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勇者のくせになまいきだシリーズ - (2012/09/09 (日) 21:10:12) のソース

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*勇者のくせになまいきだ。
【ゆうしゃのくせになまいきだ。】
|ジャンル|ダンジョン・マネージメント|&amazon(B000WQEPYO)|
|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|
|発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~|
|開発元|アクワイア|~|
|プレイ人数|1人|~|
|発売日|UMD版:2007年12月6日&br()ダウンロード版:2009年10月22日|~|
|価格|UMD版:3,980円(税込)&br()ダウンロード版:1,400円(税込)|~|

**概要
ファミコン風ドット絵の世界で、魔王の元へ侵攻してくる勇者を止めるためモンスターを配置して追い払ういわゆる「タワーディフェンス系」のゲーム。~
このように書くと一見、昔懐かしき雰囲気のまともなゲームのように見える。しかしその実態は…~
略称は「勇なま」。 

**システム
-プレイヤーは「破壊神」となり、つるはしを操作してダンジョンを掘り進めたり魔物を生み出したりし、魔王を捕えようとする勇者((なぜか倒そうとはしない))を撃退していくことになる。
--プレイヤーはゲーム中常につるはしとして表示され、画面内に姿を現すことはない。
-プレイヤーは「掘パワー」という力を持ち、これを消費することで掘り進めることになる。ゼロになると当然何もできなくなる。
--ステージクリア後には掘パワーを消費して魔物を強化できる。戦闘力は大幅に向上するが、計画的に強化しないとパワー不足に悩むことになる。
--短時間でクリアしたり、クリア時に大量の掘パワーが残っていると、クリア後にもらえるパワーが多くなる。
-作られた魔物は互いに捕食しあい、成長と繁殖を行う。掘るだけでは作れる魔物の量には限界があるので、基本は繁殖による増加を狙うことになる。
--特殊な条件を満たすことで生まれるモンスターもいる。
--勇者もまた、ダンジョン内の食物連鎖には欠かせない存在となる。
---勇者が死亡すると、勇者が持っていた養分と魔分が周囲の土にばらまかれる。勇者の亡骸も魔物の素材となる。
---特に魔分は勇者が魔法を使うか死ぬかしないと、ダンジョン内には基本的に存在しないため、勇者にうまく魔法を使わせるための方法が求められる。
-魔物は「養分」もしくは「魔分」を含む土地を掘ることで生まれる。基本的に溜まっていればいるほど強力な魔物が生まれる。以下魔物の紹介。
''養分系''
-ニジリゴケ
--いわゆるスライム。きわめて単純な行動パターンを持ち、繁殖力に優れダンジョン内の養分を運搬する最下層の生物。成長すると「ツボミ→ハナ」となりハナになると飛び道具が使えるようになる。
--基本的には単なるスライムだが、質より量で迫るその戦闘力は決して侮れない。一か所に大量のニジリゴケを集めて、勇者を圧殺する「コケ地獄」という戦術は我々に「数の暴力」を実感させてくれる。
-ガジガジムシ
--ダンジョン内の一次消費者。ニジリゴケを食べて成長、繁殖する。
--コケよりはかなり格上な戦闘力を持つ。しかし行動パターンが気まぐれなため、うまく勇者に誘導できないこともある。
-トカゲおとこ
--養分系最強のモンスター。オスしかいないにもかかわらず、''普通に卵を産んで繁殖する。''ガジガジムシを食べて栄養をとる。
--勇者を見ると果敢に立ち向かっていく頼りになるモンスター。ただし、繁殖力が低めなので数はなかなかそろわない。
''魔分系''
-エレメント
--魔分から生まれる最下級の魔物。行動パターンはニジリゴケと同じだが、繁殖方法が異なり、直接分裂して増殖する。
--戦闘能力もニジリゴケとほぼ互角。ただしこちらは特殊能力として攻撃した勇者の魔力を奪い取る力を持つ。
-リリス
--ダンジョン内の紅一点。魔弾を飛ばして攻撃する。基本的にエレメントを捕食するが、飢えた時にはガジガジムシも食べる。
--戦闘能力が高い上に結構な勢いで増えてくれる。しかし飢餓にはかなり弱く、増えすぎた挙句餓死であっさり全滅することも。
-ドラゴン
--魔分から生まれる最強のモンスター。あらゆる生物を捕食し、死亡時に一つだけ卵を残す一子相伝型の繁殖方法を持つ。
--戦闘能力は極めて高いが、横方向にしか移動ができず、吹き出す炎は味方もまとめて灰にするなどその運用にはテクニックが必要。
''その他''
-スケルトン
--ダンジョン内に残された勇者の亡骸に破壊神が魔力をこめる(つつく)と出現。
--実力的にはあまりあてにはならない。亡骸状態の時にエレメントを大量に吸収させると、色が赤い「まおうのしもべ」となり戦闘力が向上する。
-デーもん
--最大まで養分、もしくは魔分を含んだ土地の周囲をすべて掘り起し、最後に中心を掘ると「魔法陣」ができる。この魔方陣をノックすると出現。
--ゴツイ見た目に反し強さはそこそこ。しかし特殊能力として「存在するだけですべての魔物の防御力を上げる」というものを持つので、いてくれるだけで有用。むしろ勇者と戦って死ぬ方が問題なので隅っこの方で寝ていてもらうのが一番役立つ。

**バカゲー要素
-まず、タイトルからして『ドラえもん』における有名なジャイアンの台詞、「のび太のくせになまいきだ」のパロディである。
-ステージ1のサブタイトルが「[[ぼくにそのてをよごせというのか>タクティクスオウガ]]」となっているのを筆頭に古今東西、種々雑多なもののパロディが存在する。
--ネタ元もゲームが多いが、それ以外にも有名アニメ、ネット上で流行ったコピペ、古典映画など本当に節操なく使用している。
-生み出した魔物や倒した勇者はずかんに登録されるのだが、これもネタ満載。
--ガジガジムシの発展形の一つ、「デスガジガジ」が「[[デス様>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/46.html]]」の通り名で知られるとか、勇者の一人の断末魔が[[うぼぁー>ファイナルファンタジーII]]など…。
---その他、説明文が一連のストーリーとなっているキャラがいるなどこれだけで結構楽しめるおまけになっている。
-魔王のキャラクターが濃い。すさまじく濃い。
--本作においてまともに台詞がある唯一のキャラクター(一応勇者も登場時に一言しゃべるが、独り言のようなものが多い)ということもあり、とにかく喋る。
---その内容も、上記のようななんらかのパロディや単なる個人的なこと、あるいはプレイにおけるヒントなど多岐にわたる。
---防衛失敗時には、なんらかのヒントを遺して逝くことが多い。
--メタ発言も多く、プレイヤーの思考を読んだ発言ではっとさせられることも。
---具体例として、最初のステージで予習を終わらせたことについて質問し、否定すると「説明書も読んでないだろう」と突っ込まれる……等。
---RPGの定石、お約束に対する常識的な目線でのブラックジョークも多く、&bold(){別世界で勇者として活躍する身}としては苦笑いするしかない。
--総じてヒーローとして描かれるべき“勇者”に対する敵役としての立場を人間臭く、馴染みやすい雰囲気で演出する主要人物。
-ゲーム外の発言でもパロディが存在する。本作がファミ通のプラチナ殿堂入りした際の、アクワイアの公式コメントが「[[バントがホームランになった気分です>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/37.html]]」である。

**評価点
-非常に高い戦略性。
--本作における唯一のリソース、掘パワーだが、この運用には高い計画性が求められる。
---例えば勇者を通常より早く呼び寄せるテクニックがある。準備時間が短くなる代わりに評価は上がり、得られる掘パワーが多くなるので、うまく生かすことが重要。
---また魔物の強化に使ったパワーの量が少なければそれもまた評価の対象になり、たくさんのパワーがもらえる。安易な強化はむしろピンチを招く。
--食物連鎖を意識しなければダンジョン内のモンスターはなかなか増えない。
---例としてニジリゴケが少なく、トカゲおとこが多い状態でガジガジムシを増やしてもうまくいかない。いずれかのモンスターの数が減ったからといって即座に追加しても無駄に終わることが多いのである。
--それだけでなく掘り方も考えなければならない。
---ダンジョンはモンスターの生活の場であると同時に、勇者を葬り去る迷宮でもある。勇者はそれぞれ異なった移動、行動パターンを持つため、うまく誘導する必要がある。
---モンスターの行動パターンも合わせて考える必要がある。特に非常にシンプルな思考パターンのニジリゴケ、エレメントを上手に運用できるようになると中級者。
--たとえ魔王が捕まっても、地上に連れ去られない限りは負けではない。むしろ勇者の手からいかに魔王を奪い返すかこそが、破壊神の腕の見せ場とも言える。
-初心者用のトレーニングが充実している。
--魔王直々に教鞭をとり、新米破壊神に基本から手取り足取りつるはし取り教えてくれる。
---実地演習が中心ということもあり、初心者でもすんなりシステムを習得できる。そもそも基本の部分は非常にシンプルなゲームなのである。
--さらに中級者以上向けに「チャレンジ」という項目もある。
---1ステージだけクリアすればよいが、特殊条件から始まる物が多く、攻略は一筋縄ではいかない。しかしこれもまた、実戦で役立つテクニックを習得できることも多い。
-上記したようにバカゲー要素が非常に豊富。ネタ元がわかるとさらに面白い。
--しかしクライマックスの展開には、ホロリときたプレイヤーも多いとされる。
-本編をクリアすることで、裏ステージ「勇者のくせに超なまいきだ」が遊べる隠しコマンドを教えてくれる。
--裏ステージなだけに難易度が上がっており、最初のステージから勇者が最大数の3人パーティーでやってくるなど、その難易度は表の比ではない。そして最終ステージまで行くと、勇者''「ああああ」''が出現。過去のゲームで使い捨てられてきた全てのああああたちの恨みを晴らすためか、鬼神のような強さを誇る。それだけに倒せたときの達成感も他の勇者以上。
--ちなみにこの裏ステージに行くコマンドを後の作品(or2、3D)で入力しても何かが起こる。何が起こるのかはここでは割愛。
-ファミコン風のグラフィックだが、いい感じにノスタルジアを感じさせる一方、レベル自体は高い。
--キャラクターの動きもかなり滑らか。アクションパターンも結構多い。
-BGMもリコーダーを中心としたどこか懐かしさを感じさせる良曲。

**難点・賛否両論点
-難易度が非常に高い。
--無計画に掘り進めていくと、ほぼ確実にステージ3か4あたりでゲームオーバーになる。完全制覇にはステージ1から最終ステージの8まで通した綿密なルート構築と強化計画が必要になる。
---勇者たちは恐ろしく強い。魔法も技も非常に強力で、苦心して作り上げた魔王軍がいともたやすく蹂躙されていく。
---ちなみにこれは魔王曰く、「国産RPGだから調子に乗っている((日本のRPGは海外に比べて難易度が低いことが多い。「JRPG」などと揶揄される理由の一つである。))」ためらしい。つまりネタの一環なのだが、それにしてもイージーモードぐらいあってもよかったのではないだろうか。
---実際、見た目に反して難易度は「ダンジョンを構築して勇者を倒す」という似たようなコンセプトを持つ海外製「ダンジョンキーパー」シリーズを大きく上回っている。
---魔王を捕まえた勇者は魔法が使えなくなる。このため''総大将である魔王をおとりにして魔王をとらえた瞬間フルボッコ''などという非情な戦法もある(魔王軍だから間違ってないのかもしれないが)。というかこうでもしないと辛い。
-細かいバグが多い。
--戦略に大きな影響を与えるものは少ないが、「デーもんの発展形のサたーん、ハイサたーんの特殊能力の『魔法防御強化』が実際には機能していない」というのは重大。前述の通りこいつらの戦闘能力はたいしたことないので、特殊能力がないとなると、苦労して作る価値が薄くなってしまう。
-コケ地獄の存在
--完成させれば裏表関係なく簡単にクリア出来てしまう。魔王も一緒にコケ地獄の中に置けば、「勇者魔王発見→コケ地獄に飛び込む→魔王を捕らえた時に入る硬直中に死亡」というコンボが成立し、更に入口すぐ近くにコレを設置すればまず負けることはない。
---似たような技にドラゴンを使うものもあるが初めにかかる手間はコケの方が圧倒的に楽。
--ただ、意図しなければ発生しないので気になるようならば封印は楽。

**総評
バカゲーとしての完成度は間違いなく水準以上であるが、同時にゲーム単体として見ても高い戦略性を持ち合わせている。~
難易度の高さは問題だが、それは同時にやり応えにもつながっており、単なる「パロディまみれのバカゲー」で本作を終わらせなかった要因の一つだろう。~

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*勇者のくせになまいきだor2
【ゆうしゃのくせになまいきだ つー】
|ジャンル~プレイ人数|同|&amazon(B001BRRJNC)|
|発売日|UMD版:2008年10月16日&br()ダウンロード版:2008年10月16日|~|
|価格|UMD版:3,980円(税込)&br()ダウンロード版:2,200円(税込)|~|

**概要(or2)
-前作のヒットを受けて調整・新要素を加えて作成された続編。
--基本システムはほぼ前作のものを受け継いでいるが、新たな要素が多数追加されている。
---ちなみに「or2」の読み方は一応普通に「つー」でいいらしい。

**新要素・特徴&評価点(or2)
-ストーリーモードがエリアクリア式に変更された。
--エリアをクリアするたびに前のダンジョンの内容は全てリセットされる。
-主な新要素
--「''ダンジョンクエイク''」
---堀パワーの新しい使い道として「ダンジョンクエイク」が登場。堀パワーを20消費してダンジョン全体に地震を発生させる事ができる。
---勇者をたまに気絶させたり、勇者の設置物を壊したり、勇者の変装を解いたり、魔物の進行方向を混乱させたり、下記の突然変異を止めたりと、様々な効果がある。
---前作では戦闘が始まれば見守るか、新たに魔物を作るしかなかったが、これによりタイミングよく勇者を気絶させボコることも可能に。
--「''突然変異''」
---魔物を進化&変化させる新システム。ほとんどリザルト画面でレベルアップさせるだけだった前作と違い、「あえて魔物たちを追い込むような行動を取る」ことでストレスを与え、ダンジョン攻略中にも随時進化を促す事ができるようになった。
---突然変異が起きるたびに魔物のレベルも上がるので、1ステージ目からいきなり魔物を進化させることが出来たり、進化に使うはずだった堀パワーの節約が出来たり、ついでにステージ評価も上がったりで、使いこなす事でさらに強力なダンジョンの作成が可能に。
---ただし、最高レベルの魔物が変異すると最低レベルに戻ってしまうので注意。
--''新たな魔物''
---突然変異システムの追加により、「勇者に殺させる(もしくは自分で間引く)」「餓死させる」「捕食される」といったストレスの違いによりその進化が派生。
---突然変異で生まれる魔物たちには以下の種類がある。
#region(今回の目玉・派生種たち)
-''基本種''
--前作の魔物と同じ外見をしている。勇者に倒されたりつるはしで間引かれるとこの種になる。
---性能は至って平均的。それだけにあらゆる状況にコンスタントに投入できる。
-''異常種''
--天敵による捕食が多くなると発生。新しいパーツが追加された外見になることが多い。
---能力は全体的に落ちるが、天敵に対抗するためか特殊な状態異常を引き起こす能力を身に着けることができる。
-''巨大種''
--食料の不足により発生。名前の通り非常に大きな外見をしている。
---繁殖力が低い上に、同族を吸収してしまう。しかしそれだけに、攻撃力、生命力は他の比ではなく高い。
---また、仲間を吸収するたびに能力が高まる特殊能力も備えている、はずだが…(後述)
-''ピュア種''
--突然変異を起こしたにもかかわらず、環境に改善が見られないとき…つまり同系種への変異を行った時、失敗扱いとなり、そのお知らせとして現れる。基本種と同じ姿。
---能力は低く、繁殖、捕食も行わないため、戦力としては論外。純粋に魔物からの悲痛なメッセージであると言える。
-''レア種''
--魔物の種類ごとに決められた特殊な条件を満たすことで生まれる。
---条件が厳しいだけに、その能力は高い。
---ちなみに、ドラゴン種はレア種にしか派生しない。
#endregion

---これらの登場により、自由度が大幅アップ。多彩なダンジョン形成が出来るようになった。
---ついでに魔法陣から生まれる魔物も新規種族が追加。魔法陣を作る階層で使い分けが出来る。
#region(新種魔法陣)
-''ゴーレム''
--緑色の土から作った魔方陣から誕生。トカゲおとこを捕食する。生命力と攻撃力に優れ、さらにつつくと一定時間全ての魔物の攻撃力を高める雄たけびを発することができる。しかし実際には…(後述)
-''レディ''
--青色の土から作った魔方陣から誕生。リリスを捕食する。存在するだけで勇者のモチベーションを下げてしまう。一応遠距離攻撃もできるが、勇者が近づくと隠れてしまうため、そんなには期待できない。
#endregion

--ダンジョン構成の新顔「''キノコ''」も追加。
---養分キノコ、魔分キノコの2種類があり、魔物達の万能な餌となるほか、つついて壊して土に分散させる事も出来る。
---周りに土が無い状況で放出された養分・魔分を元にして発生するため、養分の循環に無駄がなくなった。
-勇者の強化
--''新しい職業''「ハンター」「錬金術師」が登場。
---「ハンター」は新たに毒や爆発樽といった罠を仕掛けてくるほか、魔物に変装してターゲッティングを逃れるなどの戦法を採ってくる。
---「錬金術師」は異常にリーチの長い攻撃を仕掛けてくるほか、ダンジョン内の魔分を勝手に使って勇者専用の魔物を召喚してくる。敵の魔物はツルハシで間引く事ができないのでいやらしい。
---おまけでDLストーリー専用の追加職も。
--また、他の勇者も新スキル''セーブフラッグ''を会得。
---勇者達が不埒にもダンジョン内に設置して行く。パッと見ただの黄色い旗だが、これがあると、勇者を倒しても''旗のあるところから体力全快で復活''というとんでもないことになる。見かけ次第撤去しておきたい。
--また勇者の出現パターンに「''勇者ラッシュ''」が追加。先に入ってきた1~3人を全滅させても準備期間が発生せず、次から次へと新勢力が沸いてくるステージが追加されたことにより、いつもとは違ったダンジョン管理が必要となる。
--ついでに勇者達が何か行動するたびに、ニコニコ動画のごとく台詞を発する「''一言コメント''」が導入され、バカゲーぶりup。台詞が鬱陶しいようであればOFFにもできる。
-その他の新要素
--新モード「''魔王の部屋''」
---堀パワー無限、勇者襲来による時間制限無しで好き勝手できる。いわゆるトレーニングモード。
---地中の養分・魔分の量や発生させる魔物((ただし、本編で生み出したことのある魔物に限る。))なども設定でき、色々な実験や戦略の組み立てができるほか、魔物の生活の様を観察したり、ネタプレイに走ったりも出来る。
---本編で倒した勇者に好きなパーティーを組ませて、襲いに来させることもできる。
--また、突然変異の予兆や勇者の襲来を知らせてくれるインフォメーション「天の声」、ダンジョンを構成する魔物の割合をリアルタイムで表示するバー等が追加されており、前作よりも判りやすい工夫がされている。

**評価点(or2)
-前作よりさらに高まった戦略性。
--特に突然変異は大きい。前述の通りのメリットがある一方、最高レベルの時にはむしろ起きて欲しくない他、狙っている戦術との相性が悪い種が誕生することもあり、一方的に有利な変更点ではなくなっている。
--またエリアにより各魔物の初期状態は異なるため、新しいエリアでは新しい戦略が求められる。
-前作よりさらに高まったバカゲー度。
--一言コメントは、前作ではただの蹂躙者であった勇者たちの心の声を知ることができる。
--ずかんも全面的に書き直されている。前作から続いているネタもあり、前作を知っているとさらに面白い。
-ボリュームが増えている。
--ステージ数は合計40ステージで、前作の表裏合わせて16ステージから大幅に増加している。
--さらに前作の表、裏それぞれのクリアデータがあると、表、裏の勇者全てによる勇者ラッシュが解禁される。当然、裏ラッシュの最後は前作で驚異の強さを見せつけた「ああああ」である。
--トレーニング、チャレンジも前作同様充実。トレーニングでは新要素の突然変異を演習を行いながら学べる。もちろん基本の講習も備わっているので、今作から始めても安心。
--有料だが、ダウンロードステージも存在する。いずれも本来のストーリーとは一味違った変わり種ぞろいである。
-魔王の部屋。
--普段はなかなかわからない魔物たちの生活をじっくりと観察できるようになっている。
---前作にも同様のものはあったが、チャレンジを最後まで進める必要があった上、本作ほどの自由度はなかった。しかし本作では最初からプレイ可能であり、各種設定の変更、状態の保存((勇者を呼び寄せて荒らされた後でも即座に呼ぶ前の状態に戻せる。))などにより、自由度が非常に高い。

**問題点・賛否両論点(or2)
-やはり難易度は高い。
--とはいえ今回はエリアごとに分けられているため、始めの方のエリアならばそんなに苦労せずにクリアできるはずである。
---ただし、最終エリアの難易度は前作の裏モードを上回ると言われる。そしてラストステージでは前作の悪夢も上書きされるような鬼畜パーティが存分に暴れまわってくれる。
//ラスボス名などはネタバレなんで一応具体的な話は伏せ
-「突然変異」の分かりづらさ。
--かなり細かいいくつかの変異条件があるのだが、それをどの程度満たしているか等はどこにも一切表示されないため、非常に分かりづらい。
---最大のネックは「誕生してから一定時間経たないと死亡数にカウントされない」という条件。魔物の種類ごとに細かく規定時間が違う上に、前述の通り特に表示も無いため管理も分析もたいへん難易度が高い。
--またかなり細かく条件が指定されているにも関わらず、(今でこそ詳細な条件は分かっているものの、)ヒントなど無いため、初見では分かりづらい。
-バグがなくなるどころか増加している。
--前記のサたーん、ハイサたーんのバグが修正されていない上、「掘パワー増加バグ」「巨大種の魔物の能力が融合しても上がらない」「''ゴーレムの特殊能力が発動すると、攻撃力が上がるどころか激減する((正確には与えられるダメージ量が2で固定になる。ステージによってはたまに役に立つが…。))''」などのバグが追加。((ちなみにこれらのバグは次作の3Dで自虐ネタになっている。))
---掘パワー増加バグ以外、不利に働く上に回避不可能な物ばかりというのが痛い。一応巨大種はデフォルトでもそこそこ強いし、ゴーレムは生命力と攻撃力に優れるため、最初から特殊能力がないものと割り切れば、サたーん、ハイサたーんよりはまともに使えるが…。
-やっぱり使えるコケ地獄
--コケのステータス調整などはされたが、威力はやっぱり相変わらず。勇者にも高威力&広範囲の攻撃スキルが追加されたが、使わせなければ別に問題は無い。
---ただ今作も意図しなければ発生しないので気になるようならば封印は楽。
-ダンジョンクエイクの連打
--突然変異の存在も相まって後半は堀パワーが余ることが珍しくなくなり、ダンジョンクエイク連打でごり押すことは難しくない。

**総評(or2)
全体的なボリュームが増えた上に、新要素により戦略性も向上。~
魔王の部屋の登場により、「魔物たちの生活する様子を観察するビオトープを作り上げる」という楽しみ方も加わり、ステージをクリアしたらそれで終わりとならなくなっているのも良い。~
バカゲーとしても(良い意味で)悪化しており、総合的な完成度は高いと言えるだろう。

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*勇者のくせになまいきだ:3D
【ゆうしゃのくせになまいきだ すりーでぃー】
|ジャンル~開発元|同|&amazon(B002PK0KP8)|
|プレイ人数|1~2人|~|
|発売日|UMD版:2010年3月11日&br()ダウンロード版:2010年3月11日|~|
|価格|UMD版:3,980円(税込)&br()ダウンロード版:2,800円(税込)|~|

**概要(:3D)
-好評を受けて更に出された最新版(2012年現在)。
--タイトルの「3D」はいわゆる3DS等の3D(Dimension)ではなく「3つのダンジョン(Dungeon)」なので3Dとのこと。

**新要素・特徴(:3D)
-「''魔水''」
--特定のブロックをつついて壊す事により、新たな特性を持つ「魔水」が発生。ダンジョンの下方へと流れていき、行き止まりで水溜りとなる。
---「魔水」には勇者のスキルを封印する効果もあり、戦略的な配置も重要となってくる。
---この「水」の概念が追加されたことにより、様々な方向がボリュームアップ。今回の目玉である。
--「''水棲魔物''」
---「魔水」は土と接触すると、養分・魔分を勝手に「もにゅもにゅ」と呼ばれる植物に変える。さらに「もにゅもにゅ」は周りから勝手に養分・魔分を吸収してすくすく成長し、やがて「つぼみ」となると勝手に着水。そのまままたどんどん成長していく。
---この「つぼみ」をつつくと中から魔物がひょっこり。これが今回の新顔、水棲魔物である。
---「つぼみ」がどれぐらい成長しているか、また養分を元にしているか、魔分を元にしているかで誕生する魔物は変化する。さらに特殊な条件を満たすと…
---先ほど書いたように勝手に養分を集めて成長してくれる性質があるため、従来の魔物とはまた違った感覚で扱える。管理も楽なので使い勝手も全体的に良い。
--「''知能''」
---さらに、「つぼみ」を限界まで成長させると魔物は発生しなくなり、代わりに「レンゲ」が咲く。こいつが咲くと''ダンジョン内の陸生魔物の知能がアップし、特殊な行動を行ってくれるようになる''。
---レンゲ1つにつき知能は1段階アップ。1段階だけだとコケぐらいにしか効果が無いが、どんどん上げればトカゲにまで効果が及ぶ。
---このおかげで旧来の魔物にも新鮮な要素が増え、新しい活躍をしてくれる。
-''新モード''
--''メインダンジョン''
---いわゆるいつものストーリーモード。「今回はダンジョンの数が3つに!」…と書くとボリュームダウンのように思えるかも知れないが、その分1エリア中のステージ数が増加。
---さらに今回は特殊条件を満たす事で通常と違った勇者一行がやってくる「''エクストラ(EX)ステージ''」が発生。総合的なステージ数はかなりのものとなる。
---EXステージの発生条件はなかなか厳しいものが多く、さらにステージ自体の難易度も高く、一定の挑戦の目安となっており、やり応えがある。
--''まいにちダンジョン''
---「特定の魔物をn体作る」「特定の物を全て間引く」「土をn個掘る」等のランダムで自動生成されたお題を連続でクリアしていくチャレンジモード。
---簡単なお題に見えても突然変異を使いこなす必要があったり、ブロック配置がいやらしくパズルのように上手く攻略する必要があったりと、なかなかの高難度。
---また、10問ごとに特定の勇者打倒ミッションが発生する。
---10問に連続挑戦する''「まいにちチャレンジ」''と、50問もの課題に連続で挑む''「破壊神けんてい」''の2種類がある。
--''ファミリーダンジョン''
---通信機能を使い''2人で挑戦できる協力ストーリーモード''。このモード専用のストーリーが用意されている。
---魔王軍とムスメ軍に別れ、それぞれの陣地をそれぞれ掘り進めてダンジョンを形成していく。自分の陣地でない土を掘る事も出来るが、堀パワーを非常に多く消費する。
---2人それぞれ勝手にダンジョンを好きなように作って行くも良し、コミュニケーションが取れるなら2人で一緒に1つのダンジョンを作ってもよし、もしくは協力するフリをしておきながら相手の変な位置のブロックを掘って邪魔したり、と多用な遊び方が可能。
---事前に魔物の派生種を指定しておけるため、最初からある程度好きなようにダンジョンメイクが可能。ただし2人プレイ故か準備時間は少々短め。
---このモードのみ、ダンジョン内の時間を止めて物を移動させる事ができるツルハシスキル、「ザ・%%ワーr%%ダンジョン」が使用可能。
--また、ファミリーダンジョンとメインダンジョンの一部ステージでは魔王とムスメの2人が司令塔として存在するため、片方が連れ去られても30秒以内に勇者を倒してしまえばクリア扱いなシステム「''魔の30秒''」が存在する。
--''リプレイ''
---ステージクリア時にリプレイの保存が可能になったため、後から状況確認を行ったり、面白い事が起きたら撮っておいたり、といった事ができる。
---また、今作はSELECTボタンを押すといつでもどこでも''スクリーンショット''が撮れる。
-「''ツルハシスキル''」
--ツルハシの種類が10種類に増加し、自由に選んで装備できるようになった。これにより、前作では「ダンジョンクエイク」のみだった堀パワー消費スキルが、「ツルハシスキル」としてバリエーション大幅アップ。
--最初はそれこそダンジョンクエイクしか所持していないが、特定の勇者を倒すと落とす「''ドラゴンオーブ''」をゲットする事で使える種類が増えていく。
---どっかで見た事がある…なんだか7つ集めるといい事がありそうな気がするオレンジ色の球体なのは気のせいかも知れない。
-''突然変異の仕様変更''
--分かりづらいという前作の批判を受けてか、今回は「死亡すると画面下のストレスゲージが溜まり、右端へ振り切れるとストレスの原因に応じて変異」というシンプルなものに変更。
--変異の派生も基本種→基本種と同種でも発生するようになり、単純レベルアップにも便利に。
---その代わり前作のように少ない犠牲での変異は狙えなくなり、かなりの魔物を死なせる必要が生まれた。
---ピュア種も外れ変異扱いではなく、ストレスゲージのたまりに応じてランダムで自然発生するようになった。
-''新規魔物の追加''
--水棲魔物以外も様々な魔物が追加。旧作の魔物から派生するものもあり、使い勝手の向上になっている物も。
-''勇者の強化''
--魔王軍に便利な変更点ばかりではない。勇者もきっちり強化されている。
--新職業「シャーマン」「僧侶」「武闘家」に加えて前作のDLC専用職だった「鉄人」も正式採用。
---これらの職業の登場により、魔水を凍らせてきたり、聖水を混ぜてきたりと非常に厳しい攻撃手段を会得しているほか、追い詰めるとスキルで大逆転を狙ってくる職もあるため魔水によるスキル封印が有用であるなど、魔水の扱いも考えてダンジョンを構築する必要がある。
--またダンジョン内のアイテムや卵を勝手に持っていくようになった。卵のままのしんりゅう等を持ち去られるとかなり涙目。
-その他の追加・変更点
--土を掘っているとたまに出現するアイテムに「''化石''」が追加。水に浸けるかつつくかで発生する魔物が変化する。
--図鑑も無駄に超強化。''ポップアップ''機能が追加されたことにより図鑑中の本文にものすごく細かい注釈が付くようになり、おバカ度アップ。
--ちなみに前作までのバグは無事修正された。

**問題点・賛否両論点(:3D)
-やはり難易度は高め。と言うか難易度の高さで言うなら過去最高と言って良い。
--「メインダンジョン(ストーリーモード)」はダンジョン数の減少とエリア数の増加により、最初のダンジョンでも結構な難易度になった。
---最終ステージは、下記の「入口水地獄」を使わなければ、クリアはかなり難しい。
--新モード「まいにちダンジョン」の難易度もかなり高い。
---特に「破壊神けんてい」では50問もの課題を連続で攻略しなければならない(もちろん失敗したら最初からやり直しである)ため、失敗してしまうとだいぶ心が折れる。
-難易度調整できるようになったのはいいが、難易度を下げても正直それほど易しくない。
--と言うのも、難易度の下げ方が「準備時間を延長する」ものであり、その割に成績判定の「消費時間」の基準が変わっていないため。なので結局時間を掛ければ掛けるほど、そして時間がある分堀パワーを消費するほどクリア報酬が少なくなっていき、下手をすればジリ貧に。
-やはりバグ多め。
--ただし今回は前作とはうって変わってユーザーに有利なバグが多発。
-水棲魔物が強すぎる。
--魔水は「『水の中でしか生きられない』という水棲魔物の仕様上魔物が密集しやすい」「水棲魔物には勇者の動きを遅くしたり、痺れさせて動きを止めるといった強力な能力を持つものが多い」「魔水による勇者のスキル封印」と、勇者にとっては三重苦の場所となる。
---ストーリー後半になると前述のとおり魔水を凍らせてくる勇者が出てくるため、水棲魔物だけで攻略できるというわけではない。
---しかし、上記の魔水の弱点を克服する最強の戦略「入口水地獄」という戦略がある。ただこれもこのゲームで採れる戦法の一つに過ぎないため、何度も言うようだが気になるなら封印は容易ではある。
--ちなみに前、前々作で猛威を振るった「しんりゅう」「コケ地獄」「じゃしん」といった魔物や戦術が今作では弱体化しており、お手軽強力戦法としては機能しにくくなっている。
-「魔王の部屋」の不満点
--今回メインメニューからは消えているため場所が少々分かりづらい。
--勇者の屍が残らないため、スケルトン系・マンドラゴラ系の魔物の実験が出来ない。

**総評(:3D)
-前作から大幅な変化を遂げた今作。細かい調整も良くなされており、バカゲー要素も相変わらずの飛ばしぶりで好評を得ている。

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*余談
-開発元の方針なのか、本シリーズには攻略本の類が一切存在しない。
--初代と『or2』で魔王自らまとめWiki、攻略Wiki云々の発言をしているので、恐らく公式でもそちらを参照してほしいと考えているのだろう。
-『or2』は2011年4月~5月にかけて発生したPSN障害に対するお詫びソフトの1つにもなっている。

-『。』『or2』『:3D』とそれぞれ体験版が出ていたが、いちいち仕込んでいるネタが製品版と違うなど、こちらでもバカゲーぶりが徹底されていた。
--『。』の時点ではそれほどでもなかったのだが、新作に移行するにつれてどんどん顕著になってきている。
---現在はどれも配信終了済み。

-携帯にも『。』をベースに移植販売されている。
--そしてこちらでも本編とは異なるネタがわざわざ仕込んである。
-また、PS Vitaで本シリーズのキャラクターをベースにしたアプリ『勇者のきろく』、PS3にてミニゲーム『勇者のくせになまいきだwww』がそれぞれ配信されている。
--あくまで本シリーズをベースにしたスピンオフであり、中身は全く別物である。
---『きろく』はスケジュール管理用ソフト。会話などは新録されているが勇者や魔物は『:3D』の使い回し。
---『www』は勇者視点のコマンド入力式RPG風ミニゲーム。と言うかだいぶ[[せがれいじり>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/1219.html]]。