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迷宮組曲 -ミロンの大冒険- - (2011/05/06 (金) 16:28:05) のソース

*迷宮組曲 ミロンの大冒険
【めいきゅうくみきょく みろんのだいぼうけん】
|ジャンル|アクション|&amazon(B000068I0Y)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売・開発元|ハドソン|~|
|発売日|1986年11月13日|~|
|定価|4900円|~|
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#contents(fromhere)
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*ストーリー
エプシロン星の住人は、ふれあうだけで相手の事を理解するため言葉を持たず、離れた場所への伝達には音楽が使われていた。&br()
しかし、主人公のミロンにはこの能力が備わっていなかった。彼は、自分と同じ仲間を捜す旅に出ようとする。&br()
そんなとき、村に危機が訪れる。助けを呼ぶために村長は音楽で伝令を送るが、誰一人答える者がいなかった。ミロンは旅の始めにその理由を調べるため、王女エルシラのいるロクタスの街や向かった。&br()
街についてミロンが見たものは、楽器を奪われ途方に暮れた住人達だった。&br()
北に住む魔人が国中の楽器を奪い、王女を捕らえ彼女の住むガーランド城を占拠していたのだ。&br()
それを見たミロンは、魔人退治をかってでた。そんな彼に、ロクタスの司祭が魔法のシャボンを渡し、楽器の奪還と王女の救出を託す。&br()
ミロンは、ガーランド城の謎を解き、奪われた楽器を取り戻し、閉じこめられた王女を助け出すことができるだろうか……&br()
//バーチャルコンソールのプロローグからストーリーをまとめました。

*特徴
-主人公の攻撃方法は、シャボン玉。ストローを吹いてシャボン玉を飛ばして攻撃するからか、玉が飛んでいく方向は斜め上。
--↓+攻撃ボタンで、斜め下に玉を飛ばすことができる。
--真横の敵への当たり判定は、一ブロック半ほどある。
--斜めに飛んで来たり、バウンドしたりしてくる敵がいるので、玉が斜めに飛ぶのはその対策ではないだろうか?
-ステージ制。ただし、選択ができるようになっている。城にある入り口や窓、格子が填められている場所、足場のある壁や井戸が入り口。
--格子が填められている窓は、鋸がなければ入れないなど、部屋に入るための必要条件が少しだけある。
--所持アイテムの有無によってクリアーできない部屋があったりする。
--部屋の先にまた別の部屋があるという、ちょっとした入れ子状態のステージもある。
-部屋からの出るには鍵と扉を見つけなくては行けない。
--鍵は一度取ってしまえば、後は出入り自由になる。
-お金が存在し、アイテムは店で購入する形をとっている。
--お金は取ってしまうと、それで終わり。ただし、無限にお金が取れる部屋が一室だけある。
--複数の店で売っているアイテムは店ごとに価格が違う場合が多く、中にはぼったくり同然の店もあるので注意を要する。
-スタート画面で、連射測定ができる。
--丁度、高橋名人の十六連打の話題が真っ盛りの時期でもあった。
--そのままゲームをスタートさせると、連射数が一回目のボーナスステージのポイントに追加される。
-メーカーのシンボルであるハチ助(バリア)と、ハニカム(蜂の巣・HP+1&全快)が出てくる。
--ハチ助は、出現したときのミロンが向いている方向に飛んでいく。そのために、追いかけなくては行けないのだが、斜めに飛んでいくので、ステージによっては捕獲不能になることもある。
--しかし、ミロンの向いている方向に飛んでいくことを逆手にとって、ハチ助の飛んでいく方向を変更させることができる。
---単純に、ハチ助いる場所に玉を放った瞬間、ミロンの向きを変えると言うだけだが。
-時間制限はないが、一定時間城外にいると背景が暗くなり、稲妻の形をしたスパークが襲ってくる。
--二匹目のボスを倒した時に手に入る水晶がないと倒せない。
-本作にセーブシステムはなく、当時のアクションゲームの定番だった「コンティニューコマンド入力で続行」方式を採用。
--ゲームオーバーになるとすぐにスタート画面に戻る。コンテニューは一匹目の中ボスを倒して、出てくる水晶が手に入ってからしかできない。
-最上階の4Fでラスボスを倒せばクリア。その後ハイレベルな2周目がスタートする。
--実はやり込みゲーマー向けに、真のエンディングが8周目に存在する。この場合、一周クリアするたびに敵の強さがワンランク上がっていくという鬼仕様なので、8周目は敵から受けるダメージが半端じゃない、まさにやり込み垂涎のゲームバランスとなる。

*長所
-アクションゲームとして秀逸。その世界観は女性ゲーマーにも人気を博した。
--世界観に合わせたドット絵も秀逸。おもちゃのような敵キャラも多い。
-世界観に合わせた秀逸なBGM。
--本作のBGMが完全収録された2003年発売のファミコン20周年記念サウンドトラックVOL.3のブックレットに掲載された
--高橋名人の特別インタビューに寄れば、本作のBGMは音大出身のプログラマーが担当しており、容量の多くをBGMに裂いて、かなりのこだわりを持って作曲していたという。
-難易度は階ごとに上がっていくので、取っつきやすい。
-ボーナスステージは、一つ見つけ中に入る度に楽器が増えて行く。全部が揃うと七つの楽器によるアンサンブルが聞ける。
--太鼓・シンバル・チューバ・オカリナ・ハープ・トランペット・バイオリンの順に増えていく。
--ボーナスステージでは、♯、♭、♪、を取ってポイントを貯めていく。ちなみに足場は、五線譜。集めたポイントによって所持金がプラスされる。
--歯抜けだった曲が、だんだん完成されていく様、全て揃ったときのボーナス面の曲の聞き応えは一見の価値はあると思う。
-窓や格子のはまったところだけでなく、壁にも部屋がある。
-必要なアイテムが揃わないと、次の階へ進むための部屋にボスが出ないようになっている。
--ちなみに店で売っているアイテムを全て手に入れると、ボスのいる階へのショートカットができてしまう「抜け穴」が存在する。
---ただ本作はクリアーするために中ボスの落とす水晶全てと王錫+王冠が必須。ゆえに上記の抜け技で大ボスを倒しても、キーアイテム不足で始めからやり直しになってしまう。この辺はしっかりと抜け穴対策がなされている。

*短所
-とにかくアクションゲームとして難しい。
--ミロンの攻撃は斜め上か斜め下にしか出せない。横にいる敵を倒すには接近しなければいけない。
//--なんとジャンプ下降中はバブル発射不可能。ホバリングを獲得しても移動面でしか恩恵はない。
//↑読み違いでなければ誤った情報?コメントアウトしておきます
--ボスが攻撃力の高いランダム攻撃を放ってくるためパターン化が難しく、上級者でも完全に安定させるのは難しい。
---3Fのボス「カーマ」の凶悪さは語り草。当時のゲーム雑誌にあった「手ごわいボス」ランキングでも見事にランクインした。
---コンティニュー時の体力が少ないため、万全の状態で再戦するまでの準備が必要になり、ボス攻略にかかる時間の割合は高い。
--現在のアクションゲームではほぼ常識である、「ダメージをうけた時の無敵時間」というのがほとんどない。しかも、ダメージを受けるとなぜかミロンが飛び上がるという謎動作のため、「被ダメージ時の無敵時間はないが操作不可能時間はある」というわりと過酷な仕様になっている。せまい場所で敵と重なったりするとこちらの攻撃が当たらないので瞬時に死ぬことができる。
//--ボスに有効なバリアアイテム「ハチスケ」は全体で入手できる数が限られ、しかも特殊な捕獲技術が必要。

-アクションに加えて、謎解きもあるため難易度が高い。
--また「迷路の部屋(3F左の塔)」に登場する無限回廊は、抜け方が判りづらい上にノーヒントという酷仕様。
---一応ショップの親父からヒントは聞けるが攻略の助けになる程度で、「迷路の部屋の抜け方」のような肝心な情報は教えてくれない。
//但し、今のゲームと違い、かなりシンプルであるので、最近の凝ったエンディングになれている人が目指すと、多分コントローラーを投げたくなること請け合い。
//もっとも、このころは、アクションであれ、シューティングであれ、延々とステージクリアするループゲームも多いことを考えると、エンディングがあるだけマシだとも言える。

-大ボスの居る場所には本物1匹と偽物が3匹いる。どれが本物かはランダム。
--通り抜ける通路を間違えると場外へ出されてしまう。
--見分け方は偽物と本物では耐久力が異なる点。一応4匹中どれかが本物なので、片っ端から倒せばエンディングにたどり着けるようにはなっている。最初に出会った奴がボスであることもある。
-コンティニュー必須の難易度なのに、コンティニューが半ば裏技。入力ミスすると最初からやりなおし。
--ただし、コンティニューの方法は説明書にきちんと載っている。

**その他
-タイトル画面から「連射測定器」モード(10秒間の連射速度を測定できる)を呼び出すことが出来る。
--無論、高橋名人のアイデアである。ハドソンらしい一面は垣間見えるものの存在意義のわかりにくい機能だが、ここでいい点を出すほど金が多く得られるボーナスステージが有利になる。

**その後の展開・余談
-現在はWiiのバーチャルコンソールでダウンロードができる。
-ゲームボーイへは『ミロンの迷宮組曲』という題で移植されている。此方はゲームオーバーになるとコンテニューのパスワードが表示されるようになっている。
-スーパーファミコンで『ドレミファンタジー ミロンのドキドキ大冒険』というシリーズ作品が出ているが、ゲーム内容は普通のアクション(VC配信中)。

-北米版迷宮組曲([[Milon's Secret Castle>http://en.wikipedia.org/wiki/Milon%27s_Secret_Castle]])が発売されたが、そちらは不評だった。
--海外での発売日は日本に遅れること2年。その頃にはゲームの技術進化・ROMの容量充実・バッテリーバックアップの普及などで、相対的に同作品が「陳腐化した作品」として見られてしまった。
--かのAVGNでもロルフ氏に酷評されている。ロルフ曰く、「攻略情報やコンティニューコマンドが説明書に書いておらず、ゲーム雑誌を読みながらのプレイを余儀なくされる」。
---実際、北米版の説明書にはコンティニューコマンド「←+スタート」の記載がない(日本版の説明書には書かれている)。また日本では攻略法などの情報が知れ渡る下地があったが、当時のアメリカには子供の定番と言えるゲーム情報源が存在しなかったため、不親切さが際立ったのだろう。
//---かのAVGNでも、「ゲーム雑誌がないと攻略困難」と本作を酷評していた(なお迷宮組曲の北米版は日本版よりも劣化した移植作となっている)。

-『ゲームセンターCX』における本作は、番組HPにおける当時のリクエストNo.1を記録した。
--番組ではミス防止のためモニターにコンティニューコマンドを記入した用紙を張り付けたにもかかわらず、2度の失敗があった。
---プレイ終了後、有野氏が「俺のお墓にはコンティニューは左押しながらスタートって書いてもらおうかな」とまで言った事や、以降の放送でもコンティニューの場面でこのコマンドを試すなどしていた事で視聴者の印象にも残り、のちに発売された同番組を題材としたゲームでのコンティニュー方法に「←+スタート」が採用されている。