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ファイナルファンタジーIX - (2013/02/05 (火) 00:47:49) のソース

*ファイナルファンタジーIX
【ふぁいなるふぁんたじーないん】
|ジャンル|RPG|#amazon(B00005OVXF)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|メディア|CD-ROM 4枚組|~|
|発売・開発元|スクウェア|~|
|発売日|2000年7月7日|~|
|定価|7,800円(税抜)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)&br;※アルティメットヒッツ版で付与されたレーティングを記載|~|
|廉価版・配信|アルティメットヒッツ:2006年7月20日/2,625円&br;ゲームアーカイブス:2010年5月20日/1,500円|~|
|>|>|CENTER:''[[ファイナルファンタジーシリーズ関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/267.html]]''|
#contents(fromhere)
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**概要
-『ファイナルファンタジー』シリーズの第9作目。「原点回帰」と「生命讃歌」がテーマ。
--機械文明や階級社会といった近代的世界観がVI~VIIIにかけて次第に強くなっていったのに対し、今作では再び中世的なファンタジー路線に転向。キャラクター原案を天野喜孝氏が担当した。
--原点回帰の名の通り、旧作に登場した「ガーランド」や「パンデモニウム」「ギルガメッシュ」などの名前が登場したり、旧作の音楽がアレンジされて使われていたりするなど、旧作ファンを狙った小ネタも。
-音楽は引き続き、植松伸夫氏が全曲作曲(本作を最後に、XIIIまでは植松氏の全曲作曲体制から離れた)。
-牧歌的な雰囲気が特徴で、カバや鼠といった動物をモチーフとした種族が人間とともに暮らし、その一部はパーティメンバーに加わる。また、イベント・ムービーもVIIやVIIIと比べてコミカルなものが多い。キャラの頭身が低く作られているのも特徴。
//-ちなみに、[[ファイナルファンタジーVII]]以降では唯一((オンラインゲームであるFFXIやFFXIVを除く。))インターナショナル版が出ていない。
//FF8にはインターナショナルありましたっけ?PS時代のインターナショナルは、個人的にはむしろ発売されたFF7のほうが例外だと思います。

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**ゲームシステム
-VIIIがそのゲームシステムの複雑さ・特殊さ故に、システムに馴染めなかったユーザーから不評を買った反省からか、今作のシステムは全体的に分かりやすく、簡素になっている。
--装備品からアビリティを習得するシステムなどは、VIの魔石やVのアビリティシステムに近い、装備したままアビリティポイントを溜めて習得というシンプルなもの。
--本作のアビリティは黒魔法や剣技など戦闘中に発動できる''アクションアビリティ''と、~
キャラクターごとに定められた魔石力を消費して個別にセットする''サポートアビリティ''(セット時に効果が自動発動される。付け外し自由)のふたつに分かれている。

-ヘルプ機能
--メニュー画面でセレクトボタンを押すと、現在カーソルを合わせている項目の解説が表示される。
---解説だけでなく小ネタが混じっていることも多い。

-フィールアイコン
--落ちているアイテムや看板や宝箱などに近づくと、操作キャラクターの頭上にアイコンが出現、その状態で○ボタンか□ボタンを押すとアイテムの取得や看板の閲覧などの行動をとることができるというシステム。

//-合成
//--2つの装備品を各地の専門店「合成屋」で合成することで、新たな装備品を入手できる新システム。
//システムとしては特に目新しいものでもなく、ぶっちゃけVIIIのジャンク屋もこれに近いことやってるので、書くのであればこれに関しての良点・あるいはFFIXならではの独特さの記述も求む。

-戦闘システム
--従来通りATBを採用している。そこに新要素としてトランスシステムが搭載された。
--バトルメンバー数
---VIIやVIIIでは、一度の戦闘に参加できるキャラは最大3名までだったが、本作ではVI以前の作品と同様、4名まで同時に戦闘に参加できる。
--トランス
---キャラごとに存在するトランスゲージが満タンになると、自動的にそのキャラが強化された「トランス状態」になる。
---トランスゲージは敵の攻撃を食らうと蓄積される。被ダメージ0でもゲージは増加し、特定のアビリティをセットすれば増加量を固定出来るので調整も利く。
---トランス状態のときはキャラの外見が変化。コマンドの名前が変化したり、コマンドそのものが別のコマンドに変化したり、全体的に演出がド派手になる。能力も大幅にアップ。
---トランス中は行動する(コマンドを実行する)ごとに減少していき、ゲージが無くなると通常状態に戻る。トランス中に戦闘が終了しても、トランスゲージはゼロになる。
--原点回帰ということからか、V以降の作品に比べてコマンドの性能などは控えめで地味。
---V~VIIの「みだれうち」などのように一度に連続攻撃できるものはない(強いて言えば「W白魔法」や「W黒魔法」が該当する)。
---上記に加えてVIIIのように5桁を越えるダメージを叩き出せる攻撃方法もなく、1ターンに与えられる最大ダメージは基本的に9999ダメージまでとなっており、敵のHPも隠しボスですらあまり多くないなど全体的に数値のデフレを感じさせる。
---行動の際に、スロットなどの何らかのミニゲームや特殊な操作が要求されるコマンドもない。
---大味な要素をなくしてゲームバランスを丸くした、と好意的に捉えることもできる。

-その他のやり込み要素
--ミニゲーム
---前作に引き続きカードゲームがある。前作のカードゲームとは全く異なる内容。
---そのほかにも「なわとび」「かけっこ」のようなおまけミニゲームや、「狩猟祭」「だるまさんがころんだ」などの必須ミニゲームなど多岐にわたる。
--ラストダンジョンのある場所にプレイ時間12時間以内に着くと、最強の剣「エクスカリバーII」が手に入る要素がある。
---普通にプレイしていては間に合うわけがない。さりとて、意識してプレイすれば特に厳しすぎるタイムというわけでもない。「最強の剣が欲しい」と思った非やりこみプレイヤーにタイムアタックを強いる程度の難易度。
--操作キャラ以外のキャラ等の様子を見ることのできる「ATE(アクティブタイムイベント)」も数多く用意されている。中にはプレイヤーの行動により展開の変わるものも。

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**評価点
-ストーリー・キャラクター
--ビビやジタンなど、ほのぼのとしていながらも悲劇的な運命を背負ったキャラや、スタイナーやフライヤなど自身の境遇や生き様に悩むキャラも本作の人気の一因になっている。
--ストーリー自体は生き物の命や仲間を信じることの大切さを中心にしており、つまるところそれまでの旧FFで使われてきた手法である「自己犠牲」とは程遠い内容であるが、重い部分と軽い部分の強弱が非常にバランスよく、エンディングの流れもあって良さが存分に出ており高い評価を得ている。
--特にディスク3後半のイベントは、仲間を信じることの大切さを印象付ける名イベントと評価が高く、使われるBGMも人気が高い。
--またエンディングでジタンが発する「誰かを助けるのに理由がいるかい?」という台詞は『[[ディシディア ファイナルファンタジー]]』でも彼を象徴する名台詞として知られている。
--丸く収まりはしたもののせつないエンディングは、流れるテーマソング『Melodies Of Life』とともに高い評価を受けている。

-世界観
--3DとなったVII以降では初めて、といっていいほどファンタジーな世界観は今もなおファンから愛されている。シリーズ最高クラスとの声も。
---また細かい部分にまでフィールアイコンによる反応があるという部分も、世界観を広げることに成功している。

-グラフィック
--PS2に匹敵する美麗なグラフィック・ムービーもまた本作を語る上で欠かせない要素である。帽子を直すしぐさや舌なめずりする動きまで、細かいところまで作られている。
---「絵自体は写真のように綺麗だが、どこからどこまでが通路で自分がどこにいるかわかりにくい」という事態も、通路と背景でスクロールスピードを変える、セレクトボタンで操作キャラの位置を示すアイコンを表示出来る等で改善。
---フィールアイコンシステムの導入により、前作・前々作の「どこを調べられるかがわかりづらい」という欠点も解消された。

-音楽
--相変わらず名曲が多く、ゲーム序盤で流れる「この刃にかけて」などといった曲はとりわけ人気が高い。
//オケ音源は8が初

-ゲームバランス
--一部ゲームバランス崩壊レベルのものもあるが、基本的にはバランスが取れていている方であり好評である。
---普通に進めている場合は寄り道でもしないかぎり、強すぎるボスや急激な敵強化のような詰まる要素は少なめ。進行のバランスはシリーズの中でも上位のレベル。~
唯一、序盤から中盤にかけて幾度か戦う某キャラクターはその時点では強いが、倒す必要はなく耐えるだけでいい。
--バトルの難易度はシリーズでもかなり低い部類に入るものの、その頃流行りのバランス崩壊級の連続攻撃技は見られず、割と纏まったバランスであり、低レベルやりこみなどが流行っている。
---低い難易度は難点と表裏一体か?とは言え、条件によってダメージの跳ね上がる攻撃や多彩な状態異常など、油断は禁物。いくらなんでも無為無策でクリア出来るほどヌルくはない。

-やり込み要素
--「ここほれ!チョコボ」やチョコグラフの宝箱探しなどのミニゲームもなかなか熱中でき楽しめる。
---カードゲームとは違いしっかりと景品がもらえるというメリットがあるため、やる意義も存分にある。~
ただしやり過ぎるとバランスブレイカーになる可能性を秘めた武器防具アクセサリーも手に入るため注意。まあお遊び要素なのでいいのかもしれないが。
--前述のATE等、一周だけで全てのイベントを見ることは不可能な、ちょっとした周回前提の要素もある。

-とりわけて小ネタが多いのも本作の人気の一因となっている。
--例えば領土同士を結ぶゲートの空がとある期間だけ虹がかかったりする、泉にギルを投げ込み続けるととあるキャラクターがカードゲームで使用するカードが強力になったりする、エンディング画面であるコマンドを入力するとブラックジャックが遊べる…など、非常に多い。
---その小ネタの多さと細かさは他作品を凌駕する。

-その他システム
--VIIやVIIIで不評だった点の多くが改善されている。その最たるものが、基本システムのわかりやすさ。

//-海外での評価
//--海外の有名なゲーム評価サイトで極めて高い評価を受けており、metacritic.comで全シリーズで最高となる評価を得ているほか、gamerankings.comでも全シリーズでIIIに続く2位の評価となっている。
//修正依頼にあったとおり、『評価点』としては明らかにおかしいのでCO

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**問題点
***ストーリー
//''ヒロインの名前''
//-シナリオの途中、ヒロインのガーネットが偽名を名乗ることになるのだが、一時的な偽名というわけでもなく最後までその偽名を使い続けることになるため、ダガーという偽名((偽名を名乗る際のデフォルトネーム))のままプレイせざるをなくなることが不満なプレイヤーも多い。
//disc3序盤にてガーネットと名乗る場面がある他、その後にも偽名を名乗る必要のない場所ではガーネットと名乗る場面がチラホラあります。
//戦闘画面でも見たいという話であればその旨を記したほうが良いかと
//なんていうかそういうことじゃないと思う
//どういうことなのか言ってくれないとわかりません。
//単にセンスが無い・ダサいと不評なだけでなく、一時的な偽名と見せかけて''最後までその偽名を使い続けることになる''ため、ダガーのままプレイせざるをなくなることが不満なプレイヤーも多い。
//--後のプレイで名前変更をする際に、元の名前である「ガーネット」にするプレイヤーもいる。
//--一応この偽名は終盤のとあるイベントの伏線ではあるが…
//--余談だがこのヒロインはキャラクター性能の面でも同じ白魔法&召喚魔法キャラクターであるエーコにお株を奪われている。
//ダガーという名前がダサいかどうかは好みでしか無いし客観的に見てストーリーの問題点という程では無いと思う。
//偽名なのに特に偽る必要がなくなってもそのままという問題があり、ダサいの部分以外を削る意味が無かったので復活。

''描写不足''
-仲間キャラで言えば、サラマンダーはストーリー上影が薄い。性能は全キャラの中でも屈指なのだが、イベントには恵まれなかった。
//--フライヤやクイナ、スタイナーも徐々に空気となっていく(ただ、スタイナーはエンディングでは美味しいところを持っていく)。
//加入から最後まで活躍していなければ空気なら、大抵のゲームは大量の空気がいる事になってしまう。ついでにDisk3の終盤には一応全員に活躍の場がある。
//大量にキャラが居るゲームならともかく、8人しかいないのに4人も空気化していくってどうなんだろう?
//そもそも終盤はそれらのキャラのストーリーをひと通り終えた後だから空気になっても致し方ない。最初から最後まで影が薄いとかじゃあないなら書く意味は無い
//↑それはそれで、ぽっと出ラスボスと合わせたら「後半の展開が薄い」とかで普通に問題点扱いできるんじゃねーの?
//Disk3終盤には全員にそれなりに出番があるから空気は言いすぎ。

-終盤はそれまでのわかりやすさと打って変わり、黒幕の言葉などが説明不足感がありわかりづらい。
--またDisk3より急にSF要素が出てくるため困惑したプレイヤーも多いようだ。
--終盤に初登場するとあるキャラクターは、重要な設定がありながら薄い。

//-タイトルロゴにでかでかと描いてあるクリスタルもなかなか姿を見せず、ラストダンジョンでようやく、しかも取ってつけたかのようにやっと現れるため、~
//キャッチコピーである「原点回帰」「クリスタル、再び」に疑問を投げかける声もあった。設定では物語の根幹に関わる重要なものなのに。
//嘘はいってない上に重要なものなのだから気にしないでいいのではないでしょうか
//--クリスタルの設定についても他の媒体で語られたほどだった(一応作中にも破壊されれば世界が滅びるというような話や記憶に関する話はあったが)。
//薄いという問題点を強調する形でこの2文を統合
-タイトルロゴにもでかでかと描いてあり、「クリスタル、再び」というキャッチコピーにもなっていたクリスタルはなぜかラストダンジョンまで姿を見せない。裏設定的には物語の根底にあるらしい重要なものなのだが、作中での描写があまりにも薄すぎるため、ストーリー後半の尻切れトンボ感を増す結果に。
--久々登場の黒魔道士、戦闘曲のイントロなどファンに向けた小ネタ(地名や人名など)は多いものの、世界観やシナリオなどが他シリーズとも異なるため「原点回帰とは違う」という指摘も一部にある。
//---事実、黒魔道士の設定は他のシリーズと大きく異なり、また動物交じりの亜人種(作中では人間と表記される)がいろいろな街を闊歩する世界観は過去シリーズにはない((以前のシリーズではIのエルフの町などのように、人間と別種族は住み分けがなされていることがほとんどだった。))。
//世界観が繋がっているわけでもないのに、設定が過去作と異なるだけでは問題点とは言えない。
//小ネタや原点回帰が評価点になるのならこの不満は妥当。

-極めつけはラスボス。それまでの話にあまり関わっていないにも関わらず唐突((具体的には『因縁の相手と相討ちのような形で戦闘が終わったと思ったら、いきなり「人間は心の底では滅びを望んでいる」「世界を滅ぼすのが私の使命」とかなんとか語りながら現れる』))に現れ、FFどころかRPG全体でも屈指の「超展開ボス」などと揶揄されている。((一応、とある場所の壁の文字や会話などに伏線は張られているのだが、調べるための条件が難しくどの程度のプレイヤーがそれを把握できたのか。またその壁の文字を前提によく語られる正体の仮説についても、あくまで「仮説」であって確定はしていない。))
--III・IV・VIIIなどの作品でも「今まで対峙したことがない敵がラスボス」という意味で唐突さはあったが、その存在はそれまでのストーリーである程度示唆されており、今作ほどの唐突さはなかった。これらは少なくとも名前や具体的な目的について、事前にストーリー上で語られている。
---今では本作の印象が薄れている当時のプレイヤーでも、IXの唯一の難点としてこの「唐突なラスボス」を挙げる人は少なくない。
---ラスボスは連戦なのだが、前述のとおり一戦目は因縁の相手だったため「あいつをラスボスにしてほしかった」「あいつと決着をつけたかった」等と更に批判されている面がある。

***ゲームシステム
-ロードの長さ・戦闘突入までの時間の長さ
--戦闘が始まるまでに視点が回転する演出があるため、余計に長く感じる。通常戦闘で流れるBGMのイントロが戦闘開始までに鳴り終わってしまうほどで、本作の批判点としてよく挙げられている。
---その上、エンカウント率自体は高くはないが、エンカウントを軽減するアビリティがないため、体感的には実際以上にエンカウント率が高く感じられ、これに堪えかねて投げる人も。
---VIIやVIIIと比較して、バトルメンバー数が3名→4名に増えたことの弊害もあると思われる。
--ゲームアーカイブス版はロード時間の短縮が確認されており、依然気になるレベルではあるもののいくらか快適になっている。

-戦闘のテンポの悪さ
--上述のロードの遅さもあるが、全体的に技や魔法や召喚獣、トランスなどの演出も長く、もっさりしているため一回あたりの戦闘に時間が掛かる。VIIやVIIIで散々叩かれたにもかかわらず改善されなかった、本作では珍しいタイプの欠点。
---むしろ先述の回転の演出や行動時の演出などのウェイトが増えて''VIIやVIIIよりテンポが悪化したとの声も''。

-フィールアイコンについて
--システムとして導入されたためか、様々な場所を調べられるため隅々まで調べようとするとなかなかの時間がかかってしまう。時間がないプレイヤーにはつらい。
---中には有用なアイテムや時期限定品、数量限定品などが落ちていることもあるため、完全に無視することも難しい。
//後述のエクスカリバー2の項と内容が被っているため削除。

//-戦闘やシステム面の進展の乏しさ
//--PS以降の作品でありながら、VIIのマテリアシステムやVIIIのジャンクションシステム、XのカウントタイムバトルやXIIのアクティブディメンションバトルとガンビット、XIIIのオプティマシステムのような新機軸がない。
//---一応、VIIのマテリアシステムやVIIIのジャンクションシステムに代わる成長システムとして上記の装備品からアビリティを習得するシステムが導入されているものの、キャラクターごとに習得できるアビリティが決まっているため、マテリアシステムやジャンクションシステムと比べて育成の自由度は低いと言わざるを得ない。
//--わかりやすくはあるが、PS以降のナンバリングタイトルにはIX以外はこういった新機軸が(賛否は別として)盛り込まれているため、IXだけ浮いてしまっていると言えるかもしれない。
//---ただしシステムの複雑化についていけないプレイヤーもいるため難しいところではある。
//マテリアシステムやジャンクションシステムは本作のアビリティシステムと同じカテゴリーの成長システムであり、それらが新機軸ならFF9のシステムも新機軸という事になる。前2作と比べて単純という話なら、上のサポートアビリティの説明と内容が被っているから削除。
//同じカテゴリーの成長システムが続編で出たんなら「新機軸」とは言わないんじゃないのか。
//マテリアシステムやジャンクションシステムも本作のアビリティシステムと同じくFF5のジョブチェンジシステムから派生したものだから、マテリアやジャンクションが新機軸なら本作のアビリティシステムも新機軸だと言っている。

***カードゲーム『クアッドミスト』
-ミニゲーム色が強くなった。前作のようなカードを有用なアイテムに変える要素などはなく、単純に集めて対戦するだけというもの。
-ルールが複雑になっているにも関わらず、「細かいルールは遊びながら''自力で発見していってね''」という酷いスタンス。細かいルールくらい最初から全て確認できるようにしてください。
--一応のルールの説明があったり、序盤に訪れる村にヒントを記した貼り紙があるものの、どちらも細かいルールを知ることはできない。
//-VIIIではカードによって強さは一定だが、今作では攻撃力・防御力が定められ、同じカードでも内部にそれぞれ0~255までの隠し変数を持つため、見た目から強さが判断しにくい。また成長要素を持つが、成長の関係上カードゲームを長くプレイしなければならない。
//-ルールは全世界で共通だが、上述の理由により、VIIIよりシステムが複雑になっているので敬遠された。
//-またカードの所持数も100枚に限られている。コンプリートを目指すのなら全100種のカードを1枚ずつしか持つことができない。前作でいうレアカードがどれなのかを示すものもない。
//--そもそもコンプリート自体がかなり面倒。カードを100枚集めるだけだと『コレクターズレベル』がMAXにならない。MAXにしたければ、カードの矢印の向きや上記の『隠し変数』にもこだわらなければならない。メリットがまるでないものに拘る必要があるため、やり込み派からも敬遠されている。
//---『コレクターズレベル』MAXを目指すためにはカードのバトルタイプを「A」にする必要があるのだが、「P」「M」から「X」にするには4/256、「X」から「A」にするには2/256という恐ろしい低確率を突破しなければならない。しかもこれを100種類のカードほとんどに対して行う必要がある。しかも『コレクターズレベル』をMAXにしてもバグで表示が見えない。
//---ちなみに『コレクターズレベル』をMAXにするメリットは特にない。これは救いであり難点でもある。
-また、今回はVIIIと違いなんと&bold(){Disc3序盤で強制的にカードバトルをしなければならないイベント}がある。負けてもゲームオーバーや直後の戦闘が不利になるなどのデメリットはないが、勝利するまで何度も挑まなければならない((一応クリアが必要になるのは1,2回戦であり、3回目の決勝戦は勝っても負けてもストーリーは進むが、勝った場合は貴重なアクセサリーが手に入るので…))。カードが苦手な人には苦行以外の何ものでもなかった。一応ルールが分からず適当にやっていても何回か挑戦すれば運良く勝てるレベルではあるが。
//ストーリーを進めるためにカードバトルをしなければならない事を問題視するなら、3行目までの説明だけで十分。

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**賛否両論点
-ATBの仕様について
--アクティブタイムバトルの肝である時間経過の設定が極端で、演出の長さがそれに拍車をかけている。
---例えば補助魔法の効果も発揮されるため、サポートアビリティ「いつでもリジェネ」をセットして演出の長い行動をとると、パラメータにもよるがかなりの量の回復ができる。よく強すぎると言われるのは「いつでもリジェネ」+「いつでもヘイスト」のコンボ等。
---逆にプロテスのような時間制限のある補助魔法は、効果が切れやすくなりやや使いづらくなっている。
--魔法や技のモーション中にもATBゲージが増える仕様のため、長時間の演出が行われる召喚獣等の行動中は、演出が終了する頃には他の全キャラのATBが満タンになるという現象がよく起こる。

-召還獣の仕様
--VIIIで演出が長かった反省か、今回の召還獣は「演出と威力を抑えたショートバージョン」「演出が長いけど威力の高いロングバージョン」の2種類が用意されている。
---まず、初期段階ではこの2種類の演出を任意に選ぶことができず、どちらが出るかはランダムで決定される。
---後に、確実にロングバージョンに出来てついでに威力もあげられる『おうえん』というアビリティは出てくるが、その逆の「確実にショートにするアビリティ」はなぜか存在しない。演出はショート、威力はロングといういいとこ取りも不可能。
---と、微妙にかゆいところに手が届かない仕様になっている。とはいえ、通常時であればショートになる確率が90%、ピンチの時は65%に下がるものの、短くなる方が圧倒的に多く、「短くしてくれ」という声だけには答えていると言えるか。

-難易度は低い部類
--8での不親切さの反省の為か今作は、システム的にもバランス的にも特に難関と言える様なものが無く難易度的には物足りないと言われることが多い。他シリーズとの比較ではVI、VIIよりは若干難しいが、V、Xよりは若干簡単というぐらいである。
--とりわけ指摘されているのはボス戦のアッサリ具合であり、後半は「いつでもリジェネ」の鬼性能もあり回復の必要も無いケースが多い。戦闘中にレアアイテムを盗み終わってから闘うのが丁度良いぐらいである。
---もっとも、演出が長くてテンポが悪い上に敵が固くて長期戦だったらそれはそれで…。
---敵のHPが低い分、戦闘に運要素が絡むこともある。例を挙げればラスボスの「グランドクロス(全員に各種ステータス異常を1/8の確率で発動)」や隠しボスの「メテオ(ダメージの乱数が大きく9999に達することも)」。
--抑えめなゲームバランスには、当時メーカー側が攻略情報を規制していた事情も関係している。

-アビリティ関連
--「特定の装備品を身につけてAPを稼ぐ」のが今回のシステムだが、武器防具もしっかり含まれているため、弱い武器防具であっても重要性の高いものも多く、弱いものを使い続けてアビリティを習得するも強いものに乗り換えるも一長一短であると言える。
---『アビリティAを覚えられる弱い武器→AとBを覚えられるちょっと強い武器→AとBとCを覚えられる強い武器』のようになっているものが少なく、覚えられるアビリティがバラバラになっている事が多いため、本作では習得させて常用するアビリティ、装備品を残しておいて必要な時だけ使うアビリティ、捨てるアビリティの取捨選択が重要であると言える。
---また、矢印の間4,5個挟んだすごく強い武器が同じアビリティを持っていることがある。&br()習得を諦めたアビリティを覚えなおす事ができる場合もあるとも言えるが、「せっかく強い武器を手に入れたのに取得できるアビリティはしょっぱい」というガッカリ感を味わう人も多いだろう。
---ただし、上述したように本作の難易度はシリーズでも低めであるため、効率の良い進め方が出来なかったとしても、攻略が困難になる事は稀である。
--アクションアビリティ・サポートアビリティともに一部のアビリティが強力すぎる。逆に使いづらい、いわゆる「死にアビリティ」も少なくない。
---それもそれで「原点回帰」なのかもしれないが…
--サポートアビリティは種族特効系や状態異常回避系が多く、事前に敵によって付け替える程度でやや単純。
---「リフレク倍返し」「魔法無属性化」など珍しく面白いアビリティもあるが、そういうものに限って必要な魔石力が多く使いづらい。
---ただし低レベル攻略や縛りプレイなどで、普段は使いづらい意外なアビリティが活用される場合もある。
--雑魚敵からもらえるAPが最大4と妙に少ない。その上、後半になるとだいたいの敵が単体で出現するためAPを稼ぎにくくなってしまっている。
---一応APを大量にもらえる敵は居るっちゃ居るが、''隠しボスより強い''と評判、かつイベントに絡むモンスターなので完遂すると出てこなくなり、救済処置としてはさっぱり機能していない。
---一応やり込みを前提とするなら、装備品さえ揃っていれば個人差もあるが大体レベル70~80あたりで全てのアビリティをマスターできるため、最終的にはAPが余ってくる。
--トランスはゲージが溜まると自動で発動するため狙って有効活用することが難しい。
---またトランス自体にもキャラクター間で性能差がある。

***その他

-前述のエクスカリバーIIは本作にふんだんに盛り込まれた「やり込み要素」との相性が最悪。
--またエクスカリバーIIのタイムアタック要素があるのに、ムービーカットの機能がない。
---そのため「ディスクオープンでのムービーカット」という場合によっては危険な荒業が編み出されてしまった。~
故障の報告などが特にないのが救いだろうか。
---当然ながらムービーをカットしなくても充分間に合う設定になっている。ただしアイテム収集を兼ねると厳しくなるが。

-どういうわけか、ローブ系の装備がほぼ全て火属性弱点になっている。ライブラでも触れられていないのでバグの可能性有り。

//-ブラックジャックのミニゲームはコマンドがノーヒントかついくらチップを稼いでも特にメリットがなくなぜ入れた、等の声も。
//--尤も、FF1にも無意味なミニゲーム「15パズル」が差し込まれていた(俗に「イースター・エッグ」と呼ばれるプログラマのお遊び)ため、考え方によってはブラックジャックも「原点回帰」の一種と言える。
//隠しミニゲームが存在するというだけでは問題点とは言えない。

//-音楽で例に挙げた「この刃にかけて」は''ゲーム序盤で1回しか流れない''。
//--もったいないという声が多いだけで、別に通常戦闘曲が目だって悪いわけではないが・・・
//劇中で一回しか流れない曲は他のFFでもあること。そもそも劇中劇の曲である以上一回しか流れないのはしょうがない

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**総評
-良くも悪くも「原点回帰」である。
--前作のジャンクションシステムのような目新しいシステムはあまりなく、良く言えば正統、悪く言うなら進歩に乏しい。
--よりにもよってドラクエVIIの発売日と非常に近く、当時はあまり評価が高くなかった前作FFVIIIのあおりを受けてか、それともオンラインアルティマニア開設がやや遅く、また雑誌などでの攻略情報の記載を禁じて興味を引けなかったためか、前作より売上が低下してしまった。
--代わりと言ってはなんだが、タイムアタックや低レベルクリアなどに向けた調整が施されている様子。だが低レベルクリアでは大量の経験値取得が回避不能な箇所があるので若干不評。
-突き抜けた魅力はないが、トータルバランスは十分。動画はFFタイトルとPSというスペックを考えれば最高レベル。VIIIの評価を経て「今回はとにかく堅実なゲーム作りを!」と心がけたのだろう。
-そのようなこともあってか総合的に見れば「本当の意味で堅実」な今作は名作であると言えるだろう。
-メルヘンチックな世界観、デフォルメされたアニメ調のキャラクターといった要素は、これ以降のファイナルファンタジーのナンバリングタイトルには見られないものである。そのような要素や設定・システムの一部はFFIXのスタッフが大きく携わるFFCCシリーズやFFTシリーズに受け継がれていくこととなる。また、FFXIIやFFXIIIにはミニゲームや地名などに本作のオマージュ的要素が含まれている。

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**余談
-当初は重厚な『アルティマニア』シリーズなどに代表される、書籍としての攻略本は本作では作らない予定だった。理由は、当時既にインターネットが大きく普及しており、ユーザーのやり取りで攻略情報を探して欲しい、という坂口氏の目論見があったためである。
--実際に坂口氏の目論見通り、FFIXの攻略サイトや攻略BBSは過去のゲームと比べて大いに賑わった。
--何と、公式の攻略サイト「オンラインアルティマニア」まで用意され、実機調査では知り得ないデータも掲載されていた。
--しかし、ユーザーからは「攻略本を作って欲しい」という要望も少なからずあった。有志による「FFIXあるてまにあ」などの攻略同人誌が作られたことからも、その需要は伺える。
--結局、本作発売から1年半の時を経て「ファイナルファンタジーIX アルティマニア」が発売された(その後「オンラインアルティマニア」は閉鎖された)。ちなみに、「ファイナルファンタジーX アルティマニアオメガ」の方が先に発売されている。
---当時、FFXIIの発売延期を受けて、「アルティマニア」シリーズの出版などを手掛けていたスクウェアの関連会社・デジキューブが経営危機に陥っていた。FFIXアルティマニアの発売は、この穴を補填するためだったとも言われている。FFXIIの更なる発売延期により、結局デジキューブは倒産してしまったのだが…。
--タイムアタックプレイにより入手できるエクスカリバーIIは最初期は「都市伝説」とも言われていたが、インターネットを介して証拠画像が多数広まり、一般にも認知されることとなった。この点では「攻略本を介さない、口コミとインターネットによる攻略情報の流布」という坂口氏の目論見は成功したと言える。

-ゲーム中に前述した過去のFFネタ以外にも同社の別タイトル『パラサイト・イヴ』ネタや、FFどころかスクウェアとは何の関係もない『バイオハザード』ネタが仕込まれている。気になる人は探してみよう。
-本作の主人公の名前は「ジタン」。綴りこそZidaneだがジ''ダ''ンではないので注意。
--FFのギャグ系ネタを集めたサイト等でもIXの部分だけ(ゲームを知らなくても書ける)某サッカー選手ネタばかりだったり…
//--しかしクイズマジックアカデミーで彼の名前を答えさせるタイピング問題の正解率が低い(2011年2月時点で49%)事とは多分無関係。
//たぶん本当に無関係なのでCOしました。ごめんなさい。

#region(ラスボスネタバレあり注意)
ラスボス「永遠の闇」はペプシコーラのCMに登場するキャラクター「ペプシマン」に容姿が非常に良く似ているため、ネット上では「ペプシ」などと呼ばれている。
-「ペプシマン」呼ばわりされた背景には、本作がコカ・コーラとコラボレーション企画を行っていたことも起因する。当時のTVCMでFFIXのキャラクターたちが登場したり、コカ・コーラにFFIXのフィギュアのおまけが付くなどの企画を行っていた。おかげで「コカ・コーラのライバル=ペプシ」という図式ができあがってしまった。
#endregion

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