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輝光翼戦記 天空のユミナ - (2013/05/05 (日) 18:23:00) のソース

*輝光翼戦記 天空のユミナ
【きこうよくせんき てんくうのゆみな】
|ジャンル|超銀河級・総選挙RPG|&amazon(B001I8ZYTU)|
|対応機種|Windows 2000/XP/Vista|~|
|メディア|DVD-ROM 1枚|~|
|発売・開発元|ETERNAL|~|
|発売日|2009年1月23日|~|
|定価|9,240円|~|
|レーティング|ソフ倫:18歳未満禁止|~|
|廉価版|2011年12月22日/3,990円(Win7にも対応)|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
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#center{&size(35){''WARNING!!!!!!!''}&br()&size(20){''本作は18歳以上のみ対象のアダルトゲームです。''}}

#contents(fromhere)
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*概要
株式会社ウィル(現:ウィルプラス)のブランド、ETERNALの一作目。~
一作目から既に完成度の高い品質によって生み出された本作は、やりこみバトルRPGの名声を欲しいままにした。~


*あらすじ
 神撫学園二年生の翠下弓那は、成績不良によりぎりぎりの学園生活を送っていた。
 ある日そんな弓那のクラスに、朱島歩武が転入してくる。
 父親の言いつけにより転入してきた歩武だが、その理由とは
  『神撫学園にいる翠下弓那という少女が、世界を守る救世主だから』
 という突拍子もないものだった。
 二人は根本的にそりが合わず、口喧嘩の絶えない毎日を送っていた。
 その果てに弓那は、テストの日に暴力事件を起こし、留年決定の事態に陥ってしまう。
 絶望に打ちひしがれる弓那の前に、論説部の部長・黒河雲母が現れる。
 雲母は、星徒会トーナメントに勝ち抜き星徒会長になれば、すべての権限を手に入れられると教える。
 そして歩武と弓那は、強引な部長に導かれ留年を取り消すため、星徒会大戦に立候補することになった!
 はちゃめちゃな部活動を主に、様々な部や委員会と論説対決していく。
 立候補者たちは学園に設置された「自分の言葉を実体化させる」という「イシリアルシステム」を用い、論説戦を繰り広げる。
 次々と立ちはだかる有力者たち。無責任な有権者たち。謎の無口少女、藍の登場。
 そして最強の現・星徒会長との決戦。 想いを具現化し、互いの心と力をぶつけ合う!!
 ハッピー&ハイテンションな青春路線から、壮大でシリアスな物語へとつながっていく。

*用語
-神撫学園
--歩武達が通う名門進学校。
-星徒会選挙
--星徒(生徒と同意)会長に不信任案が可決された瞬間に星徒会長を選出するイベント。~
投票ではなく、論説戦というバトルでのトーナメント制によって決める。~
星徒会長は一つだけ権利として自由な特権を施行することが可能。
-イシリアルシステム
--個人が持つ意志の力を具現する能力で、論説戦での武器となる。神撫学園ではこのシステムを制御しており、~
星徒会選挙の際にそのシステムを解放させる。名前の由来はそのまんま 意志、リアル(実体化)。


*論説戦システム
-フォワード
--4人パーティの中で、攻撃を担当する。相手フォワードへの直接攻撃等が主体。
-バックヤード
--味方フォワードへの支援、相手フォワード等への妨害などを担当する。~
尚、パーティ内訳としてはフォワード1、バックヤード3となる。~
要するに、ド●クエの作戦でいう「&bold(){おれにまかせろ}」形式。
-スキルシステム
--MMORPGのように、必要なアビリティを習得、レベルアップさせることにより、スキルをセットさせる。~
スキルは後述の購買部やダンジョンで入手可能。
--ブラスト
---相手の行動を妨害する。
--アンチブラスト
---ブラスト効果に対してブラストを発動する。このスキルは妨害されない。
--カウンター
---受けたダメージの数割を跳ね返す。
--アドヴァンス
---発動後、フォワードに入れ替わる。
--オーディエンス値
---各スキルを使用するのに必要な数値。それぞれ赤・緑・青・黒と四分割される。~
オーディエンス値は全体値が決まっており、対象の色を使えばその色が減り、いずれかの色が増える。~
これは敵のスキルでも変動し、変動後にオーディエンス値が不足するとファンブルとなり、スキルが不発する。

*オーダクル
-シナリオの途中に訪問することが可能になる、仮想ファンタジー世界。
--クエスト
---特定の条件を満たすことで、アイテムやお金(yp)を得る。
--ダンジョン探索
---Wizardry形式で進む。歪みといわれるものに触れることで、様々なショートイベントが発生する。~
移動中は画面上部のキャラが忙しなく変化する。~
ここで手に入れたアイテムは、学園の購買部にて売却可能。
--HYPER BATTLE
---レアモンスターバトル。ユミナや藍のイベントで発動する。

*引き継ぎ要素ついて
--レベル、取得スキル、アビリティ、アイテムを2週目に持ち越せる。~
難易度は2週目からハード(H)、3週目以降からスーパーハード(SH)を指定出来る。~
難易度はちょうどH序盤がノーマル(N)クリアー時、SH序盤がHクリアー時の難易度となる。~
また、オーダクルのイベントはこの難易度によって地続きになるため、~
オーダクルの探索を進める場合は必然的に周回毎に難易度を上げる必要がある。

*登場キャラクター
-主要メンバーについては、スキルの属性(色)や名前、髪の色等を踏まえてパーソナルカラーという名称で明記する。~
また、特徴として主要人物は、関連、関係のあるキャラにはすぐに名前で呼ぶようになっている。

#region(神撫学園)
&size(15){''朱島歩武''}~
本作の主人公。パーソナルカラーは赤。AVGパート以外ではフルボイス。~
やる気を必要以上に出さない怠け者だが、出し惜しみしているだけで、実際のポテンシャルは高い。~
これは義理の父親のスパルタ教育のせいであるとしばしば自嘲じみてぼやくが、父親に対して嫌悪感はない様子。~
スキルに関しては味方の能力向上や、相手へのダメージスキルが豊富。

&size(15){''翠下弓那''}~
メインヒロインであり、本作の最重要人物。パーソナルカラーは緑だが、髪の色はピンク。~
見た目は結構な美人に入るのだが、呆れるくらいに馬鹿で要領が悪い。努力はするのだが、~
何分ポテンシャルが貧相極まりないので、開始早々&bold(){留年が確定}。それを阻止するために星徒会選挙に立候補した。~
…という、&bold(){色々と残念すぎるヒロイン}。ただし、性格は一昔前の熱血系で、極めて真っ直ぐな性格に惹かれる者は多い。~
回復や支援効果のあるスキルが目白押しだが、何と言っても歌唱スキルが独特。様々な効果があるが、~
戦闘BGNを上書きして再生させるという特殊演出が存在する。。

&size(15){''黒河雲母''}~
歩武達の先輩。パーソナルカラーは黒。読み方は&bold(){キララ}であり、鉱石の方で呼ぶと漏れ無くエンドオブデスペラード((当キャラの初期フォワード攻撃スキル。))が飛んでくる。~
性格は正に首領。身体は小柄だが、内に秘める想いは誰よりも重く強い。~
当然、身体のことを言うと早々とツッコミが返ってくる。ドスの利いた声とミニマムボディのギャップ萌えキャラと言える。~
相手の妨害スキルや、攻撃スキルが目立つ。

&size(15){''御木津藍''}~
どこかクールぶってる不思議少女。パーソナルカラーは青。~
食べ物に関しては底なしの愛情を持つ。また、感情が高ぶるとなぜか瞳の色が変わる。~
得体のしれない言動が多く、特に彼女のルートのあるイベントでは、度肝を抜かれること必至。~
スキルは妨害スキルと相手の能力を下げるものが多い。

以下サブヒロイン

&size(15){''本間麻衣乃''}~
図書委員委員長。帽子とメガネが特徴。大人しめで引っ込み思案、更に運動音痴。~
あまり能動的な活動をしない気弱な性格。

&size(15){''緋ノ宮灯''}~
弓那の親友で、おっとり系キャラ。一応巨乳キャラなのだが…、他のヒロインが皆控えめなのでそれほど大きく見えない。~
ものすごいシスコンな兄が存在しており、その溺愛ぶりに辟易している。

&size(15){''坂上月夜''}~
予知能力が使える巫女キャラ。性格はおっとり天然系。~
ぶっちゃけ、灯と麻衣乃を足した感じである。

&size(15){''坂上陽子''}~
月夜の姉。こちらは非常に勝気でツンデレ気質なキャラ。~
年増扱いされると火が付いたように激怒する。

&size(15){''神楽那由多''}~
現星徒会長。完全無欠なパーフェクト星徒なのだが、あることにコンプレックスを抱いている。~
また、想定外の事態には結構弱い。

以下サブキャラ

&size(15){''観月直人''}~
中性的な男子星徒。灯とよく行動を共にしているが、ただの友人関係。~
かなり腹黒く、可愛らしい顔とは裏腹に毒の強い発言が多い。

&size(15){''緋ノ宮黎''}~
灯の実兄で、テニス部の部長。超絶なシスコン。妹のために自らストーカーになる程。~
それを除けば、選挙後は非常に頼りになるリーダーキャラである。%%歩武より主人公らしい。%%

&size(15){''睦越八枝美''}~
購買部の管理人で、選挙時はアナウンサーを務める。売買しているものは突っ込みどころが多い物がほとんどだが、突っ込んだら負け。~
どこであろうと、お得意様がいれば飛んでくるため、ここも突っ込んではいけない。

#endregion

#region(オーダクル)

&size(15){''ベリダディア=エフェメラントソード''}~
剣人族の一人で、青い髪をしたロリっ子。控えめな性格で天然キャラ。…あれ、&bold(){デジャブ}が。~
人気投票では何故か上位に食い込んでいた。体験版での投票だが、彼女の出番はなかったはず。&bold(){そんなにロリが好きか}。

&size(15){''ユプシラ=ダナ=ミドルスタン''}~
ミドルスタン王国の第一王女。暴風王女の異名を持つ、血の気が多いロリ王女。~
小柄な体躯と見せかけて、ものすごい食べる。兄がいるらしいが…。

&size(15){''グヌマイオ=ヴァラカーノ''}~
ユプシラの専属執事。マオの愛称で親しまれている。~
柔らかい物腰とは裏腹に、暴風王女の制御のためならなんでもする、鬼畜執事。

#endregion

#region(銀河連邦※若干のネタバレ含む)

&size(15){''イゼル=ゼーレルム''}~
戦艦ゼーレルムの艦長。落ち着きつつも熱いおじさまで、隊員のことを第一に考える理想的な上司。~
娘(後述)も同艦で働いているが、特別な待遇などしない、割と珍しいキャラ。

&size(15){''ファルアー=ゼーレルム''}~
ゼーレルムの主任オペレーター。歩武達と同世代でありながらも、その腕前は一流。~
エルフのような耳(イゼルもだが)が特徴。親切丁寧で優しいためクルーでも人気は高いが、悪く言えば特徴が薄い性格。

&size(15){''ジーダ=ガンバッゾ''}~
ゼーレルムの戦闘部隊隊長。気さくで明るい性格。ファルアーにわずかばかりの好意を抱いている。~
苗字の由来は「頑張っぞ」…だろうか?

&size(15){''アリュート=グムラ=リンス''}~
アルゴダ星という技術国家のイシリアル使い。近衛騎士である姉(後述)に憧れているが、姉とはあまり性格は似ていない。~
姉にもそうだが、大統領であるリシェインに対しても強い敬愛精神を持つ。

&size(15){''ディーレ=グムラ=タリム''}~
アリュートの姉。アルゴダで最強のイシリアル使いの証である、近衛騎士の称号を持つ。~
アルゴダ星のイシリアルは銀河系最高品質といっても過言でない評価なため、銀河連邦最強のイシリアル使いとして著名。

&size(15){''リシェイン=アルスフリオ''}~
アルゴダ星の大統領。ショタにしか見えないが、実際は永い間アルゴダを治めているショタジジイ。~
しかし言動は少年のそれとあまり変わらないため、第一印象は少年と見まごうこと必至。

&size(15){''ガレオーン=ダイ=ガトゥーダ''}~
銀河連邦の総帥。イシリアル使いを嫌悪しているため、それらを擁立するゼーレルムに対してもぞんざいな態度を取る。~
そのため、ゼーレルムはほぼ全体、銀河連邦でも彼を嫌う者は少なくない。

#endregion

*評価点
-一筋縄ではいかないバトル
--システムは非常に画期的で、なおかつ戦略性が非常に深く関わる。バトルのためだけに購入するのも充分にあり。~
バトルシステムにおいては、豊富なアイテム数、オーダクル探索におけるギャンブル要素、~
可愛らしいSDCGによる派手なアニメーション等もあってか、業界屈指の出来栄えといえる。
-弓那
--当初は何をやってもダメダメな落第生だが、シナリオの進捗に比例して、徐々にそのカリスマ性を目覚めさせていく。~
根幹部分(お調子者でお馬鹿)は変わらないものの、成長過程における描写は目を見張るものがある。~
声優もまだあまり代表作に恵まれなかった水霧けいと氏((事実、本作(およびティンクル☆くるせいだーす)が無ければ声優業を引退しようと決めていたらしい。))を起用。当初はやや所帯じみた声質で、~
弓那のイメージに合わないのでは?という危惧もあったが、弓那のダメダメさもあってか、非常に適応している。~
本編およびFDの発売前人気投票では堂々の二冠(ただし、いずれも2位との接戦だったが)を達成。
-ハイクオリティBGM
--バトルに限らず、場に合ったシーンBGMはどれもかっこいい。シナリオが長いせいもあってか、~
曲目も相当な数に上る。オープニングのVocal曲はもちろん、弓那の歌も格好いいものから面白可笑しいものまで揃っている。
-使いやすいUI
--メニュー画面はRPGツクール系で、シンプルかつわかりやすい。~
また、各項目の説明文は半分ネタに走っているものがあり、読んでみるのも一興。
-おまけメニューの充実さ
--CGを閲覧中、何とキャラによるボイス込のコメントが挿入される。バトル等で疲れた時の気晴らしにいいだろう。~
尚、細かいことだがこの時BGMを垂れ流しに出来るので、雰囲気作りにも最適。

*問題点・賛否両論点
-膨大なボリューム
--周回に結構時間がかかる。下記項目も相まって、最速クリアは余程慣れていなければ不可能。~
やりこみ派には願ってもない要素だが、気軽に楽しみたいプレイヤーには面倒でしかない。~
ただし、オーダクルのイベントにこだわらないのであれば、2週目以降の難易度設定をNにすれば本編攻略は容易。
-冗長なレベル上げ
--論説戦を勝ち抜くには、イベントでの戦闘やオーダクルにおける特訓作業が必要不可欠となる。~
そのため、勝てなければ延々とゲームオーバー→初日まで戻って戦闘や特訓の繰り返し…とライン作業を課すことになる。~
しかも、バトルは自動機能もなく、アイテムが無ければ逃走も出来ない。ctrlキーで早送りは可能。
-AVGパート
--どのゲームにもあるものだが、本作はキャラの立ち絵が&bold(){一切変化しない}。その代わり、テキストボックスのキャラアイコンは~
めまぐるしく変わる。そのため、立ち絵部分は、その場に誰がいるかを確認するのみであり、基本的にはテキスト部を見ながら会話を楽しむことになる。~
一応意味のある演出なのだが、それがわかるまでは手抜きにしか見えない。
-王道シナリオ
--熱血少年漫画なノリが続き、人によっては予想通りすぎてつまらないとも。ただし、シナリオ構成自体はしっかり出来ている。
-鞄の容量
--初期は上限30個で、これがすぐに一杯になる。そのため、戦闘後はすぐにアイテム整理に従事する。~
容量を増やすアイテムもあるが、なんとレンタル制。戻ったらまたいつもの上限になる。しかも割高。
-セリフとテキストの不整合
--誤字ではなく、単純にボイスがセリフ通りでない。例:「~だったよ」(テキスト表記)→「~だったのよ」(ボイス)~
また、わざとなのか、単語を誤用して使っている。例:「煮詰まった→まとまらない」「穿った→捻くれた」等((それぞれの正確な意味は「まとまりを見せること」「物事の本質をうまく的確に言い表すこと。」穿った、についてはあながち間違いともいえないが。))。

*余談
-弓那とナナカ([[ティンクル☆くるせいだーす]])とその声優について
--共に声優が同じ、主人公とは腐れ縁、ピンク髪、お調子者、更に互いの作品発売日も近い、など共通点が多い。~
また、これはこじつけレベルだが、次作の「[[Nega0>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1869.html]]」では藍と同じ声優である「九重&bold(){ナナカ}」が登場している。~
弓那の担当声優は、本作出演以降声優としての活躍の場が急増した。弓那の過程にどことなく似ているので、エロゲー界の●ッキーのようである。
-攻略ヒロインの共通点について
--何がとは言わないが、正ヒロインの殆どは並~貧レベルのサイズである。灯はそこそこだが、~
サブヒロイン含めた他キャラでも大きいキャラはほとんどいない。オーダクルにも女性キャラはいるが、~
全員ロリっ子である。ここまで徹底していると清々しさを感じるレベル。
-開発スタッフについて
--作品をやっていくと、往年の名作である「永遠のアセリア」や「聖なるかな」(Xuse)に似通っている部分が散見される。~
それもそのはず、本作の制作スタッフは元々Xuseに所属していたからである。なぜスタッフが同一で制作会社がまるっと一新されたのかは、~
いわゆる&bold(){大人の事情}ということで察して欲しい。

*総評
やりこみゲーとしては相当のボリュームを誇る。王道シナリオは多少好き嫌いが分かれるかもしれないが、~
変に凝っておらず、シンプルかつ壮大なスケールのシナリオが好きならばきっと楽しめるだろう。
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