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ストリートファイターEX - (2011/02/10 (木) 14:53:37) のソース

*ストリートファイターEX
【すとりーとふぁいたーいーえっくす】
|ジャンル|対戦型格闘ゲーム|~|
|対応機種|アーケード&br;プレイステーション|~|
|販売元|カプコン|~|
|開発元|アリカ|~|
|稼動開始日&br;発売日|【AC】1996年12月&br;【PS】1997年7月17日|~|
|>|>|CENTER:''[[ストリートファイターシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/655.html]]''|
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#contents(fromhere)
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**「3D化」
-本作は格闘ゲームの金字塔ストリートファイターシリーズで初めてポリゴンによる3Dグラフィックが使われたゲームである。
-特にシリーズものにおいて、グラフィックが「ドット絵による2D」から「ポリゴンによる3D」に変わることに対しての拒否反応は3Dが使われ始めた当時からかなり根強いのだが、プレイステーションというまだまだ3D発展途上のハードで作られた本作のグラフィックはそうした批判を掻き立てるが如きポリポリとした人物グラフィック。はっきり言って当時レベルでもとても褒められたものではなく、これが本作の評価を今に至るまで押し下げている要因であろう。
-背景もありがちな風景CGで、モーションも2D絵を忠実に再現できているわけでもなく、キレも良くは無い。リュウの竜巻旋風脚が全く別物(ファイターズヒストリーのチェスト)になっていたりもする。スーパーコンボを当てたときに相手が派手に吹っ飛ぶのだが、それをドタドタと走って追いかけるキャラクターはかなりマヌケ。
-さらにプレイステーション版のエンディングでのCGムービーはゲーム内のモデルをそのまま使ったと思われるような閉口ものの出来。
-正直言って見てくれはかなり微妙で、これが原因で現在でもEXシリーズはストリートファイターシリーズ全体の中でも[[実写>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/1166.html]]に次ぐ色物扱いとなっている。

**格闘ゲームとしての特徴・評価点
-そんな見た目で敬遠されやすい本作は、実際にプレイしてみれば分かるのだが、まんま[[ストII>ストリートファイターII]]である。
--これは貶し言葉ではなく、3Dポリゴンという絵面でありながらストIIの持つゲーム的な駆け引きや操作感覚をしっかりと落とし込めているということ。
--ストIIの醍醐味とも言える「相手のしゃがみ中キックを間合いで空振りさせてしゃがみ大キックで差し返す」「判定の強いしゃがみ中パンチを置いて足払いを潰す」といった所謂「足払い合戦」も問題なく行える。
--ザンギエフのスクリュー連携などもストIIのタイミングのままで使える。
-また、単なるストIIコピーに終わらない独自の新システムも搭載されている。
--スーパーキャンセル。最大3本まで溜められるスーパーコンボゲージを1本消費して使用する「スーパーコンボ」は、通常技だけでなく必殺技からもキャンセル可能。
---現在の格ゲーでもメジャーなシステムとなった「必殺技をキャンセルして超必殺技へ連続技として繋げる」という流れは本作が初出。
---しかし、以後の作品に真似されていない本作独自の仕様として「スーパーコンボ→スーパーコンボというキャンセルが可能」と「技の動作中ならいつでもキャンセル可能」というものがある。
---前者は「ゲージを使えば使うほど大ダメージが与えられる」という単純明快に派手で爽快感のあるもの。
---後者は主に隙の大きい技の隙消しに使用でき、これにより相手が大きな隙を見せた場面で反撃をするかしないか、またあえて隙を見せて相手を釣るかなどの駆け引きが生まれている。
---また後の作品ではこのシステムを有効活用できない投げ技系のスーパーコンボについても、本作では連続打撃のスーパーコンボをガードして固まっている相手に投げスーパーコンボでスパキャンして投げるという芸当が可能。
--ガードブレイク。スーパーコンボと同じくゲージを1本消費して使用でき、当たった相手はガードをしていたかに関わらず他の格ゲーの「ピヨリ」のような状態になる。
---相手に密着しないと使えない「投げ」と違って、大きく踏み込んで攻撃するため、待ちの崩し方に一石を投じた。
--3D格闘ゲームの特徴である「空中コンボ」は本作でも可能。2D対戦ゲームの妙と言えば妙な制限が取れてなかなか面白い。
-キャラクターはストIIに登場したキャラの一部とEXオリジナルのキャラで半々。
--オリジナルキャラはストIIとは毛色が全く違うが、「スカロマニア」「ダラン・マイスター」などEXならではの濃い味を持ったキャラは本家にも負けない人気を誇っていた。
--ほとんどのキャラで通常技のモーションを使いまわしているのが丸分かりだが、主に必殺技の違いによりキャラ性能は大きく差別化されている。言われてみれば強足払いの動きがモータルコンバット。
--カウンター狙いが熱いほくと、起き攻めが強力なダーク、スーパーコンボによるコンボが大ダメージなジャックなど、性能面でも強く個性がつけられている。
--さすがにリュウをベースにした胴着キャラが6人もいるのはやりすぎな気もするが(リュウ(白)、ケン(赤)、豪鬼(黒)、カイリ(青)、アレン(紫)、殺意リュウ)。
-BGMはナムコでリッジレーサーの作曲をしたスタッフが製作。完全オリジナルだが良曲揃い。
--打撃音はペチペチと軽めだが、本作の質感には合っているし、妙に快感があると言えなくも無い。
-プレイステーション版『EX plus α』では、家庭用ならではの豊富なオリジナルモードが追加されている。
--特に人気が高いのが、キャラの必殺技や連続技を次々と入力していくという「トライアルモード」。かなりマニアックな連続技まで用意されており、本作の操作性の良さもあってやり応え十分。
--また、追加キャラとして本家にも登場しているダルシムとさくらが追加されている。コンパチが多い本作の中でも、どちらも既存キャラとは全く違うモーション・性能の持ち主。
---後にダルシムは『EX2』以降でも使用キャラとして登場。さくらは『EX3』まで登場しなかったが、モーションは七瀬というキャラに流用されている。

**総評
当時ポリゴンが一般的な存在になったことでポリゴンを使ったゲームは多数出てきていたが、その中にあって本作はあえて「ポリゴンというグラフィックで2Dのゲーム性を表現する」という意欲的な試みが行われた作品である。~
その結果作られた本作は、見た目こそ悪いものの、中身としてはシンプル・イズ・ベスト、初心者にも遊びやすく、上級者にも遊び応え十分、ストリートファイターIIで形作られた2D格闘ゲームの面白さが純粋に凝縮されたゲームとして完成しており、その魅力は現在でも消え失せていない。

**その後
-続編として『EX2(PLUS)』『EX3』が製作されている。
--EX2はグラフィックが強化されキャラも増えた本作の純粋進化…なのだが賛否両論。
---その原因は「エクセル(エクストラキャンセルの略)」という新システム。一言で言えば「オリジナルコンボ」で、使うのが難しい上に使えるのとそうでないのとで実力差がかなり出るため。シンプルさを好んでいたプレイヤーにも受けが悪かった。
--EX3はPS2のロンチタイトルとして発売されたが、タッグバトル強制かつ完成度の低い内容やこのシリーズ特有のグラフィックの癖が受けず、クソゲー呼ばわりされることもしばしば。
-また、同じアリカ開発による『ファイティングレイヤー』(ナムコ販売)というアーケード格闘ゲームが稼動しており、一部本作と共通するキャラも登場する。
--意欲的なシステムと個性的なキャラを売りとする作品だが、受けは悪く移植もされていないためほとんど出回っていない。しかし完成度は悪くなく、熱心なファンがいるのもまた事実である(現在も稀に大会が行われているほど)。
--画面にでかでかと表示される''漢祭り''の文字、プロレスラーの股間を突き出す必殺技、キノコを育てて戦うキャラ、猛獣と闘う一人用、「ラブソルジャー」などが見所。
-ゲームアーカイブスではPSで発売された『EX2 PLUS』含め、配信されていない。
-3D化されたタイトルは2009年2月まで本シリーズのみであったが、同12日にストリートファイターIVが稼動したことにより初めてメインシリーズの3Dグラフィック化が実現した。

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