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ボコスカウォーズ - (2011/05/08 (日) 19:09:10) のソース

*ボコスカウォーズ
【ぼこすかうぉーず】
|ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B004N5U2ME)|
|対応機種|X1、MSX、ベーシックマスター、PC-6001mkII&br();、PC-8801、PC-9801、FM-7、ファミリーコンピュータ|~|
|発売元|アスキー|~|
|開発者|ラショウ|~|
|発売日|1983年|~|
|定価|3,800円(X1版)|~|
&bold(){写真はファミリーコンピュータ版}
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**概要
-RTS的要素を持つSLG。またシミュレーションRPGの先駆けとも言える。
-兵士の集団をアクションゲームのように操作しながら敵軍を倒し、最終的に敵王を倒すのが目的。兵士は勝利を積むと事によって成長し、さらに軍団が強化される。
-操作性は非常にシンプル。
-第1回アスキーソフトウェアコンテストでグランプリを取った物を製品化。

**特徴
-集団vs集団という当時としては新しいゲーム性。
--本作はアクション性を持つが、それまでのアクションゲームと言えば、プレイヤーキャラは一つである。それが自キャラが多数という従来にないものだった。
--さらに付加されているRPG要素が、個々の兵士に愛着を持たせた。実際当時のジャンルとしてはRPG扱いだった。

-自軍のキャラクター達は強さの順に、王、騎士、兵卒で構成されている。それぞれが経験によって成長し、一定の経験を積むと騎士は重騎士へ、兵卒は重兵卒へと、強さと共に姿を変える。

-操作性はいたって単純。
--画面はトップビュー。王に合わせて画面が左右にのみスクロールする。
--操作は上下左右の移動と操作兵種の切り替えのみ。兵種の切り替えは、王のみを動かす、騎士と重騎士のみを動かす、兵卒と重兵卒のみ動かす、全員動かす、の4通り。一方で兵士を個別に動かせない。
--移動方向に障害物がある場合、当たった兵士は止まる。例えば木が一本立っていると、それにぶつかった兵士は止まるが、当たらない兵士は先に進んで行く事となる。
--また全員が同じように動く訳でもなく、遅れる者がいくらか発生する。つまり上記の障害物により移動が制限される点と合わせ、長距離を動くと集団がバラけてしまうのだ。このため定期的に集団を整えながら、進軍していく必要がある。ちなみに集団を整えるのに使える障害物も、うまく配置されている。この障害物を使って上手く集団を導くのが本作のゲーム性の一つ。

-戦闘もシンプル。敵兵に自軍が突っ込むだけ。一旦戦闘が始まると、どちらかが死ぬまで続く。またダメージ制ではないため、勝った方は無傷である。そして勝ったほうが味方なら戦闘力が上昇する。
--この戦闘は自軍からしかけないと発生しない。一歩も動かない状態では戦闘が始まらないのだ。また敵城に着くまでにいくつかの障壁があるのだが、敵がその障壁を抜けて攻めてくることはない。本作は、あくまで自分が動くことでゲームが進んでいくのだ。

**難点
-自軍を思い通りに動かすのはやや難しい。
--王以外は常に集団で動くため、集団が乱れやすい。一方で兵士を個々に動かす操作はないため、この集団をまとめるのは少々慣れがいる。
---もっとも、思い通りに動かない兵士を纏め上げるのが本作品の一番の醍醐味。この点に楽しみを見出すかどうかが、本作を受け付けるかどうかの分かれ目。
-戦闘結果は純粋に乱数による。戦闘力320(最強)まで育てた王が戦闘力10の敵兵卒に負けることも稀に良くある。王を育てようとしたら返り討ちに遭ったなんて事は更に多い。
--最終決戦は王同士の一騎打ちの為、純粋に乱数のみで決まる。

**総評
当時「集団を操作する」というゲームはSLG、それもターン制くらいで、ましてリアルタイムに動かすようなものはなかった。それをアクションゲームのように操作できるというゲーム性は、新鮮そのもの。更に、RPG要素は自軍を育てる楽しさを付加していた。~
ゲームとしては、操作にややテクニックがいるものの、難易度がやや高めという程度。やり応えのあるゲームだった。やがて多くの機種に移植される事となる。~
本作はシミュレーションRPGの先駆けとはなったものの、当時その独特のゲーム性に対する認識がなかったためか、本作に続くものはなかった((あえて言えば、シルバーゴーストとファーストクイーン。))。

**余談
-一見RTSに見える本作だが、自軍がトリガーとならなければ戦闘が進まない点などから、純粋なRTSとは考えない見方もある。
--一応、敵はリアルタイムに動く為、強敵の横をすり抜けようとしたら戦闘が始まった、なんてことはある。
-ファミリーコンピュータ版は、最初のプレイヤーキャラが王のみなど、一部ゲーム性が違っている。
--この改悪(?)及び、まだSLGに馴染みの薄いファミコンユーザーからはクソゲー扱いされており、クソゲーまとめの方にも本作品の項目がある。そしてユーザー数の違い((当時のファミコンユーザーはパソコンユーザーの10倍以上。))から、一般的にはクソゲーとしての知名度の方が高い。