追加デート
〇〇「よく見るテレビ番組ってありますか?」
紺野「いつもだいたい同じかな。月曜日はグルメ番組、火曜日はクイズ番組……」
〇〇「夕食時の番組ですね」
紺野「そう。家族がつけた番組をそのまま見てることが多いから」
紺野「テレビはたいて、一日中つきっぱなしだな」
〇〇「紺野先輩、実はテレビっ子だったりして」
紺野「うーん、どうだろう。テレビがなくちゃ駄目ってわけじゃないけど……」
紺野「どうしても見たい番組があるときは、録画しちゃうんだ。邪魔されずに見られるから」
〇〇(もしかして、チャンネル権ないのかな……)
〇〇「好き嫌いってありますか?」
紺野「好き嫌い? そうだな……どれってわけじゃないけど」
〇〇「?」
紺野「果物が料理に混ざっていると、どうも嫌だな」
〇〇「それは、例えば……」
紺野「酢豚に入っているパイナップルとか、メロンを生ハムで巻いてあったりとか……」
〇〇「ああ、なるほど……」
紺野「別々に食べればいいと思うよ。どうしてあんなことを……意味がわからない」
〇〇(悩んじゃった……)
〇〇「紺野先輩は、好きなスポーツってありますか?」
紺野「好きなのはとくにないけど、嫌いなスポーツはあるよ。ドッジボール」
〇〇「ドッジボール! なつかしいですね」
紺野「小学生の頃はみんなやってたろ。僕はわりと上手だったんだ」
〇〇「それなのに、どうして嫌いなんですか?」
紺野「ドッジボールが強い条件、知ってる?」
〇〇「えーと、強いボールを投げられて、受け取れることでしょうか?」
紺野「それもあるけど、一度もボールに触れずにいても勝てるんだ」
〇〇「なるほど……」
紺野「僕はなぜか逃げ上手でさ。小学生の頃は体が小さかったから、当たりにくかったのかな。」
「でも、逃げれば逃げるほど最後は僕一人になって、最終的に集中攻撃だ」
紺野「いつも最初に当たってしまおうと思うんだけど、できなくて。あれは恐怖の時間だったな……」
〇〇(……ちょっと気持ち、わかるかも)
〇〇「紺野先輩はどんな音楽を聴くんですか?」
紺野「いつも聴いてるのはクラシック音楽かな」
〇〇「すごい、本格的ですね」
紺野「詳しいわけじゃないんだ。僕の場合、音楽は何かに集中したいときのBGMだから」
紺野「家にいると、いろんな生活音が耳にはいるだろ? 人の足音とか、話し声とか、外を通る車の音とか」
紺野「途中で余計な音が入るより、耳元で音楽が流れてる方が集中できるんだよ」
〇〇「じゃあ、いろんなクラシック音楽のCDを持ってるとか」
紺野「ううん。いつも同じのを聴いてる」
〇〇「飽きたりしないんですか?」
紺野「飽きるくらいがちょうどいいんだ。そういえば中学受験のときからずっと同じCDだな……」
〇〇「ええっ?」
紺野「もうほとんど、環境音だよ」
〇〇(……音楽鑑賞とは言わないかも)
〇〇「紺野先輩は何か趣味ってありますか?」
紺野「ありきたりだけど、読書かな」
〇〇「へぇ。最近だと、どんな本を読んだんですか?」
紺野「昨日読み終えたのは、今ベストセラーの恋愛小説」
〇〇「恋愛小説!」
紺野「へ、変かな。家にあったから……。そうだ、ちょっと前にシリーズもののミステリーに手をつけ始めたんだ」
〇〇「どうでした?」
紺野「うーん……いまいち、かな。トリックは面白いんだけど、主人公に共感できなくて。もう10巻以上出てるんだ。3巻まで読んだけど、読破はいつになるやら……」
〇〇「いまいちなのに全部読むんですか?」
紺野「出てるだけ全部買っちゃったんだ。シリーズものだから。途中でやめるのって悔しいだろ? 途中から面白くなるかもしれないし」
〇〇(……紺野先輩らしい。)
〇〇「紺野先輩はどんな中学生だったんですか?」
紺野「……そうだな、今とそんなに変わらないよ。多分。」
〇〇「じゃあ、中学でも生徒会長?」
紺野「うん。」
〇〇「やっぱり。」
紺野「推薦だったんだ。」
〇〇「すごい。」
紺野「すごくないよ。立候補者が一人もいなかったし。今だってそうだ。自分から立候補したわけじゃない。ただみんなやりたがらないだけなんだ。だから……」
〇〇「……紺野先輩?」
紺野「あっ、ごめん。褒めてくれたのに、変なこと言っちゃって……」
〇〇「いえ……。」
紺野「……うん、そうだな。もうすっかり生徒会長が板に付いたよ。中学の頃からずいぶん変わったんじゃないかな」
〇〇(さっきはそんなに変わらないって言ってたのに……)
〇〇「紺野先輩には将来の夢ってあります?」
紺野「……内閣総理大臣。」
〇〇「へぇ!」
紺野「……あっ! ち、違うんだ! これはその、小学生のときにそんなテーマで作文を書いたことがあって……はぁ、変なこと口走っちゃったな。」
〇〇「今は違うんですか?」
紺野「さすがにそれはないよ。子供がパイロットとかサッカー選手とかいうのと同じだ。あの頃の僕は何を考えてたんだろう。ある意味怖いもの知らずだったんだなぁ」
〇〇「でも、紺野先輩ならなれるかも。」
紺野「はは、そういってくれるのはうれしいけどね。生徒会長だけであれなのに、国の代表になんか誰が……いや、僕なんてとても……。」
〇〇(……いろいろ大変みたい)
〇〇「紺野先輩はどんなタイプの女性が好きですか?」
紺野「こうじゃなきゃっていうのはないかな。どの人にもいい部分があると思うし」
〇〇「例えば……?」
紺野「うーん、そうだな、例えば……、…………」
紺野「……具体的な例を出すのは難しいな。言葉では表現しにくいというか……いいなって思うことがないわけじゃないんだけど。でも、嫌いなタイプも思いつかないしなぁ」
〇〇(……考えたことないのかも?)
〇〇「紺野先輩はどんな恋愛がしたいですか?」
紺野「自由な恋愛、かな」
〇〇「自由……」
紺野「うん、お互いをできるだけ束縛しないってこと」
〇〇「うーん、難しそう……」
紺野「そうだな。相手を知ろうと思うほど深く干渉してしまうし。知れば知るほど相手の考えにとらわれてしまう」
〇〇「はい……」
紺野「振り回されちゃ駄目なんだ。自分をしっかり持って、相手の事も考えて……。」
紺野「……なんて、そんなの理想論だよ。それができるなら僕だってとっくに……」
〇〇(……紺野先輩?)
告白未遂イベント
※「恋愛について」を聞いた次の回のデート後に起きる会話イベント
紺野「気持ちを言葉にするって難しいなぁ……」
〇〇「え?」
紺野「この前、どんな恋愛がしたいかって聞いただろ? あれは自分の言葉じゃなかったように思う」
〇〇「自分の言葉……」
紺野「自由な恋愛とか、相手を束縛したくないとか、それらしいことを言ったけど……あれは建て前みたいなものだ。僕の本当の気持ちじゃない」
〇〇「それじゃ、紺野先輩の本当の気持ちって?」
紺野「うん、それを表現するのが難しいと思ってさ。こうして一緒にいられるだけで満足なんだ。これをどう言葉にすればいいのか、わからないよ」
〇〇「紺野先輩、その人のこと本当に好きなんですね」
紺野「えっ?」
〇〇「あ、違ったらすみません。好きな人がいるみたいに言うから……」
紺野「……いや、間違ってないよ。………………。言葉にするだけじゃなくて伝えるのも難しいものだな。はぁ……」
〇〇(紺野先輩……?)
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最終更新:2025年03月24日 16:54