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ファイナルファイト - (2013/03/06 (水) 09:44:22) の編集履歴(バックアップ)


ファイナルファイト

【ふぁいなるふぁいと】

ジャンル ベルトアクション
対応機種 アーケード(CPシステム)
発売・開発元 カプコン
稼動開始日 1989年12月
ファイナルファイトシリーズリンク

概要

  • 次々に襲ってくる敵を殴り倒しながら、少しずつ進んでいく「ベルトスクロールアクション」の傑作。メイン製作者は後に『ストリートファイターII』を作った西谷亮氏。
  • このジャンルでは本作以前にも『ダブルドラゴン』などが存在していたが、「『ファイナルファイト』はベルトスクロールアクションの基礎を作った」と言われるほど完成度が高い。

ストーリー

超犯罪都市メトロシティ。ここは犯罪集団「マッドギア」の暴力によって支配される街であり、市長であるマイク・ハガーはマッドギアに徹底的な攻撃を加えることで治安を回復させようと試みるも、成果はなかなか上がらなかった。 ある日、市長室で執務中のハガーのもとに一本の電話がかかってくる。電話の主はマッドギアの幹部ダムド。彼はハガーの娘であるジェシカを拉致したと告げる。ハガーの傍らのテレビにも、囚われのジェシカの姿が映し出された。

「これ以上警察を介入させるなら娘の命はないと思いな」

元ストリートファイターでもあったハガーは娘を救い出すため、独力でマッドギアの本拠地に乗り込むことを決意する。ジムでトレーニング中だったジェシカの恋人であり喧嘩屋のコーディーにも協力を求めると、彼のトレーニング仲間で古武術「武神流」を修めている忍者のガイも助太刀せんとそこに加わった。

こうして3人はさらわれたジェシカを助け出すため、マッドギアに戦いを挑むのであった。

特徴

  • ナイフの扱いに長けバランス型で使いやすい主人公コーディー、動きは遅いがパワーは最高のハガー、攻撃力は低いが動きが素早く攻撃回数が多いガイの中から1人を選び、敵を倒しつつ進むアクションゲーム。2人協力プレイも可能。
  • 本作は先発の類似ジャンルに比べて、敵を殴り倒す爽快感を重要視して設計されている。
  1. 通常のパンチからの連続攻撃のほか、跳び蹴り・膝蹴り・投げ技・つかみ技など出せる技は多彩。
  2. キャラによって攻撃方法を変えることで個性を持たせている。ガイやコーディーのパンチはプレイヤーの連射速度次第で非常に速く連発でき、敵の突進攻撃をパンチで止めることも可能。またパンチを当てている最中に振り向いてわざと攻撃を空振りさせることで延々と攻撃し続けるテクニック「パンチはめ」も話題となった。ハガーは若干攻撃速度が遅いが威力が高く、また敵を掴みながら移動することができ、特定の操作でボディプレスやパイルドライバーを放つことができる。
  3. 『ダブルドラゴン』などでは攻撃を受けてうずくまった、しかも自分と体格の同じ敵しか掴めないが、本作では接触すればボスでも掴んで投げや膝蹴りなどを決めることが可能。だが、掴み攻撃を持っている敵に迂闊に近づくと、掴み返されるリスクを伴う。
  4. 投げた敵の体にぶつかった敵は、将棋倒しの如く巻き込まれる。投げのモーション中は無敵であるため、敵を攻撃しているときに他の敵に背後などから接近されても、比較的対処しやすくなっている。
  5. 敵に囲まれた状態でも、完全無敵で回転しながら敵を蹴散らす「必殺技」で切り抜けやすくなっている。ただし、代償として命中した場合少しだけ体力が減るようになっているため、多用は出来ない。攻撃を受けてのけぞっている最中に出せるのはこの技のみで、後世の対戦型格闘ゲームでいう必殺技とは意味合いが違っており、いわゆる「メガクラッシュ」のようなもの・緊急回避的なものとなっている。
  6. 武器アイテムとしてナイフ・日本刀・鉄パイプが用意されている。それぞれコーディー・ガイ・ハガーの得意武器として対応しており、各々で得意武器を手にした場合は特殊な効果が得られる。
  7. 道中には点数アイテムや回復アイテムが手に入る場所もある。回復アイテムは体力が満タンのときに取ると点数が入るため、極めたプレイヤーは極力体力を減らさないように進め、ハイスコアを狙うことができる。

その後の展開

人気作品だったこともあり、いくつかの機種に移植されている。
オリジナルに忠実なものが遊びたい場合はPS2の『カプコン クラシックス コレクション』に収録されているのでそちらがオススメ。
現在でも一部のゲームセンターでプレイする事が可能。

スーパーファミコン版

  • 家庭用初移植。アーケード版からかなり多くの要素が削られているが、爽快感を重視した良移植となっている。
    • 詳細はこちらから参照されたし。

ゲームボーイアドバンス版

  • ファイナルファイトONE』というタイトルでGBAに移植されている。
    • どちらかといえばSFC版をベースにした完全版に近く、アーケードの完全再現には至らないが、作品の魅力を損ねることなく再現している良移植である。
      • 詳細はタイトル名のリンク先を参照されたし。

他機種移植作品

  • X68000版(1992年7月17日発売、カプコン):カプコンのX68000初参入作品。同時出現する敵キャラが4人までという点以外は移植度は高い。
  • メガCD版(『ファイナルファイトCD』)(1993年4月2日発売、セガ・エンタープライゼス):仕様はX68k版に近い。BGMはCD-DAによるアレンジ版に差し替えられている。パンチが遅いなど操作性の悪化があり、あまり高く評価されていない。
  • アーケードでは『ファイナルファイトリベンジ』が続編として出たものの対戦格闘ゲームになっており、ベルトスクロールアクションを踏襲した続編は『ファイナルファイト2』『ファイナルファイト タフ』としてSFCでリリースされた。初代の人気には遠く及ばなかったものの、2人同時プレイや3人(以上)のプレイヤーキャラクター、そしてSFC版でステージごと削除されていたロレントの登場など、初代移植版で果たせなかった要素が実現されている。
  • FCではキャラクターの2.5頭身化・1人プレイ専用・必殺技&レベルの導入など大幅なアレンジ移植が施された『マイティファイナルファイト』がリリースされた。
  • アーケード版の完全移植は、2006年にPS2で発売の『カプコン・クラシックス・コレクション』が初である。

余談

  • 本作には「カプコンUSAのスタッフから『ストリートファイター』の続編を作ってほしいという依頼があったため、製作された」という裏事情がある。「対戦ゲームの続編を作れ」とは言われなかったため、西谷氏はベルトスクロールアクションを題材に選び、このゲームを製作する。AMショーに出展された時のタイトルは『ストリートファイター'89』であったが、ゲーム性が異なることからネーミングで非難を受け、その後タイトルが『ファイナルファイト』に変更された。
    • 『ファイナルファイト』は国内外問わず好評で、基板も飛ぶように売れた。しかし、例のスタッフは『ファイナルファイト』を見て「オレは対戦ゲームを作ってほしかったんだ…」とコメント。それに対し西谷氏は「なら最初からそう言えって!(笑)」と愚痴をこぼしている。
      • その後西谷氏が製作したのが、かの有名な『ストII』である。
  • 本作の大ヒット後ブームが巻き起こり、各ゲームメーカーはこぞって同タイプのアクションゲームをリリース。ベルトスクロールアクションという一大ジャンルが一気に活性化した。
    • 同ジャンルの先駆者であったテクノスジャパンも例に漏れず積極的にリリースしたが、『コンバットライブス』や『ダブルドラゴン3 ロゼッタストーン』などの出来があまり良くなく、カプコンに大きく水をあけられることとなった。
  • 主人公達や敵キャラのキャラ人気が高く、他作品に友情出演している。ハガーは『マッスルボマー』や『MARVEL VS CAPCOM3』に、コーディー・ガイ・ロレント・ソドムは『ストリートファイターZERO』シリーズや『スーパーストリートファイターIV』で登場。また、アンドレはヒューゴーと改名し、セコンドにポイズンを引き連れて『ストリートファイターIII』シリーズに登場している。
    • ただ、コーディーは外見・性能共に非常に地味で他の二人より人気で劣っていたためか『ストZERO3』以降、囚人服を着た無気力な脱獄囚という個性的なキャラクターに変貌してしまっており、賛否が大きく割れている。
  • NAMCOxCAPCOM』でも『ファイナルファイト』代表で、ガイ、ハガーがプレアブルキャラクターとして参戦。
    • また、新作『ストリートファイターX鉄拳』でポイズンの参戦が決定した。本作では『ストIII』同様ヒューゴーとのコンビで参戦。
      • 実は『MAVEL VS. CAPCOM 3』『ストリートファイターX鉄拳』以前に『カプコンファイティングオールスターズ』という作品でハガーとポイズンが参戦し、リュウや春麗とともに共演する予定だったが、残念ながら作品自体がお蔵入りとなってしまった。
  • 本作に登場する敵キャラクターのうち「ポイズン」と「ロキシー」はその設定に関して紆余曲折がある。
    • しかし、アメリカでの稼働時に、夫からドメスティックバイオレンスを受けていた女性から「女性に対する暴力を促している」という旨の抗議を受けた際、カプコンサイドは「(ポイズンとロキシーは)女に見えるが、実際は男だから問題ない」と突っぱねた*1
      • これにより、ポイズンとロキシーの2名はニューハーフキャラクターとして扱われるようになったが、元々はあくまでアメリカでの抗議に対処するための言わばでっち上げであるため、日本版においてはあくまで女性であるとされる。
    • だが、それ以降の作品によっては、日本版でも明確にニューハーフ扱い*2されることもあれば女性*3とされることもあり、更にはぼかされる*4ことがあったりと、実際の所が曖昧になっている。
      • また、開発スタッフ内でも二転三転しており、特に『ストリートファイター4』や『ストリートファイター X 鉄拳』のプロデューサーを務めた小野義徳氏は2007年に受けたインタビューでは「北米版の設定では元男性で性転換手術を経て女性になり、日本版では「上手いこと隠して」女装している」(意訳)としていたのが、2011年に受けたインタビューでは「カプコンからの公式な回答を持たない。ミステリーのままにしておく」(意訳)と回答している。
    • これの煽りか、海外でのスーパーファミコンなどへの移植の際にはポイズンとロキシーはそれぞれ「シド」と「ビリー」というパンクファッションの男性に変えられているが、動きは流用されている。
      • 更には『ファイナルファイト2』でも同様に「マリー」と「エリザ」という女性の敵が出て来るが、これもやはり「レオン」と「ロバート」という男性に動きは流用のまま変えられている。