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天下一武士 ケルナグール - (2012/09/07 (金) 19:36:32) のソース

*天下一武士 ケルナグール
【てんかいちぶし けるなぐーる】
|ジャンル|対戦格闘ゲーム|&amazon(B000068H3R)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売元|ナムコ|~|
|開発元|ゲームスタジオ|~|
|発売日|1989年7月21日|~|
|価格|4,900円(税抜)|~| 


**概要
-様々な技を駆使して相手を倒す、いわば「対戦格闘ゲーム」の草分け的存在。
-TVCMのキャッピコピーは''「ケルナグールで、蹴れ!殴ーれ!」''。
-タイトルの由来は「蹴る殴る」、およびTVアニメ『戦国魔神ゴーショーグン』の登場人物(ヤッター・ラ・ケルナグール)。


**システム

***基本的な操作方法
- Aボタンで攻撃、Bボタンでジャンプと、FCにおける一般的なアクションゲームとは逆のボタン配置。十字キーの左右で移動、下でしゃがみ。
-- 攻撃時は相手との間合いの差により、習得している中から該当する間合いの技が出る仕様。
-- キャラ同士は体同士での当たり判定がないので、重なりあうことも可能。
-- 技がヒットしてもひるむ等の動作がないため、どんなに大技がヒットしても相手が技を出していれば相打ち状態となり、相互にダメージを受ける。
-- しゃがみながらAボタンで下段攻撃の技が出る。また、ジャンプ時にAボタンで空中攻撃の技が出る。
-- 十字キーの上を押しながらAボタンで上段攻撃の技が出る。上段攻撃の技は頭や顔にヒットするため、概ねダメージが大きい傾向がある。空中攻撃を頭などに命中させた場合も同様にダメージが大きい。

- 防御/ガードをプレーヤーの意思で行うことはできないが、技を出さない状態であれば、自動で相手の技を受け止め、軽減するようなアクションを行う。
-- ガード時は技の種類およびヒットした部位、出し手の攻撃力、受け手の防御力によって受けるダメージが変動。条件によってはダメージ0の場合もある。


***対戦モード
- 「ふたりで たいせん」「ひとりで れんしゅう」「しあいを かんせん」の3モード。
-- 「ふたりで たいせん」は友人同士などで楽しめる2P対戦。「ひとりで れんしゅう」は対com戦。「しあいを かんせん」はcom同士の対戦を見守る、いわゆるウォッチモード。

- いずれのモードも、あらかじめ用意された15人の拳士と、修行モード(後述)で育てた拳士が使用可能。
-- 15人の拳士はそれぞれ体力・攻撃力などの基本ステータス、および習得している技が皆異なる。これにより拳士個人個人の個性を演出している。
-- 攻撃力がマックスなパワータイプや、威力のある大技を重視したタイプ、空中戦に秀でたタイプなど。


***修行モード
- ''基本的な流れ''
-- 中華的な世界観の感じられる広大なフィールドを冒険して修行を重ねて主人公を強化するRPG風モード。本作のメインとも言える。
-- 「天下一武士」の額に恥じぬ拳士になれ-。そんなJ('ー`)しカーチャンの願いを胸に、主人公が我が家から出発するところから始まる。主人公の初期値はHP10、使える技は「中段突き」のみ。J('ー`)しカーチャンから渡された「おかね」を所持。
-- 世界には4つの寺、7つの城、数十にも及ぶ町や村、仙人や一般人が住む庵や洞窟などが無数に存在。これらの世界を駆け巡って修行を重ね、技を習得したり、体力などの能力値をひたすら強化する。
-- 大雑把に解説すると、 家を出て4つの寺を回って基本技を習得 → 更に高度な技を習得するために仙人の修行を行う となる。
-- 合間に敵と戦って最大HPを増やす、攻撃力などの能力値を増やすアイテムを探す、各地の城で用心棒や師範代を務める拳士を倒して称号を得る(ガード能力を強化する)、などの作業を並行させる必要がある。

- ''コンティニュー''
-- 12文字のパスワードでコンティニューが可能。
-- パスワードは我が家、または各町にある五重塔で聞くことができる。
-- 対戦モードでパスワードを入力することで、修行モードで育てた拳士での対戦も可能。

- ''移動''
-- 移動の手段は主に徒歩。移動中にBボタンを押しっぱなしにすると高速での移動も可能。
-- 町や村にある「黒馬マークのタイホーチェーン」でおかねを払えば、行ったことのある町(村はNG)および我が家へ一瞬で移動することも可能。
-- おかねを持たずにタイホーチェーンに行き、若い衆との対戦に勝つと、利用し放題のフリーパスを得ることも可能。但し相手は相応に強いので初期状態での勝利はまず厳しい。また、フリーパスおよび訪問した町の履歴はコンティニューで消失。
-- 世界中に伸びる道の上を移動すると敵が一切出現しない。(それ以外の場所ではランダムにエンカウントが発生)
-- 敵が出現したらAボタンで戦闘開始。Bボタンで逃げることもできるが、逃げられない場合もあり、強制的に戦闘となる。敵は主人公の強さに比例して強くなる。
-- 修行を進め、HPを999まで増やすことで、地形を無視して移動可能な特別な交通手段を得ることも可能。また、フィールド上で敵が出現しなくなる。

- ''アイテム''
-- &bold(){一度に所持できるアイテムは1品のみ。}
-- 「おかね」も1つのアイテムとしてカウント。「おかね」に額の大小はなく、別のアイテムを購入する際は「おかね」との物々交換となる。
-- 「おかね」を得る手段は、①町のお茶屋さんで試合に勝つ、②所持しているアイテムを町の長者に売る、③仙人などにお遣いを頼まれた際に渡される、④試合に負けて実家に戻されたときにJ('ー`)しカーチャンに渡される、など。
-- タイホーチェーンのフリーパスはアイテムとしてカウントされない。

- ''フィールドで出会う敵''
-- ''のうふ'':農夫、いわばお百姓さん。畑の上を踏み荒らすと出現。全般に攻撃力が高く、勝利しても絶対に最大HPが増えない。畑を踏み荒らしてはいけない。
-- ''けんし'':拳士。主人公と同業者。平原に出現し、正々堂々と試合を申し込んでくる。概ね正統派な戦い方。勝利すると最大HPが増加することもある。
-- ''にせけんし'':ニセ拳士。荒地などに出現する。HP高めの厄介な存在。勝利すると最大HPが増加することもある。
-- ''さんぞく'':山賊。なぜか山ではなく森の中で出現。勝利後に最大HPが必ず増加する反面、敗れると所持しているアイテムを奪われてしまうという鬼畜ぶり。仙人のお遣いの最中には絶対に戦いたくない相手である。
-- ''かわりもの'':変わり者。砂地・砂漠で砂の中から出現。リアルに想像すると非常に怖いが、拳士としてはさほど手ごわい相手ではない。勝利すると最大HPが増加することもある。
-- ''じゃまもの'':邪魔者。石段で出現する南林寺修行者キラー。ジャンプを多用する、文字通りの邪魔者。勝利すると最大HPが増加することもある。

- ''村の施設''
-- ''六角堂'':村の名前や特徴を聞くことができる。
-- ''拳士の家'':その村で一番の拳士が在住。戦って勝つと富豪の占いを受けられる。
-- ''商店'':アイテムを買ったり貰ったり物々交換できる場所。村によって得られるものはバラバラ。
-- ''富豪の家'':所持しているアイテムを買い取ってくれる。また、拳士に勝つと所持しているアイテムによって、おおよその目的地の方角を教えてくれる。
-- ''民家'':さまざまなヒントが得られる。たまにアイテムを得られる場合も。
-- ''馬屋'':タイホーチェーン。行ったことのある町、または自宅へ一瞬で連れて行ってくれる。馬屋の若い衆に勝てばフリーパスがもらえ、無料で移動し放題となる。
-- ''井戸'':ゴックン おいしくのみました。…熱中症に注意である。

-''町の施設''
-- ''六角堂'':(村に準ずる)
-- ''拳士の道場'':拳士の家に変わる施設。道場だけあって強めの門弟が属する。勝つと富豪の占いを受けられる点は一緒。
-- ''お茶屋'':気さくな看板娘がお茶を勧めてくれる。おかねがない場合、試合を斡旋される。中には破壊の神の手下などという物騒な相手も。
-- ''五重塔'':パスワードを教えてくれる。ただし、どこの町で聞いてもリスタートはJ('ー`)しカーチャンの所からである。
-- ''商店'':(村に準ずる)
-- ''富豪の家'':(村に準ずる)
-- ''民家'':(村に準ずる)
-- ''馬屋'':(村に準ずる)
-- ''井戸'':ゴックン おいしくのみました。…いつの時代も水分補給は大切だということか。


**修行
***寺での修行
- フィールドの東西南北に位置する4つの寺で、各3名の門弟と対戦。勝つと新たな基本技を習得できる。
- 計12名の門弟を倒すと寺での修行が終わり、各地に点在する仙人の修行を受けられるようになる。
- 北林寺は中段攻撃の技、南林寺はジャンプ系の技、という具合に、寺によって習得できる技の系統が異なっている。

*** 仙人の修行
- 各地に点在する仙人が、対応する寺の修業を終えた後それぞれ欲するアイテムを持参することで技を習得できる。
-- たとえば、北林寺での修行を終えていれば、北林寺系の技を伝承する仙人の修行が受けられるようになる、という具合である。
-- 先に仙人の下で強力な技を習得することも可能だが、すべての寺の修行を終えることで得られる特典もあり、どういう順序で攻略を進めるかはプレイヤーの自由となる。
- 技を習得する順番に制約はない。ただし、同時に複数のアイテムを所持できないという仕様上、ある仙人の修行の途中で別の仙人の修行をはじめるような真似は、当然ながら大きなロスとなる。



*** 城での対戦
- 各地の城で師範代などと対戦し、勝利することで「拳士の位」を得ることができる(ガード能力がアップする)。
- 城に入るには、特定のアイテムを持参したり、特定のフラグを立てる必要がある。
- 城を攻略する順番は決まっており、いきなり最後の城での対戦を行うことはできない。ただし、寺や仙人の修行の合間に城の対戦を挟むことも可能。
- 対戦に勝利した城は以後フリーパスとなり自由に出入りが可能となる(師範代などの拳士は不在となるため対戦は不可能)。また、「あいことば」を教えてもらえる。あいことばはパスワード入力画面で正しい順番に入力するとエンディングを見ることができる。

*** その他の修行
- ''タオの実'':力、すなわち攻撃力を強化するアイテム。発見と同時に攻撃力がアップ。合計7つ手に入る。
- ''スピードの種'':スピードを強化するアイテム。発見と同時にすばやさがアップ。合計3つ手に入る。
- ''ジャンプ力アップの修行'':ジャンプ力を強化する修行。木に実った梨を取ったり、雲めがけてジャンプするなど3段階(南林寺で最初の弟子に勝って「ジャンプ」を習得する必要あり)。
-- これらの修行は、各地の寺を巡回する段階からでも可能なため、先に済ませておけば寺での修行段階から非常に大きな恩恵を得られる。

**セールスポイント
***技のモーションが秀逸
- このゲームの最大の魅力は、非常に美しいモーションで繰り出される美しい技の数々にある。
-- 接近戦から相手の顔めがけて脚を振り上げる「ハイレンキャク」、空中で連続蹴りを繰り出す「ニキキャク」、(実用性はともかく)回転蹴りを繰り出しながら進む「レンキャク」など、これらの「美しい技」を「美しいモーション」で描ききった点は、今日の格闘ゲームと比較しても決して見劣りすることがなく、FCの表現力でで実現させたことを含め賞賛に値する。

***意外と奥深い戦い
- たとえば、顔や頭を狙う上段技は強力だが、下段攻撃との相性が非常に悪い。一方で空中攻撃の迎撃に使えるなどのメリットもある。 ただし、下段攻撃ばかり狙って頭を下げていては、中段攻撃の餌食となる。
- スピードの速い拳士は相手の背後からの攻撃が有効。遅い拳士は後ろを取られないよう、壁を背後にして戦う必要がある。
- また、相手にリードされている状態で闇雲にセンプウキャクなどの大技を狙っても、相手が同じ技を出せば結果的に相打ちとなってしまうため、決して上策ではない。
-- このように、キャラの能力や技ごとの特性を考え、どの技をメインに使っていくか、どのように戦っていくかといったプランを考えたり、技ごとの相性を意識することが求められるのだ。
-- 闇雲にAボタンを連打するだけでは決して天下一武士にはなれないのである。

***育てた拳士で対戦が可能
- 修行モードで拳士を育てることで得たパスワードを使えば、対戦モードでその拳士を使用することができる。
-- 最強拳士同士での対戦はもちろんのこと、、すべての技を習得したHP10の拳士、基本技だけを習得した拳士、自分の使いやすい技だけを習得させた拳士など、(育てさえすれば)どんな拳士でも使用できる。

***フィールドに散りばめられた製作者・遠藤雅伸氏の遊び心
- フィールド上にはさまざまな場所でちょっとしたメッセージを読むことができる。それらはゲームのヒントのほか、「たちいりきんし」などのユーモアに富んだものも。
- また、フィールド上には、他のゲームからのオマージュと思われる要素が多数見受けられる。元ネタを知っているプレイヤーなら、これらの要素を探していくだけでも思わずニヤリとしてしまうこと請け合いだ。
#region
- 「ほのおのラケット」と「てつのラケット」
-- どちらも装備できない。「プロテニスワールドコート」のクエストモードのオマージュ。

- フリオニールの墓
-- ファイナルファンタジーIIの主人公の墓。「リンクの冒険」に勇者ロトの墓が登場するなど、この時代は相互にこうしたオマージュを挟むことが流行っていた。
--「ゆうしゃのはかは めぐりめぐる リンクしかり ロトしかり」と、リンクと勇者ロトもメッセージに登場している。

- じゃしんのぞう
-- ドラゴンクエストIIに登場するアイテム。アイテムなので富豪に買い取らせることも可能だが、拾ったその場で掲げてみると…

- ヘンゲのツエ~ガイアのつるぎ
-- ドラゴンクエストIIIのオマージュ。
-- 「レンダ(連打)」を習得するための仙人修行。ヘンゲのツエ→ふなのりのホネ→アイのおもいで→ナントカのつるぎ(ガイアのなんとか)と物々交換を進める必要がある。
-- これはドラゴンクエストIIIで実際に収集する重要アイテムと、名前も順番もほぼ一緒。さすがに遠藤氏も最後は「ナントカのつるぎ」などと暈してはいるようだが…
#endregion

- ケルナグール最大の謎
#region
&nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/1246014329)
#endregion

***最強のラスボス・タオろうし
- 最大HPを999まで増やすことで、特別な移動手段をもらうことができる。その状態でフィールドを移動すると、不意に元祖天下一武士・タオろうしが声をかけてくることがある。通常のエンカウント同様、Aボタンで対戦開始。
- タオろうしはすべての技を使い、ステータスも最大。最大HPに至ってはプレイヤー側の上限999を突破しており、外見上はしばらく攻撃しても999から減ることがない。
-- これは通常の3倍、999 x 3 = 2997という桁外れのHPを持っており、999でカンストしているために起こる現象である。タオろうしは決して不死身なのではなく、1999以上のダメージを与えればHPが減り始める仕様なのだ。
-- タオろうしに勝つには、相手の技を受けることなくこちらの技を的確にヒットさせ、膨大なHPを削り倒す必要がある。修行の総仕上げに相応しい、まさに最強の存在である。


**修行モードの問題点
***キャラクターメイク段階での制約
- 修行開始の段階で主人公となるキャラクターを命名するのだが、他のRPGのように名前を自由に入力することができない。
-- あらかじめ用意された64種の名前の中から、主人公の名前を選択・決定しなければならない。
-- このため、主人公のキャラクターに対する感情移入が深まりづらくなるとともに、後述のようにキャラクターの外観が皆一律に等しいため、主人公を含めたキャラクターの没個性ぶりに拍車がかかることとなる。
-- パスワード入力画面でわかるように、ゲーム内ではほとんどのひらがなが網羅されているため、ひらがなのみであれば自由な名前設定ができる仕様にすることは可能だった筈である。にもかかわらずこのような設定を採用したのは、パスワードの文字数を極力減らすための措置と思われる(先述のとおり、修行モードのパスワードは僅か12文字)
-- なお、64種の名前の中には、世界観に沿った趣のある「ゲックウ」「ビャクレン」、どこかで聞いたような「レンホウ」、ナムコブランドに由来する「ゼビウス」「ドルアーガ」といったものも含まれている。

***仙人の修行
- 修行と銘打ってはいるが、拳士を倒すわけでも、技の特訓を受けるわけでもない。修行とは名ばかりの、完全なパシリである。いやむしろ精神修行かもしれない。
-- 華麗で豪快な技を教えてくれる仙人だが、どの仙人も一筋縄では技を教えてくれない。「○○をもって来い」で済めばいいのだが、フィールドを縦断した先でアイテムを手に入れる必要があったり、手に入れたアイテムを別の箇所でわらしべ長者的に別のアイテムに変えてもらう必要があったり、「わしを楽しませろ」などという無茶振りを言い渡されたり、挙句「歯を磨きたい」といわれた正解が近所に落ちている「石」((これは「漱石枕流」の故事が元ネタなのだろう))だったりと、むちゃくちゃもいいところである。
-- 一部のフィールド上ではアイテムを強奪する山賊とエンカウントする可能性があるため、幾度かの物々交換を経て手に入れた最終アイテムを仙人に届ける目前で山賊に敗れてアイテムを失う、といった悲劇も決して珍しくはない。その場合、最初のアイテムから収集し直さなければいけない。
-- また、そもそも広大なフィールドに町や村や庵やアイテムスポットが点在しており、何がどこにあるのか、そもそも仙人がどこに住んでいるのか、を把握することが非常に困難である。
-- 総括すると①アイテムの入手に非常に手間がかかるケースが多い②何を要求されているのかがわかりづらいケースもある③苦労して入手したアイテムを奪われるリスクがある④どこでアイテムを入手すればいいのか、どこに行けばいいのかが非常にわかりづらい、となる。
-- 結果としてではあるが、攻略本/攻略サイトなしで独力ですべての技を習得することは、不可能ではないが困難を極めるであろう。

***城の修行
- 基本的には仙人の修行に準じ、門番を突破するためのアイテムを求めてパシリ行為に奔走することになる。
-- 城の門番の趣味嗜好に合わせたアイテムを要求されるため、性格の捻じ曲がった仙人どもよりは、若干与し易い傾向ではあるが。
-- また、1箇所ではあるが、先にとある仙人の修行を終えておかなければならないケースが存在する。そのことに気づかず、各地を回ってアイテムを収集し、いざ勝負といった段階で突如場外へワープさせられたプレイヤーも決して少なくはないだろう。
-- この場合、入手した最終アイテムを泣く泣く諦め、仙人修行を済ませてから1からアイテム収集をやり直すことになる…。

***修行すると敵も強くなる
- 寺や城の敵は強さが固定されている。そのため、タオの実やスピードの種を手に入れてしまえば俄然有利となる。
- しかし、フィールドで会う敵は主人公の修行の度合いに応じて最大HPや習得した技、攻撃力などが変化するのだ。端的に言ってしまえば、''「主人公が強くなれば比例的にフィールドの敵も強くなる」''のである。
-- ゲームとしてのやりがいを考えるとこの点は寧ろ当然と言えるのだが、前述したように''「お遣いの途中でアイテムを奪われる」リスクを考えると、常に負けが許されないという緊張感を味わう''こととなる。

***最大HPを増やす作業
- 最大HPは山賊などの敵に勝つことで伸ばすことができるが、最初のうちは敵を倒すことも困難なため、なかなか最大HPが伸びず、思わぬ苦戦を強いられることがある。
- また、寺の修行を終えたあとでも、最終的には上限となる999まで成長させねばならず、少々手間がかかる。
-- 一応HP250までの救済策は存在するが…
#region
-- 寺の修行の際、門弟を1人倒すごとに、我が家北のエイシュンでスポーツドリンクを買えば、最大HPが10づつ増える。(最大で120まで)
-- また、寺の修行を終えることで、コウネイ村付近の洞窟に住む仙人が、最大HPを250まであげてくれる。
#endregion

**ゲーム全般での問題点
***技の「かぶり」が生じる
- たとえば修行によって「テンシンキャク」が使えるようになったとする。テンシンキャクは中段でリーチが長く、出も速いことから非常に使える中段技なのだが、レンキャクなど別の技を習得してしまうと、テンシンキャクを出そうとしてもレンキャクが出てしまう、といったケースが頻発する。
-- これはそれぞれの技がそれぞれ有効な間合いが決まっているためであり、正しい間合いで技を出せば正しい技がでる仕様なのだが、使い慣れた強力な技が(結果として)修行を進めたことで出しづらく感じてしまう点は賛否が分かれるところである。
-- まあでもAボタン1つで攻撃する以上、仕方ないとは思うが。
-- このため、やみくもに全ての技を習得するよりも、自分の使いやすい技だけを揃えるカスタマイズ性も魅力のひとつとなった。当時の攻略でも、最強状態は「レンダとレンキャク以外」と言われた。

***キャラが一緒
- すべての拳士は同じ容姿。体のサイズや体型、顔まですべて一緒。(服の色だけが異なる)登場する拳士のキャラクターは非常に多いのだが、拳士個人の個性がないので少々退屈かもしれない。
- そもそも「武士」なのか「拳士」なのか。タイトルの時点で紛らわしい。ましてブシもケンシも刀を持って戦う印象だし…

***会話時の注意点
- 登場人物との会話は一般的なRPGやアドベンチャーゲームのようにウインドウに文章が表示され、ボタンでページを送っていくのだが、この時''Aボタンは全て「はい」Bボタンは「いいえ」と答えながら進めていく''という特徴がある。選択を問う文章が表示されたときも「はい/いいえ」を選ぶ小ウインドウが出るのではなく、Aボタンでページを送るかBボタンでページを送るかで決めていく。
-- 多くの場合は、普段はAボタンで進めていき問いかけられた時に注意していればいいのだが、たまに''質問なのかどうか分からないのにBボタンでページ送りをしないと正解にならない''場合がある。ゲームの仕様であり謎解きに類する部分だが、おそらく知らないと詰む。インターフェースが洗練された現代のゲームに慣れた人がプレイしたら、この仕様に全く気づく事が出来ないだろう。昔のゲームなので、ゲーム中の操作説明やチュートリアルは無い。