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聖剣伝説3 - (2011/05/25 (水) 12:06:52) のソース

*聖剣伝説3
【せいけんでんせつすりー】
|ジャンル|アクションRPG|&amazon(B000066BPS)|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|発売・開発元|スクウェア|~|
|発売日|1995年9月30日|~|
|価格|11,400円(税抜)|~|
|プレイ人数|1~2人|~|
|>|>|CENTER:''[[聖剣伝説シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/573.html]]''|
#contents(fromhere)
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**概要
-スクウェアを代表するアクションRPG『聖剣伝説』シリーズの3作目。

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**ストーリー
-出身地の異なる主人公が6人存在するが、大雑把にまとめればどのキャラクターも「平和な日々が、突如現れた謎の勢力に襲撃・介入を受けたことで失われてしまう。主人公は復讐や奪還、大切な人の救出のために旅立つ」というストーリーになる(細部は異なるが)。
--自身の目的を解決するために故郷を離れ、旅の途中で立ち寄った湖畔の村アストリアで確認した不思議な光を追っていった主人公は、世界を司るマナの女神に仕える「フェアリー」と出会い、世界の危機を知らされる。
--行きがかり上フェアリーの宿主となり世界を救うことになった主人公は、自身の目的を兼ねながら、各地の精霊の力を借りてマナの聖域に向かう旅に出ることになる。

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**特徴
-主人公達
--総勢6人の内、メインとなる主人公1人と仲間2人を選ぶという当時としては珍しいパーティシステムを採用。
--主人公ごとにオープニングが異なるのはもちろん選んだ主人公によって後半の展開が変化し、終盤のダンジョン・ラスボスも3通りに分岐する(トライアングルストーリーと銘打たれた)。
--ちなみに、主人公の殆どが王族や著名な人物の子孫といった身の上にある。
--主人公勢はいずれも魅力的。特にアマゾネスで槍使いの王女「リース」の人気はシリーズでも群を抜いており、発売から15年たった現在でも健在である。%%(主に同人誌であるが)%%

-クラスチェンジシステム
--キャラの能力成長などの方向性を選択することにより、幅広いキャラ育成が可能なシステム。
--物語途中に出てくる「マナストーン」を通じて主人公達はクラスチェンジをする事ができる。各キャラクターは初期状態でクラス1に設定されており、2回のクラスチェンジを経て最終的にクラス3になる事ができる。
--クラスチェンジの際は光か闇のどちらのクラスへ進むかを選択する。計2回のクラスチェンジによって、最終的には各キャラ4種(光2種・闇2種)のクラスに分岐する。
--クラスによってキャラの能力やグラフィックが変化する。
--移動・戦闘画面でのグラフィックはキャラクター色が変わるだけだが、ステータス画面のグラフィックは大きく変わる。光方向に進んだキャラクターが清廉な姿をしているのに対し、闇方向に進ませると禍々しい姿の男性キャラクターや妖艶な姿の女性キャラクターが見られたりと容姿の面でもギャップが楽しめる。
--基本的に光は万能型、闇は一芸に秀でたタイプになる(例外もある)。
--どうクラスチェンジをしても、台詞やストーリー展開への影響は全くない。

-その他
--前作で問題だった、仲間が地形に引っかかって先に進めない部分も改善された。
--前作で好評だったモーションバトルとリングコマンドを再利用。
---戦闘システムは2を踏襲している部分もあるが、様々な点で2とは異質のものとなっている。
---キャラ固有の持つ「必殺技」があり、クラスチェンジするごとに強い技が1つ増える。
---武器や魔法ごとの熟練度は廃止。これにより、熟練度によって変化していく必殺技や魔法を見る楽しみは失われたが、熟練度を溜める作業も不要になった。
--昼と夜・曜日の概念が追加された。
---昼と夜で出現モンスターが変わる地域があり、また夜に特殊能力を発揮する種族や、曜日によって特定の属性魔法が強化されるなど、それなりに実用性もある(気にしなくてもクリアできるレベルではある)。宿屋でも指定すれば夜に起こしてくれたり、特定の曜日だと宿屋がタダになったりなどの演出あり。
--レベルアップ時にどの能力を上昇させるかは、プレイヤーがある程度任意で選択できる。
--アイテム等が大量に増加(それによる倉庫)、種による栽培など、後の『LEGEND OF MANA』に引き継がれるシステムが生まれた。
---アイテムの種類が増えることによって多くの魔法の効果を代用できるようになった。
---魔法のように一定時間無防備にならず、即座に効果を発揮する点では、むしろ魔法よりも優れている。

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**長所
-前作に引き続きファンタジーの王道的な世界観やキャラクターが揃っており、そこにクラスチェンジなどキャラクター性を高める大きな要因が加わっている。
--結城信輝氏による公式イラストも、本作のキャラクター性を高めるのに大きく役立っている。

-SFC最高水準とも言える美麗なグラフィック。同時期には[[FFVI>ファイナルファンタジーVI]]や[[ロマサガ3>ロマンシング サ・ガ3]]などがあるが、こちらは多少ではあるが挙動するのがポイント。
--攻撃魔法を中心に迫力あるエフェクトが光り、次世代機と比較しても遜色ない。
--前作で人気を集めた表現豊かなアクションは今作も健在。高画質の代償か、ややアクションのレスポンスが遅めだが、SFCの限界に挑戦する意欲作といえる。
--屋外シーン限定ではあるが、時間経過とともに少しずつ黄昏ていく戦闘風景など飽きさせない演出がある。

-主人公・成長方向・ストーリーなど、選択の自由度が非常に高い。
--主人公が6人のため、6人分のシナリオが存在する。キャラによっては専用のイベントや敵が出現するので、完全にクリアするなら最低3周は楽しめる。
---クラスチェンジ&パーティを変更すれば、より長く楽しむ事も可能。同じパーティであっても主人公を変えるだけでグッとゲームの印象が変わる。クラスチェンジについても同様。
--分岐もそこそこ多く、自由度は低くない。
---特に7体のボスを倒していく神獣戦は倒す順番が全く決まっていない為、後になるほど強くなっていくシステムも相まってプレイヤーの意思で難易度を決定できる。厄介なのを先に倒すか、それとも後に残してスリルを味わうかも自由である。

-ボス戦での演出も非常によく、中には画面を覆いつくすほどの巨大なボスや、多関節でなめらかな動きを見せるボスもあり、ボスごとに独特の行動がありと飽きさせない。

-前作から引き続き菊田裕樹氏のサウンドが、世界観に見事にマッチしている。前作と比較し、民謡的な作品が多い。
--戦闘曲にも恵まれており、おどろおどろしい雰囲気のものから高揚させるハイテンションなものまで数が揃っている。
--特に中ボス戦の曲は秀逸で、前半の見せ場であるローラント城奪回作戦は、この音楽によって疾走感と高揚感をかきたてられることが大きい。
--音声は「モノラル」「ステレオ」「ワイド」と選択でき、「ワイド」を選択すると音楽がバーチャルサラウンドで出力されるため、ステレオ環境でより臨場感を高められる。

-RPG屈指のラストバトル演出。
--戦闘開始時は重々しくも禍々しいBGMで、プレイヤーの不安を煽るような「絶望」をイメージとした曲が流れる。
--しかし、一定のダメージを与えるとラスボスの形態が変化(厳密に変化といえるのはアークデーモンだけだが)し、その後画面とBGMが一旦ストップ、BGMが一変する。
--前哨戦とは打って変わって「希望」をモチーフとする雄大かつアップテンポな曲調となり、プレイヤーの士気が一気に向上するニクい演出となっている。

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**問題点
-前作より格段に減ったが、今作にもゲーム進行に関わる致命的なバグが数個あるため注意が必要である。
--シャルロットバグ:シャルロットを仲間にせずに進むとコロボックルの村に入れなくなる
--幽霊船バグ:クラス2になったキャラを呪わせた後にセーブすると、そのセーブデータが使えなくなる
--ダークキャッスルバグ:ダークキャッスルで落とし穴に落ちた時魔法のロープを使うと、ここから出られなくなる。

-メニュー画面に移行する際や、カーソル操作や決定時にラグがあり操作性が悪い。道具や装備の整理がやや面倒に感じる。

-今作の目玉であるクラスチェンジだが、最終クラスでの活動範囲が非常に狭く、おまけに手間がかかる。
--普通にプレイしているとラストダンジョン付近で必要レベルに到達し、さらに必要アイテムを手に入れるまでそこで戦い続けなければならない(一部シナリオは除く)
--最終クラスで本領を発揮するキャラ(アンジェラ、光のリースなど)は、ごく終盤でしかその真価を発揮できない。

-黒幕の本拠地には隠しボスがいるが、それと戦うことができる主人公は6人中2人だけ。
--元々はどの主人公でも戦えるはずだったが、調整ミスでこうなったらしい。

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**賛否両論な点
-度々2との引き合いに出されるが、アクション性が低くなった・戦闘がもったりになってしまった点。
--戦闘の仕様変更により、戦場が狭いエリアに限定され、さらにダッシュが自由にできなくなった。
---攻撃ボタンを押し続けてAI操作に切り替えることで敵に向かってのみダッシュできる。
---ダッシュが自由にできないため、前作の基本戦術であったヒット&アウェイはできない。工夫すればキャラごとのリーチ差を活かした戦い方は可能だが、強キャラによるごり押しの方が簡単なため、ただ近づいて殴るだけの「連打ゲー」になりやすい。
---戦場が狭いため、いきなり混戦状態から戦闘開始するシーンが多い。前作にはあった「敵から極力距離をとらせる」指示ができなくなったため、魔法系のキャラをかばう暇もなく蹂躙されてしまう。
---ダッシュで走り抜けて戦闘を回避することもできなくなった。すでに戦闘をする意味がないレベル差でも、敵を発見するとダッシュを中断してしまうためテンポが悪い。
--必殺技や魔法は、発動中の間、敵味方の動きが停止するものが多く、ゲームのテンポを損ねている。
//--2も止まるが、レベルMAX時の特殊エフェクトのときだけである。
//敵味方のほとんどの魔法・必殺技が回避不可能な性能なので、どこに移動しても同じこと。 
//これは2でも同じことが言える

-キャラ性能にやや差がある。
--ケヴィンは新システムからあらゆる点で恩恵を受けており、バランスブレイカーな性能となっている。
--アンジェラは今作では不遇の攻撃魔法主体であり、HPも低いので明らかに不利である。
--戦力的に不利なメンバー・クラスでも、新要素の「倉庫」と「ブラックマーケット」を利用して、大量のアイテムを消費しながら殴り続けるだけでクリアは可能である。だが、せっかく作ったパーティの個性を損なうためあえて利用しない人も居る。
//-パーティメイキングが可能な作品の常であるが、キャラの選択を誤ると難易度がやたら高くなる。具体的には上記の通り中盤以降アンジェラの使い勝手が悪いほか、回復魔法が使えるデュラン(光クラスのみ)、ケヴィン(同)、シャルロットのうち最低一人はいないとやや辛くなる。

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**総括
-致命的なバグが少々存在するものの、パーティーメイキングやクラスチェンジを盛り込みながらも一定したゲームバランスを保っている。
//-キャラが増えたことにより、聖剣伝説がやや「キャラゲー」化した感は否めない(ここのところはFFVIにも言えることだが)。
//キャラゲー化の定義を。また同時に、「否めない」と否定的ニュアンスを込める理由も。
-現在でもキャラクターのファンアートが多く見られるなど、高い人気を維持していることは確かであり、次世代ハードでの移植を熱望する声が多い作品のひとつである。 しかし、当時のスタッフのほとんどはスクウェア・エニックスから離脱しており、完全なリメイクは非常に困難な状態。ただし[[ミンサガ>ロマンシング サガ -ミンストレルソング-]]等の例もあり、不可能というわけではない。

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**その後の展開
--PSで発売された『[[LEGEND OF MANA>聖剣伝説 LEGEND OF MANA]]』は良作といえる作品であったが、『[[新約聖剣伝説>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/341.html]]』以降シリーズの評判に陰りが見え始め、『[[4>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/324.html]]』では評価を地に落とした。詳しくは当該項目参照。