*鬼武者2 【おにむしゃ つー】 |ジャンル|戦国サバイバルアクション|&amazon(B00005UF77)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売・開発元|カプコン|~| |発売日|2002年3月7日|~| |定価|7,140円|~| |廉価版|MEGA HITS!:2002年12月12日/3,980円|~| |>|>|CENTER:''[[鬼武者シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1511.html]]''| ----- #contents(fromhere) ---- **概要 PS2用ソフトとしては国内初のミリオンセラーを達成した『[[鬼武者]]』の続編。キャッチコピーは「愛と哀しみのバッサリ感」。~ 前作同様、本作も主人公には俳優をモデルに起用している。起用されたのは何と1980年代を代表する名優として知られる故・''松田優作''((松田氏は89年に亡くなっているので声はモノマネタレントのハードボイルド工藤が担当している))氏。~ テーマソングは布袋寅泰の「RUSSIAN ROULETTE」。 ---- **ストーリー 鬼の力を得た若武者、明智左馬介が稲葉山城で幻魔王フォーティンブラスを討ってから13年後…。~ 旅先で故郷の急を聞きつけた柳生十兵衛は急ぎ柳生の庄へと帰還。~ だが時既に遅く、故郷は無残に焼き払われ、一族の者は皆殺しにされた後だった。~ 己の母を名乗る女から一族の仇は織田信長であることと鬼の力を与えられた十兵衛は信長を討つ決意をするのであった。 ---- **特徴 ***装備品関連 -前作の刀・大剣・薙刀の3種に加え、槍・鉄槌が新たに追加された。 --ただし大剣は隠し武器扱いになり、本作最強の性能になっている。 -これにより強化出来る武器が4つに増え、陣羽織(被ダメ減少)、手甲(溜め時間減少)、足甲(蹴り威力上昇)にも魂を注入して強化可能。 -飛び道具である弓や火縄銃も健在。 -首飾りという装備品も追加された。装備している種類によって様々な恩恵がある。 ***戦闘の新要素 -基本的な特徴は[[前作>鬼武者]]とほぼ同様だが、本作は多数のアクションが追加されている。 -溜め --構えボタンを強く押し続けると、武器が光を放ち、その状態で攻撃すると強力な攻撃になる。 --この攻撃は威力はもちろん、ほとんどの敵のスーパーアーマーを無効化できるなどの恩恵もある。 --鬼戦術のレベルの調整も可能で、武器のレベルを上げていても低いレベルの鬼戦術を放つことが出来る(=消費を抑えられる)。 ---最大まで溜めるとLv3鬼戦術を使うが、その際も通常より鬼力の消費が少ない。 --最大3段階まで溜められるが、2段階以上溜めるには仲間(後述)から各武器の「奥義書」というアイテムを貰う必要がある。 ---烈火剣のみ奥義書が存在しないので、最初から3段階溜める事が可能。 -秘伝 --該当武器の「秘伝之書」を所持していると、↓↑+□で強力な攻撃を放てる。溜め攻撃ほどではないが強力。 ---こちらも烈火剣のみ秘伝之書が無くても使える。 --タイミングよくボタンを押すことで最後に強力な一撃を放つことができる。 -鬼武者化 --新たに導入された紫魂を5つ吸収することで主人公が一定時間鬼武者に変身する。 --変身中は攻撃力上昇と無敵・スーパーアーマーに加え、鬼神弾という専用技も使用可能になる。また、自動で溜め一閃が発動する。 --攻撃を喰らうか鬼神弾を使用すると鬼武者状態でいられる時間を表すゲージが減少する。ゲージの最大値は体力と鬼力の最大値で変化する。 -一閃 --前作の一閃が大幅に強化され、一撃で敵を倒す爽快感が増した。以下が追加された内容。 --連鎖一閃 ---敵に一閃を決めている際に特定のタイミングで攻撃ボタンを押すと、近くにいる敵に移動して更に一閃を決める。 ---最大6連鎖まで可能だが、タイミングはシビアで、回数を重ねるごとに難しくなっていく。 --溜め一閃 ---Lv3まで溜めを行った状態で一閃を行うと「溜め一閃」になり、連鎖一閃のように自動で近くの敵に一閃を決めてくれる。 --他に、ボスにも一閃が可能になった。さすがに一撃では倒せない(一部の雑魚敵にも一撃では倒せないものが存在するが)が、大ダメージを与えられる。 ***仲間 -今作では仲間が4人おり、品物を渡すことによってアイテムと交換する他、絆(攻略本では絆値と表記)を上げていく。 -誰に何を渡すかによってもらえるアイテムや絆値の変化量が変わるのはもちろんのこと、渡す場所やタイミング、特定の品物の後に渡すことで変化するなど、かなり細かく設定されている。 -絆値によってシナリオが変化し、一定以上高ければ一時的に操作キャラとして扱えたり(一人は必ず操作するが)、戦うことになったりする。発生したイベントを見るとシナリオ達成率としてクリアするたびに加算されていく。 --前半・後半で絆値が最も高いキャラがストーリーキャラとなるので、全てのイベントを見るには最低でも4周は必要になる。 -ちなみに品物はお金を出して買うか普通に手に入れたりする。全ての品物は渡すと何かしらの反応を示してくれるので、絆値を気にしないなら変な物を渡して反応を楽しむのもまた一興。 ***その他 -魔空空間(今作では幻夢空間という名前)や謎解き要素などのシリーズ恒例の要素もしっかり用意されている。 ---- **長所 -前作と比較して大幅に内容が増えた。初回クリアなら12~16時間はかかる。 --前述のシナリオ達成率を上げたければ何度もクリアする必要もあるが、慣れれば3~5時間でのクリアも可能。 --一度見たイベントならスキップすることも出来るので、ストレスも溜まらない。 --前作にあった扉の封印もあるが、該当する武器で一度攻撃すればよくなったので武器のレベルを必ずしもあげる必要は無い。 -前作から更に進化したグラフィックと爽快感のある演出。 --今回は不気味な場所だけでなく人が行き交う街や洞窟なども美しく描かれている。 -前作よりも爽快なアクションが楽しめる。 --特に連鎖(溜め)一閃の爽快感は抜群。 --新武器の槍・鉄槌も振りが遅いが、槍はリーチと範囲に優れ、鉄槌は圧倒的な破壊力が魅力なため使いこなせばより豪快な戦闘が楽しめる。 -充実した特典。 --初期の状態で設定画やメイキング映像を見れる他、初回限定版では布袋寅泰氏の歌う『RUSSIAN ROULETTE』のミュージッククリップも視聴可能。 --シリーズの名物である完成度と難易度の高いミニゲームは健在で、「黒いスーツの男」、「鬼組」、「パズル幻夢空間」の3つがある。 ---「黒いスーツの男」は松田優作氏の代表作である「探偵物語」の主人公、工藤俊作に扮した十兵衛を操作し、フィルムを集めながらクリアを目指す。集めたフィルムでゲーム中のイベントシーンを十兵衛が工藤俊作に入れ替わったムービーが見れる。 ---「鬼組」は体力が減っていく状況で5人のキャラクターを切り替えながらステージを進んでいくミニゲーム。普通にクリアするのはもちろん、赤魂を集めた量が記録されるのでスコアアタックも可能。クリア特典もある。 ---「パズル幻夢空間」は名前の通り本編にも登場したスライドパズルをクリアして進んでいくミニゲーム。パズルの難易度は本編のものよりもかなり高い。 --前作に存在した衣装替えももちろん存在。 -難易度に「普通」「易しい」「最強装備」に加えて「難しい」、「一閃」が追加された。 --「難しい」は敵の体力や攻撃力が上がるのはもちろんのこと、一閃のタイミングがよりシビアになったり、ほとんどの敵が攻撃動作中にスーパーアーマーになるなどの変更が加えられている。 --「一閃」は敵の体力などは「普通」と同じだが、一部の例外を除いて敵を一閃でしか倒せない超絶難易度。 ---出現するのは最後の最後でクリアしても一枚絵が表示されるだけなのであくまでやり込みたい人向けのモード。 ---- **短所 -相変わらずのラジコン操作で、慣れるまでうまく操作しにくい。 -視点が悪く、戦いにくい場所が多々ある。 --視点が悪いと、自分と敵が今どこにいてどうなっているのかが非常に分かりにくく、敵の攻撃タイミングの予測や上手い位置取りなどが困難になる。視点の悪さのせいで戦闘中に余計な失敗をしてストレスが溜まることも。 -追加された新アクション走り斬りが便利すぎる。 --走り始めですぐに使えるうえ、隙、威力、リーチ共に突きや切り上げより性能が高い場合が多く、槍を除いてわざわざ突きや切り上げを行う必要がない。 ---次回作ではある程度走らないと発動しなくなったが、今度は逆にかなり使い勝手が悪くなっている。 -一閃が空振りする場合がある。 --完璧なタイミングで入力しても、武器の振り方や敵との位置関係によっては一閃が当たらない。非常にもどかしい思いをさせられる。 --もっとも、よほどのことがなければ外れる事はないし、外してもクリア時の評価でしっかりカウントはされる。 ---ただし、仲間にプレイヤーが交代しているときは一閃のモーションパターンが少ないため、割と外れやすい。 -鬼武者変身は紫魂を5つ集めた時点で勝手に変身してしまうため、ここぞという場面での有効活用がしづらい。 --うっかり5つ目の紫魂を集めると、無駄に変身してしまうこともある。 --ボス戦で変身したい場合は、あらかじめ4つ集めた状態で戦いに挑むなどの工夫が必要となる。 --この点は次回作で解消された(5つある状態でボタン入力)。 --ちなみに変身している状態でイベントが発生した場合は解除されるが、残り時間に応じた個数の魂は残る。 -仲間のくれる品物のうち、何度でも入手可能なものがあるのだが、これが一度しかもらえないものすべてを貰う前でももらえてしまう。 --渡すものによって差はあるが、完全にランダムなのでセーブ&ロードしなくてはいけないことも多い。 --他にも特定のタイミングでしか入手できないものもあるなど、初見では厳しいものが多い。 ---最も好感度の高いキャラクターが後半のパートナーとなるが、オユウを除く3人はパートナーに選ばれなかった時点で登場シーンがかなり減り、品物を交換できる機会は皆無になる。そもそも、オユウかマゴイチをパートナーにしないと体力、鬼力共に最大値まで伸びない。 ---途中のプレイヤー交代等のイベントを発生させるためにはある程度計画的に好感度を上げなければいけないため、周回プレイするほど品物交換が面倒になってくる。 --パズル幻夢空間は交換などで手に入る「美人画」を全て入手する事が出現条件となっている為、普通にやっていたらいつまで経っても出ない。 -仲間の一人であるマゴイチが何故かあらゆる面でかなり優遇されている。 --パートナーがマゴイチになった場合、前述の通り体力、鬼力が一段階上がるイベントがある上、入手できる首飾りも後半の超序盤に入手でき、更にパートナー別の4つの首飾りの中で最も役に立つ性能(他はせいぜいあればいい程度)を持つ。 --パートナーがマゴイチの時のみ貰える武器もある。マゴイチの同名の銃に比べると倍以上の威力があるが弾が非常に少ない。 ---また、弾の入手方法が分かりにくい。前半シナリオの中盤で酒場にいる男から硝石の絵図を買い、その絵を頼りに金山で硝石を探し出し入手、それをマゴイチに渡すという少し複雑な手順を踏む必要がある。 --極めつけは終盤のとあるボスを一撃で倒すイベントがあること。場合によっては死亡する可能性すらあるコタロウやエケイがかわいそうに思えるレベル。 ---この時に使った武器が鬼組で使用可能だが撃てるのは一度きり。試し撃ち厳禁。 --鬼組の後半では猛火油櫃でボス格の強敵であるバラワッシャ((仲間操作時のボス役として現れる幻魔。攻撃範囲が広いのに全ての攻撃がガード不能と攻撃面だけは本作中最強。体力もボス程ではないが多い。))2体を秒殺してしまう。 ---猛火油櫃の秘伝を使用している間はスーパーアーマー状態になる。本作では「''スーパーアーマー状態なら体力が無くなっても死なない''」という性質があるので技動作が終わりそうになったら交代or回復の繰り返しで終盤を楽に乗り切れる。ちなみに十兵衛の土荒鎚奥義Lv3もスーパーアーマー技だが、奥義書がないので鬼組では使えない。 -とある場所で入手できる装備品「黒の首飾り」が強すぎる。 --これを装備していると攻撃するたびに体力が半減するが、一部を除いた攻撃がすべて一閃になるという代物。ただし、一閃の発動の有無に関係なく体力が消費されるためやみくもに使うと、弓矢が一本当たって死亡ということになりかねない危険性はある。 --入手難易度は高く、前述の「一閃」モードの救済策と捉えることも出来るが…。 ---そもそも、首飾り自体使えるものとそうでないものの差が激しすぎる。8種類で実用的なのは、緑・紫・白・黒の半分。 -ラスボス戦が刀ではなく、何故か鬼神弾のみで戦うスタイル。しかもロックマンよろしく腕にバスターを装着している為デザイン的にも微妙。「武者」なんだから刀を使っても…。 --前作のラストムービーのみの登場の鬼武者左馬介がカッコよかっただけに残念がる声は多い。 --BGMがトラップ作動時の物のアレンジ。確かに幻魔どころか生物ですらないがそれは如何な物か…。 -前作よりも不気味さが薄れた。 --雑魚敵は前作ではゾンビ風の足軽だったが、今作では外見は普通の人間である。 --どちらも理性を失っており、時々ゾンビのような呻き声を上げる。 --ボス敵もやたらコミカルな言動が多く、不気味というよりも笑えてしまうような面々ばかり。 --雰囲気的にも壊滅した城を舞台とした前作と比べると全体的に薄い(それでも不気味さがないわけではないが)。 -武器強化に必要な魂がかなり多い。 --土荒鎚以外の武器を最高レベルにする為には21×3本、土荒鎚を最高レベルにする為には27本。武器だけなら99本で十分だが…。 --本作以降は防具も強化制になり、足甲と手甲は武器より少ない量で済むが逆に陣羽織は土荒鎚並に多く設定されている。武器強化と合わせると130本以上必要になる。 --1と違ってレベルを上げなければ進められないというわけではない為こうなったと思われる。それにしてもやりすぎだが。 ---最強装備モードでは防具のみ最初から最高レベル。 -罠としての役目を果たしていない罠がある。 --3つの信長像をモニターに映ったとおりに並べなければ先に進めないという物。 ---間違えると閉じ込められてトゲ付きの壁が迫ってくるが、そこから更に3回間違えないとゲームオーバーにならない。 ---その代わりなのか、4回間違えた時は十兵衛が潰される様をきっちり見せつけられてからゲームオーバー画面に移行する。 //-最強武器がただの炎属性の剣。ゲーム中では性能こそ高いが他の系列作品に登場する最強武器と比べると極めて地味。おまけに普通にプレイすると出番がほぼない(隠し要素でようやく自由に使える)。 //--もっとも、これはシリーズに共通した特徴で、「最強装備」モードなら最初から使えるのでそれ専用と考えればよいのだが。 //シリーズ全体で見ても使いどころ少ない。 //「最強モード」があるから「普通にプレイ~」と表記した //ギンガムファッツや信長戦で使う機会がある分、3の毘沙門剣よりはマシだと思うけど //3では毘沙門剣の有無がラスボス戦で使う武器のレベルに影響するぞ //良く考えたら、1も攻撃力が大幅に下方補正されるフォーティンブラス戦しか使用機会がなかった。多分3部作では一番まともに使える ---- **総評 ボリューム・爽快感・やり込み要素とあらゆる面が前作からパワーアップした正当続編。~ 前作プレイ者・アクションゲーム好きは勿論、松田優作氏をモデルとして起用したゲームであるため氏のファンなら絶対にプレイしておきたい一品。 -----