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S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl - (2011/07/12 (火) 22:19:07) のソース

*S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl
【すたるかーしゃどうおぶちぇるのぶいり】
|ジャンル|ファーストパーソン・シューティングゲーム|&amazon(B0001X5YN4)|
|対応機種|Windows|~|
|発売元|原語版:THQ&br()日本語版:ズー|~|
|開発元|GSC Game World|~|
|発売日|2007年3月20日|~|
|定価|6,090円|~|
|備考|STEAM配信中。パッケージ版より廉価|~|
|''STALKERシリーズ''|&bold(){Shadow of Chernobyl}&br()[[Clear Sky>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/910.html]]&br()[[Call Of Pripyat>S.T.A.L.K.E.R.: Call Of Pripyat]]|~|

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#contents(fromhere)
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*概要
-ウクライナのGSC Game Worldが開発したサバイバルホラーFPS。
-発売にいたるまでに独自のエンジンやシステムの開発に5年の歳月を要してしまい一時期は発売中止かと思われたが発売後は独特の世界観と意欲的な試みに魅了されるプレイヤーが続出。
-MODコミュニティの発展と共にじわじわと人気を伸ばした隠れた名作。
-通称SOC。
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*ストーリー
2008年、原発事故以降無人の荒野と化していたチェルノブイリ発電所で再び謎の爆発が起きた。
それ以降チェルノブイリ周辺では常識を超えた奇怪な現象''アノマリー''や、変異した凶暴なミュータントが出現。
政府は周辺部を''ZONE''と呼び危険地帯として封鎖した。そして何時頃からかZONEの中に危険を冒して進入し、
ZONE内でしか産出しないお宝''アーティファクト''を求めたり、危険な依頼をこなす事で一獲千金を狙うSTALKERと呼ばれる者たちが現れるようになった。

時が過ぎること2012年、雷鳴轟く荒野を死体を満載したトラックが進む。
偶然の落雷によりトラックから投げ出された遺体の中に息を吹き返した男がいた。
運よく拾われた男には記憶がなかった。その腕には『S.T.A.L.K.E.R』の刺青、持ち物は『Strelokを殺せ』と書かれたPDA。
拾い主につけられた男の名前は''MarkedOne''。彼は僅かな手がかりを手に死の荒野へと真実を探す旅に出る。

#center{&font(i,b,18px){北へ… 北へ行かねば…}}
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*特徴・評価点
: A-Life|
FPSと言えばNPCは特定の地点にいてイベント以外では動かないのが殆どだが、A-LIFEによりSTALKERは世界に存在する殆どのNPCが制御を受けている。例えば自分以外のSTALKERがフィールドで探索を行っていたり、休憩時は焚き火を囲んでパンを食ったりギターを引いていたりする。
ミュータントなら野犬であれば群れを率いて餌となる他の生き物や人間を求めて徘徊し、集団でそれらを追い詰めたり、
死体を引きずって安全な場所で獲物を喰らう等、そこにZONE特有の生態系が息づいている事が認識できる。
A-LIFEはプレイヤーが別のエリアで活動していても機能している。例えば偶然野営地点で会ったSTALKERの一人がゲームを進めてしばらく経った後にミュータントの集団によって襲撃を受けて屍となり、通りかかったプレイヤーが死体を漁る時にインタフェース表示される名前を見て気づくと言うZONE特有の無法地帯ぶりやカオス感を表現する事に成功している。

: X-RAYエンジン|
独自に開発されたのX-RAYエンジンが描く全体としては暗い色調であるものの世界観に非常にマッチしている。
フィールドはかつて人が生活していた痕跡を偲ばせるチェルノブイリを薄暗く鬱々とした空気が良く出ており、
打ち捨てられた車輌や塗装が剥げて不気味な空気を醸し出す建造物など異世界に来た様な雰囲気は抜群である。
廃墟内部を探索するシーンもあり、真っ暗で荒れ果てた地下研究所内部の如何にも何か出そうな光景は先に進むのを躊躇ってしまうほど緊張することだろう。

: 異常地帯に蔓延るNPC達|
プレイヤー達をSTALKERから魅力してやまない要素にNPC達の情報量の多さが一つにあげられる。
FPSにしてはテキスト量が多く、NPC達に話しかけると噂話や愚痴そして彼らの出自などが語られる。劣悪な環境のZONEに態々やって来たSTALKER達には借金持ち、元軍人、悪徳警官、犯罪者…と言った後暗い背景を持ったものが多い。
ZONEにおけるSTALKERの立場もまた雑多で、ZONEの統制を主張する組織、逆に解放を目指す組織あるいは単なる山賊集団に属する者などがいる。
探索やタスク、会話(後、特徴的な彼らのボイス等を)通して魅了されるプレイヤーも要る。
そして、敵であるミュータントも設定が凝っているためにただ狩るだけの存在で終わっていない。
ZONEに存在するミュータントにはそれらが発生する原因が存在する。単なる変異生物に限らず、一部のミュータントにはかつて
人であった事を留める嫌悪感を催すような容姿や、彼らの生息域に残された邪悪な痕跡から推測できる。


: ユーザーMODの多さ|
全体的な調整をするもの、一面を雪景色にして雪を降らすもの、新たなクリーチャーを増やす、武器を増やす、大規模なMODとなればストーリーラインそのものを変更した元とは別物の展開を繰り広げる、そういった様々なMODも本作の人気の理由の一つである。 一度クリアしてもMODを使うことによって新たなプレイをできる。
日本のユーザーによる本編やMODの和訳や開発が精力的に行われているので、ある程度PCの知識があればかなり快適なプレイ環境を構築可能である

: 自由度の高さ|
FPSは大抵引かれたストーリーラインの上で行動を制限されるが、STALKERは一部の場面を除けば殆どのフィールドを自由に探索可能である。メインストーリーとは別にサブタスクもあり、突然他のSTALKERに救援を求められたり、特定のアイテムを捜索する様に求められる事もある。
それらを遂行するために敢えてフィールドの出入りに制限が設けられていない。サブタスクによっては一部メインにも関わるのも存在しており、近年の自由度の高いRPG的な要素も持っている。

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*問題点
: グラフィックが開発期間の事もあり同年代と比べて綺麗とはいえない。|
- しかし、STALKERの世界の空気を表現するのにX-RAYエンジンの描画表現は一役買っているので強ち欠点ともいえない点でもある。
: X-RAYエンジンがかなり重くて不安定。|
- 世代の割にはリソースを食うのでエンジンが不安定な事でクラッシュする事も少なくない。
: A-LIFE|
-上記にある本作の特徴の一つで、AIを生きているかのように管理しているシステムだが、NPCが焚き火に突っ込んで死ぬ、クエストを受けた瞬間にターゲットが死亡して完了になる、など粗が多い(酷いものではメインシナリオ上の重要な人物が死亡し進行不可になったという報告もある)。
-完全に作動してるはいえず、本来であればNPCもプレイヤーと同様にタスクを受けたりする等更に細かな挙動をするはずだったが開発が難航したのとゲームバランスなどの兼ね合いからはデチューンした形での実装となっている
: 初心者お断りな難易度|
-本作の難易度を上げてる要因は重量制限の厳しさ、敵のAIが優れているのがあるが、一番の理由は銃の命中が''非常に悪い''ことが挙げられる。特に序盤は拳銃やソードオフショットガン(2発しか打てずリロードが遅い)くらいしか無いので序盤をいかに乗り切るかが勝負になる。
-それを乗り切るまでの過程がこの作品の魅力の一つであるという意見もあり、物資に乏しく粗悪な銃が大量に流通してるZONEだと言う表現でもあると言う見方もある。
: 移動が面倒|
-本作では、Fallout3やOblivionのファストトラベルの様なものがないので、どんな距離でも走っていくことになる。一応アーティファクトで走っても体力が落ちなくなるものがあるが…。
: 銃に劣化の要素があり、修理の手段がない。|
-銃は基本的に消耗品であり、劣化が進むと故障しジャムったりする。他のNPCから倒して拾う事も可能。ただし使用済みであるので状態が良い物は少ない。新品を買うとなると高くつく。その為良い銃やユニークアイテムほど使い惜しみしてしまい安い銃だけで済ませてしまう事になる。
-但しユーザーMODを入れる事で修理が可能になる。(前述の欠点の大半はMODで解決できる物も多い。)

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*備考
- 今作は1979年にストルガツキー兄弟によって作られた『ストーカー 』と言う同名のソビエト映画の影響を強く受けている。
- TVドラマ化が予定されている。放送予定スケジュールは未定。国内配給についても未定である。
&u2b(http://www.youtube.com/watch?v=elwVeJYtCOA){300,200}


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*総評
FPS本来の良さを損なわず意欲的な試みで新境地を開いた荒削りながらも魅力溢れた作品。
発売から数年たった今でも、そのダークで独特な世界観に魅了され、ZONEに足を運ぶ新規プレイヤーが後を絶たない。
だがSTALKER単体で遊ぶと物足りなさも感じてくるので慣れてきたらユーザー作成MODを導入してみると、また違った世界を体験できる。
是非慣れてきたら導入を推奨したい。
古いからと色目で見るよりもプレイしてみればSTALKERの魅力がわかるだろう。FPSに興味があるならハマるはずだ。

#center{&font(i,b,18px){ВРЕМЯ ПРИШЛО… ИДИ КО МНЕ… Я ВИЖУ ТВОЕ ЖЕЛАНИЕ… }}
#center{&font(i,b,18px){ 時は来た… 我が元へ来い… お前の欲望は分かっているぞ…}}