俺、ロックオン・ストラトスがスメラギ・李・ノリエガと時々夜を共にするのは、ソレスタルビーイング内でも二人だけの秘密。だったが、『ショージニメアリ』って言うのか?すぐにバレちまったがね。
別段知られたって構わない。恋人とは少し違ったニュアンスだし、もう二十歳を過ぎてるんだ。キスをしたしない程度で騒ぐような歳でもないだろう?
プトレマイオスの食事を許可されたエリア。と言っても先述予報士殿自身破ってるんだから無法状態。
無重力で漂う球状のミネラルウォーターに、食いつく。
「ロックオン」
「何だ?」
珍しくティエリアから、相変わらずの無愛想な表情で話し掛けてくる。大方予想はつくな。
「簡潔に言う。スメラギさんと寝ないほうがいい」
やっぱり。
「ったく、お前もかよ」
「この船の頭だ・・・」
「大丈夫だよ。子供も作らんし、病気もかかっちゃいないさ」
「そういう話じゃない」
さすがに不快な表情がティエリアの顔にが出た気がした。
マズッたっかな。意外と短気な奴。
「ふぅ、いいか。俺らに取っちゃコミュニケーションだ。マイスターとブレーンが信頼しあっているのはいけない事じゃあないだろ。大人って奴だ」
追いかけるティエリアの声を無視しながら、そそくさと退散する。部屋を出る時に容器から、水を流しておいたから少しは足止めできるだろう。これで四人目。
フェルトにクリスティナ。アレルヤと今さっきのティエリア。みんな口を揃えて内部での特別な関係を避けろ。ってアレルヤだけ純愛しか認めたくないと言っていたけな。
それでも俺の向かう先は変わらない。
「お待たせいたしました。ミス・スメラギ」
わざとらしく礼節をとり、レディの待つ部屋のドアを開けた。
中は既にアルコールの匂いが充満している。否、彼女の部屋は常に酒気を帯びている。今日はラムか。
待ちかねたような、彼女の少し微笑んだ表情を、下げた頭でちらりと見る。
「本当はちゃんとしたグラスがいいけど、この際ね」
彼女はあらかじめ持っていたボトルを投げる。
造作なく受け取ると、俺はキャップをあけながらミス・スメラギの隣に座る。
「お疲れてのようで」
「二人の時は敬語は止めてって言ってるじゃない。意地悪ね」
ミス・スメラギの文句を抑えるように、軽く頭を撫でてやる。我らが大将のスメラギもこうしてなだめると子猫のように大人しい。どうしてなかなか、甘えん坊め。
「説教受けに来たわけじゃあないんだ。文句なら始末書だけにしてくれ」
「馬鹿な人」
今日のは、意外と強い。生まれ持っての酒豪か、飲みなれた生活か、スメラギは早々とボトルを空にする。俺も酒に弱くないがまだ半分は残っているてのに。
「ねぇ・・・・分けてよ」
「了解、マスター」
自分の口にラム酒を入れると、どちらから言うでなくキスをする。そのまま酒と唾液のブレンドをスメラギの口内に注ぎ込んだ。コクンと飲み下す音が静かな部屋を一層静まり返らせる。これが俺たちの夜の合図。いつからだっけな?決めたの。
「甘い」
言ってみた。そんな気がしたが味が良く分からなかった。
「もっと・・・」
もう一度口移しに二人で味わいながら、寝台に倒れこむ。
シーツが浮き上がり二人を覆う。窮屈な中で、もう彼女しか見ない。スメラギの髪を乱しながらロマンス映画の様に唇を絡める。確かに、俺馬鹿だ。
「あッ・・・」
一筋、二人の唾液がスメラギの口から溢れそうになる。
今の俺にはチャンスだ。唇から頬へ、首筋へと舌を這わせる。
「ん!っもう。イ・・!っつもいきなり・・」
ここ、弱いんだよな。肩のくぼみをふやけるほど舐めてから、彼女の髪をかきあげて首裏を犯しにいく。
日ごろの疲れか、いつも女性にしては筋が張ってる。
「あぁあぁ、こんなに頑張っちゃって」
舌を離すと、スメラギの体をくるりと回すと、凝った肩に手を伸ばす。指で押すごとにくすぐったそうに身を竦める。
「何よ、急に」
「大変なんでしょ?こんなに無理しちゃって」
俺が止めないのを悟ってか、体を強張らせるのを解いた。
「優しいのね」
「女性限定でな」
デジャブ?知らないな。野郎には冷たいんで。
「それに、こっちのほうが簡単だ」
脱がすのがね。プトレマイオスの中でも私服の時が多い。
今日も例に外れず、いつ買ったとも知れない高そうな服をまぁ。
「気をつけてよ。中々値を張ったんだから」
「了解」
手伝うように両腕を上げる。俺が服を取り払うと姿を見せる、曇りなき背。柔らかで、しなやかで、優しい、女性的な観念を全て備えた肢体。
「これ、毎度やば・・・・」
綺麗過ぎるって。後ろから抱きしめる。胸。でかいなぁ。
「ちょっと、そっちばっかり・・・ん!」
「いいのいいの。頑張りすぎて、潰れちゃいそうだぜ?」
ホントに。彼女ほどの美貌があるなら、どんな道にでも進めたはずだ。
おまけに世界屈指の頭脳。それが、同踏み間違えたか俺みたいな戦争屋と同じ世界の嫌われ者。何があったか聞くほど、無粋じゃあないさ。
「ロックオン・・・」
「ニール。今だけはロックオンじゃない」
再び向き合うと、もう一度キスをした。
口では「しない」。避妊はする。道具は遣わない。この時間意外は関係を持たない。俺たちのルール。この時間だけだからこそ、余すところなく愛し合う。なんてな。
「なんだ、酒の所為かな?もう濡れてんぜ」
「・・・・!レディに言わせないの」
冗談とたしなめたが、実際二人とも興奮状態だろう。
「っじゃ、いくぜ」
「・・・・ニール」
抱きしめると彼女の中へ一気に進入する。ホントにヤバイな。スメラギは小動物のように一度鳴き、声を漏らすまいと、キスで声をふさいできた。
「・・・ぷぁ!苦しいって」
「だって・・・ひぁあ!」
だまし討ち。フェチって訳じゃないが彼女の声は心地いい。
刻々と濡れ、締め付けが強くなる彼女の膣に、俺の理性もかき消されそうになる。
「ニール・・・」
「ん?どした」
「私、もう・・・」
「いいよ支えてやる」
歯軋りがするほど口を塞ぐと、スメラギは俺の腕の中で爆ぜた。くたりと体重を俺に乗せ、肩で息をした。
けど、彼女がイったせいで、中は更に湿潤になる。動きたい衝動に、負けた。
「ひぁ!!ニー・・・」
「ごめん。止まんねぇ」
イったばかりなのも分かってる。けどこんな姿見せられちゃあ、こちとら男だ。できるだけすぐ終わらすからよ。
絶頂を迎えたばかりの彼女はもう、気丈な軍人でなく、一人の愛されている女として、俺の腕の中にいる。それが嬉しかった。
「出すぜ」
「んっぁ!ぁあん」
一際大きな快感に従い、俺は彼女の中で。もちろんゴムはしてあるが。
―――
「フェルトを宜しくね」
「どうしたんですか?ミス・スメラギ」
「あの子。塞ぎこんでるみたいだけど、貴方に頼ってるみたい」
「大変ですね。リーダーって。そんとこまで見て。まぁ女の子大切にするのは嫌いじゃないですけど」
「ありがとう」
「それじゃあ」
全部白。最後に抱きしめてキスして。この部屋を出れば俺はロックオン・ストラトス。また戦場に。
本当はこのまま二人でいられたら。なんて。
最終更新:2008年01月10日 20:40