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ペーパーマリオRPG - (2011/05/25 (水) 23:03:16) のソース

*ペーパーマリオRPG
【ぺーぱーまりおあーるぴーじー】
|ジャンル|アクションRPG|&amazon(B0002ER6BA)|
|対応機種| ニンテンドーゲームキューブ |~|
|発売元|任天堂|~|
|開発元|インテリジェントシステムズ|~|
|発売日|2004年7月22日|~|
|定価|5,800円|~|
|>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ・関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/342.html]]''|
#contents(fromhere)
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**概要
「[[マリオストーリー]]」の正式な続編。そのため、ストーリーに絡みこそしないものの『マリオストーリー』に登場した地名やキャラクターの名が随所に登場する(一部キャラクターは本作にも登場)。仮題段階では実際に『マリオストーリー2』とされていた。

**ストーリー
ある日、マリオの元に手紙が届く。差出人はピーチ姫であった。それにはこのようなことが書かれていた。

「私は今、キノコ王国を巡る旅に出ているのですが、宝の地図を手に入れました。ゴロツキタウンという街で物売りのおばあさんからもらった箱に入っていたのです。私一人じゃ宝探しは大変なので手伝ってください。地図は手紙に入れておいたのでそれを持って、必ず来てください。ゴロツキタウンの港で待っています。」

その手紙を読んでゴロツキタウンの港に来たマリオだったが、ピーチ姫の姿が見当たらない。港で姫を探しているとフランクリ先生を探しているクリボーの女の子、クリスチーヌに出会い、彼女に地図のことを話すと、彼女の恩師である考古学の権威、フランクリ先生から話を聞くことができた。

フランクリによると、伝説の宝を手にするためには7つのスターストーンという宝石を集め、1000年の扉を開かなければならないという。この地図は七つのスターストーンのありかを指し示す魔法の地図だったのである。

宝を追っていけばピーチ姫とめぐり会えるだろうと思い、マリオは新たな冒険に出るのであった。

**システム
-登場人物もステージも何もかもが前作よりも「紙っぽさ」が増している。具体的には「マリオが折り紙を折るように、紙飛行機や船に変形する」、「仕掛けが動く際ページがめくれたり、壁紙のように吹っ飛んだりする」といった具合である。
--前作ではただの演出に過ぎなかった「紙」をギミックなどに反映させることでゲームの一要素として確立させることができた。
-基本的なシステムは前作とほぼ同じなので、前作をプレイした人なら特に違和感なくプレイできる。同時に前作とのストーリー的な繋がりはほとんど無いため、前作未プレイの人にも安心してプレイできる。
-新たなシステムとして「劇場システム」が上げられる。本作の戦闘パートは劇場の舞台で行われているという設定のために観客が見ており((当初は劇場も小さく客数も少ないが、マリオのレベルが上がるとより大きな劇場になり、観客数も増える。さらに観客にも色々な種類があり、スターパワーをくれない客や物を投げつけてくる客もいる。さらに一部のボスキャラはなんと観客を食べてHPを回復することも。))、攻撃アクションに成功する等の行為でスペシャル技を使うための「スターパワー」が増えていく(逆にアクションコマンドをミスしたりなど、がっかりさせるような行動を取ると観客が帰ってしまう)。他にも照明器具が落ちてきたり、ドライアイスが噴出して凍り付いたり視界が悪くなったりなど、劇場の小道具を利用した仕掛けが数多く存在する。
-戦闘のテンポは非常に良く、簡単な操作で様々な技を繰り出せる。技の出し方もボタン連打、スティック入力など多彩。またステージをクリアすると入手できる「スターストーン」を使ったスペシャル技も存在する。
-ストーリー攻略中、凄まじい数の敵キャラ(推定1000体)が現われることがある。これらはハンマーなどの攻撃方法で派手に蹴散らすことが出来、なかなか気持ちいい。
--ある意味ではゲームキューブの性能を誇示していると思われる。このような演出はほぼ全ステージに登場する。
-ステージの合間ではピーチ姫とクッパをそれぞれ操作することができる(しかも二人の行動が綿密にストーリーに関わってくる)。中でもクッパを操作できるステージではスーパーマリオブラザーズのパロディである''スーパークッパブラザーズ''をプレイできる((地上、水中、城と全ての面が再現されている。スーパーキノコに相当するアイテムは肉で、取るとクッパが巨大化し、一番でかくなると無敵になって体当たりのみで敵や地形を粉砕できる。ちなみに残り人数が∞(無限)なので、いくらでもミスできる。この「巨大化」はのちの「New スーパーマリオブラザーズ」や「スーパーペーパーマリオ」などにも登場している。))。
-前作で(も)留守番役だった緑のヒゲことルイージ。今作では彼もエクレア姫なる人物を救う為に冒険しており、ステージをクリアする事に彼の話を聞く事ができる。同時に旅のことを記した小説も出版されており、なんとベストセラーとなるほどの人気になっている。ゲーム内でも商品になっており、実際に読むことができる((ただし、話はかなり美化されている。具体的には「レースで前を走っていた人が次々とクラッシュした」→「自力でゴールした」、「劇で草の役をやらされた」→「主役キャラをやらされた」等。))。
-BGMの評価は非常に高い。前作同様に、ほぼ全ステージのボスBGMに専用BGMが用意されている((ステージ7のボスはステージ2のボスのパワーアップ版であるために同じBGMが使用されている。))。特にステージ4のボスBGMはボスキャラ自身の人気も相まって一部でカルト的な人気を誇る。
--ちなみに、全体的にテクノ調のBGMが多い。
-バッジの組み合わせやアクションコマンドによってかなり楽になるのだが、総合的な難易度は前作と比べるとやや上昇。

**個性溢れる仲間キャラ
-今作では前作同様に仲間になるキャラ一人一人に個性があり、各キャラにしか出来ないアクション・攻撃が存在する。本作を攻略するには全員の力が必要で、こういったRPGにありがちな「いらないキャラ」が誰一人として存在しない((隠しキャラであるチュチュリーナは仲間にしなくてもクリア可能。))。また前作とは違い仲間にも固有のHPが設定され((HPがゼロの状態でバトルを終えるとHP1の状態で復活できる。またHPが少ないとマリオ同様に息切れする。))、これにより戦略の組み方が変わった。
''クリスチーヌ''
-考古学者を目指すクリボーの女の子。本作のヒロイン的存在で、自己主張が強い性格。マリオに好意を寄せており、彼にキスしたチュチュリーナに激しく嫉妬する一面も。しかし最後はピーチ姫のこともあって身を引く。
-特技は前作のクリオ同様に「ものしり」。マップ上で使えば攻略のヒントだけでなくちょっとした小ネタを喋ってくれることもある。全ての人物に大してコメントしてくれるため、攻略中でなくても一見の価値あり。
--本作のものしりはきちんと履歴が保存されており、すべての敵キャラにものしりをするといった遊び方も可能。ちなみに、戦う機会が限られているボスキャラにものしりをしそこねた場合も救済措置が用意されている。
-攻撃方法は頭突き。ランクが上がればマリオのレンゾクジャンプと同じ性能の技を使うこともでき、コマンド入力に成功する限り半永久的にダメージを与えることができる。
''ノコタロウ''
-ハナハナ村に住むノコノコ。気弱だが決してヘタレではなく、勇気を出してマリオの冒険についていく。恋人にノコリンがおり、彼女には頭が上がらない。
-甲羅になることで遠くにあるスイッチを押すことができる。さらにボタンを押しっぱなしにすればホールドすることができ、任意のタイミングでスイッチにぶつけることができる。もちろん敵に対する先制攻撃も可能。
-地上の敵をまとめて攻撃する技を持っており、さらにランクが上がると防御無視の技も覚える。地上の敵に対してはめっぽう強いが、他のノコノコ同様空中からの攻撃を喰らうとひっくり返って一回休みになってしまう。
''クラウダ''
-元女優の雲の精霊。「ムッチンプリンなセクシーマダム」の言葉どおり、凄い外見をしている。マリオのことを非常に気に入っている。
-強風を起こして「見えない何か」や色々なものを飛ばすことができる。またこの風は敵を気絶させる効果もあり、うまく使えば簡単に先制攻撃したり逃げたりできる。
-その身体を生かしたプレス攻撃が得意で、攻撃力とHPは最高クラス。敵のHPを吸収する技、敵を吹っ飛ばしてバトルを終わらせる技も持つ。ただしどの技もコマンド入力に結構クセがあり、うまく使わないと何の効果も得られない。
''チビヨッシー''
-産まれたばかりのヨッシーで、プレイ時間で身体の色が変わる。また、プレイヤーが好きな名前を付けることができる。生意気で口が悪く、マリオをゴンザレス(闘技場でのマリオのリングネーム)と呼ぶ。
-身体は小さいが、マリオを乗せて走ることができる。移動スピードが上がる他、ヨッシーおなじみのふんばりジャンプもできる。
-攻撃は連続技で、一発の攻撃力は低い。しかしムキムキボディなどで攻撃力を上げるとその威力は全キャラ中最高クラス。防御力を無視した攻撃技や敵全体を攻撃する技を持っており、その戦闘力はチートクラスと言っても過言ではない。
''ビビアン''
-元は敵であるカゲ三人組の末っ子。優しい性格と可愛らしい外見は一見女の子に見えるが、実は''男の娘''((海外版では諸事情で普通に女の子になっている。))。
-影の中に隠れることで、罠の影響を一切受けなくなる。敵もこちらを見失うため、戦いたくない時やり過ごすのに便利。
-通常技、全体攻撃技、サポート技とバランス良く持っている。さらに1ターンの間敵の攻撃を一切受けなくなる「カゲがくれ」を使うことも出来、後半の敵のチャージ攻撃をかわすのに便利。また持っている技の性質上、ラスボスと一番有利に戦える仲間でもある。
''バレル''
-船乗りのボム兵で、ゼンマイ部分が船の舵になっている。所謂頑固お爺ちゃんで、言動も渋い。
-ボム兵らしく爆発が得意で、前作のピンキー同様にステージ上の障害物を破壊できる。当然敵への先制攻撃も可能。
-攻撃力とHPが非常に高く、攻撃技も強力な物が揃っている。しかしその分FPの消費も大きい。
''チュチュリーナ''
-隠しキャラ。大泥棒の女チューさん。口調は丁寧で、去り際にマリオにキスをして去っていく。仲間になった後は年齢相応の冷静な大人の発言を行うことが多い。
-フィールド上で取り逃したアイテム(見える・見えないに関係なく)をサーチする技を持っており、アイテム回収に非常に役立つ。
-攻撃力は仲間の中で最低クラスだが、最初から防御無視の技なのでさほど気にならない。また敵のアイテムを盗んだり、マリオのHPを回復することもできる。

**難点
-移動のテンポが悪く、遠いところまで行く為のショートカットがほとんどない。
--この欠点が顕著に表れるのがステージ4。ショートカットが無い上にかなり距離が離れているウスグラ村とオドロン寺院を何度も何度も行き来しなければならず、繰り返す雑魚敵との戦闘にだんだんとだれてしまう。
--ウーロン街という街は空中に浮いている設定で、飛行船でしか行けない。しかしこの飛行船、途中の航行シーンはカットできても''乗り降りがカットできない''(これも割と時間がかかる)。
--ステージ7の人探しイベントも上記のウーロン街を含めてあちこちを行き来する必要があるため、この欠点はかなり痛い。
-バトル中ステージの仕掛けが動く瞬間がほとんどノーヒント。
--ピンチの時に凍らされてしまったりすると文字通りお手上げ状態。中には自軍にだけマイナスに働くものもあったりする。
-持てるアイテムの数が少ない(初期で10個)。
--「100階ダンジョン」で手に入るあるアイテムを入手すると20個まで持てるようになるが、それがある階が50階。難易度も相まってかなりしんどい。
-クリア後のやり込み要素が薄く、隠しダンジョンである100階ダンジョン以外に特に新しいイベントなどは無い。
--とは言え本編クリア後の各人物のその後を知る事ができるため、あながち薄いとも言い切れない。

**本作の大きな特徴
本作最大の特徴はなんと言っても、''およそマリオシリーズらしくないシリアスな世界観・言語など''であろう。~
賛否分かれたり、語り草になったりと本作を語る上では絶対に外せない要素である。
-まず最初の舞台である「ゴロツキタウン」はあちこちが荒れ放題で、中央には街のシンボルたる''絞首台''が堂々と鎮座している。さらに「''親から金を盗んだ''」「''イカサマした''」などの犯罪行為・反社会的な言動、心理的恐怖を描いたシナリオなど、これまでファンシーでのほほんとしていた他のマリオシリーズと比べるとかなりハードな描写が多い。
--ひらがな表記にされているとはいえ、「''しぬ''」などといった表現も登場する。
//余談だが続編では本当にマリオが死ぬ。
-敵である「メガバッテン」の首領であるバツガルフも平気で部下を使い捨て、勝つ為には手段を厭わない冷酷な性格をしたギャグ要素のないシリアスな人物で、どこか抜けた所の多い本作の登場人物の中でも異彩を放っている。((ただし、その点をクリスチーヌに揶揄されていたりする。))
-他にも''死にかけている人間にハエがたかる''、これまたマリオらしくない堅くて重い音楽などがある。
~
これらの傾向は続編『スーパーペーパーマリオ』でより一層顕著になる。~
というか、前作の時点でその片鱗はあったのだが。

**総評
-マリオらしくないシリアスなストーリー・人物などの登場により、新たなファンを獲得すると同時にマリオシリーズの中でも異色の存在となった。ストーリーは申し分ない出来なので、今までと違うマリオを体験してみたい人はプレイするのをお勧めする。
-続編に「スーパーペーパーマリオ」が出ている。ジャンルはアクションゲームになり、よりシリアスで謎めいたストーリーが展開される。
-また3DSで本作の流れを次ぐペーパーマリオシリーズの続編が発売されることが決定している。

**小ネタ
-ガンダムシリーズのシャアに似たパロディキャラが登場する(台詞もシャアが言っていたセリフを言うこともある)。
-あるステージで幽霊の日記を読むと、必ずゲームオーバーになってしまう(その前に何度も選択肢を選ぶ必要がある)。