THE BAR


  • オープニング
舞台となるバーは1950年代にオープン。
事情により店の場所は三回移動で現在の場所に落ち着いた。
恋人たちは舞台となる「バー」に通いつづけた。

「100年後も私のことを好きでいるかな?」
「100年も生きていないよ。」
「じゃ、半分の50年後は?」
「多分好きでいるよ。約束できる。」
「ほんとうかな~?」
「じゃ、二人が離ればなれになっても、50年後の同じ日の同じ時間に、
このバーで待ち合わせしてデートしよ。そしたら信じてあげる。」
「うーん・・・いいよ。じゃ約束。」

それから運命のいたずらで、二人は音信不通となる。
人生の転機を迎えた主人公は、そのバーを買い取り店主となる。
彼女との50年越しの待ち合わせのバー。
約束の日は今夜だ。

なんということだ!突然、睡魔に襲われてしまった
今夜はとても大切な約束の日だというのに
彼女はここにやってきたのだろうか?彼女はどこに?
彼女を探しに行かなくては・・・。後悔はしたくない

  • DIARY
シーナ。君は今どこで何を想っているのか。
あれから数十年が過ぎた。
僕は今、君が愛したバーのマスターをやっている。
あの頃、僕達は二つの約束をしたね。

ひとつは、1972年のオリンピック観戦を二人で楽しむこと。
しかし君と連絡を取ることはできなかった。
父の祖国に戻ると言って日本を出国してから
連絡を取ることが出来なかったからだ。

二つめは、50年後の同じ時間に、昔と変わらず
君に愛を告げること。まもなくその日がやってくる。
僕は二つの約束を守るために生きていると言っても
過言ではない。

エンディング



Gotphoto
①サイドカー(左上)
②ホワイトレディ(右上)
③XYZ(左下)
④マルガリータ(右下)

  • サイドカー(左上)
彼女とは逢うことができなかった。長年想い馳せた再会は叶わなかった。
しかし数日後、彼女の娘と名乗る女性から連絡があった。
娘さんから彼女の半世紀にわたる生き様を僕はただ黙って聞いていた。

ひとつめの約束を彼女は守ることができなかった理由に、滞在先である
父の祖国で政変が激化し自分の身を守るので精一杯になったのだという。
なにより、彼女にとってあの年のオリンピックはミュンヘンしか頭に
なかったようだ。当然、僕は札幌オリンピックしか頭になかった。
それから、彼女はマルタ島である青年と恋に落ち、娘をひとり出産後、
事情により離婚。

今は病弱なその体で、多くの猫達と
ひっそり余生を送っているという。
人生の最期を迎える前に最愛の娘に
僕のことを話し再会を託した
のだという。
彼女との再開を果たすため、
僕はマルタ島に向かうため航空券を予約した。

「ローマ経由でマルタまでお願いします。」
「それと、マルタ発でトリノまで2名、調べてもらえますか?」
Feb 2006

  • ホワイトレディ(右上)
ドアを開けたがそこには誰もいなかった。
やはり、彼女は来てくれなかったようだ。

50年という月日は愛を貫くには長すぎたのだろうか?
僕の気持ちは昔とひとつも変わっていないのに・・・。

僕の50年越しの夢はついに叶わなかった。

今夜は想い出のワインをひとりで空けるか。

  • XYZ(左下)
脱出に成功したが外は闇に包まれている
街灯すら灯っていない 遠くにぼんやり明かりが灯っている

もしかしたら彼女のことがわかるかも知れない・・・・・
そんな思いにかられ私は一縷の希望を持って歩進めた・・・・・

美容室のようだが・・・・・・

  • マルガリータ(右下)
よく見ると金庫の中には、鍵と一緒に指輪が入っていた
彼女と私のイニシャルが彫ってある
50年前渡せなかった指輪だ

彼女を探しに行こう。
まだ、遠くまでは行ってないだろうから


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最終更新:2007年11月24日 15:19