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Portal - (2011/04/25 (月) 02:10:50) のソース

*Portal
【ぽーたる】
|ジャンル|FPS|&amazon(B0014F3FOI)|
|対応機種|Windows 2000/XP/Vista&br()Xbox360、プレイステーション3(360とPS3はOrange boxのみに収録)|~|
|開発元&br()現地版発売元|Valve Software|~|
|日本語版発売元|【Win】サイバーフロント&br()【360/PS3】エレクトロニック・アーツ|~|
|発売日|【Win】現地版:2007年10月10日、日本語版:2008年4月4日|~|
|定価| Steam版:16.64$&br() 日本語版:3,675円(税込)|~|

*概要
valveが送るまったく新しいパズルゲーム。

ポータルは二箇所をポータルガンというデバイスで撃ちその二箇所にできた穴を通じ一方からもう一方へ移動することができる。要するにワープ装置である。

そのゲーム性を口で語るのは少々難しいため、まずはこちらをご覧いただきたい。

-このゲームがすぐわかるトレイラー
&youtube(http://www.youtube.com/watch?v=if3Qv2tHyfA&feature){425,350}~

*ストーリー
主人公が目覚めるとそこは謎の施設の中。何もわからぬまま、突然コンピューターの声が響きテストの開始を告げる。主人公は言われるがままに出口を求めてテストをクリアしていくことになる。初めはシンプルな内容であったが、徐々にテストは狂気をはらんだものになっていく。主人公は施設を脱出することができるのか。

*システム
-左クリックで光弾を発射。光弾が壁面に当たるとポータルゲートが発生する。
-右クリックには何も割り当てられていないが、ゲームが進むにつれこちらでも光弾を撃てるようになる。入り口と出口をプレイヤーが任意の場所に作れるようになるため、自由度が飛躍的に上昇。ここからが本作の真髄である。

*ステージ
-ステージ数は全20。Level00~Level19まで分割されている。
--最初はきわめて簡単だが、後半に行くほど頭を使うようになり一筋縄ではいかなくなる。
--ステージの始点には道中にある障害がアイコン形式で表示されており、視覚的にわかりやすい。
--いずれも密閉された空間で、壁面は白と黒のタイルだけ。極めて殺風景。
-ステージ中、その裏側を垣間見ることができる箇所がいくつかある。
--中は錆だらけの鉄筋や送風ファンがあるだけの殺伐とした場所で、タイルで統一された本編とはまったく違った印象を受ける。
--先の試験者が残した手書きのメッセージもある。内容は脱出経路の模索や実験の欺瞞を警告するもので、テストの異常さが垣間見える。

*長所
**斬新なゲーム内容
-FPSの体裁をとってはいるが、主人公は実弾を''一発たりとも撃つことがない''。せいぜい終盤で敵の攻撃を利用する局面があるのみ。
-ゲーム中で主にプレイヤーを苦しめるのは、落ちれば死が待つ汚水槽と、当たると自身が消滅するエネルギーボールの2つ。あくまでトラップのクリアに主眼を置いているのがわかる。
-他のFPSでは珍しくない「高所からの落下死」がない。どれほど高い位置から落ちようと無傷。
--外見を見るとわかるが主人公の足には板バネが装着されており、その仕様に視覚的な説得力を与えている。

***ポータルを使ったギミック
-高所から落下し、足元に作ったポータルをくぐる。壁面から出たとき、落下分の加速がついているため普段よりも遠くへジャンプすることができる。
--ゲーム中ではこの一連の行動をフリング (flinging) と呼んでいる。
-敵の頭上にポータルを開け箱をぶつけ戦闘不能にする。
-といった仕掛けがありプレイヤーはどういったらここから移動できるのかを考えるつくりになっている。
-Valveらしい丁寧なゲームデザインは今回も健在。『HL』でもあった「まずシンプルなチュートリアルをクリアしてもらいプレイヤーに理解させ、本編でその応用を課す」というスタンスが徹底されている。クリアできたときの快感もひとしお。
--意図的にやらないかぎりまず起きないが、ポータルを駆使して時限式の扉に自ら閉じ込められてしまうことも可能。この場合の処置とメッセージすら用意されており、特例として脱出専用の扉が開いたりする。
-うまくポータルの位置を調整するとFPSながら自分の姿を自分自身で視認することもできる。
--これを見るかぎりプレイヤーはアジア系ないしアフリカ系の女性であることがわかる。ただしその正体はゲームをクリアしても一切不明。

***ポータルの爽快感
-上の落下を使ったギミックでは飛ぶような感覚が味わえるなどワープを使った爽快感が味わえる。

**キャラクター
キャラと言っても、本作では人間の敵は存在しない。怪物の類もいない。機械だけが相手。~
会話する対象がいないためかその分いずれも個性的。Valveにも非生物を愛する&s(){手遅れな}嗜好の人がいたのかもしれない。

-タレット (turret)
--途中から敵として現れる自動銃座。『HL2』にもいたコンバインのものと同じポジションだが、技術系列が違い、曲面で構成された滑らかなデザインに''言葉を喋る''という特徴を持つ。
--人間を問答無用で射殺するという物騒な行動原理をもちながら可愛いらしい音声で話すと言うギャップから、プレイヤーの人気が高いキャラ(?)である。
-加重コンパニオンキューブ
--なんてことはない、見た目はただの箱。普通の加重キューブと違うのは、表面にハートマークがついていることだけ。しかしゲームデザイン上、このただの箱が非常に頼りになるステージがある。終わる頃にはなにやら愛着を抱くプレイヤーも多いはず。しかしステージの最終段階で思わぬ展開が…。
--この加重コンパニオンキューブの顛末とラスボスの攻略法は表裏一体をなしており、プレイヤーは以前受けた仕打ちをそのままお返しすることになる。
-アナウンス
--主人公を誘導する機械音声。プレイ中、何度となく主人公を評価したり、報酬を約束したりする。が、報酬というのが''ただのケーキ''。そのくせテストの内容は''生命に関わるものばかり''。発言もどこかおかしく、一部が欠落していたりする。

#region(ラスボス)
-GLaDOS
--本作のラスボス。機械アナウンスの主。
--ラストバトルではケーキのレシピを口走るが、明らかに''食用に適さないものが含まれている''。
--テスト中にたびたび見せる冷血な発言、子どものような思考、可愛らしい機械音声という不安定さが独特の存在感を生み出している。
#endregion

**カスタムマップ
本編で用意されてるマップとは別にユーザーが独自で作成したマップがネット上で配布させられておりもっと上に挑戦したいといった人にはたまらない。

**BGM
-基本的に無音。だが、かえってそれが無機質な世界観の統一に貢献している。
--例外として盛り上がる場面でのみBGMが挿入され、ゲームへの没入度を深める。『HL2』に引き続きBGMの使い方が秀逸。
-EDテーマである“still alive”は穏やかな曲調の名曲としてプレイヤーの間で人気が高い。
--同社の別タイトル『Left 4 Dead 2』にもこっそり収録されており、ジュークボックスを調べると低確率で視聴可能。

**やり込み要素
-最も少ないポータル数でクリアする「最少ポータル」、最も少ない歩数でクリアする「最少歩数」、短時間でクリアする「最短タイム」など、チャレンジの内容が豊富。歯ごたえは十分。
-実績も用意されており、ゲームをクリアすると自動的に取得するものから、「一回も着地せずに30000フィートを落下する」「一回も着地せずに300フィートをジャンプする」といった変わったものも。

**HλLF LIFE 2との関連
-『HL』とは世界観を同じくしている。作中では本筋と関係ないところにブラックメサなどのワードが仕込まれている。
--ゲームを理解するために必須と言うわけではなく、本作をプレイするだけなら『HL』は未プレイであってもまったく問題ない。

*難点
-ボリュームが非常に薄く、大抵4時間でクリア可能。
--ただ、上記のカスタムマップがあるので長く遊べるには遊べるが、ユーザー任せと見れるかもしれない。

-FPS慣れしてる人向けの操作
--画面上にはポータルガンと目の前の光景しか写っておらず、作中にはポータルガンを使わない操作は一切語られないのでFPS未経験者にはつらいと思われる。
--自由にポータルを作れるが、こちらと向こうでは重力の向きが違っていたということがしょっちゅうなので頭が混乱しやすい。
--作中では高速移動中に、正確な位置にポータルを発生させ素早く飛び込むというシーンもいくつかあり、FPSの操作に慣れていないときついものがある。
-翻訳に一部怪しい部分があるため、意味を理解しにくい文章がある。

*総評
シンプルながら移動の楽しさと、ワープ装置を使った数多くのギミックにより奥深いゲーム性を獲得したゲーム。やってみればわかる「百聞は一見にしかず」を体現した作品である。

*その他
-このゲームは有志作成の[[FLASH>http://www.armorgames.com/games/portaltheflashversion_game.html]]版があり、細かい操作感覚は違うがその内容が手軽に体感できる内容になってるので購入前に遊んでみるのもいいかもしれない