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地球防衛軍3 PORTABLE - (2013/01/07 (月) 01:05:21) のソース

*地球防衛軍3 PORTABLE
【ちきゅうぼうえいぐんすりー ぽーたぶる】
|ジャンル|3Dアクション・シューティング|&amazon(B0089JVVDY)|&amazon(B0089JVVZ2)|
|対応機種|プレイステーション・ヴィータ|~|~|
|発売元|D3パブリッシャー|~|~|
|開発元|サンドロット|~|~|
|発売日|2012年9月27日|~|~|
|定価|通常版:6,090円&br;ダブル入隊パック:7,329円|~|~|
//|ポイント|ペイルウイング追加&br()追加が多いがバランス調整はかなり良好&br()ボリューム面でも文句なしの傑作に|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[地球防衛軍シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1560.html]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
SIMPLEシリーズの傑作地球防衛軍シリーズの三作目。その携帯機移植バージョンである。

『[[2PORTABLE>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/595.html#id_787ca50a]]』に続く携帯ゲーム機への移植作品。本作はPSVitaへの移植。~
『2PORTABLE』と同様に初回生産限定でソフト二本を同梱した『ダブル入隊パック』も7,329円で発売。こちらは一本あたり3,700円程度になる。~
初回封入特典として本作で追加された武器のDLCコードがついている(入手しなくてもクリア可能で、武器取得率には影響なし)。~
なお、初回封入特典は全てストーム隊の武器で、通常版とダブル入隊パックでも異なる武器になっている。~

移植に当たり様々な変更が加えられている。

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**特徴
基本的なシステム面や評価点などの特徴は『[[3>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/81.html]]』と同様のため、そちらを参考にしてもらいたい。
***主な変更点
-&b(){特定の条件を満たすとペイルウイングが使用可能になる。}
--デザインは本作の世界観に合わせてリメイクされており、使用する武器は『2PORTABLE』に準拠したものに調整が加わっている。
--ペイルウイングの勲章はまた別個に管理される。
-新たな敵の登場
--『2PORTABLE』に引き続き黒蟻の強化版である通称「金蟻」や蜘蛛の強化版である通称「鎧蜘蛛」などが登場する。
--さらに航空戦力に新型ガンシップが登場。妙に薄っぺらいフォルムで狙撃しにくく、猛スピードで飛ぶ上に範囲も広く攻撃力も高いレーザーを武器にするなかなかの難敵。
-ミッション追加
--53だったミッションにさらに7追加され60となった。
--『2PORTABLE』のものを『3』仕様にアレンジした物や完全新規ミッションなど様々。
-武器の追加・一部武器の仕様変更
--武器全体に「チタニアシリーズ」というものが追加された。チタニア社による武器という設定のこれらは見た目も性能面でも強いインパクトを残す。
--レーザー系統の武器が追加。リーチが短いが高い威力の「ヒートブラスター」、一発限りのスナイパーライフル「ノヴァバスター」など。
--スペシャルウェポンに味方の支援をするドローン系統((味方の周りで爆発して攻撃するキラードローンや、味方を救出するレスキュードローンなど。))の武器や敵の動きを止めるなど特殊な状態にする武器が追加。
--『2PORTABLE』におけるリバーサー系統のアシストツールも新たなジャンルとして追加された。また、アシストツールには防御力を強化する「ミニッツシールド」や乗り物を強化する「リミットブースター」も追加されている。
-仲間の大幅強化
--レンジャーなどの一般兵士たちが攻撃力体力ともに大幅に強化されている。AIも改良されているとの声も。オリジナルの頃から高難易度では仲間の活用が鍵となっていたが、今回はさらに重要になっている。
---強化されすぎて、稼ぎプレイなどで早めに退場願いたいときに逆に苦労することも。
-自爆の仕様変更
--こちらも『2PORTABLE』から引き継ぎ。自分や味方の攻撃で倒れた場合には倒れている間に無敵時間が無くなった。徹底的に自爆戦法をつぶしに来たと言える。
--さらに敵の攻撃で吹っ飛んでいる間にC型爆弾を起爆して自爆するとちゃんと自爆のダメージが自分に入る。
-協力が4人まで可能になった。
--『2PORTABLE』同様、他のプレイヤーが死亡した場合に近づいて自分の体力を分け与えることで蘇生することができる。
-回復アイテムのデザインが白地に赤十字から赤地に白十字に変更。
-360版の実績に相当するトロフィーがあるが、その種類も大幅に追加されている。

**評価点
-『3』の評価点は言わずもがな。建物や巨大な無数の敵を吹き飛ばす爽快感と作りこまれたマップ、味方の追加による楽しさなど『3』の長所と呼べる部分は全く劣化することなく受け継いでいる。
-さらに携帯機なので持ち運び可能になりプレイできる機会も増えた。
-&b(){ペイルウイング追加によりボリュームが倍増した。}ペイルウイング追加はかねてからプレイヤーから待ち望まれていたことである。
-4人までの通信協力プレイの搭載。
--『2PORTABLE』はPS3のアドホックパーティを利用することで疑似的にオンライン協力プレイとしていたのだが、今回はインフラストラクチャー(アクセスポイントを介した通信)が可能なので公式にオンライン協力プレイが可能である。
--これに伴い、定型文チャットが可能になっている。ミッションの状況に応じて合図を送ったり、ひたすらEDFコールしたり、無線に返答してみたりと楽しい。
---何故か「本部のためにー!」という、別に隊員が発したことは無い上に「本部の罠」で苦汁を舐めさせられてきたプレイヤーは絶対口にしないであろう台詞が定型文になってたりする。
--ミッション開始前には定型文だけでなく自由に文章を作ってチャット可能。具体的な作戦を練ることができる。
--こちらの強さは変わらないが協力する人数に応じて敵が強化されるため、オフラインプレイとは全く異なる戦略を練る必要がある。前述のペイルウイング追加と合わせて考えると総合的なボリュームはPS2版『2』よりもずっと上になっている。
-グラフィックがなかなか綺麗。
--流石にXbox360だった『3』からは劣化しているが、それでも携帯機としては充分なクオリティ。ぱっと見た程度では360版との違いに気づかないかもしれない。
--元々、グラフィックについては従来の作品もハードに相応な質では無く、シリーズ全体で特に指摘される部分では無かった。
--『2PORTABLE』と比較するとかなりきれいで、下手をするとPS2の『1』『2』よりも綺麗に見えるかも。
--一部地底MAPは『2』同様の明るい色合いになっており非常に見やすくなっている。
--ポリゴン数は減り、テクスチャも粗くなっているがビルの形状などは変化していないので(武器の仕様変化を考慮しなければ)基本的に360版と同じ戦法が使える。
---市街地マップでの倉庫の形状が変化してストーム隊では昇れなくなっているという変化はあるが、ゲームバランスには特に影響しない。
-追加された武器も好評である。
--ヒートブラスターシリーズは単発威力と連射性能と弾数により瞬間火力・総合火力こそ非常に高いものの、リーチが短く接近しないと当たらないうえ一度発射すると武器を切り替えない限り発射を続ける仕様、さらにリロード不可能のため使いどころが絞られる武器となっている。
--チタニアシリーズは背中に巨大なバックパックを背負うため重すぎて機動力が低下し、さらに慣性もやけに働くようになるため動きづらくなるが威力は高い。見た目もごつくエフェクトも派手なものが多いのでネタとしても好評。
---武器自体の仕様も特徴的でロケットランチャーやミサイルランチャーは分裂弾を発射、アサルトライフルの「オートキャノン」は貫通する弾を出す。
--敵が強化されるオンライン協力プレイでは要となるミニッツシールドや、乗り物を強化するリミットブースターなど、戦略の幅を広げる武器も多い。
---リミットブースターを使ったベガルタや戦車は眼に見えて機動力が大きくアップする。ヘリコプターも操作に対する反応が良くなり機動力がさらに向上。
-難易度のバランスもなかなか良い。これだけ追加しておいて綺麗に難易度がはまっているのは奇跡と呼んでもよい。
--『2PORTABLE』の反省からか追加された雑魚キャラは軒並み『2PORTABLE』から弱体化を食らっている。例として金蟻と鎧蜘蛛は耐久力も攻撃力も低下しており、耐久力はオフラインではライサンダーF(最強ランクより一つ下のスナイパーライフル)で一撃で倒せるようになっている。
--セントリーガン系統は強すぎるという声があったのか弱体化された。いずれも設置可能な数が減少しており、三つ設置可能だったものは二つに、二つ設置可能だったものは一つに減らされた。「ZE-GUN10」という10機設置可能なものに至っては「ZE-GUN5」になり文字通り設置数が半減。最高ランク「ZEXR-GUN」は二つに減らされ一機当たりの弾数も4分の3に減少している。それでも運用を間違えなければ十分通用する武器である。
--ヒートブラスターZは同系列武器の中で唯一四足要塞の弱点に届く射程距離があるので、その威力によって要塞攻略を割と楽にできるようになった。今回は追加ミッションでもう一機撃墜することになるのでありがたい(そちらでは新型ガンシップの脅威があるが)。
--追加ミッションに『2PORTABLE』の「魔軍」に該当するミッションはなく、さらにMAP変化もあって追加ミッションの最終「死地」はそれほどの難易度ではない。結局最難関は「烈火」となっている。
--ペイルウイングはレイピアのリーチと威力が弱体化。さらに怪獣系統の敵は乗れる場所がほとんどなくなりハメ殺すことができなくなった。一方、フレイドマルやルオンノタルの存在によりレーザーランス系の価値は相対的に向上しており、範囲攻撃武器は『2PORTABLE』と同様の強化がされているので遠距離でもそこそこ戦えるようになっている。
-お約束の処理落ちも360版と比較してさほど変わらない程度。携帯機なのに変わらないというのも恐ろしい。
--ヘクトルに密着してガバナー(多数の弾を一度に出すショットガン)を撃った時などものすごい処理落ちをするが、一時的なものである。敵の攻撃が原因でずっと処理落ちしっぱなしということはない。
-追加要素について『2PORTABLE』で批判が強かった部分の多くが改善されている。
--追加ミッションにも没音声の使い回しとはいえ専用会話や音声がちゃんと用意されている。味方も一部除きちゃんと出てくれる。
--追加ミッション用に新しいBGMが用意されているが、そちらもスタイリッシュでかっこいいと高評価。
--操作性も2本スティックがあるためエイムが楽になり、ボタン配置の都合でベガルタの一部武器がやや使いづらいことを除けば割と良好。これは『2PORTABLE』が酷過ぎただけだが。
--オンライン協力プレイでの各種難易度制覇でも特典武器をもらえる。どうしてもクリアできないときには友達と協力することでクリアという手も無いわけではない(ただ、協力プレイだと敵が強くなるが)。

**問題点
-360版における問題点のほとんどが改善されていない。『[[3>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/81.html]]』の記事も参考。
--MAP使い回し、処理落ち、アイテム回収の面倒さ、これらを許せるかどうかで価値が大きく変わるのは相変わらずである。
--またペイルウイング追加で完全制覇はやや面倒になった。『2PORTABLE』と同じく協力してても勲章がつくのはあくまで自分が操作したキャラのオンライン側のみである。
--とはいえ、これらは裏を返せば「忠実な移植をした」と言えることでもある。前述したとおり改善された問題点もある。
-一部武器のエフェクトが変化している。
--無数の弾をばらまくグレネードランチャー「スタンピードXM」は360版ではその一つ一つが赤色の煙の軌跡を描いて飛んでいくため見た目が派手だったが、本作では煙が灰色になって地味になってしまった。
--ゲーム終盤の味方隊員「オメガチーム」は360版だと赤っぽいオレンジ色のレーザーを発射していたのだが、何故か緑色に変更。微妙に頼りない印象を受ける。
--ジェノサイドガンの発射後の軌跡など、性能に変化はないが全体的に武器のエフェクトは地味になっている。
-ペイルウイングを出す条件がやや面倒。
--どの難易度でもいいので最終ステージをクリアすれば使用可能になる。オンラインで最終ステージだけ参加しても可能。
--しかし、オンラインプレイの環境が無い場合は結局は1周するまで出せないことになる。
-無線・音声が使い回しのため演出面に一部齟齬が出る。
--本部に「恐ろしい男」呼ばわりされるペイルウイングはよくネタにされる。
--「全力で迎え撃て!」と言われるが、そのミッションは巣穴を破壊するのが目的なので迎え撃っている限りはクリアできない。
-トロフィーの中には非常に面倒でとんでもない内容のものがある。「バイクで一定数の敵を倒す」など。
-オンライン協力プレイでは定型文でしか会話ができないので、定型文に無い状況だと連絡が難しい。増援を知らせる文章が無いので合図を先に考えて情報を共有しておく必要がある。
--ほとんどの場合、定型文でも足りるほど状況は網羅されているのであまり困ることはない。
-戦車やベガルタで巣穴に乗り上げるとフリーズするバグなどが確認されている。まずありえない状況の上に回避可能なのが救いか。

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**総評
相変わらず粗削りな内容に変わりはないが、もはやこれらは伝統とまで呼べる部分でファンからは特に批判されるほどのことではなくなってきている(もちろん、問題ではあるのだが)。~
何よりもペイルウイング追加とオンライン協力プレイの存在によりボリューム不足という一番の問題点は一応改善された。~
さらに追加要素について『2PORTABLE』ではやや不備があった部分も大きく修繕され、バランスもシリーズ中トップクラスの完成度を誇っている。~
移植元から劣化していると言える部分はグラフィックぐらいで、フルプライスでも十分なボリュームと完成度を得た本作は間違いなく良作と呼べる出来だろう。

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