「スナッチャー」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

スナッチャー - (2010/12/26 (日) 01:49:42) のソース

*SNATCHER
【すなっちゃー】
|ジャンル|ADV|
|対応機種|PC-Engine SUPER CD-ROM2|
|発売・開発元|コナミ|
|発売日|1992年10月23日|
|定価|7800円|
-----
**概要
サイバーパンクアドベンチャーと称する名作アドベンチャーゲーム。小島秀夫監督の映画的作風を確立し、またゲームデザイナーとしての名を知らしめた作品。~
スナッチャーは、元々はPCであるPC-88SRシリーズゲームとして発売された。ただしPC版は、話が未完のまま終わっている。その後PCでは、アドベンチャーゲームとしての続編は出る事はなかった。それを完結させ、PC-Engineへ移植したのが本作である。媒体は当時のコンシュマーでは主流だったROMではなく、最先端メディアのCD-ROMであった。

----
**特徴
-ゲームの形式は、コマンド選択のアドベンチャーゲーム。ただし一部にガンシューティング的ゲームや、謎解きのための文字を入れるなど、単調にならないためのアクセント的な要素もある。
-サイバーパンクアドベンチャーと称する通り、近未来の埋立地ネオ・コウベ・シティが舞台。世界観はやや暗めで、退廃的な雰囲気に包まれている。これは映画ターミーネーターとブレイドランナーの影響による。特にブレイドランナーの影響は、小島監督自身が口にしている。
-言うまでもなく小島監督独特の映画的手法が、いかんなく発揮されている。OPからEDまでまるで映画を見てるかのような印象を受ける。そのストーリーももちろん秀逸である。
-キャラクターにCVをつけている。当時はほとんどのゲームが容量の少ないROMのため、CVをつけるなどできなかった。これははCD-ROMという媒体を使ったおかげである。ただしフルボイスではない。
-多くの映画のオマージュ、パロディーが見られる。もっとも一部には著作権上問題があるようなものも、見受けられる。
-本作は他機種にも移植されている。だが海外版は子供への影響等を考えた変更、PS版&SS版は当時の事件の影響から残虐シーンにモザイクがかかるなど、元となっているPC版のイメージを必ずしも再現してない。このためある意味、本作が唯一の完全版ともいえる。

----
**難点
-最近では、あまり見ないコマンド選択式のアドベンチャー。今やると、かなり面倒に感じかもしれない。
-一部の小島監督作品に見られるように、モチーフとした映画の影響がやや強い。これをオマージュと見るかどうかは分かれる所。

----
**ストーリー
1991年モクスワ、チェルノートン研究所で事故が起こる。だがそこは細菌兵器の研究所であったのだ。事故により、非常に強力な細菌ルシファーαが宙に撒かれる。ルシファーαは風に乗り、ユーラシア大陸各地へと伝染していった。その結果は凄惨で、人類の半数が死滅する事となる。後に大惨事と呼ばれるバイオハザードであった。~

それから半世紀、2042年。瀬戸内海を埋め立てたネオ・コウベ・シティでは奇妙な事件がおきていた。それは人間が知らない内に、ロボットに摩り替わり、本人に成りすましているというものだった。ロボットはボディに人造の皮膚を付け、本人と入れ替わっていた。その人造皮膚は汗をかき、血を流す。正に生体そのもの。そのため外観からは本人と区別がつかない。しかもその目的も、どこから来たのかも全く不明。やがて彼らは、人間と摩り替わる事から、スナッチャーと呼ばれるようになる。~

主人公であるギリアン・シードは、3年前妻ジェミー・シードと共に、誰も居なくなったシベリアで発見された。だがその時、二人は全く記憶がなかった。その後ギリアンは軍に入り、社会に馴染んでいく。だが一方で、ジェミーとはうまくいかなくなり、別居。~
やがて彼は特殊部隊を経験後、スナッチャーを狩るための部署、JUNKERへと配属される事となる。そしてスナッチャーとの戦いに身を投じるのであった。

----
**その他
-先述の通りパソコン版(88SR,MSX2)は未完のまま終わっているが、MSX2のみであるが完結編までを収録した完全版が出ている。
--その作品は『SDスナッチャー』である。キャラがSD化されジャンルもRPGに変更されているが、シナリオはPCE版スナッチャーよりもむしろ濃密でこちらが完全版であると断定しても差し支えない。
-今では人気シリーズとなったメタルギア。これはキャラ名として本作でも出ている。原点は小島監督がはじめて製作に関わったMSXのアクションゲームである。