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怒首領蜂最大往生 - (2012/10/25 (木) 02:37:51) のソース

*怒首領蜂最大往生
【どどんぱちさいだいおうじょう】
|ジャンル|弾幕シューティング|
|対応機種|アーケード|
|発売・開発元|ケイブ|
|稼動開始日|2012年4月20日|
|>|CENTER:''[[ケイブ弾幕系STGリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1112.html]]''|
#contents(fromhere)
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**概要
ケイブの看板作品『首領蜂』シリーズ最新作にして最終作。~
そもそも同シリーズは『大往生』の時点で終結させる予定だったが、会社上層部の意向より文字通り『大復活』させられてしまった。~
そのため、「今作で『本当に』シリーズを完結させる」という思いを込め、タイトルロゴは「&bold(){完}」の文字があしらわれている。~
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コンセプトは「2012年版の『大往生』」。そのコンセプト通り、システムから敵のデザインに至るまで、『大往生』を進化・発展させたものになっている。~


**基本システム
-5面+αの一周エンド。

-攻撃手段はケイブおなじみのショット・レーザー・ボム。更にハイパーアイテムをストックしている時にボムボタンを押すと、攻撃力アップ&スコア上昇のハイパーシステムが起動する。
--ハイパー発動時には画面上の敵弾が全てスコアアイテムに変化する。レベルは1~10まであり、レベルが高いほど攻撃力が上がり、スコア上昇の効率も高くなる。ただし起動中は敵の攻撃が激化するだけでなく、発動毎に画面上部に表示されるランクが上昇し、徐々に難易度が高くなっていく。
--『大復活』より導入された、被弾時に自動的に低威力のボムを発動して緊急回避を行う「オートボム」機能も搭載。今回はON・OFFを切り替えることが出来る。ONにした場合、ボムの最大所持数は増えなくなる。

-自機は全3種類から選択。前方集中型のTYPE-A、可変ショットのTYPE-B、ワイドショットのTYPE-Cで、それぞれに専属のパートナーアンドロイド「エレメントドール」が同乗する。
--エレメントドールは「ドレス(戦闘服・私服・水着の3種類)」を変更することで自機の特性を変化させる。そのため、機体バリエーションは実質的に3×3=9種類存在する。
---ドレスはそれぞれショット強化・レーザー強化・その両方を強化するエキスパート強化に対応するが、エキスパート強化を選んだ場合、全ステージにわたって敵の攻撃が激化する。

-得点システムはシリーズ伝統の「コンボ」式。HIT数を稼ぐことでコンボが成立し、敵を倒すごとに「GPボーナス(素点)」と呼ばれるボーナス点が累積する。この状態で敵を倒すと素点が追加でスコアに加算される。
--『大往生』とは違い、コンボが切れてもHIT数と素点が30%減少するだけになった。ただしハイパー中にコンボが切れる、またはオートボムを発動させると素点は全て剥奪される。

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**長所
''『大往生』以来の「ガチンコの弾除け技術が要求される」硬派なバランス''
-近年のケイブSTGでは「画面上に夥しい量の弾を吐かせ、自機に弾を消すシステムを搭載して対抗させる」というデザインが行われた作品が多く、「もはやシューティングじゃない弾消しゲー」という批判が起こっていた。今作ではハイパーシステムがあるものの、それ以上の弾消しシステムは存在せず、「大量の弾をいかに避けるか、あるいは避けないようにどう対処するか」という弾幕STG本来の楽しさに原点回帰している。
--オートボムも一度きりとなったが健在であるため、初心者でも「何が何だか分からないうちに3回被弾してゲームオーバーになった」という事態も起こりにくい。

''随所に仕込まれた過去作へのオマージュ''
-ボス5体は全て『大往生』のボスをリファインしたもの(漢字は違うが読み仮名も同じ(例:凄駆(スザク)→守雀(スザク))。弾幕も『大往生』の攻撃をアレンジしたもので、旧作のファンを楽しませてくれる。
--3面は水源地エリア、さらに中ボスは巨大戦艦と、ステージ全体が明らかに『ケツイ』を意識した構成となっている。ちなみにその巨大戦艦の名称は『怒首領蜂II』の開発元IGS社からとられた「IGS-彩音-」。
--他にも「『大往生』2面BGMのアレンジである4面BGM」「5面中ボスの登場演出が『大復活』のワープアウト」など、細かく上げていくときりがない。
-本作の表の真ボス「陽蜂」は、その全ての攻撃が過去作の「ヒバチ」で用いられたものの引用となっている。
--また、公式ブログによると「過去作を思い出して」「頑張れば撃破できる」というコンセプトで作られているらしく、従来の真ボスに比べると殺意は薄め。それでもほとんどのプレイヤーにとっては激烈に難しいことには変わりないが。
---ただし、戦闘中に従来通りの「蜂型の機動兵器」に変形するとはいえ、初期形態が「光の翼を生やした少女」((設定上は『大復活』に登場した「エレメントドーター」。))という見た目や、「バーリア」「平気だもーん」といった軽い口調の喋り(煽り)賛否両論。
--一方で、裏の真ボス「陰蜂」は、その映像を見た人を漏れなくドン引きさせるであろう本作オリジナルの無慈悲な弾幕で容赦なく殺しに来る。これを攻略するシューターは現れるのだろうか?・・・現れるのだろう、きっと。

''演出・BGM''
-BGMはもはやケイブシューには欠かせないといえる並木学が担当。トランスやダブステップの要素を取り入れたノリノリのテクノサウンドとなっている。特に1面BGM「ラン」の評価は非常に高い。
-グラフィックも目立たないながらかなり力が入れられている。2DSTGとしては最高峰のクオリティと言っていいだろう。ボスの登場シーンもそれぞれインパクトあるものになっている。
-キャラクターデザインはアルトネリコシリーズの凪良氏が担当。声優も能登麻美子、喜多村英梨、ゆかな、下田麻美、悠木碧とメジャーな女性声優を起用。
--エレメントドールやオペレーターはステージ開始時やボス前などの重要なポイントで色々と喋ってくれるため、ゲームの盛り上げに一役買っている。

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**賛否両論点
-キャラデザインや声優で初心者を釣っておきながら、彼らを全力で置いてけぼりにするような難易度。
--いきなり強い1面ボス、逃げ場なし全方位弾幕の2面ボス、デカい・硬い・すごく強いの三拍子揃った3面中ボスなど、STG初心者の心を折らせるには十分すぎるボス達。特に1面ボスは「1面ボスにしてはあまりにも強い」と言われた『大往生』のそれよりも凶悪で「シリーズ最強の1面ボス」と評されている。
--1upアイテムは「4面中ボスをノーボムで倒す」ことで出現するが、肝心の4面中ボスが非常に強い。ノーミスノーボムで倒すにはかなりの修練が必要。
--ザコ敵の配置も全体的にいやらしく、弾速も早いため、とても一筋縄ではいかない難易度になっている。人によっては『大往生』の1周目以上の難易度だという人も。
---とはいえCAVE恒例の2周目の「極端に難しい」レベルではないため、「敵のパターンを覚える」というSTGの基本を実践すれば全くの初心者からでも十分に1周クリアを目指せる。「TYPE-Aのショット強化」という初心者救済的な組み合わせも存在している。

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**批判点

''素点バグの存在''
-素点が2147万点を超えると素点表示がおかしくなり、敵を一体倒すごとに約43億点という莫大なスコアが手に入るようになる。
--現在、バグを起こせることが確認されているのは5面の道中のみ。理論的には全機体でバグを起こせるが、エキスパート強化よりは素点を上げにくいショット強化・レーザー強化では道中が終わるギリギリでの発動となる。
--数字を見てピンと来る人もいるだろうが、明らかに符号付き32bit整数値のオーバーフローに絡んだバグ。『大復活』家庭用アレンジモードでも同様のバグがあった(現在は修正済み)のに何故同じ過ちを繰り返してしまったのか……。
-4面までのスコアはどれだけ多く見積もっても200億点に満たず、対してバグを起こしてしまえば短時間で数千億点ものスコアが手に入ってしまう(ニコニコ動画では''5面単体で1兆3000億点''を稼ぐ動画が投稿されている)。どれだけ4面までの稼ぎを頑張っても、バグによってその頑張りが一瞬で吹っ飛んでしまうのは流石に問題がある。
-ただし、このバグを起こすためには「ただでさえ難易度の高い道中を完璧に繋げるのは前提の上、完璧なハイパーの運用とリチャージを行い、ランクの高騰による狂った弾速の弾幕をくぐり抜ける」必要があり、実際にバグを起こせる人はほんの一握りである。逆を言えば中級者以下はバグの存在を気にすることなく普通にプレイできる…ということでもあるのだが……。

-その他、「ランクが上がるとスコアアイテムの量が少なくなって稼ぎにくくなるため、序盤面で稼ぎ過ぎないほうがスコアが高くなってしまう」「4面が3,5面に比べて余りに稼げない」など、スコアシステムに関する批判点は多い。

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**総評
開発に十分に時間をかけただけはあり、ゲームバランス・システム・グラフィックなどのあらゆる面で''高難度弾幕STGの系譜であるシリーズの集大成''と呼んで相応しい出来となっている。シューターからの評価もおおむね良好。~
流石に難易度が高く、初心者には勧めづらい作品である感は否めないが、それでも勇気を出して手を出してみる価値は十分にあると言えるだろう。是非とも「高難度弾幕STG」の「アツさ」を体感してみてほしい。

-尚、設定によっては60秒の間だけ無料でプレイできる体験モードが遊べる。具体的には1面中ボスの辺りまで遊べるので気軽にスタートボタンを押して、どういうゲームなのか、どの機体が使いやすいかなどを体験してみると良いだろう。

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**その後
-Xbox360への家庭用移植が2013年春に発売されることが発表された。