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サガ3時空の覇者 Shadow or Light - (2012/04/14 (土) 06:40:59) のソース

*サガ3時空の覇者 Shadow or Light
【さがすりーじくうのはしゃ しゃどうおあらいと】
|ジャンル|RPG|&amazon(B00439H9Z8)|
|対応機種|ニンテンドーDS|~|
|発売元|スクウェア・エニックス|~|
|開発元|スクウェア・エニックス&br()ラクジン|~|
|発売日|2011年1月6日|~|
|定価|5,980円|~|
|>|>|CENTER:''[[サガシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/281.html]]''|

**概要
GBサガシリーズの第3作『[[時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/37.html]]』(以下GB版と表記)の3Dフルリメイク版。~
開発は2009年にリリースされた『[[サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY]]』(以下『GOD』)のスタッフがそのままシフトする形で行われた。~
シンボルエンカウントやシナリオ・シンクロ・システム(以下SSS)など『GOD』から多くの要素が本作でも引き継がれている。

**特徴・評価点
原作のGB版はサガシリーズで唯一、生みの親である河津秋敏氏が開発に関わっておらず((藤岡千尋氏が中心となって制作。))シリーズでは異色の作品となっていたが、~
このDSリメイク版では''河津秋敏氏の総指揮''((監修止まりであった『GOD』と異なり本作では「シリーズディレクター」として参加))によりシステム・シナリオ両面で従来のサガシリーズらしい改変が行われた。~
このため、基本的に原作準拠のリメイクだった前作の『Sa・Ga2』→『サガ2GOD』のときとは違い、''ゲーム内容からして原作とは大幅に異なるものとなっている。''

***システム面
-成長システムはレベル制を廃止。戦闘時のアクションでパラメータが変化する、従来サガシリーズに近いシステムを採用。さらにシリーズでは初めてとなる、戦闘中にリアルタイムでキャラが成長する方式が導入された。
--成長システムの仕様が変わったことにより、GB版以上に変身システムの有用性が増した。またGB版では不可能だった、人間とエスパーの相互変身も可能になっている。
-戦闘システムは基本的に『GOD』のものを踏襲しているが、連携システムは技の組み合わせで技の名称が決まる『[[サガフロンティア]]』形式に変更。チェーンエンカウントは1度に敵が現れないで増援で現れる形式に変更されており、チェーンさせすぎて全滅するといったリスクが減っている。
-武器の回数制も復活したが、本作では武器の使用回数を回復してくれるリチャージ屋が登場。お金にさえ余裕があれば、非売品の武器も気兼ねなく使用できるようになった。
-SSSが『GOD』から大幅にブラッシュアップ。
--本作のSSS発動アイテムである「タイムズ・ギア」は『GOD』の「運命の糸」以上に戦闘・シナリオの両面で密接に関わり、また発動のためのリソース補充も容易(戦闘で特定アクションをこなすだけ)になった。
--SSSにより発生するサブシナリオのバリエーションも発生条件・内容ともにより豊富になっている。
--サブイベントも時間移動の概念を取り入れた物になっており、例えばタイムズ・ギアの力を使って数分前に戻って事件を未然に防いだり、過去に戻って出来事そのものを変えてしまうと言ったものもある。主人公たちにキャラクター付けがなされたのも相まってコミカルなイベントも多く、冒険の合間に楽しめるものになっている。
-ゲーム開始時に難易度選択が可能になり、プレイヤーのための間口が拡がった。
--最初選択可能なのは「Easy」「Normal」の2つで、1周クリア後に「Hard」が選択できるという方式。
--「Easy」では武器の使用回数が無限になり、「Hard」では新たなイベントが発生したり裏ボスと戦える。
-移動関連
--ワールドマップが場所選択式に変更。イベントをこなしたり、人から場所を聞いたり、街道などで横道にそれたりすると、新しい場所が出現する。「ムオン((浮遊石を呼び出す魔法))」や「サモン((海中に潜る魔法))」といった魔法も、場所に応じて自動的に使われる。
--攻略後は二度と行く事の出来なかった浮遊大陸も再度訪れる事もでき、進むと後戻り出来ない異次元からも戻る事ができる。最終的には全ての時空を行き来できるようになる。
--「未来」で飛行可能になっても「過去」と「現在」では神殿に安置されて飛行できないステスロスだったが、どの時空でもステスロスで飛行可能になっており、わざわざ神殿に戻る必要もなくなった。また大量に用意されたサブイベントのおかげでワープの需要も広がった。
--ダンジョン等は前作リメイクと同様、スケールの大きな3Dで描かれている。ジャンプも廃止された。



***キャラクター面
-最初からいるパーティメンバーでありながら、オリジナルでは一切台詞が与えられなかったポルナレフとミルフィーが喋るようになった。各フリーシナリオでもそれぞれキャラ立ちがなされ、個性あるキャラクターとして生まれ変わった。
-キャラクターデザインは『GOD』同様小林元氏がリファイン。シリューのデザインと色(赤から黄に)が大きく変えられた以外は、GB版のイメージを極力損なわないようなアレンジとなっている。
--シリューは一見して別人に見えるほど変化が大きいため(ただし原画では顔かたちで同一人物と分かる)、賛否両論。元のデザインの古臭さを解消したという好意的なものから、シリューらしさが消えてしまったという批判まである。
--元のレオタード姿ではエスパーと容姿が被るという判断で、変えたとのことである。また、髪の色は、パーティーメンバーが初期設定で持つ属性を意識した改変になっている((シリューの属性は「土」。赤だと「火」属性の色になる。一方、「火」のデューンは茶髪からオレンジがかった色に変わった。「風」のポルナレフは青から青緑に変わり、「水」のミルフィーは明るい紫のままほとんど変わっていない))。
--GB版にて「まさかりシスター」と呼ばれたNPC・ネメシスも、聖職者のイメージが残されたリファインに。かつての海外GB版でのデザイン変更の経緯から「まず変更されるだろう」と予想されていたため、ファンを驚かせた。

***その他
-BGM担当は『GOD』から引き続き登板の伊藤賢治氏に加えて、GB版を担当した笹井隆司氏がアレンジで参加、同氏にとっては本作が実質的なゲーム業界復帰作となった。本人が手掛けたこともありBGMアレンジは概ね高評価である。
--本作のリメイク企画が立った際に、伊藤氏が笹井氏へ参加のラブコールをかけていたというエピソードも残している。
-マップアビリティ使用や戦闘スキップなど『GOD』で煩わしかったインターフェイス面の問題点が、本作では概ね改善されている。

**問題点・賛否点
-他の種族に比べて、エスパー・獣人の有用性が高い。『GOD』同様、素早さと魔力が非常に重要なステータスとなっているのだが、獣人は素早さが伸びやすく力もついでに伸ばせる。エスパーは魔力が伸びやすい上に素早さ依存の武器の扱いに長けるため獣人に次いで素早さが伸ばしやすい、と2種族で主要な能力を独占してしまっている。このため、これら以外の種族へ変化する魅力にやや欠けてしまう。
--ただし、ステータスを伸ばしきってからは武器装備幅の広い人間やサイボーグの方が相対的に強くなり、獣人は逆に装備幅の狭さもあって火力不足となる。連携のバリエーションをより増やすためにも上述2つの種族で素早さ・魔力を十分上げた後、好みの種族へ変身していくのが本作における賢いプレイスタイルといえる。
-見た目上の難点として、開発規模の都合から『GOD』からのソース流用が非常に多いため、同作からのモデリングなどの使い回しが目立ってしまってる点がある。((一部武器やモンスターのグラフィック、エンカウント用シンボル、キャラクターのポーズなど))
--これにより発表当初は手抜きリメイクの印象を強く与えてしまった。(実際遊べばそんな事はないのが解るが)
-権利的事情もあり、「くいだおれ」をはじめとした大阪的要素はほぼ撤廃。((一応、未使用データ内にそれらしきものはある))
-ステスロスのデザイン改変については、ファンの間で賛否が分かれる。
-そしてリメイク物の宿命ではあるが、GB版を嗜んだプレイヤーの中には本作の大幅な仕様改変そのものに難色を示す向きも少なからず存在する。
--独特なシステムがサガシリーズの特徴であるため、RPGとしてはスタンダードなシステム寄りだったGB版のプレイヤーには「''サガシリーズらしさがプレイを躊躇わせる''」面もあるということ。

**評価
-GB版は従来および歴代サガシリーズでも大きく異なるシステムでサガシリーズ一の鬼子とも称されていたが、本作は上述した様々な改変によりサガの看板を掲げるに相応しい、良い意味での原作クラッシャー作品となったといえる。
-難解なシステムで懸念されがちな面もあるサガシリーズだが、本作は装備を揃えて自由にキャラクターを育てながらストーリーを進めると言った普通に攻略する分にはさほど難しい要素もなく、シリーズの中でも比較的とっつきやすい。コツをつかむにつれ、豊富なサブイベントや自由度の高いキャラクター育成を楽しめるだろう。
-開発規模の小ささから大々的なプロモーションは行われず、年明け直後という発売時期もありセールスは最初の1週間で約3万本(半年後の時点で6万8千本)と振るわなかった。
--発売時は前年の『FFXIV』などから続くスクエニバッシングのまっただ中にあったこともあり、ろくにプレイしてないアンチらにより不当なネガキャンの標的にされたことも。
--中には発売前に、新作じゃなく本作のリメイクだということが判明しただけで難色を示した人もいるほど。

**余談
-公式HPのブログが2ちゃん語やアスキーアートを多用した人を選ぶ内容となっている。((ちなみに『GOD』の公式ブログでもアスキーアートが使われている。))
--そのためファンの中にはブログのあまりの厨二っぷりから不快に感じた人もいた。