*旋光の輪舞 【せんこうのろんど】 |ジャンル|対戦シューティング|&amazon(B000FIU1JM)| |対応機種|アーケード(NAOMI)|~| |販売・開発元|グレフ|~| |稼働開始日|2005年|~| **ストーリー 宇宙暦1484年、人々はランダーと呼ばれる人型機械を用いていた。あるとき、旧型ランダーでカレル・ヴェルフェルと言う男が鳴神家後継者、鳴神ルキノを誘拐した。民間警察「GOS」アーリア連邦軍「SSS」二つの組織が彼を追う。そんな折、SSSのミカ小隊は謎の輸送作戦を指令される。その輸送物と誘拐事件、その関連性に気づきながらもミカはそれを受諾する。 **概要 -対戦型2Dシューティング。対戦シューティングの歴史は古く1975年の『ガンファイト』(タイトー)以前まで遡ることができるが、その本数は普通のSTGよりも遥かに少なく、近年の「直接撃ち合う」2D対戦STGは縦スクロールの『[[チェンジエアブレード>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/83.html]]』(サミー)ぐらいしか存在しない(間接的に攻撃を送り合うタイプとしては『[[ティンクルスタースプライツ]]』や、パズルゲームの範疇になるが『[[クォース]]』などが有名)。システム構成としては''『サイキックフォース』''(タイトー)シリーズが最も近い。 --ゲームシステム的には、PC-6001mkII版「グロブダー」対戦モードの進化系である事を彷彿とさせる。 --チェンジエアブレードは前衛(≒STGのボス)と後衛(≒STGの自機)で条件・操作体系が全く違っており、全く同じ条件・操作体系での対戦は最近では珍しい。 --新機軸と言う訳ではないが、必要とされる能力が対戦格闘のソレと違うので、新しいプレイヤー層を開拓したと言える。 -操作方法は二種類のショットとガードとダッシュ。必殺技はゲージを消費する事で発動可能。 -8種類の個性豊かなキャラクター及び機体を選択でき、さらにそこから必殺技の挙動等が微妙に異なる2種類を選択できる。 --ショットはメインウエポンとサブウエポンに別れており、サブウエポンは一定回数使用すると一定時間使用できなくなる。性能や回数、復帰時間はキャラによって違う。 --ガードする事でショットの性能が変化する。さらに被弾ダメージを軽減し、動きも遅くなるので細かい動きが可能になる。 -本作最大の特徴にボスモードと言うのがある。巨大ボスに変形(厳密には搭載だが)し、強力な攻撃で相手を攻める事ができる。 --ボスモードはゲージ量によって変化し、ゲージが貯まっていれば発動時間は長いが、ゲージが貯まっていない状態でボスモードを発動してもすぐに元に戻ってしまう。 --残り1発で倒れる状態でボスモードを発動させるとファイナルボスモードとなり、発動時間増加・特殊な弾幕技が使えるようになる。 -対戦では残り20秒から両者の体力が徐々に減っていく。 **長所 -BGMやグラフィックは比較的人気があり、キャラクター人気もある。 --男4人女4人だが、基本的に全員中性的なキャラデザインであるため初見でそれとわかる人間は少ない(ある意味短所とも言えるが)。特にツィーランは「ギルティギアXX」のブリジットの再来と一部のプレイヤーを熱狂させた程。 --但し、キャラクターデザインについては瞳にハイライトのない「死んだ目」が特徴的なため、やや賛否が分かれている。 --キャラクター一人ひとりへの熱の入れようは半端ではなく、カートリッジだけでなくカラーを変えるごとにイラストやF.B.O.S.S.発動時のカットインが変わるほどで、さらに家庭用でも新規イラストを追加している。BGMも1キャラに2曲用意している。 -ボタン一つで移動と防御の両方を行う操作性は良好。 --ダッシュには武器をリロードするという特性があり、ダッシュ急停止(裏技的だがダッシュ攻撃中にも使える)を使って自在に攻撃・守備が展開できるようになると面白さがグッと広がる。 **短所 -弾幕STGのなかなか弾が当たらない点も受け継いでいるため、時間内の勝負がつきにくく、また試合内容も地味。純粋なゲーム性に関してマニア向けになってしまった面は否めず、結果的に当時のアーケードにおける対戦格闘ゲームとしてはあまり受け入れられなかった。 --ゲーム性としては[[電脳戦機バーチャロン]]シリーズにも近いと言われているが、バーチャロンに比べ弾が多いため当たりやすい代わりに一発のダメージが抑え目な、バーチャロンでも批判された「削り合い」をより特化したゲーム性となっている。これにボスモードの使用タイミングなどの戦略的な要素も加味される。 --立ち回りも格ゲーとして遜色のない深さを持つが故に必須テクニックも多く、初心者にとって敷居が高い。その為か、一時的に市場を沸かせたとはいえ人気は局所的な(特にキャラクターに対する)評価に流れがちである。 --武器や戦法がシンプルで派手さにも欠ける。アーケードで同時稼動していた他の格闘ゲームに比べて演出の美麗さは先行していたものの、その独特なシステムからか爽快感では特筆すべき点を持たなかった。 --演出面では他のゲームを突き放すものがあっただけに、よりキャラゲーの側面が大きいと揶揄されていた。 -バニッシュボス戦法が極悪。 --ボスの攻撃は回避が困難であるため、体力的に追い詰められたところでボスモードに入られるとほぼ負け。 ---一応バニッシュ状態になると当り判定が見た目よりも小さくなり、回避しやすくなる。 -これだけ美麗で滑らかなグラフィックに加え、透過も使われているにも関わらず、戦闘エフェクトでは何故か点滅やちらつき等の古風なエフェクトが多用されており、局所的にマッチしていない部分が散見される。 -キャラクターバランスは比較的取れているほうだがペク・チャンポ一強の傾向が強い。 -戦闘中はキャラクターが会話してストーリーが進むのだが、会話内容が大雑把過ぎて訳がわからない。 --キャラクター達が知ってて当然の知識をプレイヤーが持っているとは限らない。しかも会話中にボスモードを発動させると中断する。 --雑誌や設定資料集などの媒体無しでストーリーを理解するのは非常に困難。 **その他 -2006年7月に360で旋光の輪舞 Rev.X(りびじょんえっくす)が移植されている。グラフィック強化・台詞増加・ストーリーモード追加・回想モードなどのストーリー補完などがなされている。 --オンライン対戦もでき、キャラクターバランスにも調整が加わり、一強とされて来たペク・チャンポが適度に弱体化して「そこそこ強い」に落ち着いている等、かなりの良移植と言える。 --パッチを当てないと真のラストボス『アンノウン』の耐久がおかしく、コンテニューを繰り返して敵耐久を下げないと制限時間以内と倒す事ができないと言うトンでも欠点があるが。 -2009年に続編の旋光の輪舞 Dis-United Orderが登場している。 --癖のある前作のいい所も悪い所も受け継いだ、正統進化と言える続編。 --パートナーシステムを採用するなどキャラクターこそ増えたが、キャラデザ、イラストレーターの曽我部修司が『ペルソナ3』『ペルソナ4』のコミカライズなどで売れっ子になり多忙となった(そのきっかけが本作である、と信じたいが)ためか、イラストは2種類、カットインは一部除きコンパチと、前作ほどの熱が入っていないのが残念な点。