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熱血高校ドッジボール部 PC番外編 - (2011/08/24 (水) 15:43:53) のソース

//いつの間に単独ページ化してたのか解りませんが、とりあえず内容補強してみました。
//ただ、主観的な面がかなり強くなってると思うので適宜修正願います。
*熱血高校ドッジボール部 PC番外編
【ねっけつこうこうどっじぼーるぶ ぴーしーばんがいへん】
|ジャンル|スポーツ(ドッジボール)|
|対応機種|PCエンジン|
|メディア|Huカード(容量:2Mbit)|
|発売元|ナグザット|
|開発元|エーアイ、アトラス|
|発売日|1990年3月30日|
|定価|5,800円(税抜)|
|プレイ人数|1~2人(2人プレイは対戦プレイのみ)|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br()※バーチャルコンソールで付与されたレーティングを記載|
|備考|バーチャルコンソール:2008年9月30日より配信/600Wiiポイント|
|>|CENTER:''[[くにおくんシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1021.html]]''|
//「2MbitHuカード」とくっつけると見づらく、容量とメディアに半角の間を入れると何か締まらないので後ろに容量を付記しました。
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#contents(fromhere)
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*概要
[[アーケード版>熱血高校ドッジボール部(アーケード版)]]の稼働、[[ファミコン移植版>熱血高校ドッジボール部]]の発売に続いてPCエンジン向けに発売された『''熱血高校ドッジボール部''』の移植作品。
諸般の事情により、発売元はナグザットとなっている。
今作はアーケード版とファミコン版のそれぞれの要素を折衷した内容となっている。
ファミコン版の要素としては必殺シュートの概念・内野選手個々の能力設定などがあるが、能力設定はファミコン版ほどに細かいものでは無くなっている。
また、アーケード版の要素としては試合時間の導入((ただし、それ以外のアーケード版の要素である「シュートの時間制限」・「敵チームの内野メンバー補充」・「キャッチ出来ないシュート」の概念は導入されていない。))・選手のグラフィック・参加チーム・内野の人数が該当する。
そのため、内野は4人となり、チームにおいてはソ連・インド・謎の軍団が削除されている。
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*ゲームモード
**世界大会モード
ファミコン版で言う所の遠征試合モードに当たるモード。
花園高校に勝利したあとはイギリス・アイスランド・中国・アフリカ・アメリカと対戦、それぞれに勝利し、最終的にアメリカに勝利することでクリアとなる。
ただし、本作ではアメリカに勝利後に簡単な表彰式が挟まれたあと、試合時間が30秒短縮した上で再びイギリスとの対戦に戻るループ仕様となっている。
クリア(アメリカに勝利)するごとに試合時間が30秒減らされていくが、アーケード版と異なり、体力や防御力には補正が加わっていない。
また、内野メンバーはファミコン版と異なり、対戦ごとに入れ替えることが出来ず、常に固定の4人を使用することになる。

#region(本作登場チームメンバー編成)
|CENTER:チーム|CENTER:内野|CENTER:外野|
|CENTER:熱血高校|くにお&br()チビ×3(こうじ・しんいち・あきし)|チビ×3|
|CENTER:花園高校|りき&br()チビ×3(あきら・なりたか・けんいち)|チビ×3|
|CENTER:イギリス|怪物(じえむす)&br()痩身(はわあど)&br()チビ×2(ろばあと・まっきい)|チビ&br()痩身×2|
|CENTER:アイスランド|怪物(へいるまん)&br()痩身×3(よあんせん・とろっせん・ろうそん)|痩身×3|
|CENTER:中国|怪物(らおちぇん)&br()肥満体×3(りいふぁん・しゃおちん・いりゃん)|痩身×3|
|CENTER:アフリカ|怪物×3(んじょも・びりまな・がだ)&br()痩身(にぱれれ)|怪物×2&br()痩身|
|CENTER:アメリカ|怪物×4(ういりあむ・まいける・びる・るいす)|怪物×3|
|CENTER:宇宙人|怪物&br()チビ×3|チビ×3|
※内野選手には名前の設定があるが、外野選手には名前の設定が無い。((因みに、内野メンバーの選出は全てファミコン版からの3名とPC番外編で追加されたメンバー1人となっているので、外野メンバーはファミコン版からの6人のうちの残り3人と見ることも出来るが、あくまで憶測の話である。))
※宇宙人はクエストモード最終戦でのみ登場し、内野選手の名前が全て「&bold(){????}」となっている。
※アーケード版紹介ページにある呼称を流用しているが、本作では痩身とチビのグラフィックが顔以外共通となっているなど、アーケード版と差異が生じている。
#endregion

**2P対戦モード
プレイヤー2名で対戦出来るモード。
ファミコン版の対抗試合モードを彷彿とさせるかも知れないが、残念ながら海外チームを使用することは出来ない。
このモードでは「熱血高校 vs. 花園高校」で固定となり、能力値などは共に熱血高校のものが適用される。
2本先取の3本勝負で勝利すると…?

**クエストモード
PC番外編オリジナルのモード。
宇宙人にボールをぶつけられたくにおがその仕返しをすべく東奔西走するというモードで、道中で対戦して勝利したチームのキャプテン(各チームの一番上に名前のある選手)を仲間に加えることが出来る。
ただし、仲間に加える時はくにお以外の既存メンバーとの入れ替えとなり、一度入れ替えたメンバーは再度対戦して勝利しても加入させることは出来なくなる。
また、メンバーの入れ替えはトレードという体を取るため、例えばアメリカのキャプテン「ういりあむ」を加入させる際に、熱血高校のメンバーである「あきし」を外した場合は、以降アメリカチームにあきしがいることになる。
宇宙人に関する情報が無い状態で戦いに勝利すると宇宙人の居場所のヒントをもらうことが出来、そのヒントに対応した国のチームと対戦し、そこで宇宙人を発見するという流れを熱血高校と対戦する全6チーム分こなすと、
敵の本拠地である月面(!?)に乗り込んでの最終決戦となり、これを倒すことで晴れてゲームクリアとなる。
なお、宇宙人が正体を現した時に画面が黒くフラッシュすることがあるので注意。

#region(クエストモード攻略ヒント。ネタバレ注意)
-宇宙人に関する情報について
--宇宙人の情報を持っていない状態で対戦した後で貰える宇宙人に関する情報は「''○○の国に行った''」と言うような抽象的な表現となっている。
|CENTER:ヒント|CENTER:対応する国|
|CENTER:黄金の国|CENTER:日本&br()(花園高校)|
|CENTER:紳士の国|CENTER:イギリス|
|CENTER:寒い国|CENTER:アイスランド|
|CENTER:赤い国|CENTER:中国|
|CENTER:暑い国|CENTER:アフリカ|
|CENTER:自由の国|CENTER:アメリカ|
なお、時折「''見かけなかった''」と言う答えが返ってくることもあるが、これはハズレという意味では無く、どこの国に行っても宇宙人を発見出来ると言う意味である。
攻略サイトなどではこの答えを「''今いる国(対戦して宇宙人の情報をもらった国)''」と解釈している所も散見されるが、実際は上記の通り、今いる国以外のどこに行っても宇宙人を見つけることが出来る。

-宇宙人について
--宇宙人は必ず上から3人目に並んでいる選手が化けている。
---例えば、花園高校なら「なりたか」だし、イギリスなら「ろばあと」が該当するので、彼らを集中的に狙えば早く対戦を終わらせられる。
--因みに、最終決戦で戦う宇宙人は内野メンバー全員が体力が最大の44で能力も非常に高く、加えてダッシュ速度も速い強敵である。
---打たれ強く、キャッチが上手いので時間切れで敗北、となりやすい相手。
#endregion
----
*長所
-良好なゲームバランス
--全体的な調整は言わずもがなだが、特に挙げるべきは必殺シュート周りの調整であると言え、ファミコン版では必殺シュートの性能差がかなり強烈となっており、「モズ落としシュート((ボールを上空高く打ち上げて、ターゲットの頭上から高速で落下させる必殺シュート。追尾性能がやたら高く、しゃがみで避けてもお構いなく当たる上、落下タイミングもまちまちなのでキャッチのタイミングも取りづらく、威力もそこそこに高いという非常に強力なシュートとなっていた。))」が猛威を振った反面であまりにも使えなかった必殺シュートである「稲妻シュート((上下にジグザグ軌道を取りながらターゲットに迫るシュート。威力が低い上にシュートの軌道の性質上、相手コートの端の方までは届かず、おまけにそれを抜きにしても当てにくいという文句なしに使い物にならないシュート。))」など、必殺シュートの格差はどうしても挙げざるを得ない問題点であった。
---本作ではモズ落としシュートは追尾性能が大幅に低下し、加えてしゃがみで避けられるようになり、稲妻シュートは威力は弱いままだが、それでもシュートの軌道などの性質が変わったことで当てやすくなった。
--主だった所だと上の2つが目立つが、それ以外の必殺シュートも調整を施されており、例えば、「ブーメランシュート((一旦ボールを遠方上空に飛ばした後、ブーメランのように敵ターゲット目掛けて切り込んでくる必殺シュート。威力が高く世界一周効果があるものの、追尾性能が低く切り込んでくるまでに間があるため、その間に動かれてしまうとまず当てられない。))」も性質上ファミコン版では当てづらいシュートであったが、こちらもターゲットの追尾性能が強化されているので幾分か当てやすくなったりしていたりする。

-クエストモード
--やはり各国のキャプテンを加えて組むチームというのは夢があり、このモードではくにおは固定((とは言え、モードのストーリー上、ボールをぶつけられた仕返しをしようとしているくにおが外せてはおかしいのだが。))ではあるものの、それ以外は自由にメンバーが組めるのは純粋に評価出来る点であろう。
---ゲームバランスが取れているので、所謂「地雷」と言われるようなキャラクターはいないし、逆に敢えて最後まで熱血高校の初期メンバーで行くプレイも勿論出来る。
---それだけにファミコン版で追加されていたインド・ソ連の削除を惜しむ声もある。((謎の軍団はあくまで熱血高校のコピーであるため、このモードのルールに則ると出してもくにおがもう一人と言うことになってしまう。))

-ファミコン版の問題点の改善
--キャラクターの点滅・スプライト欠けが激しすぎることは良く指摘されていたものだが、本作ではそれらは大きく改善されており、目にも優しくなった。
--更にメンバーもアーケード版同様に4人になり、ゲームスピードも程良く高速化された。
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*短所
-ファミコン版から削除された要素の数々
--ファミコン版にあった必殺シュートとは異なるが、通常シュートよりも強力な「ナイスシュート」を打つためのパラメータであった「シュートテク」がナイスシュートの削除と合わせて無くなっている。
---それ以外にも能力設定がファミコン版と比べるとかなり大まかなものとなっているため、個々の個性で言うと明らかに弱まってしまった。
--グラフィックもアーケード版の流用なため、同じグラフィックのメンバーが何人もいることになってしまい、おまけにクエストモードを除いて内野メンバーも完全固定にされてしまっている。
--また、ファミコン版では通常と異なる方法で唯一「円輪シュート」を出すことが出来たり、必殺シュートの投げ方が他と異なるなどの強い個性があった花園高校のなりたかのこれら個性は全て削除されてしまった。
--ファミコン版のやややり過ぎとも言える位の演出に比べると地味になっているのは否定出来ず、特にファミコン版において圧縮・ブーメラン・ほえほえの各必殺シュートに付与されていた世界一周効果((ボールに当たって吹っ飛ばされた敵が一旦画面から消え、そのまま反対側の画面端から吹っ飛ばされて帰ってくる演出が世界を一周して戻ってきたかのように見えることからこのように言われる。))の削除を惜しむ声も多い。
---とは言え、アーケード版にほぼ準拠したグラフィックでファミコン版のようなある種出鱈目な動きをしてしまうとそれはそれで違和感が凄まじいことになってしまうのも否めないが。
--また、クエストモードの仕様やファミコン版で強い個性を放っていたこともあって、やはりインド・ソ連の削除は勿体ない要素であると言える。

-キャッチタイミングがシビア
--ファミコン版の難易度「難しい」もなかなかキャッチタイミングがシビアなのだが、今作ではそれ以上にキャッチタイミングがシビアであり、ボールが当たる本当に直前でなければボールがキャッチ出来ないと言っても過言ではない。
---また、ゲームスピードの高速化と合わせて球速も全体的に高速化されているため、必殺シュートは殊更キャッチが難しくなってしまっている。
---今作ではしゃがみでの回避でほとんど問題無くシュートを避けることも出来るため、キャッチタイミングに慣れないとひたすら避けでやり過ごすなんて事にもなりかねない。

-追い打ち攻撃によるハメ
--ファミコン版ではシュートを受けてダウンしているキャラクターに追い打ちを掛けても当たることはあるが倒れたままダメージを受ける形になっていたが、今作ではダウンしている選手にシュートを当てると再び浮き上がってダウンをするようになったことでキャラクターの位置が動くようになった。
---これにより、貫通特性シュート(貫通シュート or アッパーシュート)を当てて敵を吹っ飛ばしてダウンさせた敵を味方の外野選手で追撃、そのまま体力が0になるまでハメ殺すことが出来るようになってしまった。&br()時間こそかかるが、慣れれば確実かつ比較的簡単に出来るため、ある意味問題であると言える。
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*総評
先のファミコン版の内容に比べて削除された要素が多いことが惜しまれるが、その代わり、ゲームバランスで言えば必殺シュートを筆頭にファミコン版よりも洗練されているため、一つのゲームとしての完成度はファミコン版に勝ると劣らない高い域にある。
また、クエストモードのシステムやハチャメチャなシナリオ運びなどの内容に対して好評な意見も多く、ファミコン版で不満意見の強かった点滅やスプライト欠けの問題が解消されていることも大きい。
そのため、こちらもまた優れた出来を誇る傑作の名を戴くだけのゲームであると言え、実際にファミコン版よりも本作の方を好むユーザーも決して少なくない。