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SILENT HILL 2 - (2012/10/05 (金) 23:11:13) のソース

*SILENT HILL 2
【さいれんとひるつー】
|ジャンル|ホラーアドベンチャー|&amazon(B000069RXF)|#image(2010-04-01-01.jpg ,title=レッドピラミッドシング)|
|対応機種|プレイステーション2|~|~|
|発売元|コナミ|~|~|
|開発元|コナミコンピュータエンタテインメント東京|~|~|
|発売日|2001年9月27日|~|~|
|定価|7,329円|~|~|
|>|>|>|CENTER:[[''サイレントヒルシリーズリンク''>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/525.html]]|
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#contents
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**概要
1999年に発売し、世界中のユーザーを恐怖に陥れたホラーアドベンチャー『SILENT HILL』のシリーズ2作目。~
タイトルに「2」とあるものの、前作と直接的な繋がりはない。舞台こそ同じサイレントヒルの町だが、世界観は異なる。~
前作でも好評だった切ないシナリオはさらに洗練され、ホラーゲーム史における本シリーズの方向性を確立させることとなった。

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**ストーリー
主人公ジェイムスの元に、3年前に病死したはずの妻メアリーから手紙が届く。~

      あいまいな眠りの中で
         夢見るのはあの町
          サイレントヒル
            いつかまた
 二人で行こうと約束しておきながら
     私のせいでかなわなかった
       私は一人でそこにいる
        あの思い出の場所で
        あなたを待っている

『死んだ人間から手紙がくるはずがない』~
そう自分に言い聞かせるジェイムス。しかし妻を溺愛していた彼は、サイレントヒルに足を運ばずにはいられなかった。

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**特徴
-システム面は前作とほぼ同じだが、世界観は大きく異なる。
--前作は''第三者が生み出した世界''が舞台であり、サイレントヒルである事自体に特別な意味はない。
--比べて本作のサイレントヒルは、町自体が力を持っており、それによって作られた''自分自身の世界''が舞台となっている(詳しくは後述)。

-他シリーズに比べて難易度は低めで、武器やクリーチャーの数も少なくなっている。
--これは「怖がらせる事」と「ストーリー」を重視しており、世界観が散漫にならないようにしているため。
--開発者曰く、「本作での戦闘は、あくまでストーリーに色を添える演出の一つに過ぎない」との事。

-前作同様のマルチエンディング
--本作は前作と同様にマルチエンディングとなっている。
--前作はフラグを満たす事でEDが変化したのに対し、本作のED(の内三つ)はゲーム中にプレイヤーが取った行動により変化する。

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**評価点
-シリーズ最高傑作たるストーリー
--本作のストーリーは、本作を名作たらしめると共に、シリーズ最高傑作と呼ばせる決定的な要素である。
--以下にその内容を記述するが、未プレイの方は是非実際にプレイして体験することをお勧めする。
#region(重大なネタバレ注意)
---作中のサイレントヒルはジェイムスの心理を具現化した世界であり、街の奥深くに進むことで彼自身の深層心理に到達することになる。~
街の最深部に到達したとき、彼は三年前に死んだと思っていた妻は、実は自らの手で殺害していたことを思い出す。~
しかし、その背景には難病に侵された妻とそれを介護する主人公とのすれ違いがあり、その愛憎入り乱れた感情の交錯には涙を無くしては見られないだろう。
---なお、5つあるマルチエンドのうち4つが物語に関係するものとなっており(1つは後述のギャグエンディング)、全てを思い出した主人公が到達した真実に対して出した答えが結末の差異となっている。
---また、後述のレッドピラミッドシングは、ジェイムス自身の罪の意識の産物であり、自分を裁いて欲しいためにレッドピラミッドシングを生み出したのである。
#endregion

-哀愁漂うBGM
--山岡晃氏作曲のBGMは非常に高クオリティで、「Theme of Loura」「Theme Of Loura(Reprise)」「The Reverse Will」「Promise(Reprise)」などは特に評価が高い。
--前述の評価の高いストーリーを盛り立てるのに大きく貢献している。
--ちなみに「Promise(Reprise)」は劇場版SILENT HILLでも使用されている。

-ジェイムスの視点
--前作では「背景に隠れて落ちているアイテムに気付きにくい」という問題点があった。とはいえリアルな映像表現を追求すればアイテムは見えにくくなる。血などで目を引く方法も全ての箇所では使えない。
--本作ではそれらの問題を「主人公の視線がアイテムの方向に向く」という演出を用いる事でクリアしている。これによりリアリティを残しつつアイテムの在処を分かりやすくすることに成功した。

-難易度選択の個別化
--本作ではアクションの難易度と謎解きの難易度を個別に選択ができる。謎解きが好きでアクションが苦手ならACTION LEVELをEASYに、RIDDLE LEVELをHARDにすればいい。もちろんその逆もあり。地味ながら大きな長所と言える。

-おぞましくも美しい「サイレントヒル」の世界観
--空間に満たされた霧・徘徊するクリーチャー・生理的嫌悪感を催す血と錆の裏世界・至る所で響き渡る異音や悲鳴…。ハード性能の向上により、サイレントヒル独特の世界観を余す所なく表現している。
--ムービー中のキャラクターの動作・顔の表情の変化とそれによって生まれる影・リップシンクなども、2001年の作品とは思えない程に作り込まれている。
---また、S-FORCE(サウンドライブラリ)を取り入れた事により、立体音響による「音の恐怖」も楽しむ事ができる。

-レッドピラミッドシング
--本編初登場の「赤い三角頭」を意味するクリーチャー。本編ではジェイムズの前に度々現れ、執拗に襲い掛かってくる。
--本編の描写力と圧倒的な設定から非常に人気が高く、人気ランキング一位を誇る程の代表的クリーチャーとなった。そのためアーケード版、映画版、Homecomingといった後作にも登場する事になる。通称は「三角頭」「三角様」「▲」等。

-ギャグエンディング
#region(その内容は…)
--前作にもあったギャグエンディングは今作でも健在。今作のものは"D"エンディングというもの。
--特別な鍵を使ってある部屋に入ると、そこには無数の計器とそのレバーをいじる謎の犬。つまり''「今まで出ていた気色悪い怪物達は全部この犬の仕業でした」という衝撃的なオチ''。ジェイムスも思わず''日本語で''落胆する。
--この後始まるスタッフロールも''犬バージョン''と呼べるものとなっており、''もはやどこから突っ込んでいいのか分からないほどの破天荒さ''。ぜひ一度自身の目で見てほしい。
#endregion

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**不評点
-序盤の「何も無い道中」が長い
--スタート地点からしばらく続く何も無い道中が極めて長い。慣れたプレイヤーでも2~3分、初見だと10分程度かかるレベル。
--この間イベントらしいイベントも発生せず、敵も一切出現しない。「今作を名作とするか否かはこの道中を耐えられるか否か」という意見もあるほど。
--ちなみに何故初見だと10分程度かかるのかと言うと、周知に立ち込める雰囲気と、そこらじゅうに響き渡る怪音・悲鳴のせいで''めちゃくちゃ怖いから''である。

-敵の種類が少なすぎる
--雑魚敵の種類が極めて少なく、ステータスを高めただけで外観はほぼ同じモンスターを使い回している。そのため、ゲームを進めても敵に関してはあまり新鮮味がない。
--もっとも、出現する敵にはストーリー上非常に重要な設定があるので、仕方ない部分でもある。

-雑魚敵との戦闘が単調
--前作では打撃武器の攻撃は単発、もしくは数発限定のコンボになっているのに対し、今作では無限コンボが可能な武器が存在する。
---しかもその武器は隠し武器でもなく、むしろ最もスタンダードな打撃武器である。
--多くの雑魚敵は攻撃が命中すると必ず怯むため、一発目の攻撃さえ命中すればあとは攻撃ボタンを連打しているだけで勝ててしまう。
---無論敵が複数いればその限りではないし、雑魚敵の中にもその戦法が通用しないものも存在するが。
--ただし上記の「特徴」の項にも記してある通り、''これらのアクションに関する仕様は製作者が意図したもの''である。~
しかし、これによって今作はシリーズ中でもアクション性が低めの作品となっている(それでも及第点レベルではあるが)。

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**総評
下手な小説や映画よりも遥かに奥深いストーリー性を備え、同時にホラーゲームとしても屈指の完成度を誇る。~
圧倒的な世界観・一言では表現し切れない秀逸な物語・限界まで掘り下げたキャラクター・ユーザーを深い印象を与える数々の描写・それらを彩るBGM……~
シリーズ後発作品にはもちろん、多くのゲームやメディアに影響を与え、シリーズの人気を確立した作品と言えるだろう。~
これほど『作品』という言葉が似合うゲームはそうそうない。ホラーゲーム史に名を残す名作、それが『SILENT HILL 2』である。
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*SILENT HILL 2 最期の詩
【さいれんとひるつー さいごのし】
|対応機種|Xbox&br()プレイステーション2&br()プレイステーション3|&amazon(B00005Y6Q5)|&amazon(B000067OWM)|&amazon(B005JA47FU)|
|発売日|【Xbox】2002年2月22日&br()【PS2】2002年7月4日&br()【PS3】2012年3月29日|~|~|~|
|定価|【Xbox/PS2】7,140円&br()【PS3】4,980円|~|~|~|
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**概要(最期の詩)
『SILENT HILL2』のいわゆる完全版。新シナリオや新エンディングが追加されている。~
なお、Xbox版はハードの性能上オリジナルと比べてグラフィックが向上しているが、現在はソフトの入手は容易ではない。
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**追加要素
-追加シナリオ「マリア編」
--作中の登場人物であるマリア。彼女が何者であるか、作中に登場するまでに何をしていたかについて触れたストーリー。また、僅かながら「サイレントヒル」という町がどんな力を持った土地であるのかを理解するヒントを得ることもできる。
--ストーリー自体は非常に短く、本編の1/3もない。クリア特典も無く、完全に「おまけ」である。
---但し、クリアするとセーブデータに記録が残る。

-追加エンディング"X"
--オリジナル版にもあった"D"エンディングは健在だが、それに加えてもう1つギャグエンディングが追加されている。
#region(その内容は……)
---追加されるのは前作にもあった「UFOエンディング」。前作とは何の繋がりもない今作であるが、このエンディングだけは前作を知るプレイヤーをあっとさせる場面がある。
---以降このエンディングは一部作品を除いて恒例化することとなった。
#endregion

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**総評(最期の詩)
完全版といってもさほど大きな追加・変更要素は見られない。~
オリジナル版を持っていて、かつ追加要素に興味が無いのであればわざわざ買うほどでもないといえる。~
しかし、オリジナル版に有って『最期の詩』版に見られない要素は無い、すなわちオリジナル版の上位互換作品と言えるため、~
新規で購入するのであればこちらを推奨したい。

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