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カオスシード -風水回廊記- - (2012/09/05 (水) 14:53:56) のソース

*カオスシード -風水回廊記-
【かおすしーど -ふうすいかいろうき-】
|ジャンル|シミュレーション|&image(564346_4269_front.jpg,http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000068I4A/ksgmatome-22/ref=nosim,height=160)[[裏を見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=411&file=564346_4269_back.jpg]]|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|発売元|タイトー|~|
|開発元|ネバーランドカンパニー|~|
|発売日|1996年3月15日|~|
|定価|9980円(税抜き)|~|

**ストーリー
高山の麓にある桃源郷「洞天福」。~
そこでは洞仙と呼ばれる仙人達が、地下の気の流れ(龍脈)に気を補い大地を活性化させるために活動していた。~
修行を終え、新たに洞仙となるためこの地にやってきた一人の若者。~
荒廃した大地をよみがえらせるため、闘志を燃やす若者の戦いが今始まろうとしている。

**概要
-メーカー曰く『洞窟育成シミュレーション』
--古代中国を思わせる世界観の中、プレイヤーは仙窟((洞仙が作る洞窟(ダンジョン)をこう呼ぶ))の主「洞仙」を操作することになる。
--部屋や通路を作って仙窟を拡張整備し、エネルギーを集めて龍脈を活性化させるのが、ゲームの主な流れ。
--だが、しかし。キャラクターを操作していると、どう見てもアクションRPG。そのせいか、amazonのカテゴリーではRPGに入っている。
//著者も、長い間アクションRPGだと思っていた。
---世間での「洞仙は全て悪人」という偏見により、敵対者や討伐隊は後を絶たない。またお宝等を求める冒険者達も存在する。主人公は、ときには仲間や召喚した仙獣と共に、ときには独りで、それらを撃退することになる。

-平行世界をベースにした、同一主人公による短編的なシナリオ九本のオムニバス。
--一本目のシナリオの一回目だけは、事の発端であるため、エンディングは一つだけである。そのエンディングから二~五本目のシナリオへと繋がっていき、これが物語の主軸となる。
--その他、独立した物語が3本、ほぼアドベンチャーゲームとなっているシナリオが2本。
--ちなみに、各シナリオとも終了時にエンディングがあり、スタッフロールが流れる。

-分岐も含めた全エンディングをみると、十本目のシナリオ『ダンジョンモード』が解放される。
--その名の通り、広いマップ内で自由に仙窟を作っていける。
--一応こちらにも、最終目的らしきものはある。
//四十個目の部屋を作ったときに出現する『無色界:永遠窟』をクリア。


**特徴
-風水の五行相剋の概念を取り入れた仙窟作り
--作成した部屋は、5属性(水・木・火・土・金)のいずれか1つの属性をもつようになる。
--属性によって作れる部屋の種類(エネルギー部屋、掘削部屋など)が違う。
--また、通路によって他の部屋から気が流れ込むと、その部屋の属性に加算される(例:木1火2など)。これは部屋の機能を強化する際に必要となる。
---但し属性の相性によって気の強弱が変わり、また一つの部屋につけられる通路の本数にも制約があるため、無制限に属性を追加できる訳ではない。
---よって、気の流れも考慮しつつ、各期部屋の属性・サイズ・通路のつなげ方など、仙窟全体を計画的に作成する必要が有る。特に部屋最高の機能や隠し機能をつけようとした場合には重要。

-仙窟の育成
--シナリオごとに決められた量のエネルギーを、龍穴炉へ振り込むことが主目的となる。&br()概要でも述べた通り、侵入者の撃退も必要。
--その為、各種の部屋を作って仙窟の機能を高める必要が有る。エネルギーや仙丹を生産したり、アイテムを発掘したり、攻撃部屋や罠を作成したり、仙獣を召喚できるようにしたり、等々。
--各ターンごとに規定の刻数(部屋数で伸びる)だけ仙窟内で行動できる。部屋や通路の作成もこの間に行う。ターンの合間は「集計タイム」となり、各部屋の強化や罠作成(作れるなら)・設置、仙獣の巡回ルート設定などを行う。

-仙獣
--十二支をモチーフとした各種の仙獣を召喚し、戦闘や仙窟の維持にあたらせることができる。
---召喚した仙獣は個々がキャラクター扱いとなり、そのシナリオ中はずっと使役できる。
---主人公とは別のグループを組ませて仙窟内を巡回させることもできる。警備としての役割も有るが、それ以上に仙窟の機能維持や整備((各部屋へのエネルギーや仙丹の配布、および侵入者によって傷めつけられた部屋の修復。これらは主人公グループでは行えない))の為に重要。

**楽しい点
-主人公・ヒロインは自由に名前を付けられる。平仮名・かな・アルファベットだけでなく、常用漢字もかなりの量が登録されているので、漢字での名付けも可能。(読みの登録もある) 

-仙窟の育成
--全体像を思い浮かべつつ、自分だけの仙窟を作成していくのはやはり楽しい。さすが『洞窟育成シミュレーション』を名乗るだけのことはある。
--仙窟の造りによっては、侵入者を自動で撃退することも可能。
---イベントで侵入してきたキャラとは龍穴炉で対峙することが多いが、ものによってはそれでさえ仙窟内で(龍穴炉にたどり着かせずに)撃退できる。シナリオによってはストーリーが分岐することも。

-NPCとの会話・掛け合い
--シナリオイベントに限っても、真面目なものからギャグ調のものまで、様々なやり取りが繰り広げられる。
--シナリオによっては主人公自ら地上の街に乗り出すこともあり、街の人々から話を聞ける。
--龍穴炉へのエネルギー振込みを行わずにゲームを進めることも出来るが、何ターンも放っていると仙獣にツッコまれる。
--会話の際にもキャラが色々な仕草をしたり、飛び跳ねたりと芸が細かい。

-多彩なアクション
--主人公は特に多彩。アクションRPGと誤解されるのもむべなるかな。
---通常攻撃だけでも大中小攻撃にジャンプキックにスマッシュと一通り揃っている。この中にはダッシュからつなげる攻撃や、多段ヒットするものもあり爽快。
---おまけに仙術も使える。高レベルのものは威力も絶大。
---操作自体はAボタン(ダッシュ)とBボタン(小攻撃)・Yボタンの組み合わせ。
--その他のキャラも、人間仙獣問わず大抵何らかの特殊攻撃(専用モーション付き)を持っている。主人公ほどではないが仙術を扱う術士もいる。

-音楽も世界観に沿ったリズム、音の流れを持っており、秀逸である。
--一シナリオ中同じ曲が流れるのではなく、仙獣を連れていたり龍穴炉へのエネルギー注入量によって、曲が変わっていく。また、シナリオとは関係ない小さなイベント(敵が大量に攻め込んでくるor全く攻め込んでこない)の時にも専用の曲がある。
---洞天福国の兵士達の曲『楽々洞天軍(お間抜け洞天軍)』(ターンの合間に入るイベントシーンで流れる)などは、お気楽と言うか、暢気というか、殺伐とした雰囲気が一切無い明るい曲である。

**問題点
-ロットによっては、一本目のシナリオで部屋を二十以上作るとバグってしまい、場合によってはシナリオが進められなくなったりすることがある。
-召喚した仙獣一つ一つに名前を付けられるのだが、その付けた名前を他のシナリオで使えない。
--これらのバグに対しては、タイトーは交換という形で対応していた。

-システムが独特なため、チュートリアルが長い。
--通常攻撃のコマンド説明・八種類ある部屋の説明・仙獣の役割の説明・仙窟練習モード・部屋と通路の作成と情報画面に出てくる『因素』の説明・エネルギーと仙丹と龍穴炉の説明・部屋同士の五行相剋の関係と法則。と、これだけある。
---全て実際に操作しながらであることが多いが、これらが一本目のシナリオにはいる前にある。
---一番最後の五行相克の説明は、一本目のシナリオの中で説明される。

-通常の移動が『歩く』と『ダッシュ』しかないため、仙窟が広くなると一ターン内で発生した敵を全て倒すという対応が難しくなる。
--転送部屋というワープできる部屋もあるが、強化しないと隣接する部屋までしか飛べない。

-宝箱を開けるのもダッシュと同じAボタンを使用しているため、操作を間違えるとダッシュが暴発してしまうことが有る。
--敵などが出したランダム宝箱が、通路と部屋の境目近くに出現したときにこれをやってしまうと、ダッシュで画面が切り替わって宝箱が消滅してしまい泣きを見ることに。

-仙窟を他シナリオに持ち越せない。
--アイテム自体は倉庫部屋で「異次元倉庫」を開いて預けることにより別シナリオに持ち越せるが、仙窟そのものはどうしようもない。例え会心の出来のスーパー仙窟が出来たとしても、そのシナリオ限り。
---もっとも、その都度新たな仙窟を作るという愉しみもあるので、一概に悪いとも言えないが。


**総評

シミュレーションとアクションRPGを程よく混ぜ合わせたゲーム。~
とにかく考える事や、やる事は多いが、自分だけのダンジョンを作れるという魅力は、他のゲームにはなかなか無いものである。~
シナリオ自体の難易度も極悪なものはなく、その一方でやり込み要素も多彩。~
//コアな人だと、方眼紙を用意して部屋の計画表を立てるほど。
ライトユーザーからヘビーユーザーまで幅広くお勧めできる一品なので、機会があればぜひプレイしてみて欲しい。


**その他
-ソフト自体があまり出回っておらず、入手しづらい。
--SFCの晩期であったため、出荷本数は少ない。また、購入者の多くが手元に置いておくことが多いために中古もあまり出回っていない。
--後にセガサターンにも移植され、サタコレでも出ている。
---一部の部屋の機能が始めから使えるようになっている等、難易度は少し下がっている。
---こちらも、やはり中古は少ないようだ
--これらの事情により中古相場はかなり高め。
--ちなみにネバーランドの社長曰く、『これ以上の移植をする予定はない』とのこと。……orz
//個人的にネバーランドカンパニーのスタッフと話す機会があったので聞いた。

**関連商品
-ソフトバンクから『カオスシード設定資料集 点心爛漫』が出版された。
-SFCC版サントラ、SFC&サターン版サントラCD(カオスシード サウンドトラック[GAME SOUND LEGEND SERIES] )が出ている。
--SFC版サントラには、アレンジに加え効果音が加えられた曲が6曲ある。ゲームをしている雰囲気を楽しめる。
---SFC版サントラはプレミア化しているもよう。それでも、SFC版サントラが全て収録された後発のサントラが出たので値は随分と下がっている。現在amazonで視聴できるようである。