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 最強のトレーナーがいるという。

 どのトレーナーも敵わず、四天王のカゲツ、フヨウ、プリム、ゲンジすら相手にならず、あまつさえ現リーグチャンピオンのダイゴですら歯がたたないという、真の最強のトレーナーが。

 すでに伝説となりはて、かの者を知らぬ者はいないと言われる、そのトレーナーが。

 俺は、彼を探して旅をしている。
 俺の名は、焔群一乃(ほのむらかずの)。今年で17になる。トレーナー歴は一年とちょっとだ。相棒はグラエナのクロガネと、ギャラドスのアオガネ、オオスバメのギン。3匹、というのはトレーナーにしては少ないのだが、俺はこいつらだけでいいと思ってる。

 最強のトレーナーっていっても、その姿や名前は意外と知られていない。奴がまったく姿を見せないということではない。
 理由の一つに、奴があまりテレビなどに顔を出したがらないということがある。やむをえず出るときは、カメラマンに姿を映さないよう頼んでいるそうだ。
 理由の二つ目に、奴の容姿が平凡らしい、ということだ。いくつかの特徴はあるが、それ以外はまったく目立つところのない、普通の人間らしい。

 俺はホウエンを旅しながら、奴について情報を集めていった。そして、おぼろげだった奴の特徴を、ようやく絞り込むことに成功した。
 奴はどうやら、俺よりも年下の子どもだそうだ。そして、白い帽子をかぶり、古いリュックを背負い、青い瞳をしている。

 そして、一番目立つ特徴。
 それは、緑色の巨大なドラゴンポケモンに乗る、ということ。

 なぜ、俺がたったこれっぽっちの情報をつかむのに時間がかかったのかって?
 そりゃあ、奴のことは各地のジムリーダーやポケモンリーグの連中に訊くのが手っ取り早いが、残念ながら俺のジム制覇はトウカまで。それにこういう連中は、なぜか奴のことになると、そろって口をつぐんで何も話してくれなかったのだ。

 そんなこんなで、とりあえず俺はいま、キンセツに宿をとっている。昼は近くのトレーナーたちをつかまえて話を聞いてきたが、どれも有益ではなかった。しかし彼らの口ぶりから、奴はキンセツを根城にしているらしい。不定期に、しかし頻繁にここを訪れては、ポケモンセンターに寄り、トレーナーたちにバトルをふっかけては金を稼ぎ、すぐにまたどこかへ飛び去っていくそうだ。
 ずいぶんと気ままな生活だ。奴の行動には、目的というものが見えない。しばらくふっつりとうわさや目撃情報が途絶えることもある。
 道のりは、遠い。


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最終更新:2011年06月23日 20:28