*リズム天国 【りずむてんごく】 |ジャンル|音楽ゲーム(ノリ感ゲーム♪)|&amazon(B000FZ5LA4)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|任天堂、J.P.ROOM|~| |発売日|2006年8月3日|~| |定価|3,800円|~| ---- **概要 ジャンルはいわゆる音ゲー(公称ジャンルは"ノリ感ゲーム♪")。ゲーム中に流れる音楽のリズムに合わせてボタンを押すタイプの、リズムアクションゲームである。&br()開発スタッフは「メイドインワリオ」を手がけたスタッフとほぼ同じであり、本作もまた、作風・プレイ感覚ともに非常に軽い。そのため、音ゲージャンルの難易度激化についていけなくなった人や、元々ゲームの苦手な人でも手軽に楽しめるよう作られている。&br()なお、音楽プロデューサーの「つんく」が企画・監修・楽曲提供をしている事で有名。 DSに注目が集まっていたこともあり、初動はいまいちだったが、口コミで評判が広がり、今に至る。 //発売してしばらくしてから、ファミ通が評価レビューと攻略ページをつくっていた。いつの号だったかは覚えてませんが。 ---- **内容 -1つのステージには5つのリズムゲームが用意されて、全てクリアするとそれまでの5つのゲームを1つの曲に混ぜこぜで取り入れた「リミックス」ステージ(いわゆるステージボス)に挑戦する。計8ステージだが、エンディングクレジットはステージ6クリア時に流れる。 -リズムゲームの種類は大別すると25種。これに、難易度上位バージョンのリズムゲーム15種とリミックスステージ8種が加わり、総ステージ数は48。 -1ゲームあたりの所要時間は1~2分程度と短い。 --ほとんどのゲームが「タイミング良くAボタン(+十字キー)を押す」で説明できるが、ボタンを長押ししたり十字キーを使い分けることもある。 -各リズムゲーム終了後、一言寸評と4段階(「やりなおし」「平凡」「でも平凡」「ハイレベル」)のプレイ評価が表示される。平凡以上を出せばステージクリア。 --ハイレベルを達成するとステージごとにメダルがもらえる。これを集めると、ミニゲームなどのおまけ要素が解放される。また、時折「パーフェクトキャペーン」が実施され、その時にノーミスクリアを達成すると更に別の特典がもらえる。 --やりなおしの結果になっても、上手かった所があればそこを褒めてくれる。また、何度やり直してもクリアできないリズムゲームが出てきた時は、「喫茶カウンセル」に行けば飛ばす事ができる。こうした初心者への配慮はぬかり無い。 -リズムゲームを遊ぶと、「ノリ感」というパラメータが上下する。 //--より正確なリズムを刻めれば上昇するわけだが、最大値(140とされている)を叩き出すには、人間にはほぼ無理なレベルの正確さが要求される。本作は何気に、極めるという意味で言うと音ゲー最凶クラスなのかもしれない。 //--ニューゲームから最後まで、フレーム単位のズレがたったの一回も許されない正確なリズム感が求められる。TASさんにしかできない芸当だろう。 //ノリ感140に関しては攻略本情報だけだったと思うので、一応コメントアウト。 ---- **特徴 -音楽ゲームに多く見られる「流れてくる譜面に合わせて曲を演奏する」形態ではなく、「曲にノってリズムを刻む(連続した等間隔の音の流れを作る)」事を重視し、数種類のリズムを使い分けて攻略するようなゲームデザインとなっている。 --普通の音ゲーと違い、目視確認で入力するのは難しい。大事なのはあくまでも「リズムに乗る」事。 -プレイヤーの入力に対する画面上の見た目の変化が面白い。「メイドインワリオ」テイストの残るシュールな世界観やかわいらしいキャラクターと曲調との相性も良く、ボタンを押す事が単純に楽しいというシンプルな魅力に溢れている。 --ステージの例を以下に示す。これら全てが、テンポもノリも良いステージ曲のリズムに合わせてボタンを押すだけで操作できる。 ---「リズム脱毛」&br()やけに濃い顔をした野菜に、ヒゲが生える。生えたリズムと同じリズムでボタンを押し、ヒゲを抜いてあげよう。巻き毛は長く押さないと抜けない。 ---「しろいおばけ」&br()あるお宅の塀からおばけがひょこひょこ顔を出しているので、塀の間を駆け抜ける時のタイミングに合わせ、弓で退治する。矢が命中するとドアの向こうに激しく飛ばされていく。 ---「ポリリズム」&br()工場のラインで「赤いモノ(詳細不明)」を運搬するゲーム。ラインには何故か所々に穴があく(理由不明)が、ボタンを押すとラインが上下し、上を転がる赤いモノがジャンプして穴を飛び越える。2ライン同時操作なので左右独立が大事。 --ゲーム中に表示される画は全体的にシュールなので、初見では何をすればいいのかわからなかったり、画面にまどわされることもある。それもまた本作の醍醐味である。 ---- **問題点 -そもそも難易度があまり高くない事もあって、ボリューム不足がしばしば指摘される。「定価を高くしてもいいから増量希望」「すべてのリズムゲームに上位ステージがほしかった」という声も。 --メダルを集めて解放する一部のゲームのみにしかスコアアタックがない点なども不満点として挙げられやすい。 -ランダム要素が無いゲームがほとんどなため、一度パーフェクトを取ったゲームに再度挑戦する気が起きにくい。 -基本的には簡単といってもさすがに「パーフェクトキャンペーン」だけはガチンコで取り組まねばならず、全てのおまけ要素を解放するハードルまで低いわけではない。 -一部ボーカル付きの曲などは、楽曲提供者本人(つんく)の作風が大きく前に出ている。ここに好き嫌いが出たり、敬遠される理由になったり。 ---- **総評 世に音ゲーは数多く存在するが、本作は特に操作の簡単さが抜きん出ている。これに見た目の面白さが加わり、シンプルな魅力がウリの音ゲージャンルにおいて地味ながら大きな存在感を示している。&br() 曲にノリながらボタンを押す。それだけで楽しい。&br() 音ゲーが案外人を選ぶジャンルであると認識されつつある昨今、ほぼ誰でも価格相応かそれ以上に楽しめるという「万人向けゲーム」の鑑のような作品である。 ---- **その他 -GBA最後の任天堂作品。その事もあってか取り扱い店が限られてしまい、入手しにくい時期もあったとか。 -第10回(平成18年度)文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞受賞。2007年にはセガによってアーケードゲームに移植された。(wikipedia「リズム天国」項より) -DSにて、続編の『リズム天国ゴールド』が発売された。 -2011年7月21日、Wiiで3作目の『みんなのリズム天国』が発売された。