遙かかなる時空の中で5のレスでついた補足です
選評はこちら

戦闘

戦闘画面に関しては主人公とキャラクターが何人か並んで武器を構えて戦うような絵は一切なく、
 怨霊  怨霊  怨霊

という感じで仲良く並んだ怨霊(しかも過去のゲームのグラ使いまわし)をひたすら殴り、技を使うと
立ち絵を加工したカットインが入る。
キャラの戦うモーションの中に萌えを見出す乙女ゲーマーに冷水を浴びせかけるような仕様。
クリムゾン・エンパイアの主人公が1人でひたすらハンティングというあの苦行を思い出させてくれる。
キャラ一緒だからあれほどではないが、なぜPSPだからといって過去作にずっと戦闘用のキャラ立ち絵や
モーションあったのに劣化したのか。

システム

公式サイト製品紹介の章選択の説明文に「一度出現した章は章選択画面で何度でもプレイし直す事が可能です。」
と書いてあるが、実際は6章以前の話をプレイし直すことが出来ない。
そのせいで気にいったイベントがあっても、セーブデータを残し忘れてしまった人がいる。
おまけメニューでイベント回想があるが、回想できないイベントも多く、もう一度見たいと思ったなら
はじめからプレイするしかない。

既読スキップは主人公の名前を変えたらその都度未読扱いになる

シナリオ構成

◎遥か5シナリオ構成について
遥か5は、共通ルート→個別ルート→個別エンディングといった単純な分岐のシナリオ構成ではなく、
主人公が作中で過去に戻ってシナリオをやり直すというメタ視点の入った独自のシステムがあるため
シナリオ構成がややこしいものとなっている
ちなみに、これは遥か5独自のものではなく、遥か3から遥かシリーズに継承されている構成方法である

簡単に全キャラ攻略するまでの全体の流れは以下の通り
  • 1週目 1(章)23456~11 強制ノーマルBADエンド 
  • 2週目(キャラA攻略)A7~A BAD、ループ~A終章~Aエンド
  • 3週目(キャラB攻略)B7~B BAD、ループ~B終章~Bエンド
  • 省略
  • 11週目 天海8~一部略~天海エンド
  • 12週目 (大団円)共通7~11
2週目以降のデータは「つづきから」でプレイをはじめ、クリアデータを引き継いだ状態で始めている
天海は天海以外の全キャラ(八葉+都)を攻略しないと、攻略できないので必ず11週目となる
天海ルートは、メインシナリオの種明かしに値するルート、真相ルートと位置付けても問題ない
大団円エンドは、天海エンドで真相を知った後、個別ルートには入らずに共通ルートを進むと見れるエンディング

1週目の11章までプレイしてBADエンドを見て、そのデータを引き継ぐことで
ようやく(全キャラ-天海)のグッドエンドを見ることができる

2週目を始めた瞬間の状態は、1~11章までが章選択画面で表示されていて、
主人公自体にも、1週目BADエンドまでの記憶が残っている
その状態から、前の章に戻ると、1週目では見れない選択肢やイベントが増えているので、
それを選び、こなしていくことでエンディングに辿りつくことができる
ただ、厳密に言うと、2週目以降でも個別BADエンドが発生するので、何度か前の章に戻る必要がある

つまり、都合の悪い展開(攻略キャラ死亡など)になったら、
作中で時間を遡り物語をやり直すことで話を上書きし、それを何度も繰り返して進めていくという進行方法である

◎このシステムのクソさ
◆一途プレイを非推奨
シナリオの最初から1キャラだけを追いかける一途プレイをすることは可能だが、
2週目以降は6章以前に戻れないので、以下のような流れでないとプレイすることが出来ない

  • 1週目 1(章)23456~11 強制ノーマルBAD 
  • つづきからを選択して、データを引き継いでの2週目(キャラA攻略)A7~A BAD、ループ~A終章~Aエンド
  • はじめからを選択して、上のデータは引き継がない状態で3週目 1(章)23456~11 強制ノーマルBAD(1週目と同じ内容)
  • 4週目(キャラB攻略)B7~B BAD、ループ~B終章~Bエンド

セーブデータを上書きしてセーブした場合、残ったデータのクリアキャラはB1人である
セーブデータを2週目まで(A攻略時)と3週目から(B攻略時)に分けても、
それぞれデータのクリアキャラはA、B1人ずつでしかない

天海ルート(真相ルート)は天海以外の全キャラ攻略が分岐条件に含まれているため、
上記の様な一途プレイでは天海エンドを見ることができない
つまり、一途プレイは非推奨である

それどころか、6章以前に戻ることができないので、
フルコンプするなら、6章までのイベントは全て1週目で発生させておかないといけない
つまり、1週目の1~6章目までは股がけプレイ推奨ってことでもある

◆シナリオ構成及びシステムがシナリオの軸に矛盾したものである
「この命を削って大切なものを守る」とキャッチコピーがつけられているが、
システム方面から見ても、この作品のシナリオ構成は命を軽視するものである
攻略キャラが死んでしまっても作中で半強制的に時間を遡らされ無かったことに出来る
いくらでも蘇らせられる命や無かったことに出来る死に、重みをユーザーは感じられるのだろうか

◎過去作からの劣化
この作中で時間を遡って話を上書きするシステムは、過去作でも使われたシステムなのに、
遥か5でクソだと言われる理由は過去作からの劣化にもある

◆最初のバッドエンドにたどり着くまでの共通ルートが無駄に長い
遙か3は7章までプレイ時間だと5~8時間程度だったのに、
遙か5では11章と長さ1.5倍以上でプレイ時間は約2~3倍の10~15時間となっている

各キャラ個別ルートの名前は「瞬の物語」のように「~の物語」と称していて、
シナリオの3分の2を占めるクソ長い共通ルートは「ゆき(主人公名)の物語」である

◆7章からしかやり直しが出来ない、6章以前に戻れない
過去作では1章からやり直し可能だったので、1章から興味のないキャラを無視しての攻略、一途プレイが可能だった
今回はそれが無いため、上記のように一途プレイは出来ない
最終更新:2012年05月22日 00:59