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餓狼 MARK OF THE WOLVES - (2012/07/14 (土) 00:44:01) のソース

*餓狼 MARK OF THE WOLVES
【がろう まーく おぶ ざ うるぶす】
|ジャンル|対戦格闘アクション|&image(562920_15322_front.jpg,http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00014B0LS/ksgmatome-22/ref=nosim,height=160)[[高解像度で見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=560&file=562920_15322_front.jpg]][[裏を見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=560&file=562920_15322_back.jpg]]|&amazon(B0007XQ48M)|&image(garoumakuobuurubusua.jpg,http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00006LJRP/ksgmatome-22/ref=nosim,height=160)[[高解像度で見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=560&file=garoumakuobuurubusua.jpg]][[裏を見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=560&file=garoumakuobuurubusub.jpg]]|
|対応機種|アーケード(MVS)|~|~|~|
|発売・開発元|SNK|~|~|~|
|稼働開始日|1999年11月26日|~|~|~|
|>|>|>|>|CENTER:[[''餓狼伝説シリーズリンク''>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1053.html]]|

*概要
-SNKの対戦格闘ゲーム『餓狼伝説』シリーズの第10弾にして(現時点での)最終作。通称''MOW''。
--『REAL BOUT 餓狼伝説』から10年後のサウスタウンが舞台となる。
-餓狼伝説シリーズを特徴付けていた「ライン」の廃止など中核となるシステムを大胆に変更し、タイトル・内容ともに別のゲームへと舵が切られた。
-後に再評価されることになるが、稼動当時は旧来のファンにそっぽを向かれ、そのまま格闘ゲームの衰退やSNKの倒産とともに消えていった悲運の名作。

*特徴
-キャラクター総入れ替え
--新作が出ても変わり映えせず、プレイヤーにマンネリ感を抱かせていた登場キャラクターが一気に差し替えられた。
--前作の『REAL BOUT』シリーズ(以下RB)から続投しているのはテリー・ボガードのみ(そのテリーもデザインや性能が旧作から一新)で、全14キャラ中13キャラが完全新規キャラクターである。&br()新主人公には名敵役、ギース・ハワードの息子という設定の''ロック・ハワード''が据えられた。
-システムの大幅なテコ入れ
--餓狼シリーズ最大の特徴であった、2Dのフィールドに奥行きを持たせる「ライン」が撤廃され、一般的な格闘ゲームと同じ1ライン制に移行。
--RBシリーズの定番だった「コンビネーションアタック」(通常技から特定のルートで決まった連続技に派生するシステム)のパターンが大幅に減少。
--パワーゲージも変更され、超必殺技で1本、潜在能力で2本消費という分かりやすい形になった。これに伴い、「体力が減ると超必殺技が打ち放題」というシステムは廃止。
-新システム
--''ブレーキング'':キャラごとに決まっている「ブレーキング対応技」を出した直後にAB同時押しで残りの動作をキャンセルし、その技の隙を軽減する。
--''ジャストディフェンス'':相手の攻撃が当たる直前にレバーを後ろに入れることでガード硬直が少し短くなり、少量の体力回復やガードキャンセル可能などのメリットを得られる。&br()空中ジャストディフェンスも可能で、これに伴って空中ガードは廃止された。
--''T.O.P.システム'':試合開始前に体力ゲージの前半・中央・後半のいずれか1/3を指定。&br()残り体力がこのゾーンにある間は攻撃力の上昇、徐々に体力が回復、特殊攻撃「TOPアタック」を出せるなどのメリットを得られる。
--''0フレーム技'':特定の超必殺技や潜在能力に設定されている属性。&br()出が非常に速く、暗転が起こった時点でガードや回避の体勢を取っていなければ避けられない。
--ガードクラッシュ:相手の攻撃を短時間にガードし続けると体勢を崩して一定時間無防備になる。ガード耐久力は時間経過やジャストディフェンスで回復。
-旧シリーズから引き継ぎ・発展した要素
--フェイント動作:各キャラに2種類ずつ用意されている、必殺技の開始動作だけを行うアクション。文字通りフェイントに使うほか、キャンセルをかけて連続技の中継に活用できる。
--避け攻撃:立ち状態からAB同時押しで下半身無敵の「下段避け攻撃」、しゃがみ状態からAB同時押しで上半身無敵の「上段避け攻撃」を出せる。
--小ジャンプ・大ジャンプ:レバー操作でジャンプの軌道が変化。小ジャンプ中は空中ジャストディフェンス不可。
--受け身:一部のダウンする攻撃を食らったとき、着地する瞬間にボタンを押すことで前方or後方に受け身を取って体勢を立て直す。

*長所
-ブレーキングやフェイントキャンセルを絡めた''「攻め」の爽快感''
--通常技をフェイントでキャンセルし、さらに別の技にキャンセルをかけてラッシュを継続する…といった非常にテクニカルな連係が可能になった。
--ブレーキングによる隙消しも重要で、旧作から一部残ったコンビネーションや避け攻撃も連係や読み合いに幅を持たせている。
---これらを上手く使いこなせばアイデアひとつで無限の連係を組み立てることができ、パターン化することなく「ガードの上から強引に攻撃を重ねて圧力をかけていく」というラッシュを楽しめる。ガードクラッシュまで持ち込めれば大ダメージを奪うことも可能。&br()この相手を固めることに重点を置いた攻撃的なスタイルは''『[[餓狼伝説スペシャル]]』の再来''とも言われ、他のシリーズと一線を画す点である。&br;テクニックに依存する面は大きいが、奥の深い読み合いが成立しており、本作が長らくプレイされることになった大きな要因である。
-攻守バランスの向上
--攻撃面で強力な連係が可能になった分、防御側にも「ジャストディフェンス」という要素が追加されたことで、全体的な攻守のバランスが程よくまとまっている。また、全キャラ共通で長い無敵があるバックステップも緊急回避として使える。&br;ガードキャンセルに関してはゲージが不要になったが、代わりにジャストディフェンス成功時しか出せない(かつ入力猶予も短い)ため、的確な読みと正確な操作が必要。「ゲージさえあればいつでも安全に」切り返せる訳ではないので、試合のテンポも損なわれにくくなった。
--空中ガードに関してもただバックジャンプしていれば攻撃を防げる訳ではなく、きっちりタイミングを合わせる必要が生まれたことで、いわゆる「チキンガード」の理不尽感が解消された。
---『[[ストリートファイターIII>ストリートファイターIII 3rd STRIKE]]』の「ブロッキング」を多分に意識したシステムだが、こちらはレバーを入れる方向が後ろなため狙いやすい。&br()このため、より「ジャストディフェンス前提」な独自の攻防が成立している。
--T.O.P.の選択と、これをどう生かすかの戦略性も他の格闘ゲームに無い魅力である。&br;一般的には先頭配置が最も体力回復と攻撃力上昇の恩恵を受けやすい((かつ、「TOP確認」という特殊なキャンセルテクニックを相手に利用される心配もない。))と言われているが、長期戦を睨んで中央配置を選んだり、最後に配置して勝負をかけるといった狙いも面白い。「自分のT.O.P.をいかに活用し、相手のT.O.P.をいかに早く消すか」というのが本作では勝負のポイントとなる。
-秀逸なドット絵
--キャラクターはもちろんデモ画面から背景に至るまで、非常にきめ細かいドット絵による滑らかなアニメーションを実現している。
---ネオジオ基板の限界を超えた質の高さを誇り、ドット絵の歴史の中でも『ストリートファイターIII』などと並ぶ最高峰のクオリティと言われる。
-スタイリッシュな演出
--ホーン系をイメージしたBGMが多く、ゲーム全体の配色も近代アメリカ文化を思わせるもので、はっきり言って格好良い。
--大きく表示されるK.Oの文字とともにテンポ良く流れる決着BGM、長めの画面停止、渋みのあるシステムボイスなど、総じて演出がハイレベルである。

*短所
-''『餓狼』らしくない''
--本作が稼動当時に人気が振るわず、短命に終わった最大の原因。&br()シリーズの象徴であったラインシステムの廃止をはじめ、あまりにも思い切った方向転換を行ったため、RB系に慣れていた既存のファンが付いて来れなかったと言われる。
---同人ファン層を意識した新キャラクターも当時は拒否感が強く、特に俗に言う「萌えキャラ」にあたる双葉ほたるは度々槍玉に上げられる(今となっては十分な市民権を得ているのだが)。
-キャラクターバランスの問題
--全14名(隠しキャラを含む)のキャラ数にしてはバランスがあまりよろしくなく、上位7名と下位7名の性能に溝がある。
--上位キャラの中でも牙刀・ケビン・グラント・ジェニーの「4強」に、バグの発覚で一気に株を上げたカインを加えた''「5強」''の様相となっている。
---ただし致命的なバランス崩壊とまではいかず、やりこみ次第で弱キャラで強キャラを食うことも十分に可能。事実、2011年の全国大会では弱キャラの類に入るほたる使いが決勝トーナメントを全てストレートで勝ち抜き、優勝をかっさらうという番狂わせを演じている。
-ややハードルが高い
--格闘ゲームの性質上、ある程度は致し方ない部分ではあるが、本作は扱えるシステムが多い分覚えることも多く、経験や器用さがものを言うアドリブ要素も多い。&br()完全な初心者が手を出すには難しいゲームであると言わざるを得ない。
--ゲームの進行に支障をきたすような致命的なものはないが、細かいバグが多いゲームでもある。普通にプレイする分には気にならないものの、極まった対戦ではこれらの把握・応用が必須。
--一応お手軽強キャラとして隠しキャラ「グラント」がいる。難しいコンボもなく、高い攻撃力と体力を持ち、とても扱いやすい。ただし、強い人が使うとさらに手がつけられないことは言うまでも無い。
-ロックステージのBGM「Spread The Wings」の後半部分が、スイスのミュージシャン・ロバート・マイルズの「Chirdren((TV番組「鉄腕DASH」の番組内企画で、タイムアップ直前に流れる曲……と言えばわかる人も多いかも。))」に酷似している。

*移植・続編
-アーケード完全移植のネオジオ版の他、ドリームキャスト版が発売。ちなみにドリームキャスト版MOWが、旧SNKが発売した最後のソフトである。
-2005年にSNKプレイモアから『ネオジオオンラインコレクション』第1弾としてプレイステーション2版が発売。ネオジオスティック2付き限定版も同時発売された。
-2009年にはXbox Live Arcade版も配信されている。
--これらの移植版ではT.O.P.ゾーンを狭める代わりに、攻撃力の上昇倍率を上げることが可能となっている。
-続編の製作が進んでいたようだが、SNKが倒産したため実現していない。
--現在も根強い人気があることに加えてストーリーが打ち切り同然の終わり方をしており、続編を希望するファンは多い。&br()しかしスタッフの離散や資料の消失により難しい状況にあるようだ。
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余談になるが、本作は稼動から10年余りが経った今も現在進行中で活発に対戦や研究が行われている。&br()
ネット上でもニコニコ動画で人気を博している「修羅のゲーセン」こと中野TRFにおける大会をはじめ、MOW対戦を再燃させるきっかけとなった「HOWARD ARENA」、&br()
『[[KOF'98>THE KING OF FIGHTERS '98]]』『[[月華二幕>幕末浪漫 月華の剣士]]』と合同で行われた全国大会「日月星辰」など最高レベルの対戦を閲覧できるので、興味のある方は是非視聴していただきたい。