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ワイルドアームズ - (2011/05/14 (土) 10:47:40) のソース

*ワイルドアームズ
【わいるどあーむず】
|ジャンル|RPG|&amazon(B000069SPU)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~|
|開発元|メディア・ビジョン|~|
|発売日|1996年12月12日|~|
|定価|5,800円|~|
|>|>|CENTER:''[[ワイルドアームズシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/526.html]]''|

**概要
-口笛と荒野のRPG第1弾。正統派が不足していた当時のPSのRPG群の中、王道の見下ろし型RPGということで年末の目玉の1つとなっていたソフト。
-直後にファイナルファンタジーVIIの発売が控えており、ややその影に隠れる形になるも口コミで評判となりハーフミリオン近いセールスを記録。
-今は亡きザ・プレイステーションの読者投稿ランクでは、常に50位圏内をキープしていた唯一のPSソフトとなり、根強い人気を誇った。
-FFVII発売のまさに直前、SFC時代に1つの円熟期を誇った2Dドット絵RPG群の集大成を目指したかのような内容となっている。

**特徴
-ダンジョンの特徴や名称、敵キャラの位置づけ、シナリオの運び方、システム、シナリオ展開、隠し要素、世界観、あらゆるところにFC~SFC時代に名作と呼ばれたRPGの影響がそこかしこにみられる。
--特にエストポリス伝記2、クロノトリガーの影響が強く見受けられる。
--ともすれば散漫になってしまいがちな特徴を西部劇風の世界観と3人の主人公の背景を掘り下げることで1本芯の通ったRPGとしてまとめた手腕は見事。
-世界観に彩りをそえるなるけみちこの音楽も出色、西部劇テイストをうまくRPGの音楽として掘り起こしている。
-シリーズを特徴づけるシステムの数々は2からの登場となり、この1作目は形としてはまだオーソドックスな一RPGといった趣だが、逆に2以降の特徴となる濃い(オタク寄りな)要素もまだ薄いため、シリーズ中でもおそらく最も一般受けしやすい内容となっている。
-戦闘はオーソドックスなコマンド入力型だが、敵から攻撃をうけるとフォースアビリティが溜まり特殊な攻撃が可能となる。それらを踏まえた上で3者3様の役割がしっかり割り振られておりコマンド選択型の魅力を追求した戦闘システムとなっている。
--とくにボス戦では各人の特徴をしっかり掴んだ上で戦略をたてないと撃破が難しいボスも多く、逆に雑魚戦はそれほど詰まることもなくサクサク進めるバランスになっている。
-シリーズの特徴となるグッズを使ったダンジョンの謎解きは程よいアクセントを生みプレイヤーに解く喜びを提供している。
--グッズの配分も3人の性質を良くあらわしており、「協力して冒険している」気分を実感できる。この点に関しては2以降よりも優秀。

**問題点
-戦闘シーンは見下ろし型RPGとしては初のフルポリゴンを実現している。これがこのゲームが発売当時、最も売りにしていた点だったが、皮肉なことに過渡期のカクカクしたポリゴンのため、今見るとけっこうつらい。まだドット絵で表現した方がよかったのでは?と言う印象を残す。
--一方で戦闘突入時のアクセスの速さや光と影を効果的につかった(PSならではの)演出などは評価できる。またドット絵のキャラクターをそのまま立体的に起こしたものとして解釈するとさほど違和感を覚えなくもなる(?)。
-戦闘がオーソドックスなコマンド選択型で目新しい要素がなく、キャラの育成要素もドーピングとレベルアップのみで少々物足りない。
-終盤、特にラストダンジョン突入時が少々さびしい。
--主人公たちに絡んだサブキャラが終盤に差し掛かるとほとんど絡みがなくなりひっそりとラストダンジョンに突入したかのような印象を受ける(リメイク版の『アルターコード:F』ではこのへんが解消されている)。
-初期生産版では主人公のワイルドバンチという技を使うと高確率でフリーズする(ベスト版では解消されている)。
--またPS2でプレイすると通常の場面でも稀にフリーズすることがあるため、こまめなセーブが必要。
-一部の状態異常攻撃が凶悪でハマリ要素を含む。
-移動中の地形に視認し辛い部分がある。いわゆる『倉庫番』タイプのパズルがあるのに、奥行きが分かりにくいため、一部の謎解きが必要以上に難解になっている傾向も。

**総評
-2Dテイストの古き良きRPGの集大成のような作風で王道ながらもオリジナリティあふれる魅力的な内容から多くのファンが生まれ、現在まで続くシリーズの原点となる。
-次回作である[[ワイルドアームズ 2nd IGNITION]]はこの作品から大幅に雰囲気が変わってしまったことから当初は賛否があったが、英雄を主軸にした素晴らしいシナリオと整えられたシステムから現在ではシリーズ最高傑作として語られることが多い。
-後にPS2でリメイクである『アルターコード:F』が発売される。ストーリーの補完、豊富な隠し要素、強化された演出、膨大なやり込み要素に加え相変わらず評価の高いなるけみちこ氏の音楽と良い点も多いが、グラフィックの悪さや無印から変わってしまった雰囲気、ゲームバランスなどで賛否両論のリメイクとなってしまっている。