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リンクの冒険 - (2013/07/26 (金) 02:10:37) のソース

*リンクの冒険
【りんくのぼうけん】
|ジャンル|アクションRPG|&amazon(B006513I70)|&amazon(B0002M2U7W)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ ディスクシステム&br()ゲームボーイアドバンス |~|~|
|発売・開発元|任天堂|~|~|
|発売日|【FCD】1987年1月14日&br()【GBA】2004年8月10日|~|~|
|価格|【FCD】2,600円(税別)&br()【GBA】2,000円(税込)|~|~|
|配信|バーチャルコンソール&br()【Wii】2007年1月23日/500Wiiポイント&br()【3DS】2012年6月6日/500円|~|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
|>|>|>|CENTER:[[ゼルダの伝説シリーズ関連リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/487.html]]|

**ストーリー
リンクが魔王ガノンを倒して数年後。16歳になったリンクの左手の甲に、突如トライフォースの紋章が現れる。~
ゼルダ姫の乳母であるインパはその紋章を見ると、リンクを初代ゼルダ姫の元へと案内し、古の王家に起きたという悲劇を語った。~
永遠の眠りに着く初代ゼルダを目覚めさせるには「勇気のトライフォース」が必要で、左手の紋章はトライフォースを継承できる証であるという。~
魔物たちが魔王ガノンを復活させる儀式に必要である「ガノンを倒した者の血」を手に入れようと躍起になる中、リンクは「勇気のトライフォース」を求め、再び旅に出ることを決意する。~

**概要
ゼルダシリーズの2作目だが、前作と違い色々と毛色の違う部分がいくつも見られる。~
それはBGMや音響にも表れており、シリーズお馴染みである地上のテーマや「謎解きの音」が無く、作曲も近藤浩治ではないなどかなり異色。~
しかしクオリティは高い。神殿のBGMなどは脳裏に染み付いた人も多いだろう。

**特徴
***システム
-前作同様に見下ろし型のフィールド画面を移動しながら進めていくが、特定の地点に入ったり出現する敵シンボルに接触したりすると戦闘画面となり、『スーパーマリオブラザーズ』などと同じ真横視点の任意スクロールアクションとなる。フィールドには様々な地形が存在し、敵と接触した場所によって地形が戦闘に大きく影響する。
--町に入った場合も戦闘画面同様のサイドビューによる横スクロール画面となり、町人に話しかけたり扉から家に入ることができる。通常、ステージの端まで到達すると戦闘画面から抜けるが、神殿の場合は戦闘画面から抜けるための入り口・出口が共通で、入り口に帰るまで戦闘画面が続く。

-リンクにはヒットポイントにあたる''LIFE''、マジックポイントにあたる''MAGIC''、剣による攻撃力を表す''ATTACK''の3つのパラメータが存在し、敵を倒したり宝袋を入手すると経験値を入手でき、経験値が溜まると3つのパラメータのうち1つを任意で選んでレベルアップできる。
--最大レベルは3つともレベル8で、レベルが最大値に達した状態でレベルアップアップすると残り人数が一人増える。また、レベルアップ時にLIFEやMAGICを選択した場合、選んだパラメータが最大値まで回復するため、戦略的に利用できるとかなり有利。

-Aボタンでジャンプ・Bボタンで攻撃が可能であり、十字キーによる立ち・しゃがみによって上段・下段攻撃の使い分けができる。
--体力が全回復の状態であれば、前作同様剣からソードビームを発し、ある程度の遠距離攻撃が可能になる。(しかし前作ほど万能ではなく、射程が短めな上に通用しない敵も多い)
--また、攻撃をしていない状態であれば盾で敵の攻撃を自動的に防御する。こちらも、十字キーによる立ち・しゃがみによって防御位置が変化する。
--ジャンプ中も攻撃が可能で、上昇中にBボタンで上段攻撃、下降中にBボタンで下段攻撃となる。

-リンクの体力が無くなったり、穴に落下すると残機が1機減り、残機がなくなるとゲームオーバーとなる。ちなみにゲームオーバー時にはガノンの笑い声が聞こえる。

-本作に登場する重要なアイテムは、その殆どが所持しているだけで自動的に効果を発揮し、ボタンによって使用可能なアイテムはフィールド上で使う笛とハンマーの2つしか存在しない。そのかわりこれまでのアイテムに近い存在として幾つかの剣技や魔法が設定されている。これらは街の術士や剣士から教えてもらう事で習得する。
--神殿に安置されたアイテムを取らないと、ボスだけ倒してクリアしても結局先には進めない((ちなみにボス撃破・アイテム入手の2つのフラグを満たして神殿を出ると、神殿があった場所はただの岩山と化して2度と入ることは出来なくなる。))。
--魔法に関しては戦闘を補助する魔法と、ジャンプ力を強化したり一時的に飛行可能な妖精に変化するなどマップ攻略に必要なものの2種類に大別される(両方を兼ねるものもある)が、被ダメージを減らす''SHIELD''、体力を回復する''LIFE''((体力としてのLIFEと名前が被っているが気にしてはいけない。))の2つは特に重用される。(理由は後述)
--ちなみに一部の剣技は後のゼルダ作品や『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズなどでも採用された。

***難易度
-基本的に「ゼルダ」シリーズは初心者にも優しい難易度であるが、このゲームはアクションが主体なだけあって初心者には厳しい難易度である。
--とはいえアーケードゲーム仕様の難易度のアクションゲームに慣れたプレイヤーならば普通に攻略できる程度ではある。

-他のシリーズと異なり、上段・下段の攻撃・防御の使い分けによる敵との駆け引きを特徴としており、アクション性が高い。
--こちらと同じように剣・盾を上下に使い分ける騎士「アイアンナック」は、ある意味本作のゲーム性を象徴する敵キャラである。各神殿において必ずといっていいほど要所要所に配置されており、的確な防御と隙あらばの突きでリンク(とプレイヤー)の体力をすり減らす。
---単純な攻撃力、防御力だけを見てもその辺の雑魚より格段に高い。腕に自信が無ければ、残りのMAGICが許す限り前述の魔法を惜しみなく駆使したほうが良い。
---どうしても盾を突破できないのであればジャンプして着地直前に剣を当てればダメージを与えられる。これは上の盾が上半身全てを守っていないためでもある。(ちなみにリンクの盾も同じ仕様)
---ゲームを進めると青色のアイアンナックも登場するのだが、こちらはリンクと間隔を空けながら飛び道具の剣ビームを上下に撃ってくる。近づくのが困難な上、接近戦でも剣とはタイミングの違うビームをガードしながら戦わなくてはならないため、簡単には攻略できない((しかもダメージを受けるたびに乱発し、ムリヤリにでも距離を取らせようとするのだからタチが悪い。))。
--この系統の敵は他にも数多く存在しており、いずれもかなりのツワモノ揃い。ザコと言えどもゴリ押しだけで勝てるほど甘くない。
---最後の神殿に登場する「フォッカー」に至っては行動が''大ジャンプする青いアイアンナック''といった様相で、最早ザコと呼べるかも疑わしいほどの凶悪ぶりをこれでもかと見せ付けてくるのだが、大ジャンプが災いし地形によっては待ち伏せであっさり勝てたり大ジャンプ中に上突きでダメージを与えられたりと対処法がわかれば青アイアンナックよりは楽だったりする。

-ボス戦は上記のような駆け引きというよりは、各々の弱点を突いて戦うことになる。
--最初に戦う半人半獣の「マズラ」、剥がした兜がファンネルの如く自律行動する鎧騎士「ジャーマフェンサ」、上記の青ナックが騎馬に乗った「レボナック((実際は剣ビームの頻度が格段に増えており、ますます普段以上に辛い戦いを強いられる。))」...等など、少数精鋭ながらいずれも特徴的で手強い連中が揃っている。
--基本的にスクロールが固定され逃げられないので体力勝負となり、的確に弱点を狙えなければ勝利は遠い。中にはMAGICを使わなければ弱点を突くことができない敵も。
--特にラスボス戦は超高難易度。剣技を使いこなすアイアンナックタイプの敵だが、今までのどの連中よりも極めて攻守のバランスが取れており、初見では隙を突く事すらも困難。正攻法で撃破できたら凄い。
---必勝法に近いものでは、ラスボスをうまく画面端に追い詰めてひたすら斬りまくるという戦法がある。ちょっと卑怯な気もするが、こんな戦法が編み出されたほど強いという事実の裏返しと言えよう。

-言及されることは少ないがマップ自体もなかなかの曲者。ジャンプアクションに慣れていないと崖から転落死という状況も多い中、それに慣れてきた中盤以降で断崖からの落下によるマップ移動が必須な場所が出始める。一応のヒントはあるが即死を覚悟して落ちなければならず、初見での攻略はなかなか難しい。

-日本版はセーブ・ゲームオーバー時の仕様が一風変わっており、その時点のパラメータ内で''一番低いレベルに他のパラメータが強制的に合わせられてしまう''((極端な例をあげると、LIFEとMAGICを最高レベルの8に上げていても、ATTACKがレベル1である場合、全てがレベル1に戻ってしまう。そのため、平均的に上げていかないと非効率となる。))。しかし、ゲームオーバーにならない+早解きする自信があるのなら、偏ったレベルアップも戦略の一つである。

-前作と違いクリア後の裏ゼルダがないかわりに、レベル等引き継ぎで新規プレイが可能となっている。

-プレイスタイルやジャンルも全く異なっており、結果ゼルダシリーズの中では異色の作品となっている。

**総評
高い難易度と異色のゲーム性などから、ゼルダシリーズの中では知名度がさほど高くない作品。~
しかし独特なBGMや歯ごたえのある内容などから、コアなファンも数多く存在している。

後のゼルダシリーズに与えた影響は大きく、『ゼルダの伝説 時のオカリナ』以降の敵との戦闘では~
本作と同様にして3D空間を活かした熱い駆け引きが盛り込まれるようになった。

**余談
-とある街に『ドラゴンクエスト』に登場する伝説の勇者ロトの墓がある。
--その後発売された『[[ファイナルファンタジー]]』には『リンクの墓』が存在し、さらに『[[天下一武士 ケルナグール]]』では『フリオニール((FF2主人公))の墓』が登場する。
-海外版では容量も増加したためか、LIFE、MAGIC、ATTACKが個別に記録出来るようになり、レベル1以外の各神殿のグラフィックも個別に変更、レベル5のボスがジャイアントに変更された。また、伝説の勇者ロトの墓が削除されている。
--だが、海外ゆえか難易度が上昇しており、一例を挙げるとザコ敵が強化されている。経験値を盗むものや、MAGICを使わないとダメージを与えることすらできないものも追加されている。そのためか、一部の人には難易度だけで「クソゲー」と呼ばれてしまっているが、これはアメリカではレンタル制度に合わせている為である。
---事実、AVGNもこれをクソゲーとして紹介したことがあり、「糞ではないが、相当なプロか暇人でなければクリアできない」と〆ている。
-宮本茂氏は『[[スターフォックス64]]』の攻略本で、SFC末期に本作のリメイクを作っていたことを明かしている。が、そこにニンテンドウ64が入ってきたことと開発に時間がかかりすぎることから断念したという(その当時のスタッフが『スターフォックス64』の開発に回った)。
-『ゼルダの伝説』シリーズはそのタイトルからか、主人公(リンク)の名前がゼルダであると誤解される事が多いのだが、リンクとついている本編タイトルはこれが唯一である((本作の移植以外では、派生作品の[[リンクのボウガントレーニング]]がある))。
-この作品以外には任天堂から横スクロールのゼルダの伝説は発売されていないが、任天堂のライセンスを得て、CD-iにてフィリップス社から発売された[[Zelda:the Wand of Gamelon及びLink:the Faces of Evil>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/78.html]]はこの作品のような横スクロールアクションが中心となっている。それらの凄まじい出来は一部で有名。