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餓狼伝 Breakblow Fist Or Twist - (2011/03/26 (土) 03:19:33) のソース

*餓狼伝 Breakblow Fist or Twist
【がろうでん ぶれいくぶろう ふぃすと おあ つぃすと】
|ジャンル|3D格闘ゲーム|~|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売元|エンターテインメント・ソフトウェア・パブリッシング(ESP)|~|
|販売元|D3パブリッシャー|~|
|開発元|オーパス|~|
|発売日|2007年月15日|~|
|定価|6,800円|~|

*概要
-夢枕獏が原作、作画をグラップラー刃牙などで有名な板垣恵介が務める格闘漫画「餓狼伝」をゲーム化した餓狼伝 Breakblowの続編である。作画担当の板垣恵介の作品であるグラップラー刃牙から範馬勇次郎がゲスト参戦している。
-前作からキャラクターが「椎名一重」「工藤建介」「力王山」や小説版で活躍する「梅川丈次」の4名が追加され、新たなシステムである「部位ダメージシステム」が導入されたことで戦略の幅が広まった。

*ゲームシステム解説
-特徴として全キャラがスーパーアーマーを装備しており、お互いに殴られながら殴ると言ったような他の格闘ゲームではあまりみないようなこともできる。
-精神ゲージ
--このゲームでは体力をゼロにしたら勝ちなのではなく、キャラクター同士の精神状態ゲージが1本のゲージとして表された精神ゲージと呼ばれるものを相手側に押し切った者が勝ちとなる。いわば心が折れた方が負けとなるのである。またその精神ゲージには奥義を解放する鎖が巻き付いており、その鎖がちぎれた時奥義が解放されるが一度ちぎれた鎖は試合中には元に戻らない。また、鎖は精神ダメージを食い止める効果もあり、’通常攻撃’ではいくら威力高くても鎖の位置以上の精神ダメージを与えることはできない。

-肉体ゲージ
--このゲームの体力を表すゲージ。各キャラごとに長さが異なり、強靭なプロレスラーなどは長め、軽量級や比較的体重の少ないキャラクターは短めに設定されている。相手の攻撃を受けることで減少する。それに伴い体勢を崩しやすくなったり、精神ダメージの増加などの効果がある。肉体ゲージは一定時間攻撃を受けないでいると回復していくが攻撃を受け続けている間は回復しない。また少しずつだが上限値も削られていき、上限値以上の肉体ゲージの回復はできないが、次の試合(トーナメントや団体戦の場合)に上限値は回復される。

-部位ダメージ
--近作で新たに追加されたシステム。頭・体・右腕・左腕・右足・左足の6つの部位を表すゲージがあり、ダメージを受けた部位は緑→黄→赤の順に変色していき、赤くなるにつれてその部位に対する攻撃がよろけやすくなる。部位ダメージが限界に達するとその部位が赤黒く点滅し、その状態で攻撃を食らうとブレイクブロウ(部位破壊)が発生するが赤黒く点滅している時にその部位の攻撃で相手にダメージを与えると自らその部位を破壊するが相手に精神ダメージを3倍のダメージを与えられることのできるファイナルブロウ攻撃を繰り出すことができる。これは上記の相手の鎖の効果である精神ダメージを食い止める効果を無視しそのまま3倍のダメージを与えられる。なお、破壊された部位に攻撃を受けると、必ずよろけが発生し、精神ダメージは通常の約1~2倍にまで増加する。

-キャラクターの攻撃によって以上の3つのゲージに与えるダメージも違う。例えばローキックの場合、精神ダメージは低いが部位ダメージは大きく、ミドルキックは部位ダメージ・精神ダメージは平凡だが肉体ダメージや体力の上限値を下げる値が大きかったり、ハイキックは精神ダメージは大きいが他は低いなどである。それによって、序盤にローキックやミドルキックを多く出し後半に有利になるという展開もあり得るのだ。
--それぞれのゲージを減らす数値とは別に突破力と呼ばれる数値もそれぞれの技に存在する。これは技ごとに設定されたひるみにくさを表している。例えば突破力が100ならば、どんな攻撃にもひるまない。逆に突破力がゼロならば、どんな攻撃にも潰されてしまう。打ち合いで体力が少なくなっている時に突破力の高いもので打ち合いを止めるということもできる。

*このゲームの華となる攻撃
-奥義
--上記の精神ゲージの説明に書いたように精神ゲージに巻きついている鎖がちぎれたときにキャラクターの奥義は解放される。奥義の数はLv1~3の3つがあり、それぞれ威力は違い、そのキャラクターによって奥義の効果と鎖の位置も違う。奥義はファイナルブロウ同様相手の鎖の位置を無視する。なお勇次郎のLv3奥義である鬼の一撃(グラップラー刃牙で勇次郎対独歩戦で繰り出した技)はこのゲームの奥義で唯一の純粋な一撃必殺(体力の減少による精神ダメージの増加や、壊された部位への攻撃で精神ダメージ増加などの一撃必殺以外で)である。
-キャッチ技
--一部のキャラクターには相手の打撃技を捌いて反撃する技がある。いわゆる当て身や返し技等である。なお、肘・膝・両手・両足・頭を使用した打撃技はキャッチできない。
-つかみ技
--□+×ボタンで相手につかみかかる。つかまれた方は即座に□+×ボタンで抜けられることができる。しかし、ガード中や、側面、背後からのつかみは抜けられない。つかんだ後、攻撃せずに方向キーを押すとその方向に相手を崩し、そこから強力な崩し技が繰り出せる。崩された方は、崩された方向と逆方向に入力する事で逃れられる。崩す方向は通常は前後の2方向だが、プロレスラーや柔道家などの投げ技が得意なキャラクターは奥と手前を含めた4方向に崩す事が出来る。また、一部のキャラクターには壁を利用した壁投げを持っており、壁際では相手を崩さずともLv1の奥義ほどの大ダメージを与えられる。なお投げ技は地面によってダメージが変動し、地面がアスファルトの繁華街などがステージの場合と、プロレスのリングなどの地面が柔らかいところではダメージが与える量が違う。
 
-不意打ち
--試合開始前の自キャラの登場シーン中に△+○ボタンで不意打ちができる。各キャラごとに数種類ある登場時演出によって不意打ちの性能が変わる。勇次郎の不意打ち技は3分の2が上中下PKキャッチ即死技となっている。

*問題点や不満点
-キャラクターの性能差が大きい。
--格闘ゲームとして遊ぶのであればこのゲームはキャラクターの性能差が他の格闘ゲームに比べると大きい(これは原作に忠実であるが故ともいえる)ということに注意。
-一部のキャラクターが対戦使えないorいない。
--漫画版で北辰館トーナメント準決勝まで進出した古武道の畑がいない(発売時期を考えればしょうがない点もあるが)。また、同トーナメントのレスリングの畑中や空手の君川などは一部のモードで隠しコマンドを使えば使える物の対戦では使えない。一方、漫画版で堤にあっけなくやられた名無しチンピラや、そもそも漫画版で戦ってすらいない名無しヤクザが対戦で使える(どちらも能力はとてつもなく弱いネタキャラである)。
-難易度最強のCPUに間接が全然決まらない
--投げ技などで関節技を掛けることが出来るのだが、成功方法が連打であるのだがCPUの難易度を餓狼(他のゲームで言うvery hard)にすると全くと言っていいほど決まらない。その代りCPUが間接を仕掛けた時は関節から逃れるのは相当難しい。
-梅川丈次がストーリー的に妙に恵まれている。
--ストーリーモードに当たる「餓狼烈伝」モードでは梅川丈次だけ、”柔道スタイル”、”サンボスタイル”、”ムエタイスタイル”、”ガルーシア柔術”と格闘タイプが多い。さらに梅川の”中国拳法の大会で優勝した”というエピソードのために”拳法家”という名無しキャラまで作られている(ちなみに拳法家は条件を満たせばプレイヤーも対戦で使うことが出来る)。
-餓狼烈伝モードで、かなり難しい対戦を強いられることがある
--原作でも強キャラの”グレート巽”を鞍馬彦一で倒すとなると、相当なれていないとしんどい。
-勇次郎の声がアニメ版とは違う
--この作品の勇次郎役の声優は男塾の剣桃太郎役やGガンダムのキョウジ・カッシュ&シュバルツ・ブルーダー役の堀秀行氏でアニメ版の乃村健次氏ではない。堀氏はこのゲームでは神山徹も演じている。
-効果音が少し軽い
--前作よりは効果音は良くなったが、まだ効果音が軽いという声も聞こえる。
*総評
-キャラゲーとしては及第点以上である。原作が好きであればキャラ差も丁度いい位だと思われる。逆にいえばこれは原作に忠実だからこそともいえるのだ。ある程度の力量さえあれば大部分のキャラで勇次郎が倒せる(上記のチンピラやヤクザで勇次郎を倒すのはほぼ不可能と思われるが)
-また長田の奥義Lv1のジャーマンープレックスのカメラアングルや梶原のアームロック失敗時の金的攻撃(間接失敗でダメージ食らうのは梶原のみ)などの細かな点や、漫画版のコマをうまく使ったOPなどからは、製作者の餓狼伝への愛を感じる作品。