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Diablo - (2013/03/08 (金) 19:46:48) のソース

*Diablo
【でぃあぶろ】
|ジャンル|アクションRPG|&amazon(B00005OIEI)|
|対応機種|Windows、Macintosh|~|
|発売元|Blizzard Entertainment|~|
|開発元|Blizzard North|~|
|発売日|1997年|~|
|定価||~|
|>|>|CENTER:Diabloシリーズ&br;''Diablo''/Hellfire/[[Diablo2]]/[[Diablo2 LoD>Diablo2#id_9b042a4f]]/Diablo3|
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#contents(fromhere)
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**概要
米国のゲームメーカー「Blizzard Entertainment(以下ブリザード社)」が開発、販売した、MORPGの祖先とも言えるARPG。&br;
いわゆるハック&スラッシュ(探索して敵をぶっ倒す)型のRPGである。&br;
ネットワーク接続による通信プレイを早期に実現し、世界中で大ヒットを記録した。

**ストーリー
 天界に住まう天使達と地獄に巣くう悪魔達が、世界の覇権を賭けて争う世界。
 「罪業の戦い」と称されたこの戦争は膠着状態に陥っていたが、地獄で起きたクーデターの隙を突いて
 攻勢をかけた天使達によって、悪魔達の指導者「3魔王」達が地上界にて封印された。
 指導者を失った悪魔の軍勢は瓦解し、戦いは一時終結。しばしの安息が訪れた。
 
 しかし、そんな平和な時もそう長くは続かなかった。
 ハンデュラスの地に封印されていた3魔王の一人「恐怖の王ディアブロ」が復活したのだ。
 ディアブロは地下深くから思念を送り、ハンデュラスの国王や大司教を洗脳。
 平和だった国は崩壊し、ハンデュラスは怨嗟の声に満ちていた。
 さらにディアブロは悪魔を召喚して軍勢を整え、ハンデュラスを地上侵攻の拠点にしようとする。
 
 そんな中、幾人かの旅人がハンデュラスの首都トリストラムに戻ってきた。
 ハンデュラスを襲った悲劇を聞いた彼らは、誰に頼まれるでもなく、各々の得物を持って
 町はずれの寺院跡を目指すのであった。寺院地下に巣くう魔王ディアブロを打ち倒すために。

**特徴
-魔法はからきしだが肉弾戦最強のウォリアー、弓の扱いに長け、魔法もそこそこ使えるローグ、脆弱だがそれを補って余りある強大な攻撃魔法を使えるソーサラーの中から1キャラを選び、全16層のダンジョンに挑む。最下層にいるディアブロを倒すとゲームクリア。
-以下に挙げる要素がゲームデザインの中心となる部分。
--ゲームを作成する度にダンジョンの形が変わる''「ランダムダンジョン生成」''。
---[[ローグライク>ローグ]]系のゲームとしては古くからある手法だが、グラフィックを伴ったゲームへの導入は珍しかった。
--『DOOM』のような''「リアルタイムアクション戦闘」''。
---これも当時のRPGでは珍しいものだった。
---製作者インタビュー((ディアブロシークレットブック(翔泳社)より))によると、実は初期の企画段階では、まさしくローグライクのようなターン制のゲームを予定していたという。しかし専用の処理エンジンを開発することにより、血湧き肉踊るモンスターとの戦闘が実現することとなった。
--ベースとなるアイテムに形容詞がつくことでアイテムの性能が変わる''「ランダムアイテム生成」''。
---そのため良品を求めての狩り(トレハン)がかなり熱い。自分にとって不要なアイテムでも他人が欲しがる場合があるため、トレードも活発に行われている。
--そして最大のウリである''「通信プレイ」''。インターネット接続環境を整えれば、自社サーバーの「バトルネット」を介した通信プレイが遊べる(もちろんオフラインでも遊べる)。バトルネットを使用することによる手数料発生はない。
---「家にいながら世界中のプレイヤー達と共闘(もしくは対戦)できる」という、ゲーマー、開発者共に描いていた夢がついに現実となった。とことんはまってしまったあげく、月の電話代請求が数万円を超える者も続出。((当時の日本では定額制の常時接続サービスが、「深夜のみ定額」の『テレホーダイ』しかなかった。))
---バージョンアップによるゲームバランス&不具合調整が何度か行われ、ブリザード社のサポート対応も良好。プレイヤーの支持を集める一因になった。
---サーバーの運営維持には人件費や修理費などの費用が発生する。そのため、手数料を取らないと費用がかさむいっぽうになり、ビジネス的に考えたらありえない。いかにブリザード社が太っ腹であるかがわかる((実際、後発のオンラインゲームには月額課金が必須だったり、基本プレイが無料でもゲーム内の特殊なアイテムが有料だったりする形がほとんど。))。
---通信プレイには世界中から様々なプレイヤーが集まり、一つの社会、世界といったものを形成していた。初心者を育成し、よき導き手となった英雄的存在や、アイテム売買で財をなした者、他プレイヤーを罠にかけ、殺して装備や耳を奪う悪党、そんな悪党を狩る賞金稼ぎのようなキャラ、ひたすら強さを求めデュエルを繰り返す者…と、プレイヤーの数だけドラマが生まれる、といっても決して過言ではなかった。その思想・楽しみ方のスタイルは大変に先進的で、後発のオンラインゲームにも脈々と受け継がれており、影響を受けていないものは「ない」と言い切って良い。

**短所
-キャラクターデータがクライアント(プレイヤー側のPC)に保管されていたため、チートし放題となり、対戦プレイ時に特に問題となった。そりゃそうだ。
--チートプログラムも進化する一方で、最終的にはどんな攻撃でも傷つかない無敵のキャラが、最強魔法である「アポカリプス」を連打しまくりながらノンチートキャラを虐殺しまくる様に。そのため続編の2では対策が取られた。
-最終的にどのキャラも全魔法習得のスーパーキャラになってしまい、個性が薄れてしまう。
--2ではクラスごとにスキルが固定され、その中で習得するものを割り振る形式になった。同じクラスでもスキルの振り方で全く異なるキャラになるなど、1の反省を活かしたものと言える。
-ダンジョンの形状および敵の配置如何によっては、対処がかなり困難になる可能性が存在する。
--「開けた場所で敵の大群とカチあう」、「『犬砲台』と呼ばれる敵集団((遠距離から機関砲のごとく大量の酸を飛ばしまくる難敵))に出会ってしまう」が有名かつ典型的な死亡フラグ。死ぬとその場で装備品をぶちまけてしまい、取りに行くハメになる。しかし素っ裸のキャラが敵集団に向かっていっても勝てるはずはないわけで…

**総評
MOの元祖にして、RPGの歴史に残る傑作のひとつ。((ちなみに『ウルティマオンライン』も同じ年に発売されている。))~
このゲームが後RPG(特にネットゲームやハック&スラッシュ型のRPG)に与えた影響はあまりにも大きく、このゲームの画面構成やシステムを引き継いだような作品は、「diabloライク」と呼ばれるようになった。~
マウスとキーボードで多彩なアクションが可能な優れた操作性と、周回プレイを飽きさせないよう工夫されたシステム、発売後も継続されたサポート体制など、大半の要素はすでにDiablo1で完成されていたのだ。

**その後の展開
-97年末、シエラオンラインから拡張ディスク『Hellfire』が発売された。新クラス増加やアイテム追加などのバランス調整が施されているが、Hellfireはネットワークプレイ非対応。((隠しクラスも合わせると新クラスは合計3種類。))
-プレイステーションに移植され、北米版と日本語版が発売したが、当然ながらこちらもオンラインプレイ非対応。Hellfireの追加要素も入っていない。
--そのためPC版経験者からの評価は高くない。ただしクオリティの高い完全和訳がなされており、主人公やトリストラムの住人にはベテラン声優による吹き替えも行われた((PC版は著作権の権利保護の都合から多言語化が困難な仕様であったため、日本語版は発売されなかった。ただし、ネットプレイではチャット機能を日本語に対応させた非公式ツールが存在した。))。PC版に比べて入手も容易であり、世界観を把握しやすい点はPS版の長所であると言える。また、画面を共有するため移動に難が生じる点はあるものの、2人同時プレイは可能。
-そして2000年6月29日、待望の『[[Diablo2]]』が発売されることとなった。主戦場はそちらに移ったものの、現在でもブリザード社はDiabloのバトルネットサービスを続けている。もちろん無料で。