控えめなノックの音に、ミハエル・トリニティは顔を上げた。
「……にぃに、いい?」
「ネーナか」
最愛の、『妹』の声。
ソロソロ来るかな、と思っていたところだったので、彼は驚かなかった。
「いいぞ。入れよ」
「ん……」
ひょこ、とドアの隙間から、ネーナが顔をのぞかせる。
「まだ起きてた?」
「ああ。……兄貴呼ぶか?」
「んー、後でね。ヨハンにぃはなんか分析室にいたし……
それに、今はミハにぃがいいの」
ネーナは小走りに駆けてきて、広げられたミハエルの両の腕にすっぽりおさまった。
小柄なのにどこもかしこも弾けるような、健康的な少女のボディ。
「ね、にぃにぃ……」
少し潤んだ瞳が、訴えかけるように見上げてくる。いつもは強気に輝くその瞳は、
違う光をおびていた。戦闘後はよくあることだ。
「仕方ない奴だな」
ミハエルはネーナの頬に手を添えた。
普通の「兄妹」ならまずしないことだが、……彼らには、関係のないことだ。
「ん、ふ……」
長いキスをしながら、ぴったりした服ごしに豊かな弾力を掴む。掌で持ち上げて軽く揺すると、
先端がぷっくりと立ち上がるのがわかった。
「また、大きくなったんじゃないか」
「……にぃに達が変なことばっか、するからじゃない」
かすかに唇をとがらせて、ネーナが抗議する。そばかすをのせた頬はほんのり赤みがさして、
唇はキスの名残でぽってり濡れていた。
「そうか?でも大きくなるのって、揉まれた方も感じてないとダメだって聞いたぜ」
「うそ……」
「本当」
布越しに、尖った乳首を舐める。唾液をたっぷりまぶして軽く歯をたてると、肩を震わせて、
「んん……」と、小さく声をあげた。
「これ、気持ちいいだろ?」
「うん、おっぱい好き」
素直な返事が返ってくる。
……ヨハンと二人してなだめすかして甘やかしていたら、手のつけられない甘えた、かつ淫乱残忍なこまった妹のできあがりとなったわけだが、ミハエルはそれでいいと思っている。彼女が楽しそうにしていれば、それでいいのだ。
「にぃにぃ、んっ」
やや強引に服をまくりあげ、ぶるんと飛びだした真っ白な乳房を潰すように揉んでやる。
簡単に指の赤い跡がつく。鎖骨の下を吸って、さらに赤黒い痕とつけていく。
「あぅ」
ベッドに寝かせても垂れない張りのある乳房をべろりと舐めると、大きな瞳を半ば伏せた。
ぽろっと一粒、涙が落ちる。
「にぃに……もっとぉ」
股間に食い込んだスパッツが、すでにぐっしょり濡れているのは見ただけでも分かったが、ミハエルはあえてそれを脱がせずに、そのまま大きく足を開かせた。白い生地を透かして、髪の色と同じ陰毛とそれに隠された秘所が見える。
「こっちのほうが好きか?」
布越しに指でつっとなぞると、甘い匂いが強くなった。
「うん……すき……にぃに……いじわる」
じらしてばかりでなかなか欲しいものが貰えないもどかしさに、足を閉じようとするのを押しとどめて、濡れたところにふうっと息をふきかける。
「あんっ」
たったそれだけのことで、甘い声が上がった。
「ミハにぃ……っ」
じわり、と染みの色が濃くなる。ミハエルは性急に自分のズボンを蹴って脱ぎ、ネーナの穿いたスパッツの上から、昂ぶった自分を押し当てた。
「やぁん」
薄い布地越しに温かく濡れた部分がわかる。ゆっくりとこすりつけると、挿れられた時のように大きく背中を反らした。布地のつるつるした感触がいい。足をかつぐようにしてネーナの体をくの字に折り曲げさせ、前後に揺すった。濡れた布地が竿を刺激する。
「にぃ、に……やだ、これっ」
「まだ脱いでもないのにべたべたじゃねぇか、ここ」
くちゃ、と、濡れてねばついた音がする。上気した幼い顔に似合わない大きな胸がはずみで揺れ、ピンクの乳首はとがって色を濃くしていた。ぎゅっと目をつぶってなにかを我慢しているような妹の表情に煽られる。
「にぃに、にぃに、ね……いれて……っ、んっ!」
太股をぷるぷる震わせて、首を振ると、シーツに鮮やかに髪が広がった。我慢のきかない様子のおねだりに、こちらも我慢がきかなくなる。
一度体を離し、抱き起こす。キスをしながらスパッツを脱がせようとするが、しっとり濡れてはりつきうまく行かない。
「ん、もぉ……」
焦れた叫びをあげながら、ネーナが自分でスパッツを引き下ろした。甘い匂いが強く香る。身をよじって、ぐっしょり濡れた着衣を脱ぎ捨てると、自分から腰を押しつけてきた。
「にぃにの、ばか」
ぐじゅ、と濡れた音とともに、温かいものに包まれる。きゅきゅきゅっと小気味いい締め付けは待ちきれなかったといわんばかりの性急さだ。
「こら、ちょっと待て」
「知らないっ……んっ、もっとっ」
止めるまもなく強引に、今度はミハエルが押し倒される。
「にぃに、にぃにも動いてよっ」
むっちりした太股で兄の腰を挟み、もどかしげに腰を揺らす妹。重そうに揺れる乳房を片手で掴むと、ひゅ、と声にならない声をあげた。しかしその刺激が気に入ったのか、自分で自分の胸を掴んで愛撫をはじめる。
「にぃに、もっと、もっとぉ……んんんっ」
ミハエルも求めに応じて、下からつきあげを加える。ぐじゅぐじゅと液体のこぼれる音が二人を煽った。
「みはにぃ……だめ、もぅ」
「ネーナ、俺もっ」
勢いのままのけぞるネーナの体を支え、あやういところで自分を引き抜く。はずみでとんだ白い液体が、彼女の頬のあたりまで勢いよく飛んだ。
「う、はぁ、はぁ、」
「……にぃに……すきぃ」
頬に兄の欲望の証を滴らせて、ネーナは潤んだ瞳を伏せた。
「ったく、ハメはずしすぎだろ、お前は」
弾む体をすりすりとミハエルに押しつけながら、ネーナが笑う。
「だって、あれはにぃにが悪いんだよ……早くしてっていったのに」
「やらしいなぁ、お前は」
「ミハにぃだって……ね、もっかいしよ?」
無邪気路線も考え物だ。男としては一発抜いて、しばらくほけっとしていたいところだがこの妹相手ではそんな暇がない。
くすくす笑いをしながら見下ろしてくるネーナに、ふと悪戯心が沸いた。わざと体を離して、聞いてみる。
「数だけなら向こうの方が多かったけど、どうだ?」
「なによぅ……」
「お前、あっちの子になるか?日替わりで4人に相手して貰えっぜ?あ、1人はどっちだか怪し……」
「やぁ……」
冗談のつもりだったのに、ぎゅうっと凄い勢いで抱きつかれて、逆にミハエルがたじろぐ。
「っ、あたしはにぃにぃ達がいいの!」
「ネーナ、冗談だって」
「冗談にしても度が過ぎるぞ」
いつのまに部屋に入ってきたのか、長兄にまで頭をこづかれる。
「ヨハンにぃ!ね、あたし要らない子じゃないよね?」
「当たり前だ」
あられもない格好のまま、さっき自分にしたように飛びついて兄にキスをせがむ妹と、それを余裕で受け止める兄とをぼけっと眺めていると、再び頭をこづかれた。
「痛って」
「……お前もだぞ」
「そーだぞ?」
ゆったり微笑む兄と、さっき泣いてたくせにもう笑っている妹。
「ああ、そうだな」
本当は世界なんてどうだっていいのだ。ここにいるのは、この二人がいるからだ。
自分の考えが照れくさくて、ミハエルは笑った。
最終更新:2008年01月30日 21:45