**キャプテン翼 【きゃぷてんつばさ】 |ジャンル|スポーツ・シミュレーション|&amazon(B000068HBY)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |発売元|テクモ|~| |発売日|1988年4月28日|~| |定価|5,500円|~| |>|>|CENTER:''[[キャプテン翼ゲームリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1236.html]]''| **概要 -週刊少年ジャンプで連載していたサッカー漫画「キャプテン翼」をゲーム化。~ アクション性を徹底排除しながらも、リアルタイムで試合が進行するという、今までのスポーツゲームとは一線を画するシステムを備えたことで話題を呼んだ。 -漫画本編の「中学生編」から「Jr.ユース編」までを追う、原作準拠のストーリー。 **特長・評価点 -スポーツゲームでありながらシミュレーションゲーム --敵と接触した際、ドリブル・パス・シュートなどのコマンドで攻め、タックル・パスカット・ブロックなどのコマンドで守る。 --各コマンドの使用には「ガッツ」を消費する。必殺技を使用する際には、大きくガッツを消費する。 --このシステムは独特の戦略性を生み、サッカーそのものの面白さも十分に引き出した。 -キャラクターが大きい --選手たちが生き生きと動き回る。上記のシステムを採用したからこそ、できる演出だろう。 --必殺シュートなども、ボールの威力や軌道の変化などを再現し、その強烈さを印象付けている。 --ゲーム本来の面白さだけでなく、いわゆるキャラゲーとしての魅力も十分である。 -わかりやすいアナウンサーの存在 --アナウンサーが画面下部におり、現在何が行われているかを言葉で説明する。~ このおかげで、ルールが良く分からない小さな子供でも、割とすんなり状況が把握できた。 --敵に対しては「てきの 9ばん」という、アナウンサーにあるまじき呼び方をする。~ 通常より強い敵キャラに対しては、しっかりと名前で呼ぶ。~ 名前が一部にしか設定されていないのは容量の問題だが、このおかげで、注目すべき敵キャラが誰なのかわかりやすい。 --味方が点を入れるとニッコリ顔になり、敵が点を入れると渋い顔をする。わかりやすい。 --なお実況を担当しているのはオリジナルキャラ「チャーリー高橋」。彼は実況以外でもキックオフさせずに放置しておくと勝手に喋り出したり、マイクをかじりはじめたり、眠り出したりと色々なパフォーマンスを繰り広げるのがシリーズの名物の一つになっている。 -BGMも質が良く、FC音源で再現した主題歌「燃えてヒーロー」が使われている点などもファンには嬉しいサービス、ゲームオリジナル曲も良曲ぞろいで続編でもアレンジされて使われている。 -キャラのステータスも原作を忠実に再現している。全能力が高くて頼りになる翼、ドリブル時に相手を吹飛ばしシュートとタックルに秀でた日向、翼を凌ぐ能力を誇るが心臓病のためガッツの消耗が極端に早い三杉など非常に凝っている。 **難点 -各所が粗削り --ドリブル中に表示されるのは、ボールを持っているキャラクターのみである。 ---そのほかのキャラクターは操作できない。つまり、敵がボールを持っているときはほぼ操作不能。 ---どこに誰がいるのか、という情報は「パス」コマンドを選ばないと表示されない。 --利用価値の低い「マーク」このコマンドを使うと相手に行動させずに他の選手を守備に参加させられるのだが・・・ ---この能力自体がかなり低く設定されているため、実際は死にコマンドである。事実次回作からは削除された。 --パス先に指定できるのは4人だけ。パスしたい味方にパスできないことがある。 ---何度か「パス」コマンドを選びなおすことで、表示される。一応説明書にも記載されている。 --レベルが高いと何でもありになる。味方ゴール前からシュートを打っても、あっさりと敵ゴールに入って点が取れる。 ---但し、若島津や若林以上の実力のキーパーにはあまり通用しない。 -ゲームオリジナルの展開 --原作準拠と書かれているが全国大会から始まるので地区予選決勝の相手、大友中とは戦えない。 ---原作では事実上中学編での初試合と呼べる戦いで、Jr.ユース編に登場する新田のいる高校でもあるので再現しても良かったと思うのだが。 --ゲームバランスの関係か試合順が変わっていたり(東一中と錦が丘)、他の中学が戦ったチーム(明和東、南宇和)と戦う。 ---試合順はゲームバランス上仕方がないが、原作で戦わなかった中学(特に明和東)との戦いははっきり言って蛇足としか・・・ --全日本編ではアドベンチャーゲームをプレイする必要がある。パリ市内のどこかにいる、重要な仲間キャラクターを探し出すのが目的で探し出せれば以後、試合に加わってくれるようになる。 ---制限時間があったり、調べる場所を厳密にカーソル指定しなくてはならない場面があるなど、難易度は地味に高い。 ---クリアする方法が''対象人物がいる場所でコマンド総当りの後に帰る''と偶然すれ違って会えるという物で普通にやってるとまず気づかない。 ---またこのアドベンチャーでピエールに会うことができるのだがその台詞が完全にピエールの性格とマッチしていない。''「ツバサ、金持ちはいいぞ」'' --オリジナルキャラクターの存在 ---今作は原作準拠の作品だがテクモスタッフの遊び心なのかリーグ戦で戦うチームにオリジナルキャラクターが登場する。 ---登場するのはリネカー(イングランド)、アルゴス(スペイン)、シャラーナ(ポルトガル)、マッハー(ポーランド ドリブルが恐ろしく速い 2にも登場)の四人。 ---他の三人はともかく原作でフランスと戦っており原作キャラも出場しているイングランドにオリジナルキャラが出るのは違和感がある。他のチーム(ベルギー、マレーシア、カナダ)に入れるべきだと思うのだが。 -ネオタイガーショットの習得方法 --原作と同じく吉良監督からブラックボールを送ってもらって習得するのだが・・・・ ---その方法が日向のレベルを12以上にしてから''1試合で2回ペナルティエリア内からのタイガーショットを失敗する。''という物。イタリア(戦えるかはランダム)、西ドイツ戦のような強力なキーパーがいる試合で狙わなければ習得しにくい。 **総評 -粗があるとは言え、選手ごとにコマンドを選び、ガッツを消費して実行させる今までになかった、リアルタイムシミュレーションゲームという斬新なアイデアは多くのユーザーを魅了し「キャラゲー=クソゲー」というセオリーを覆したキャラゲー屈指の名作。以降はシステムも改善されオリジナルストーリーで原作のその後を描くなどで原作終了後6年間も独自の発展を続けたことは、アニメ・マンガをベースとした作品としては大変珍しいケースであった。 *その他 -パスワード制 --ゲーム内では「スコアメモ」と呼称。 --ドラゴンクエストのような、定型文パスワードもいくつか存在する。 -必殺技を使用するために必要なガッツが足りないと、「くっ! ガッツがたりない!」と表示される。 --応用が利くため、各所でネタにされることも。 -移植版やリメイクは出ていないが、このゲームシステムを元にした「シネマティックサッカー」が同じくテクモから携帯アプリとしてリリースされている。(テクモによる紹介文「某家庭用サッカーゲームで人気を博したシステムを採用」の”某家庭用サッカーゲーム”とはまさしく本作のことである。)