「トワイライトシンドローム(探索編・究明編)」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

トワイライトシンドローム(探索編・究明編) - (2010/11/16 (火) 00:13:08) のソース

*トワイライトシンドローム(探索編・究明編)
【とわいらいとしんどろーむ たんさくへん・きゅうめいへん】
|ジャンル|ホラーAVG|&amazon(B000069SUI)|&amazon(B000069SV2)|
|対応機種|プレイステーション|~|~|
|発売元|ヒューマン|~|~|
|発売日|探索編:1996年3月1日、究明編:1996年7月|~|~|
|定価|5,800円|~|~|

**概要
-本作は探索編・究明編と2作に分けて発売された、2本合わせて全10話のオムニバス形式となっている。
-ユカリ、ミカ、チサトの3人の女子高生を横視点の探索シーンで操作し、夜の公園、深夜の無人駅や学校など様々な心霊スポットを探索、心霊現象の原因を解明する。
-キャラクター1人1人に詳細な背景が設定されているほか、後半にいくほどシナリオの比重が高まり,異色の学園ホラーとも言える内容に仕上がっている。

**特徴
-それまでのゲームにあった物語調の台詞廻しに対し、本作はより現実に近いキャラクターの台詞(女子高生言葉)が特徴となっている。
--実際の女子高生の会話を元にして台詞が起こされている。
-横スクロールの移動視点は独特の操作感覚で、恐怖をあおる演出はもとより日常→非日常へ移行する様子が効果的に演出されている。
--後半にいくほど増すノスタルジックな雰囲気の演出にも一躍買っている。3D音音響も効果的に雰囲気を演出している。
-同様に日常的なアイテムや単語が頻繁に劇中に登場。マップに配置された自動販売機や電話ボックス、アイテムとしてのポケベルやMD、実名のアーティストや漫画なども台詞の中に登場している。
--現代日本が舞台のものにはこういった日常的な要素はつきものだが、本作の目指した細部のデティールへの拘りはそれらの中にあっても一歩踏み込んだものとなっている。
-さらに学園ホラーといった趣から徐々に、暮れゆく昭和の情景、民俗学、いじめなどの社会問題、最終的にキャラクターの内面へと踏み込んだシナリオにまで変化していき、ロッキンオンジャパンなどそれまでゲーム業界とは馴染みの薄かった類の雑誌にも取り上げられ、ゲーム批評では新規タイトルとしては異例の複数レビューが起こされるなど、地味な見た目・宣伝に反し(?)当時の業界内外の評判は比較的大きなものがあった。
-所謂シナリオの良いゲームと言われるものの多くが「大きな物語」を描いたシナリオ(ゼノギアス、タクティクスオウガ、メタルギアソリッド等)なのに対し、本作は等身大な世界の描写に徹底的に拘ることで物語に深みを与えたタイトルだと言える。
-当時の学園ホラーブーム(学校の怪談など)女子高生ブーム、エヴァを始めとしたACブームの影響を思わせる設定・演出が多く見られ、世紀末ムードも濃厚だった96年の時勢を切り取った作品ともいえる。

**問題点
-上記のように探索編は王道な心霊スポット探索ものだが、究明編になるとキャラクターの心理描写に主軸がおかれだす。そのため究明編は心霊譚としての魅力はやや中途半端なものに終わっているシナリオも多い。女子高生3人組には少々行きすぎたなスケールのシナリオも見受けられる。
-ゲーム中のシナリオは1本あたり45分~1時間。究明編は後半にいくほどさらに長丁場になり約1時間半~2時間ほどかかるがその間に一切セーブができず、1つのシナリオが終わった時点で初めて記録が行われる。
--さらにゲーム中にとった行動選んだ選択肢によって大吉、中吉、凶の結末に振り分けられるがその結末が凶だった場合、次のシナリオへは進めず再プレイを余儀なくされる。これらの要素が(繰り返しプレイによる)ホラーゲームとしての恐怖を半減させ、ゲームのテンポそのものも大きく損ねる結果となっている。
-もともとドット絵と相性の悪いPSというハードの制約からか、全体的に読み込み時間が長い。頻繁な画面が切り替えがないことが救いである。
-基本的にマップを移動し選択肢を選ぶだけなので、ややゲーム性に乏しい。
-すべてのシナリオを大吉にすると登場する隠しシナリオ「plank」はムーンライトシンドロームの予告編とも言える内容で、サイコホラー色が強く、綺麗な形で終わった本編のムードを一掃する破壊力を持っている。

**続編について
本作には続編と呼べるタイトルがいくつか存在するが、各々の冠する名称がバラバラなため非常にややこしいことになっている。
-ムーンライトシンドローム(1997年:PS)は趣を変えてサイコサスペンスに。本作と登場人物は一致し、さらに新規キャラも登場。究明編から1年後が舞台となっているがあくまでパラレルワールドという扱い。本作と制作者が一部重なり、実験的な作品となっている。
--98年にヒューマンが倒産し、以降の作品はスパイクからのリリースとなっている。
-夕闇通り探検隊(1999年:PS)は本作とキャラクターもシナリオ的な繋がりもないものの一部製作者がかぶり、本作のテイストを最も濃厚に引き継がれた作品となっている。
-トワイライトシンドローム~再会(2000年:PS)は本作(探索・究明)に登場する岸井ミカが顔見せ程度に登場。純粋なホラーAVGとしてスタイルはほぼ引き継がれているが、文学、民俗学、郷愁といったテイストは薄れてしまった。
--以前の制作者もほとんど関わっていない模様。
-トワイライトシンドローム~禁じられた都市伝説(2008年:DS)はやはり本作に登場する長谷川ユカリが教師として登場するが恐怖を前面に押し出た作りで、ホラーゲームにとどまらない雰囲気までは引き継がれていない。

尚、再会と呪われた都市伝説は発売当時、同時に映画も制作れている。
98年には探索編と究明編を一本にまとめた『トワイライトシンドロームスペシャル』がリリースされている。
応募券を送るとプレゼントされた「トワイライトシンドローム~The Memorize~」というプレミアムディスクも存在する(主人公たちが成人後の回想ムービーや音楽などが収録されている)。
ドラマCD もあった。