで入手することができる」という救済措置はある。
  • 初代故の問題点として、カードの性能が全体的にアンバランス。コストの割りに効果が控えめなカード、逆に効果の割りにコストが控えめなカードが多い。
    • 総じて低能力のクリーチャーが有利で大型クリーチャーはコストも召喚条件も厳しい上にデメリットが目立つ為に使いづらい傾向にある。
      • 特殊能力も小型のクリーチャーのほうが充実しており、今作は魔力補充スペルが少なく確実な収入は周回ボーナス(初代には砦通過時の魔力補充も無い)だけの為に魔力配分を考えて行動しなければならないのでますます使いづらい。
      • このため、ラスボスもコストの高い大型クリーチャー主体、好戦的で消耗しやすい、マップの広さもあいまってたいした強さではなくなっている。
+ 本作における強力なカード
  • デコイ(無属性)
    • 自分自身に攻撃力は無いものの巻物以外の攻撃を全て反射してしまう(反射すると自身が受けるはずのダメージを相手に移し変える)というクリーチャー。相手の攻撃力を逆に利用できる上に武器を使用すれば攻撃も行えるため、侵略力・侵略への抑止力ともに非常に高い。マジックボルト*2で一発で破壊されるのが弱点だが、コストが40と安いため序盤から土地にばら撒けるという点で強力。
      • セカンドではHPが10に、武器が使用不可能に調整されたが相変わらず強く、エキスパンション(セカンド)で召喚する際にディスカードが必要になる様調整されたため気軽には使えなくなった。
  • ヘッジホッグ(無属性)
    • デコイと同じく巻物以外の反射能力(ただしこちらは1/2)を持つ。反射能力は弱い物の、HP、ST共にデコイより10多く、コストが15と言う破格の安さなので気軽に使うことが可能。
      • なお、このカードはセガのあるゲームキャラクターがモデルではないが紛らわしいためか、プレイステーション版のエキスパンションでは『バンディクート』に差し替えられている*3。DS版ではコストが40に上昇しているがデコイが上記の調整版の能力に変更された為にこちらの方が使いやすい。
  • スチームギア(無属性)
    • デメリット持ちだが配置制限がなくコスト70、HP、ST共に50のクリーチャー。セカンド(無印50、エキスパンション60)での異常な安さが目に付くクリーチャーだが実は今作でも扱いが良い
      • 後述されている通り高能力のクリーチャーは今作では異常なまでに制約が強く、配置条件なしで防御型ではないクリーチャーの殆どがHP、ST共に30~40台なので領地のLVが1~2ならたとえ地形が合っていようがアイテムなしで殆どのクリーチャーを粉砕できてしまう。HPも高い為にこちらが殴られても耐える事も多い。
      • 一応無属性で地形効果が受けられない、通行料が1/2になるデメリットがあるが、このカードの使いどころは侵略によって相手領地を荒らしたり、連鎖用の領地確保なのでこのデメリットはないも同然、逆に倒しにくい上に通行料が安い為に放置されやすく、むしろメリットである。
      • エキスパンション(初代)では更に無属性を強化するカードが追加されたためにより使い勝手が上昇してしまった。セカンドでは無属性対策のスペルが追加されたが上記の通りコストが下がったために相変わらず強かった。
      • サーガでは削除、DS版ではコストの上昇、他の同能力クリーチャーの召喚条件が緩和された為に使い勝手が悪くなった…いや、他の同能力クリーチャーの使用価値が上がったのでこの扱いが妥当である。相変わらずやるときはやるし
  • グレムリン(風属性)
    • 相手クリーチャーのアイテムを破壊する能力を持つ。この初代でのみ戦闘時に巻物を使うことが可能だった*4ため、攻めても守っても非常に強力だった。しかも風属性入りの初期ブックに必ず入っているので入手も楽。
      • 現在では高能力クリーチャーの配置条件やコストの見直し、後述の対破壊アイテム等の登場で相当弱体化されたが連鎖を切り崩したり、スペルで強化して拠点にする等使えないほどではない。
  • ミルメコレオ(風属性)
    • 戦闘で一度倒されてもドラゴンフライ(火属性)として蘇る能力を持つ。その為に通行料を貪れる確率が非常に高く、HPも40ある為攻撃スペルにもある程度の耐性を持つ為に属性問わず使用できる程のクリーチャー。
      • 現在では「クリーチャーの差し替え」、「配置制限の追加」、「HPの減少」と言った調整が施された。
  • グレムリンアムル(アイテム、道具)
    • 前述のグレムリンの特殊能力を得られるアイテム。一見地味な効果だが、侵略・防衛ともに非常に汎用性が高く、特に防衛面では地形効果を受けての守りをアイテム無しで落とすのが困難であるため、このカードが手札にあるだけで異常なまでの牽制力を持ち、今作ではどのクリーチャーでも使用でき、どのアイテムも破壊可能。
      • さらにセガサターン版では使用コストが10と0同然の低さだった。エキスパンション(初代)では40と引き上げられたが、以降の作品でも一作ごとにコストが見直されたり(10→40→50)2枚のカードに効果を分散する等の調整を繰り返し、現在では100となった。それでもアイテム最強の一角*5は不動とされるほど強力なカードである。
      • セカンド以降では「アイテムを使用しないと巻物攻撃を放つ」「盗み、アイテム破壊の効果を受けない」というクリーチャー・アイテムも登場し、このグレムリンアムルの無敵性を弱めている。ただしこれらの能力を持つカードは総じてコスト、能力面で劣っているためにスペルで直接破壊する、囮を使った侵略でグレムリンアムルを使用させるほうが有効なことも多かった。
        3DS版では破壊できないアイテムに一癖のある物*6が加わり汎用性にも陰りが見え始めている。
  • アンサモン(スペル)
    • 対象のクリーチャーを相手の手札に戻すことができるスペル。コストは200と高いが、止まれば2000も支払わなければならないレベル5土地のクリーチャーも排除できてしまう。続くダイスでその土地を奪われては目も当てられない。
      • セカンドでは削除され(互換カードもなし)エキスパンション(セカンド)にて事前準備が必要で効果対象も大きく狭めた「エグザイル」に代えられている。なお、DS版でアンサモンが再登場した際も事前準備こそ必要ないが「対象はレベル3以下の土地のみ」「ディスカード有り」と大きく弱体化した。
  • メテオストーム(スペル)
    • 「対象の土地をレベル1にする」メテオの強化版。ランダム(自分の領地も含む)で選ばれた5つの土地にメテオを落とすという大味極まりないカード。コストもメテオから100上がっただけ。
    • メテオストームはセガサターン版限定で、エキスパンション(初代)では削除されている。当のメテオ自体も「ディスカードが必要」「連鎖してない場合のみレベルを1に、それ以外は2レベルのみ下げる。」などの弱体化が繰り返された。
  • ライフフォース(スペル)
    • エキスパンション版での追加カード。対象のセプターに「城に到着するまでクリーチャー・アイテムを半額で使える代わりにスペルが一切使えない」状態にする呪いをかけるのだが、この「スペルが使えない」という状態を利用し、相手が城に到着しないように一方的にスペルで妨害をかけるという戦法が凶悪。
      • 実は「アイテムが半額で使える」のはカードの説明には明記されていなかった。後の作品ではこれも明記されている。
  • リンカネーション(スペル)
    • 現在の手札を捨てて手札を6枚にする。コストはたったの10で、ブックの回転が早まり手札が最大になる為に純正ドロースペルの「ホープ」(カードを二枚引く)がただの紙きれになるほど強力なスペル。
      • 現在ではコストを高くし、使用前の手札の数しか引けなくして手札自体は増えないように調整され、ホープなどの純正ドロースペルとの棲み分けがされている。
  • 護符購入にデメリットがない。
    • エキスパンション以降はアンチ護符の効果を持つカードが追加されたが今作は存在しない。せいぜい護符を買う事で現魔力が低くなる事しかデメリットがない。
      • 基本的に連鎖やレベルアップ等でエリアの護符の価値が上昇していくので早めに購入しておくと総魔力が上昇し有利になる。cpuキャラクターは積極的に土地価値を上げてくるので特に有効である。

総評

最適なクリーチャー(とアイテム)とそれを召喚する魔力さえあれば、レベルが最大の土地でも奪うことできる。このため、金にものを言わせがちな従来の「モノポリー」系ゲームとくらべ非常に逆転要素が強い。また“土地に配置する”クリーチャーや“ボードゲーム”の中で使用するスペルには、ともすれば常に正面からぶつかりがちな従来のTCGと比べても異質かつ多彩なカードが揃っている。この両方のジャンルの「いいとこどり」をしたような高いゲーム性は、今もコンピュータゲームにおける両ジャンルの最高峰ゲームとして非常に評価が高い。

カルドセプト エキスパンション

【かるどせぷと えきすぱんしょん】

ジャンル ボードゲーム
対応機種 プレイステーション
発売元 メディアファクトリー
開発元 大宮ソフト
発売日 1999年5月1日
価格 6,090円
分類 良作
  • その後バグ修正と一部カードの削除・追加を施し『カルドセプト エキスパンション』としてPSに移植された。おそらくこちらの方が有名だろう。
    • ゲーム性を考慮してか「プレイヤー間の土地の取引」が無くなった。この要素は続編でも再登場していない。
    • 『セプターズギルド』というおまけシナリオと拡張データ入りのCDROM付き冊子が2冊発売されておりこのデータを使えば上記の強力なカードのいくつかが簡単に手に入る。
      • ゲームのネタや敵セプターのセリフ集など読み物としても楽しめる内容である。特にグレムリンに関する憎しみのコメントが凄い「グレムリンにフュージョン持たすなんて卑怯極まりない。」、「グレムリンにミューテーションをかけて強化し、ランドプロテクトを付けるなど大人のやることではない。」…
    • このPS版の廉価版は『カルドセプト エキスパンション プラス』としてさらなるマップが追加されている。

カルドセプトDS

【かるどせぷと でぃーえす】

ジャンル ボードゲーム
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 セガ
開発元 大宮ソフト
発売日 2008年10月16日
価格 4,800円
分類 良作
  • 初代(PS版『カルドセプト エキスパンション』)のリメイク。カードの追加とバランスの修正を施し、また『セカンド』の要素も一部取り入れている。

その他

  • 開発の際には「マジック・ザ・ギャザリング」を参考にしたらしく、同作に登場するカードと同じ名称のカードがいくつか登場する。中には「ガセアスフォーム」「アンサモン」など、本家と名称・効果がほぼそのままのものもある。
    • スタッフによると、「ワイルドグロース」もその一つだが、ルールやカードの文面は十分理解していなかったため、後でルールと本家のカードの効果を知って自分達の認識とのギャップにびっくりしたらしい。
    • 後述の『カルドセプト セカンド』にも同じようなものがある。追加されたアイテムの一つ「バタリングラム」は相手の防御型クリーチャーを100%の確率で破壊するが、「マジック・ザ・ギャザリング」でも同名のカードが「ブロックした壁型クリーチャーを破壊する」という代物だった。
  • かねこしんや氏によるコミカライズもされている。
    • ゲームのコミカライズはよくある話だが、この作品の特徴はアレンジじゃすまないぐらい大胆すぎるアレンジが施されており、原作ゲームとの関連性がほぼ皆無なバトル漫画と化していることである。
      • 「セプターが自ら武器を取って戦う」「クリーチャーが自らの意思を持ち、時にセプターに反抗する」など、キャラクターデザインを除けば原作との共通点を探す方が難しいぐらい。
      • しかしその一方で「有利なはずの組み合わせがスペルやアイテムで大逆転」「ここぞという時に地形効果でギリギリ生き残る」など原作のエッセンスも散りばめられており、何気にバトル漫画としてはなかなかの良作だったりする。
      • 主人公のオリジナルキャラ、「ナジャラン」は後のシリーズにゲスト出演している。