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エスプガルーダ - (2011/03/09 (水) 12:24:25) のソース

*エスプガルーダ
【えすぷがるーだ】
|ジャンル|シューティング|~|
|対応機種|アーケード|~|
|販売元|AMI|~|
|開発元|ケイブ|~|
|稼動開始日|2003年|~|
|備考|プレイステーション2に移植|~|
|>|>|CENTER:''[[ケイブ製STGリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/219.html#id_92ba8627]]''|
#contents(fromhere)
----
**概要
-[[怒首領蜂大往生>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/392.html]]や[[ケツイ>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/292.html]]など高難易度の作品が出された後に稼働した、比較的低難易度な弾幕シューティング。
-エスプレイドの流れを一部汲む要素がある。
--エスプレイドとは世界観、キャラクターなどは全くと言っていいほど共通していないが、ガードバリアシステム、5面後半に大量に出現するクローン、そしてラスボスが展開する光の翼のデザインなどにエスプレイドとの共通点がみられる。
-シューティングゲームとしては珍しく、ファンタジー+スチームパンクという世界観を持つ。
-人工的に作られた生物兵器「ガルーダ」である兄妹・アゲハとタテハの内の一人を自機として進んでいく。

**ストーリー
-時代は乱世。シンラ皇帝であるジャコウは、自国をより強大なものにするため、「プロジェクト・エスプガルーダ」と名付けられた、人と聖霊を結びつけて新たな力を得る計画を発案。プロジェクトの成果としてアゲハとタテハの2人のガルーダが生み出される。ジャコウの野望が達成されようとしたとき、プロジェクトの中心人物であったヒオドシが2人を連れて逃亡。ジャコウはその行方を捜し出すため執拗に追っ手を差し向ける。そして16年がたち、ついに3人の隠れ住む町にシンラが侵攻してきたところから物語は始まる。

-1面:血別
--アゲハとタテハ、ヒオドシの3人はついにシンラ兵に発見されてしまう。~
凶弾に身を庇い、倒れるヒオドシ。~
兄妹は互いに自らに眠るガルーダの力を解放し、何かに導かれるかのように敵の本拠地を目指す。~
彼らの前に現れたのは、彼らの腹違いの妹に当たるシンラ第一皇女「セセリ」だった。
--''「貴様らの存在を消してやる!」'' ''「お父様ァー!」''
-2面:渓谷の街
--訪れた渓谷の街。この街も、既にシンラの支配下にあった。戦いはより激しさを増す。
-3面:巨大戦艦エリニエス
--二人はついにシンラ国内に突入する。出迎えるのはシンラの誇る巨大戦艦エリニエス。
-4面:要塞都市
--シンラの軍事拠点。二人を導く声の先にあるシンラ中枢には、ここを越えていかなければならない。
-5面前半:浮遊城ウツロブネ
--シンラの中枢であるウツロブネへとたどり着く。猛烈な最終防衛ラインを突破した先から、突如爆風と共に現れる1つの影。~
それは体の多くを装甲で纏い、二人を抹殺すべく再び立ちふさがるセセリの姿。
--''「消えろォ!」'' ''「ああ…消えていく…」''
-5面後半:血着
--ついにウツロブネ内部へと潜入した二人。~
そこで見たものは、プロジェクト・エスプガルーダの残滓として産み出された無数の「クローン」たちの姿だった…~
壮絶な戦いの末に待つのは、彼らの実の父親であり、シンラ国王であるジャコウ。そしてもう1つの―
--''「さあ、我が前に力を示せ!」''

**システム
-操作系統はレバー+「ショット」「覚聖」「ガードバリア」の3ボタン。(ゲームセンターによっては、「連射ボタン」が付加されていることもある。)
-通常攻撃
---ショットボタンを連打することで広範囲に攻撃が可能な「ショット」、押しっぱなしにすることで低速移動&一点集中型の強力な「レイピア」という二種類の攻撃を使い分けることができる。
-ガードバリア
--一般的なSTGにおけるボムの役割(溜め撃ち可能なボム)。ボタンを押している間は自機の周りにバリアを展開し、一切ダメージを受けなくなる。ボタンを離すと、強力なエネルギー波を撃ち出す。
--使用の際は専用のゲージを消費する。バリアを溜めることで威力や攻撃範囲が強化されるが、ゲージ消費量も増える。
-プレイヤーキャラ
--兄・アゲハ
---直線型のショット(左右の入力で振ることができる)を持ち、覚聖時にはレイピアの性能が大幅に向上する。初心者から上級者まで扱いやすいキャラクター。
--妹・タテハ
---画面の広範囲をカバーするショットを持ち、覚聖時にはショットの性能が大幅に向上。但しボス戦ではショットが扱い辛いため、やや中級以上向けのキャラクターと言える。
-覚聖システム
--本作最大の中核をなすシステム。
--「覚聖」ボタンを押すと自機が変身し(''性別が変わる'')、性能が大幅にパワーアップする(弱体化する部分もあるが)。
---覚聖中は被弾してもバリアゲージがあれば自動でガードバリアが発動し、ミスを防ぐことができる(いわゆるオートボム)。この場合のバリアゲージの消費量は通常最低消費量の2倍というデメリットはあるが、初心者に対する配慮、そして万が一の保険としては充分。
---とは言え覚聖ボタンを押してから覚聖が完了するまでには一瞬のラグがあり、他のゲームにおけるボムと同様の緊急回避感覚で覚聖するとまず間に合わない。そう言う場面では即座に発動できるガードバリアを展開すべきである。
--覚聖中に、聖霊石(緑の宝石、ユーザー間の通称「クロレッツ」)というアイテムの所持数が残っている時は、自動的に「覚聖死界」を展開する。
--「覚聖死界」展開中は自機の性能が大幅にパワーアップし、また画面のスクロール速度や敵機・敵弾の速度が低下する。また、この時に敵機を破壊すると、その敵が発射した弾が金塊(得点アイテム)に変わり、安全を確保することができる(通称「錬金」)。
---1回の覚聖死界展開中に消した敵弾が多ければ多いほど、錬金時の得点に倍率が掛かっていき(最大100倍)、よりスコアを稼ぐことができる。この為、上級シューターにはいかに覚聖状態で画面を埋め尽くすほど大量の敵弾を吐かせた後に敵を殲滅するか…という戦略性が問われる。
--覚聖死界の展開中は聖霊石が時間経過で減り続け、さらに覚聖死界の展開中に敵機を破壊すると大きく減少する。
--覚聖中に聖霊石が0の時は、覚聖死界を展開できず、逆に敵弾が高速化する。この状態を、敵弾が赤くなる事から通称「赤走行」と言う。
---基本的には危険な状態だが、攻略やスコア稼ぎに利用できる部分もある。赤走行中は何もしなくてもスコアが加算されるため(さすがに覚聖状態で得られるスコアには劣る)、上級シューターの一部によっては敢えて赤走行を織り交ぜる攻略パターンも組まれる。また、一定時間赤走行を維持すると通常状態で獲得できる聖霊石の量が増えたり、また処理落ちの発生、攻撃力の増加によって逆に赤走行状態だと難易度が下がる場面も存在するため、初心者にとっても完全にデメリットというわけではない。
---赤走行状態を故意に維持する危険プレイにより、スリルを味わうこともできる。

**アイテム
-聖霊石
--覚聖カウンタが回復。覚聖していないときに敵を破壊すると出現
-P
--パワーアップ
-MP
--パワーマックス(ゲームオーバー時のみ出現)
-E
--バリアゲージが回復
-L
--1up
-金塊
--得点アイテム。覚聖中に敵を倒すと出現する

**長所
-敷居の低下
--それまでのCAVEシューティング(「怒首領蜂大往生」「ケツイ」)はコアなシューティングファンからの人気は高かったものの、その難易度の高さ、そして何よりも「弾幕」という見た目からの敷居の高さにより敬遠するプレイヤーも多かった。
--そんな中でリリースされたのが、あえて低難易度&キャラクター面を前面に押し出した本作である。
--特筆すべきは、「覚聖」システムである。
---覚聖システムにより、初心者は''難易度を押さえることができ''弾を避ける楽しさや敵の破壊を楽しめ、逆に''上級者はより多くのスコアを稼ぐこと''ができる。初級者にも上級者にもマッチしたシステムであるといえるだろう。
---敵弾を多く消すほど、画面一杯に x100 の数字が表示され、大量の金塊が出現する演出は壮観。その気持ち良ささから、初心者やクリアラーでも、スコア稼ぎのプレイスタイルに入りやすい。
---オートボムの装備は東亜プランのBATSUGUN以来の英断といえる。
-音楽
--メロディラインを強調したトランス風のものという他のSTGに類を見ないBGMであり、評価が高い。
--本作のサウンドトラックも再販が行われるまではかなりのレア物として扱われていた。

**問題点
-覚聖時の設定
--覚聖時には''性別が変わる''という独自の設定があるため、この点はあまり万人受けしなかった(ゲーム中はそんな設定忘れるが)
---自機選択画面で「イケメンを選んだと思ったら巨乳のお姉さんになった」「かわいい子を選んだと思ったら腹筋が割れている少年になった」と初見時に戸惑ったプレイヤーは少なくないと思われる。まあ、そのあたりの要素もキャラクター人気の一因と言えば一因なのだが。
-基板の性能が低いからかあまり音質が良くない。
-ゲームの肝である「覚聖時に敵弾を色を変え、敵機を撃破すると金塊に変化する」という処理が非常に重く、更に基板の性能が低いため、細かい部分で制約が多い。
--敵弾100発程度でキャラオーバーを起こし、この状態で錬金するとかなり画面が乱れる。一瞬の出来事だが、自キャラに迫る敵弾がいきなり乱れて金塊に変わるのは少々怖い。
---この制約自体が前述の難易度低下に繋がっているので、必ずしも欠点にはならないが。またこの制約を考慮した上で弾幕設計が行われているため、貧相な感じはしない。
-それまでの低めの難度と比較して、最終面が飛び抜けて難しい。
#region(close,ネタバレ注意)
--最終面は2部構成になっており、1部は道中後半が難しくSTGのテクニック(切り返し)求められ、ボスも手強い。2部道中は開始10秒で敵弾に追い詰められ、ボス前のアリスラッシュが非常に厳しい。
--そしてラスボスは''3連戦''。3戦目の最終形態はケイブシューの例によってボムなどによるゴリ押しが不可能。詳細は''自キャラが覚聖するとバリアを張り、ガードバリアで攻撃すると回復する(無効ではない)''。
--オマケに最後の弾幕は単純かつ難しく、小細工が通じない。
#endregion
---ただし、最終面だけ比較しても、他の同時期のケイブシュー(大往生・ケツイ等)より、覚聖やガードバリアがあるため''簡単な方である''。

**PS2版
-2004年6月17日発売。開発・販売元はアリカ。
-移植度は高い。アレンジモードはアーケード版以上の難易度がある。
-アーケード版に忠実なアーケードモードに加え、各種の変更が加えられたアレンジモードが収録されている。
--アレンジモードでは主人公が「Black」「千裕」の2名に一新されている。どちらもエスプレイドの自機キャラクター「J-B 5th」「いろり」に覚聖モードを追加したような性能であるが(さすがに性転換はしない)、公式に関係は明言されていない。
-アーケード版に存在した、錬金時の画面の乱れはPS2版では発生しない。
--またPS2版のアレンジモードでは敵弾数の制約も無くなり、画面内を埋め尽くしている弾幕や弾塊を一気に錬金するのが''非常に気持ち良い。''

**総評
-これまでケイブシュー=難易度が高く初心者お断りというイメージがあったが、それを崩した作品であり、現在でも稼働しているゲームセンターが結構ある。
-初心者から上級者まで楽しめる作品に仕上げた点は英断といえるだろう。
-初心者のSTG入門としてもお勧めできる。

**余談
-後のCAVE作品への影響
--本作以降のCAVE作品では、難易度選択などの初心者から上級者までを幅広くサポートするゲームシステム、そしてキャラクター重視の方向性が取られていくこととなる。
-セセリ(1面&5面前半ボス、自機たちの義理の妹)について
--そのボイスがあまりに棒読みに聴こえることもあってか、一部のファンからはネタにされている。
--シナリオ上の扱い的にも「父親と主人公たちに翻弄される悲劇の皇女」という側面があり、敵方のキャラクターながら人気は高い。
--続編での扱い
---続編においても条件を満たすとラスボスを上回る弾幕を披露するボスとして再登場する(さすがに棒読みは解消されたが)。
---2の家庭用移植版でなんと自機としても使用可能になっている。
-タテハ(自機の一人)について
---義父が目の前で殺された数秒後には(アイテムを取得して)「ヤッタネ♪」としゃべったり、セセリの手足をもぎ取るというネタが一部で定着したり(再登場したセセリの手足は武器を満載した義手・義足という設定である)、4面クリア時のイラストに表示される通称「謎料理」、そして2におけるアゲハエンディングでの一言などから一部ファンの間では腹黒説が絶えない。

**続編
-[[エスプガルーダ2>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/315.html]]
--難易度が低めだった本作とは違い、他のCAVEシューティングと比較しても難易度は高い方であるため、好みが分かれる。