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ANUBIS ZONE OF THE ENDERS - (2011/05/06 (金) 16:24:24) のソース

*ANUBIS ZONE OF THE ENDERS
【あぬびす ぞーん おぶ えんだーず】※THEは発音しない
|ジャンル|ハイスピードロボットアクション|&amazon(B00007F7QQ)|&amazon(B0000TC3YM0)&amazon(B0008F0WWS)|
|対応機種|プレイステーション2|~|~|
|メディア|DVD-ROM 1枚|~|~|
|発売元|コナミ|~|~|
|開発元|コナミコンピュータエンタテインメントジャパン(EAST)|~|~|
|発売日|2003年2月13日|~|~|
|定価|7,140円|~|~|
|プレイ人数|1~2人|~|~|
|レーティング|CERO:12歳以上対象|~|~|
|備考|スペシャルエディション通常版:2004年1月13日発売/3,465円&br()同・限定版:2004年1月13日発売/3,675円&br()コナミ殿堂セレクション版:2005年5月26日発売/1,890円|~|~|
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#contents(fromhere)
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**ストーリー
22世紀。絶大なエネルギーをもたらす鉱物「メタトロン」の発見・利用によって、火星、そして木星圏へ居住域を広げた人類。
しかし太陽系の中心部に戻るにつれ、人々の間には自分達よりも外の宙域に住む人間を「エンダー(田舎者)」と呼び差別する風潮が広がっていた。やがてそれは、火星・バシリアカウンティを中心とする過激派の軍事組織「バフラム」の台頭、そして地球圏を中心とする連合宇宙軍とバフラムとの紛争へ発展していく。
バフラムは膨大な戦力を抑止力としている連合軍への対抗手段として、メタトロンをふんだんに用いた新型機動兵器「オービタルフレーム(OF)」を極秘裏に開発し、大規模投入に成功する。連合軍の主力である旧式の機動兵器「LEV(レヴ)」は最新のファントマ型ですら量産無人OFに歯が立たず、連合軍は苦戦を強いられることとなる((OVA 『I DOLO』ではバフラム側の視点から、OF開発と紛争のきっかけとなった事件が描かれている))。

この状況下において、連合宇宙軍は木星圏のコロニー・アンティリアを武装占拠し、同地で建造されていたバフラムの新型OF二機を奪取する。この「アヌビス」と「ジェフティ」の二機こそ、バフラムの指導者ノウマン大佐が進める「アーマーン計画」の要となる機体であった。バフラムはただちに奪回部隊を派遣し、アンティリア全域を巻き込んだ戦闘が行われる。
最終的にアヌビスはバフラムに奪回されるが、ジェフティは連合軍の手に残った。偶然ジェフティに乗り込んだ民間人の少年レオ・ステンバックの協力により、ジェフティはレオと共に辛くもアンティリアを脱出したのである((ここまで前作『ZONE OF THE ENDERS』のお話。本作には「PREVIOUS STORY」として10分ほどのダイジェストが収録されている))。

連合宇宙軍はジェフティに搭載された独立型戦闘支援ユニット「ADA(エイダ)」に「火星のアーマーン要塞中枢に侵入後、ジェフティを自爆させる」というプログラムを書き込み、アーマーンの内部からの破壊を目論んでいた。しかし、既に火星圏はアヌビスを手中に収めたバフラムに焼き払われ、完全に掌握されていたのである。
連合軍は火星への侵入は不可能と判断し、やむなくジェフティを木星圏に向けて投棄。バフラムの、そしてノウマンの目から隠した。

暫く後。木星衛星・カリスト。
元バフラム軍人の採掘作業員ディンゴ・イーグリッドは、ある日カリストの地表で不自然なメタトロン反応を探知する。そこには一機のオービタルフレーム――ジェフティの姿があった。
その時、突如襲い来るバフラムの部隊。バフラムの無差別攻撃で自身のLEVを破壊され、仲間を守ろうとジェフティに乗り込むディンゴの心中に、かつての戦いの記憶が蘇り始める。


アヌビスとジェフティ。そしてノウマンとディンゴ。 火星圏を舞台に最後の戦いが始まろうとしていた。

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**概要
コナミのSFロボットゲームを主軸とした企画・シリーズ''『ZONE OF THE ENDERS(Z.O.E.)』 ''における作品の一つで、2001年3月にPS2で発売された一作目 『ZONE OF THE ENDERS』(通称「無印Z.O.E.」) の続編。
「オービタルフレーム(OF)」というロボット兵器による、空中戦主体のハイスピードな3Dアクションが楽しめる。
ゲームデザイン、脚本、監督は今作が初監督作品となる村田周陽氏。
また、一作目から引き続き『メタルギアソリッド』シリーズを手がけた小島秀夫氏によるプロデュースも注目を集めた。

前作は軽快なアクションと美麗なグラフィック、優れたBGMを持ちながらも「冗長な癖に短いストーリー」の為に評価を落してしまっていた。
本作は前作の不満をほぼ全て解消し、長所をさらにグレードアップする形で帰ってきたのである。

前作の不評、そして発売日のタイミングが悪かったこと((小島氏のblogでの談))から全体的な売り上げは振るわなかったものの、
徐々に口コミやネットで評判を上げ、廉価版発売や動画サイトの普及も伴い、現在では「''隠れた傑作''」との評価が固まっている。

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**特徴・評価点
パッケージ裏に書かれた「''未確認浮遊快感''」の文字通り、浮遊するような高速移動を中心とした「簡単・高速・かっこいい」アクションを簡単に実行可能。
そしてジェットコースタームービーのようなテンポの良いストーリーが絡み合い、そんじょそこらのロボゲーにはない抜群の爽快感が味わえる。
加えて3D酔いは可能な限り押さえられており((開発チーム内で最も酔いやすい小島氏に合わせて調整が行われたらしい))、難易度も選択可能でチュートリアルも充実。初心者から上級者まで幅広く対応している。
***アクション
-常時空中浮遊状態のジェフティはダッシュ、上下移動、ロックオンによる移動方向修正を軸として戦闘機動を行う。&br()ロックオンで目標を捉えた後は''ボタンをそれとなく連打しているだけでも「カッコいい」動きが出来てしまう''。
--勿論、ただ連打するだけでは先に進めない。システムを理解し、戦闘の基本を掴んでいくことで更に美しく、楽しくプレイすることが出来るようになっていく。&br()それを支えるのがジェフティの高性能((設定的にもシステム的にも、ジェフティはかなりのハイスペック機である))と豊富なサブウェポン、そして「ゼロシフト」である。
-ジェフティの武装は基本的に前作と同じだが、ほぼ全ての仕様が見直され、使い勝手と戦略性は格段に向上している。

#region(「基本攻撃方法の説明を行いますか?」「ああ、頼む」)
--''ショット'':敵から離れた状態で□ボタン。アナログ入力によって三点バーストや高威力弾の撃ち分けが可能になった。主に牽制や狙撃に使う。
--''ブレード'':敵に接近した状態で□ボタン。アナログスティックとボタンの組み合わせで簡単なコンボ攻撃が出来るようになった。ショットとブレードの切り替えは非常にスムーズに行われ、違和感のないものとなっている。
--''ホーミングレーザー'':ダッシュ中に□ボタンを押し続けるとロックオン、放すと一勢発射。最大で''25~30の敵機への同時攻撃が可能''。威力は低いが雑魚の掃討に便利で、単一目標には数を打ち込むことでダメージソースとしたり、コンボの起点にしたりできる。6発しか撃てなかった(しかも単体ロック)だった前作とはえらい違いである。
--''グラブ'':所謂「掴み・投げ」。○ボタンで行う。敵機や鉄骨、鉄板などのオブジェクトを掴んで振り回したり、盾にしたり、''ジャイアントスイング''からのブン投げも出来る。ゲーム中通して使用可能な数少ない攻撃手段の一つであり、高難易度ではグラブの使い分けが明暗を分ける。
--''バーストモード'':静止中にR2ボタンを押しつづけている間発動する。この状態では高威力のチャージショット(これも威力の調節が出来るようになった)や回転斬りの他、掴んだ敵機をマヒさせてグラブ時間を延長したり、打撃力を上げることが出来る。
--''ガード'':L1ボタンを押している間防御を行う。単体での使用機会は少ないが、グラブと組み合わせることで幅が広がる。
#endregion

-更にストーリー進行に伴い入手できる「サブウェポン」も大幅に変更が行われ、どの武器にも活躍のチャンスが与えられた。

#region(「ADA、お願いね」「了解。各サブウェポンの説明を行います」)
--''ゲイザー'':最初に入手することになる、当たった対象の動きを止める補助武器。アナログ入力で至近距離のばら撒きとロックオン対象への投擲が選べる。非常に使い勝手がよく、性質を生かした様々なテクニックが存在する傑作兵器。高ランククリアを意識した場合最も多く使用することになるのは間違いない。
--''ガントレット'':強烈なノックバックのある実体弾を投擲する。威力は小さいが敵のガードを砕き、地形にぶつけることで追加ダメージが見込める。
--''コメット'':ホーミング性の強いエネルギー弾を発射。威力もまあまあ、連射力もまあまあ、ガード不能。ガードの固い敵機の崩しに使える。ボタン強押しで高速弾を発射。
--''デコイ'':ジェフティの分身を作りだし、攻撃を逸らす。要所要所で使うよう心がけると展開がとても楽になる。
--''ファランクス'':高速連射型のエネルギー弾。アナログ入力で拡散発射と一点集中発射が選択可能。近接戦での迎撃に便利。
--''ハルバード'':長大なレーザーを照射する武器。ガード不能。マニュアル照準で自在に照射方向を変えられ、大群の瞬殺も狙える。その姿はさながらイデオンソード。
--''ウィスプ'':ジェフティ腰部のユニットを飛ばし、敵を拘束する。拘束した後は手元に引き寄せたり、ハルバードの様に振り回すことも出来る。
--''マミー'':かまえている間は敵のバースト攻撃をもガードする盾。ボタン強押しでダメージの回復も可能。縛りプレイでは真っ先に使用禁止が推奨されるサブウェポン。
--''ホーミングミサイル'':高威力の大型ミサイルを発射する。アナログ入力で二機ずつ、2~16機まで発射本数を調節可能。威力は絶大でガードも出来ないが、エネルギー消費も激しい。
--''フローティングマイン'':高威力の機雷を放出する。接近してくる敵へのカウンターの他、グラブで投げることも出来る。ガード不可かつ広範囲にダメージを与えられる。
--''ベクターキャノン'':メタトロンの特性である空間圧縮を利用した大型砲台。その威力は絶大、ロマンも絶大。反面設地状態でないと発射できず、長大な準備時間がある。ちなみに発射可能になるまでの演出は非常にかっこいいものになっている。ロボ好きなら泣いて喜び鳥肌を立てるに違いない。
#endregion

-そして終盤に入手する最後のサブウェポン「''ゼロシフト''((厳密にはサブウェポンとは異なる))」。このゼロシフトこそが「ハイスピードロボットアクション」である本作を代表するシステムである。
--その仕様は''「ボタンを押した直後、ロックオン対象の背後に瞬間移動する」''というシンプルなもの。回り込まれた直後の敵機は無防備であるため、回り込んだ瞬間から切り刻むもよし掴んで振り回すもよしサブウェポンで焼くのもよし。撃破したら再びゼロシフトを選択・発動して他の敵機の背後に回り、豊富な攻撃を選んで叩き込めばよい。
--左アナログスティックを下に倒せば急速離脱、ロックオン解除状態では前方に急速移動と汎用性も高い。加えてゼロシフト中には当り判定が発生しており、軌道上の敵機を跳ね飛ばすこともできる(ただし正面からの攻撃は流石にダメージを受ける)。
--発動時の演出も瞬逸。一瞬溜めた後、集中線と共に画面がゆがみ、接近したかと思うと次の瞬間には背後をとっている。小気味よく、ついつい何度でも使用したくなってしまう。
---これだけの威力でありながら消費エネルギーはゼロ、使い放題。最早雑魚相手ならバランスブレイカー一歩手前の性能ではあるが、やはり終盤のボスもこのゼロシフトを持っており、一筋縄ではいかなくなる。攻略にはタイミングとパターンの見切りが重要となる。

***グラフィック・BGM
''グラフィック''
-2003年の作品でありながら、グラフィックのクオリティは下手な次世代ゲーム機の作品にも匹敵するほど。ホーミングレーザーやアヌビスのバースト爆風は見物。
--処理軽減のために一部エフェクトを2Dで表現するなどの工夫を取り入れた「Z.O.E.シェード」と名付けられた技術により、滑らかな動きと派手なエフェクトを両立している。
--それらの結集とも言えるのがイベント戦闘''「荒野乱戦」''。41機の味方LEVと共に(難易度によっては)''700~1000機''を数える敵無人OFの集団を突破するこのイベントは、絶望的な数の敵機を描写しながらも処理落ちを最小限に抑えることに成功しており、レーダー画面や台詞の演出効果も相まって高く評価されている。
-劇中に挿入されるアニメーションはGONZO制作。こちらも安定したクオリティ。
''デザイン''
-キャラクター原案は政尾 翼氏、デザインは『新機動戦記ガンダムW』『絶対無敵ライジンオー』等で知られ、前作でもデザインを行った西村誠芳氏が担当。
--個性豊かなキャラ達はいずれも人気がある。独特なパイロットスーツも見どころ。
-メカニックデザインは『メタルギアソリッド』の新川洋司氏。更に今作ではゲストとして、アトラスの「悪魔絵師」こと金子一馬氏が疑似OF、インヘルトのデザインを担当している。
--人型でありながらどこか異形の雰囲気を佇ませるアヌビスとジェフティ、シリーズおなじみの骨型雑魚・ラプターシリーズ、巨大OF・ザカートなど、キャラクターに劣らず個性派ぞろいのメカ達。彼らのモーションも作りこまれている。
---ちなみに、シリーズのお約束として有人OFのコックピットは股間部からせり出した配置に…… 端的に言うなら「男のナニ」の位置にある。金子氏は「そういうのは趣味じゃない」とのことで、インヘルトのデザインも他のOFとは一線を画す。
''BGM''
-BGMの曲調は前作と打って変わり、より激しく、民族的なイメージの曲が多くなっている。
--どの曲も場面とよく噛み合っており評価が高いが、中でもオープニング・エンディングテーマである「&b(){Beyond the Bounds}」は非常に人気が高い。フィンランド語を元にした造語のスキャットが多用されるリズミカルな名曲である。 
---ちなみに、本作のオープニング映像はこの曲をまるまる使用しており、''約7分''に渡る非常に長いものとなっている。しかし共に流れる本編中の映像・台詞が絶妙にかみ合って、7分という時間を感じさせない程「見入る」内容に仕上がっており、数あるゲームOPの中でも人気が高い。

***ストーリー・演出
''ストーリー''
-シリアス、コミカルなシーンも多いが、基本は熱血路線。盛り上げるところではしっかりと盛り上げ飽きさせない。主人公ディンゴもその男らしさから人気が高い。
--エキセントリック&サイコすぎる言動故に「ヤンホモ」とファンに呼ばれるノウマンや、臆病者ながらも意地を見せるテイパー、ディンゴとは夫婦漫才の様な関係となるヒロイン・ケンなど、登場人物はいずれも個性豊か。前作の主人公レオとの対決・共闘や、ディンゴの恩師ロイドとの再開など、ある種の「お約束」的なシーンもしっかり描かれる。
---キャラクターを支える一人である声優陣も、ディンゴ役の井上和彦氏、ケン役の雪乃五月氏、ノウマン役の小杉十郎太氏を初めとして実力派が揃っている。

-本作で追加された新たな要素として、ジェフティに搭載されたAI、ADAとの会話(ディンゴリアクション)が挙げられる。
--ADAの問いかけに対し、R3ボタンで肯定・L3ボタンで否定の意を示すことが出来る。無視も可。
--特定サブウェポンの使用を提案してきた場合、肯定すると瞬時にサブウェポンを切り替えてもらえる。状況によっては短く、無機質ながらもどこかユニークな反応を返してくれることもあり、シーン、対応ごとのバリエーションも多い。
---前作ではとにかく冷静・合理的思考だったADAもレオとの触れ合いで人間らしい思考に近づいたのか、今作では柔らかい態度が目立つ。ディンゴリアクションはそうした前作とのつながりを意識できる要素として、特に前作からプレイしてきたユーザー達に広く受け入れられた。
--これは『メタルギアソリッド2』でも取り入れられていたものである。
''演出''
-ストーリー構成を支える演出も光る。ムービーシーンとストーリーシーンをシームレスに繋ぐ構成は見事。
--小島監修故か、2002年の『メタルギアソリッド2』と似通った構図も見られる(無線会話時の顔グラフィックウィンドウ、スローモーションを使った「溜め」、ムービー中のカメラ拡大・移動など)。
--『蒼き流星SPTレイズナー』のV-MAX、『ファイブスター物語』のバスター・ランチャーなど、幾つかのロボット作品をオマージュしたような描写も多い。
-更には同社の『[[グラディウス]]』シリーズのオマージュとして、「超時空戦闘機ビックバイパー」を元ネタにした最新鋭可変型LEV「ビックバイパー」が登場する。前作主人公レオの機体として準主役機的な活躍を見せる。
--戦闘機形態では『グラディウス』シリーズと同じく、ミサイル、リップルレーザー、レーザー、オプション、シールドを使用する。更にレオの戦闘テーマ「Leo! Leo!」は『グラディウス』のBGMのアレンジ。

***おまけ要素
-''クリア後''
--各イベントや総合戦績をまとめたクリアランクが表示される。君は荒野乱戦をランクSSでクリアできるか?
--データを持ちこした2周目では、サブウェポンの全所持、ジェフティのバージョン選択などの要素が加わる。
-''ミニゲーム''
--前作にも存在した対戦モードが存在。雑魚OFを含むほぼ全ての機体を操作できるが、残念ながら連合軍の主力LEV、ファントマMk=3は使用できない(OFとファントマでは性能差があり過ぎるので仕方ないのだが)。
--作中でのイベント戦の再現、タイムアタックモード、撃墜されるまで戦うサバイバルモード、ボスバトルなどが出来るエクストラミッションが収録されている。
---その中には''『グラディウス』を模した3Dシューティングゲーム「ZORADIUS(ゾラディウス)」も。''効果音やBGMもグラディウスまんま、追加オブジェとして「モアイ」が登場する(ちゃんとイオンリングも吐く)という気合の入りようである。
-''スペシャルエディション''では多くの追加要素がある。
--新規戦闘シーン・ムービーの追加。裏オープニング曲「Beyond the Bounds (Mitsuto Suzuki 020203 Mix feat.Sana)」も新規収録(初回版には付録CD同梱)。
--ミッションモードのボリュームアップ。
--本編での難易度の低さを指摘されたことに対する解答か、難易度ベリーハードとエクストリームが追加。
--[[メタルギアソリッド]]と違い、英語音声にはなっていない(英語音声は欧米版のみ)。ちなみに欧米版のタイトルは「[[Zone of the Enders: The 2nd Runner>http://en.wikipedia.org/wiki/Zone_of_the_Enders:_The_2nd_Runner]]」
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**短所・賛否両論点
-''シナリオの短さと難易度の低さ''
--初心者でも難易度イージーでは12~18時間程度でクリアできるボリューム。人によっては「ハードでもぬるい」との声も。
---この短さを「テンポが良い」「一本の映画のようでいい」と評価する人も多い。
---難易度の低さに関しては、スペシャルエディションで難易度ベリーハードとエクストリームが追加されることになった。
-''強制ステージの存在''
--細部を抜き出して見ると面倒な展開(制限が付いた戦闘・長い道のり)が目立つ。
--中でもロイドの研究所へ向かう道程でケンの指示に長く従う「見えない通行路」、対ネフティス戦の「忍耐を強いられるウィルス消去」等に代表されるアクション強制は、シナリオ面での引き立て役となっているがゆえに特に2周目以降のプレイについて折角のテンポの良さを損なっているという批判が多い(2周目以降の初期装備特典を利用しても長々と付き合わされる)。
-''自機の攻撃効果音''
--多用することになるブレード、ショットの効果音が軽く、軽快さはあるものの、弱そうにも感じられるとの指摘もある。特に耐久力の高い敵との戦いではダメージを与えている感覚が薄い、とも。
--更に言うと、体験版は製品版と異なるSEを使っていた。エフェクトも多少異なる。
-''前作からの変更点''
--近接戦時のチャンバラ要素が(一部のイベント戦を除いて)削除された。通常戦闘時の体感スピードが低下していることも併せて「一対一の戦いなら前作の方が良かった」との声も大きい。
---体感スピードの変化は、ANUBISでは対複数戦闘が重視されている事と3D酔い対策、そしてゼロシフトのインパクトを考慮した調整と考えられる。
--前作では要所要所のボス的存在として登場した、それぞれが多彩な機能を持った巨大OF。今作では1機のみの登場となってしまっている。
-''一部の声優変更''
--前作では主人公レオを下和田裕貴(現・下和田ヒロキ)氏が演じていたのだが、今作では鈴村健一氏が担当している。またノウマンも前作では江原正士氏が声を当てていたのに対し、今作では小杉十郎太氏に変更されている。この謎のキャスト交代に前作との違和感を感じるファンも多い。
---ちなみにTVアニメ『Dolores, i』でのノウマン役は中田譲二氏であり、三作品すべてで担当声優が異なっている。
-''一部の説明不足''
--前作のヒロインだったセルヴィスと、レオをサポートしたサンダーハートがどうなったのか全く説明されない。
--一応スタッフのブログにおいて、無印とANUBISの間の2年間を補完するサイドストーリーが掲載された。これによるとサンダーハートは既に死亡している。
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**まとめ
ここまで読んで興味が沸いたら、まずは一度[[OPムービー(リンク先youtube)>http://www.youtube.com/watch?v=hTBnFRA0RaM]]を見てほしい。
ここのムービーを見て「面白そう」と思えたなら、このゲームは貴方の期待を裏切らないと断言できる。

2003年発売のゲームでありながら、ここまでの爽快感を獲得しているロボットゲームは現在でもそう多くはない。ある意味では「ロボットゲームの一つの到達点」とまでいっても過言ではないだろう。
現在販売されているスペシャルエディション版の廉価版「コナミ殿堂セレクション」版ならば新品を購入しても2000円でおつりがくる。
気軽にプレイしやすいのも長所だろう。
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**前作:『ZONE OF THE ENDERS』
【ぞーん おぶ えんだーず】 (やはりTHEは読まない)
|ジャンル|ロボットアニメ・シミュレータ(実際にはANUBISと同じロボアクション)|&amazon(B00005QBLX)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|メディア|DVD-ROM 1枚|~|
|発売元|コナミ|~|
|開発元|コナミコンピュータエンタテインメントジャパン(EAST)|~|
|発売日|2001年3月1日|~|
|定価|通常版:6,040円(税込)&br()プレミアムパッケージ:13,800円(税抜)|~|
|プレイ人数|1~2人|~|
|備考|通常版には『メタルギアソリッド2初体験版』が同梱&br()PlayStation2 the Best版は2003年2月13日発売/2,940円|~|

前述の通り、2001年のPS2初期ソフトとしては群を抜いたグラフィックと、軽快なアクション性を持って登場した作品。
BGMはANUBISと違って暗い神秘的な曲調の物が多く、どこか繊細な雰囲気を作品に与えている。主題歌の「KISS ME SUNLIGHTS」とエンディングテーマ「flowing destiny」は名曲と名高い。
また、周回プレイでエンディングテーマが「A Light with a name of HOPE」に変化し、これらエンディング2曲のアレンジBGMも効果的な場面で使われている。
基本的な動作方法は既にこの作品で確立されており、「近接戦時のチャンバラ」「多彩な大型オービタルフレーム」「プリレンダムービーのストーリーパート」など、ANUBISに受け継がれなかった本作のみの要素も多い。「戦闘のスピード感はANUBIS以上」と評価したり、「ANUBISと比べるとこっちの作風の方が好き」と語るファンも少なくは無い。

一方、どこかで見た(簡単に言うと「1stガンダム」と「エヴァ」を足して二で割った)様なストーリーや、コロニー・アンティリアをあちこち飛び回るテンポの悪さと全体的な尺の短さ((平たく言えば「お使いゲーを繰り返しながらアンティリアを脱出してみれば、実はDISC1でしかなかった」といった状態))、全体的に使い難すぎるサブウェポンなど、悪い点も目立つ作品でもあった。
一部のユーザーからは「MGS2体験版のおまけ」と揶揄され、本記事冒頭でも語られているように『ANUBIS』を始めとする続編の売り上げにも悪影響を出してしまった惜しい作品だった((『ANUBIS』の作風が、本作とほとんど真逆になっている要因ともとれる))。

本wikiに単独記事が作られるほどではない作品であるかもしれないが、決してクソゲー・微妙ゲーの誹りを受ける作品ではない。
興味を持った人はぜひ『ANUBIS』とセットでプレイし、レオとADAの戦いの軌跡を追ってみてほしい。

***よりシリーズを知るために:OVA・『I DOLO』
『ZONE OF THE ENDERS』と同時期に発売され、『ZONE OF THE ENDERS プレミアムパッケージ』では追加シーンを加えてゲーム本編と同梱されたOVAが、本記事の冒頭で僅かに触れられている『Z.O.E 2167 IDOLO(イドロ)』である。
ちなみに、2001年にテレビ東京系で放映されたテレビアニメ『Z.O.E Dolores, i』は、この『I DOLO』の直接の続編という形になっている。

この『I DOLO』は『無印Z.O.E』の前日譚という体裁をとっており、試作OF「イドロ」のテストパイロット・ラダムと彼の恋人・ドロレス、そしてラダムを慕う女性士官・ヴァイオラを中心として、バフラムが地球に対抗すべくOF開発を進める中で起こった異変、そして連合宇宙軍とバフラムの開戦のきっかけとなった「ダイモス事件」の悲劇が描かれている。
パッケージ版は55分の構成となっていて、ゲームでは描ききれなかったZ.O.Eの世界観が掘り下げられ、随所にゲームとの関連性を匂わせる描写が散りばめられており、ファンアイテムとしては実に申し分のないものとなっている。 また、単体のアニメ作品としてみても質の高いストーリー・作画・演出が光る良作である。
『Z.O.E』シリーズをプレイする際にはこの作品の視聴も併せてお勧めしたい。((筆者の私見ではあるが、本作の視聴タイミングは『無印Z.O.E』のクリア直後をお勧めしたい。アニメのエンディングとゲームのオープニングがリンクする演出は言葉にならない感動と余韻を与えてくれるはずだ。))

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**続編について
イギリスのゲーム雑誌『PSM3 The PlayStation3 Magazine』 (Future Publishing) の「issue 80」(2006年9月28日)に、「Zone of the Enders 3 Close to the Enders」という見出しの後、「News just in ZOE is back on PS3」(ZOEがPS3に戻ってくる)という書き出しで「2007年に小島プロダクション製作で新作が作られる予定である」という記事が掲載された。
また、2009年10月17日の小島プロダクション公式ウェブログ「コジブロ」にて、小島秀夫氏は「ANUBIS」の続編の企画について「概要は既に頭の中には存在している」と語っている。
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