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情報収集日:2009年1月8日、必ずオリジナルをご参照下さい

 

 

教育カリキュラム(医師用)

日本緩和医療学会 教育研修委員会

 近年、緩和ケア病棟の増加、緩和ケア診療加算に伴う緩和ケアチームの整備にみられるように、緩和医療に対する社会的ニーズが高まってきています。一方、緩和医療に従事する医師の不足は、わが国の緩和医療の発展を阻害する一因になっています。そこで、日本緩和医療学会と しては医師を対象とした緩和医療教育カリキュラムの作成は学会として重要な課題であり、至急に取り組むべき問題と位置づけ、昨年度から教育研修委員会でカ リキュラムの作成に取り組んできました。今回作成された緩和医療教育カリキュラムは、緩和ケア病棟と緩和ケアチームで診療に従事する医師の必要最小限の学 習目標を明らかにするものであり、また緩和医療を専門とする医師ばかりでなく、緩和医療を実践する各診療科の医師や緩和医療の研修を受ける医師の学習到達目標を明示しています。今後、教育研修委員会ではこのカリキュラムに基づいた教育セミナーの実施を行うとともに、さらに医師以外の職種を対象とした教育カリキュラムの作成を行う予定です。

教育研修委員会 委員長 木澤 義之

はじめに
  近年、緩和ケア病棟の増加、緩和ケア診療加算に伴う緩和ケアチームの整備にみられるように、緩和医療に対する社会的ニーズが高まってきている。一方、がん をはじめとする一般診療に従事する医師における緩和医療に関する能力不足や緩和医療を専門とする医師の不足は、わが国の緩和医療の発展を阻害する一因に なっている。
そこで、日本緩和医療学会は医師を対象とした緩和医療教育カリキュラムの作成は学会として重要な課題であ り、至急に取り組むべき問題と位置づけ、教育研修委員会にカリキュラム案の作成を依頼した。今回作成された緩和医療教育カリキュラムは、第1に緩和医療を 専門とする医師ばかりでなく、がんをはじめとする一般診療のなかで緩和医療を実践する各診療科の医師や緩和医療の研修を受ける医師の学習到達目標を明示すると同時に、緩和医療を専門とする医師の必要最小限の学習目標を明示している。
日本緩和医療学会では今後このカリキュラムに基づいた教育セミナーの実施を行うとともに、さらに医師以外の職種を対象とした教育カリキュラムの作成を行う予定である。
緩和医療の定義
  緩和医療は、生命を脅かすような疾患、特に治癒することが困難な疾患を持つ患者および家族のクオリティーオブライフ(QOL)の向上のために、療養の場に かかわらず病気の全経過にわたり医療や福祉及びその他の様々な職種が協力して行われる医療を意味する。緩和医療は、患者と家族が可能な限り人間らしく快適 な生活を送れるように提供され、その要件は以下の5項目である。
(1) 痛みやその他の苦痛となる症状を緩和する
(2) 人が生きることを尊重し、誰にも例外なく訪れる『死への過程』に敬意を払う
(3) 患者・家族の望まない無理な延命や意図的に死を招くことをしない
(4) 精神的・社会的な援助やスピリチュアルケアを提供し、最後まで患者が人生を積極的に生きていけるように支える
(5) 病気の療養中から死別した後に至るまで、家族が様々な困難に対処できるように支える
緩和医療を実践する医師の資質と態度
(1) 医師は緩和医療が患者の余命に関わらず、そのQOLの維持・向上を目指したものである事を理解する。患者や家族のニードは常に変化し、ケアの目標も変化するため、常に見直しを行うことが必要である。
(2) 全ての患者は、異なった人生を生き、死に直面している。医師は病気を疾患としてとらえるだけでなく、その人の人生の中で病気がどのような意味をもっているか(meaning of illness)を重要視しなければならない。医師は、患者、家族を全人的に、身体的だけではなく、心理的、社会的、霊的(spiritual)に把握し、理解する必要がある。
(3) 医師は、患者のみならず、患者を取り巻く家族や友人もケアの対象である事を理解する。
(4) 医師は、患者に医学的に正しいと思うことを強制しないよう、特別の配慮が必要である。患者にとって安楽なことは、個々人で全く違うものであることを理解し、患者の自律性や選択を重要視する。
(5) 緩和医療を実践する医師は医師として医学的判断や技術に優れていることが最も重要だが、それと同時にコミュニケーション能力も重要である。患者、家族、そして医療チーム内で良好なコミュニケーションをとることができる事が必要である。
(6) 医師は、診療にあたって十分な説明とそれに基づく患者および家族の同意(informed consent)を得ることが必要不可欠であり、患者・家族が判断に迷うとき、セカンドオピニオンを得るために自施設以外の他の施設への受診などについて配慮する必要がある。
(7) 医師は緩和医療を行うチームの中でその一員として働くことが重要である。チームメンバーのそれぞれの専門性と意見を大切にし、チームが円滑に運営されるよう常に心がける必要がある。
一般目標 (General Instructional Objectives: GIO)
 悪性腫瘍をはじめとする生命を脅かす疾患に罹患している患者・家族のQOLの向上のために、緩和医療を実践し、さらに同分野の教育や臨床研究を行うことができる能力を身につける。
個別行動目標 (Specific Behavioral Objectives:SBOs)
1. 症状マネジメント
態度
(1) 患者の苦痛を全人的苦痛(total pain)として理解し、身体的だけではなく、心理的、社会的、霊的(spiritual)に把握することができる
(2) 症状のマネジメントおよび日常生活動作(ADL)の維持、改善がQOLの向上につながることを理解することができる
(3) 症状の早期発見、治療や予防について常に配慮することができる
(4) 症状マネジメントは患者・家族と医療チームによる共同作業であるということを理解することができる
(5) 症状マネジメントに対して、患者・家族が過度の期待を持つ傾向があることを認識し、常に現実的な目標を設定し、患者・家族と共有することができる
(6) 自らの力量の限界を認識し、自分の対応できない問題について、適切な時期に専門家に助言を求めることができる
技能
(1) 病歴聴取(発症時期、発症様式、苦痛の部位、性質、程度、持続期間、推移、増悪・軽快因子など)を適切にすることができる
(2) 身体所見を適切にとることができる
(3) 症状を適切に評価することができる
(4) 鎮痛薬(オピオイド、非オピオイド)や鎮痛補助薬を正しく理解し、処方することができる
(5) 薬物の経口投与や非経口投与(持続皮下注法や持続静脈注射法など)を正しく行うことができる
(6) オピオイドをはじめとする症状マネジメントに必要な薬剤の副作用に対して、適切に予防、処置を行うことができる
(7) 非薬物療法(放射線療法、外科的療法、神経ブロックなど)の適応について考慮することができ、適切に施行するか、もしくは各分野の専門家に相談および紹介することができる
(8) 患者のADLを正確に把握し、ADLの維持、改善をリハビリテーションスタッフらとともに行うことができる
(9) 終末期の輸液について十分な知識を持ち、適切に施行することができる
(10) 以下の疾患および症状、状態に適切に対処できる
1) 疼痛
がん性疼痛
侵害受容性疼痛
神経因性疼痛
非がん性疼痛
2) 消化器系
食欲不振
嘔気
嘔吐
便秘
下痢
消化管閉塞
腹部膨満感
腹痛
吃逆
嚥下困難
口腔・食道カンジダ症
口内炎
黄疸
肝不全
肝硬変
3) 呼吸器系


呼吸困難
死前喘鳴
胸痛
誤嚥性肺炎
難治性の肺疾患
4) 皮膚の問題
褥瘡
ストマケア
皮膚潰瘍
皮膚掻痒症
5) 腎・尿路系
血尿
尿失禁
排尿困難
膀胱部痛
水腎症(腎瘻の適応を含む)
慢性腎不全
6) 中枢神経系
原発性・転移性脳腫瘍
頭蓋内圧亢進症
けいれん発作
四肢および体幹の麻痺
神経筋疾患
腫瘍随伴症候群
7) 精神症状
抑うつ
適応障害
不安
不眠
せん妄
怒り
恐怖
8) 胸水、腹水、心嚢水
9) 後天性免疫不全症候群(AIDS)
10) 難治性の心不全
11) その他
悪液質
倦怠感
リンパ浮腫
(11) 以下の腫瘍学的緊急症に適切に対応できる
高カルシウム血症
上大静脈症候群
大量出血(吐血、下血、喀血など)
脊髄圧迫
(12) 患者と家族に説明し、必要時に適切なセデーションを行うことができる
知識
(1) 痛みの定義について述べることができる
(2) 痛みをはじめとする諸症状の成因やそのメカニズムについて述べることができる
(3) 症状のアセスメントについて具体的に説明することができる
(4) 痛みの種類と、典型的な痛み症候群について説明することができる
(5) WHO方式がん疼痛治療法について具体的に説明できる(鎮痛薬の使い方5原則、モルヒネの至適濃度の説明を含む)
(6) 神経因性疼痛について、その原因と痛みの性状について述べ、治療法を説明することができる
(7) 症状マネジメントに必要な薬物の作用機序およびその薬理学的特徴について述べることができる
(8) 様々な症状の非薬物療法について述べることができる
(9) セデーションの適応と限界、その問題点について述べることができる
2. 腫瘍学
態度
(1) 常に最新の基本的な腫瘍学に関する知識を身につける
(2) 各分野の専門家と協力して患者の診療にあたることができる
知識
(1) 各種悪性腫瘍の基本的な治療方法を具体的に述べることができる
(2) 外科療法(外科・整形外科的治療)の適応とその方法について述べることができる
(3) 放射線療法の適応とその方法について述べることができる
(4) 化学療法の適応とその方法について述べることができる
(5) わが国におけるがん医療の現況について述べることができる
3. 心理社会的側面
◆心理的反応
態度
(1) 喪失反応が色々な場面で、様々な形で現れることを理解し、それが悲しみを癒すための重要なプロセスであることに配慮する
(2) 希望を持つことの重要性について知り、場合によってはその希望の成就が、病気の治癒に代わる治療目標となりうることを理解する
(3) 子どもや心理的に傷つきやすい人に特に配慮することができる
技能
(1) 喪失体験や悪い知らせを聞いた後の以下のような心理的反応を認識し、適切に対応できる
1) 怒り
2) 罪責感
3) 否認
4) 沈黙
5) 悲嘆
知識
(1) 病的悲嘆をきたしやすい条件(risk factor)を具体的に述べることができる
◆コミュニケーション
態度
(1) 患者の人格を尊重し、傾聴することができる
技能
(1) 患者が病状をどのように把握しているかを聞き、評価することができる
(2) 患者および家族に病気の診断や見通し、治療方針について(特に悪い知らせを)適切に伝えることができる
(3) よいタイミングで、必要な情報を患者に伝えることができる
(4) 困難な質問や感情の表出に対応できる
(5) 患者や家族の恐怖感や不安感をひきだし、それに対応することができる
(6) 患者の自立性を尊重し、支援することができる
知識
(1) 悪い知らせを患者・家族に伝える具体的な方法について述べることができる
◆社会的経済的問題の理解と援助
態度
(1) 患者や家族のおかれた社会的、経済的問題に配慮することができる
技能
(1) 患者・家族の社会的、経済的援助のための社会資源を適切に紹介、利用することができる
知識
(1) 診療を行う地域において、社会的、経済的援助のために利用することができる
(2) 社会資源をあげることができる
◆家族のケア
態度
(1) 家族の構成員がそれぞれ病状や予後に対して異なる考えや見通しを持っていることに配慮できる
技能
(1) 家族の構成員が持つコミュニケーションスタイルやコーピングスタイルを理解し適切に対応、援助をすることができる
(2) 家族の援助を行うための社会資源を利用することができる
◆死別による悲嘆反応
技能
(1) 以下のことを行うことができる
1) 予期悲嘆に対する対処
2) 死別を体験した人のサポート
3) 家族に対して死別の準備を促す
4) 複雑な悲嘆反応を予期し、サポートする
5) 抑うつを早期に発見し、専門家に紹介する
知識
(1) 主な死別による悲嘆反応のパターンについて述べることができる
4. 自分自身およびスタッフの心理的ケア
態度
(1) チームメンバーや自分の心理的ストレスを認識することができる
(2) 自分自身の心理的ストレスに対して他のスタッフに助けを求めることの重要性を認識する
(3) 自分自身の個人的な意見や死に対する考え方が患者およびスタッフに影響を与えることを認識する
(4) ケアの提供にあたって体験する自分の死別体験、喪失体験の重要性を認識する
技能
(1) ケアが不十分だったのではないかという自分、および他のスタッフの罪責感をチーム内で話し合い、乗り越えることができる
(2) スタッフサポートの方法論を知り、実践することができる
(3) スタッフが常に死や喪失体験と向き合っているということを理解し、正常の心理反応といわゆる燃え尽き反応を区別することができる
5. スピリチュアルな側面
態度
(1) 診療にあたり患者・家族の信念や価値観を尊重することができる
(2) 患者や家族、医療者の死生観がスピリチュアルペインに及ぼす影響と重要性を認識する
(3) スピリチュアルペイン、および宗教的、文化的背景が患者のQOLに大きな影響をもたらすことを認識する
(4) 患者・家族の持つ宗教による死のとらえ方を尊重することができる
技術
(1) 患者のスピリチュアルペインを正しく理解し、適切な援助をすることができる
知識
(1) スピリチュアルペインのカテゴリーを列挙することができる
注釈 :日本人のスピリチュアルペインは予備的な質的研究により以下のようにカテゴリー化されている。
カテゴリー名 定義
精神的な穏やかさの喪失 精神的に穏やかでない状態 落ち着かない、心配だ、怒りを感じる
意味・目的の喪失 人生や生きていることに意味・目的・価値を感じられない状態 無駄だ、生きていても仕方ない
自分らしさ 自分らしい生活がおくれる-自分らしくない マイペースでいたい、こんなのは自分ではない
寂しさ・支えのなさ 家族と時間や気持ちを共有できないことに関連する苦悩、さびしさ ○○といっしょにいたい、さびしい、気持ちをわかってほしい
家族の準備の心配 残される家族についての心配に関連する苦悩 残される○○が心配、〇○を残していくのが辛い
関係についての葛藤 人間関係における具体的な葛藤やわだかまりに関連する苦悩 ○○とのもめごとがある
負担をかけてる思い 家族の負担になりたくない・なっていると感じることに関連する苦悩 迷惑をかけたくない、つらい気持ちを知らせたくない
身体的コントロールの喪失 身体機能の喪失によるコントロール感の喪失(依存の増大)に関連した苦悩 何もできない、からだが動かない、情けない
認知的コントロールの喪失 精神機能の喪失によるコントロール感の喪失に関連した苦悩 しっかりしていたい、自分で自分のことが決められない
将来のコントロールの喪失 将来に何が生じるか不確実であることによるコントロール感の喪失に関連した苦悩 この先どうなるのか?、先がわからない
役割の喪失 それまでの役割を果たせなくなることに関連した苦悩 役に立ちたい、仕事に戻りたい
楽しみの喪失 それまで楽しみにしていたことができなくなることに関連した苦悩 楽しいことが何もない
自分らしさの喪失 自分らしい生活を送れなくなることに関連した苦悩 自分にあった介護をしてほしい、私らしく生きたい
しておきたいこと やりのこしたこと、しておかなければならないことが未解決であることに関連した苦悩 別れ・感謝をいいたい、○○に会っておきたい、ひきつぎ、葬式、相続の段取りをしておきたい
こころの準備・死の不安 死を受け入れられないこと、こころの準備ができないこと、あるいは、死後の生命に関連した苦悩 死がこわい、死にたくない、死後どうなるのか?
希望のなさ 希望を持つことができないことに関連した苦悩 何の希望もない
宗教/信仰に関する苦悩 宗教/信仰に関する苦悩あるいは特定の宗教を背景とした苦悩 「神を信じたいんだけど(何か信仰があればいいんだけど)信じられない」
死後に罰せられる、天国・浄土に行くことができない
6. 倫理的側面
態度
(1) 患者や家族の治療に対する考えや意志を尊重し、配慮することができる
技術
(1) 医療における倫理的問題に気づくことができる
(2) 患者が治療を拒否する権利や他の治療についての情報を得る権利を尊重できる
(3) 患者・家族と治療およびケアの方法について話し合い、治療計画をともに作成することができる
(4) 尊厳死や安楽死の希望に対して、適切に対応することができる
(5) 個々の倫理的問題を所属機関の倫理委員会に提出することができる
知識
(1) 医療における基本的な倫理原則について述べることができる
7. チームワークとマネジメント
態度
(1) 他職種のスタッフおよびボランティアについて理解し、お互いに尊重し合うことができる
技能
(1) チーム医療の重要性と難しさを理解し、チームの一員として働くことができる
(2) リーダーシップの重要性について理解し、チーム構成員の能力の向上に配慮できる
(3) 他領域の専門医に対して緩和医療のコンサルタントとして適切な助言を行い、協力して医療を提供する事ができる
(4) 他領域の専門医に対して適切にアドバイスを求め、療養に関する幅広い選択肢を患者・家族に提供し、互いに協力して医療を提供する事ができる
(5) 自分が所属する組織の地域における役割を述べ、周囲の医療機関と協力して適切に医療を提供することができる
知識
(1) チームにおいて各職種およびボランティアの果たす役割を述べることができる
(2) 基本的なグループダイナミクスとその重要性について述べることができる
(3) 緩和ケア病棟、緩和ケアチームおよび在宅緩和ケアについてそれぞれの役割について述べることができる
(4) 緩和ケア病棟、緩和ケアチームおよび在宅緩和ケアに関する医療保険・介護保険制度について具体的に述べることができる
8. 研究、教育
態度
(1) 臨床現場で起こる日常の疑問について、常に最新の知識を得るよう心がけることができる
(2) 臨床研究の重要性を知り、緩和医療に関する未解決な問題に対して行われる臨床研究に参加することができる
技能
(1) 医学的論文の批判的吟味を行うことができる
(2) Medlineや医学中央雑誌などの医学文献データベースを利用し体系的文献検索を行うことができる
(3) 二次資料(Uptodateやcochrane libraryなど)を適切に利用することができる
(4) 教育の基本的な手法について知り、実践することができる
(5) 所属する各機関およびその地域に於いて緩和医療の教育・啓発・普及活動を行うことができる
(6) 緩和医療に関する学会・研修会等に積極的に参加し、診療・研究業績を発表することができる
知識
(1) 医学統計および医学判断学の基本を述べることができる
(2) 成人学習の原則について述べることができる
注釈 : 緩和医療に従事するものにとって、研究についての能力を持つことが必要である理由は以下の3点にまとめられる。
1) 日常に起こる臨床疑問についての解決方法を得るために、文献検索を行うことは必須であること
2) 文献を読むためにはまずその文献の質(研究方法やバイアス、限界)を評価する必要があること
3) 緩和医療は未発達な部分が多く、今後研究によって治療方法を探索、開発する必要が大きいと考えられること
また、教育についての能力を持つ必要性は以下の3点にまとめられる。
1) ともに医療にあたる同僚に対して、必要な能力の伝達を行うことが必須であること
2) 教育を行うことが緩和医療に関する生涯学習につながること
3) 地域における緩和医療の充実のため、他施設や診療所の医師をはじめとする医療従事者に緩和医療の教育を行うことは必要不可欠であること
9. その他
態度
(1) 臨死期および死後の患者・家族の心理に配慮することができる
技能
(1) 死因を適切に診断し、患者および家族に説明することができる
(2) 剖検が必要と判断される場合、家族の心理に配慮しその必要性を説明するとともに、専門医とともに剖検を行うことができる
知識
(1) 我が国におけるホスピス・緩和ケアの歴史と現状、展望について概説できる

 

 

最終更新:2009年01月08日 18:49