琥一「……俺はギャラリーだ。わかってんな?」 琉夏「ここ来た意味ないじゃん。絶対歌わせるぞ、〇〇ちゃん。」
琉夏「よし、次はコウと俺でツインヴォーカルだ。」 〇〇「わぁ、やってやって!」 琥一「待て、おい! 知らねぇぞ、そんなの。」 琉夏「送信。もう入れちゃった。」 琉夏「歌えよ、コウ!」 琥一「だからそもそも知らねぇんだよ!」 琉夏「じゃ、魂で歌えよ。」 琥一「意味がわかんねぇな。」 〇〇「もう、仲よく!」
〇〇「じゃあ、誰から歌おうか?」 琉夏「えぇと……送信、と。はい、コウ入れたよ。」 琥一「ハァ? なんでだよ。」 琉夏「だってほら、コウが最初だとみんな自信つくから。」 琥一「オモテ出るか?」 〇〇「もう、ケンカしない! じゃあ、わたし歌うね? なに入れたの?」 琉夏「魔女ッ子のやつ。」 〇〇「えぇ!?」 琥一「ほら、歌え!」
〇〇「う~ん……琥一くんにも歌えるの、なんだろ?」 琥一「俺はいいから。ほっとけよ。」 琉夏「コウはさ、カッコつけだからダメなんだ。」 〇〇「じゃあ、3人で歌うの探そうか?」 琉夏「いいね。あ、あれは? 結婚式で歌うやつ。」 〇〇「あ、わかった!」 琥一「俺はわかんねぇ。」 琉夏「じゃ、もういいよ! 口パクで歌え。」 琥一「なんだそりゃ?」
琉夏「カーチェイスしようぜ? デカイのがあるんだ。」 琥一「手加減なしだな? オマエはレースクイーンでもいいぞ、〇〇。」
〇〇「ね、クイズゲームしよ?」 琉夏「いいね。3人寄ればモンジュの知恵だ。」 琥一「そういうことだ。行くぞ。」 琉夏「コウ、モンジュって?」 琥一「そりゃオマエ、そういうフランス人だろーが。」 琉夏「ムッシュ・モンジュか。」 〇〇(なんかダメっぽいな……)
琥一「ダァッ!!」 〇〇「やったー! また琥一くんに勝っちゃった!」 琉夏「ダメだ。話になんない。コウ、対戦格闘弱すぎ。」 琥一「ウルセー。コマンドがどーのこーの、メンドクセーんだよ。」 〇〇「あ、負け惜しみだ!」 琉夏「負け惜しみだ!」 琥一「なんだとコラ? 生で格闘するかコラ?」 〇〇「サイテー!」 琉夏「サイテー!」 琥一「ウルセー!」
琉夏「今日はメダルゲームだ。ほら、あのデカイやつ。」 琥一「おぉ……おぉ!? デケェな、おい……」 〇〇「うん、面白そう!」 琉夏「あんだけデカイとさ、当たりもデカそうだろ?」 琥一「おぉ、景品交換所どこだ?」 〇〇「そんなのないよ。」 琉夏「ジャラジャラ出るのがいいんだ。アドレナリン、ドバーッだ。」 琥一「ドバーッか?」 〇〇「なんかいけないものみたいな言い方だね……」
琉夏「とりあえずステージ前、行く?」 琥一「ウルセェのだったらスピーカーから離れんべ。」
〇〇「今日のバンドはどうだった?」 琉夏「バンドっていうかさ、メンバーほとんど踊ってるだけじゃん。」 琥一「おう。東京じゃどうか知らねーけどよ、ここじゃあんなもんダメだ。」 〇〇「でも、高校生に人気らしいよ?」 琥一「ガキの流行りにゃ興味ねぇよ。」 琉夏「俺らももう歳かねぇ……」 〇〇「もう、高校生でしょ?」
〇〇「今日のライブどうだった?」 琉夏「サイコー! まだ耳がジンジンする。」 〇〇「ふふ、すごかったもんね?」 琥一「ギャースカ叫んでるだけだろーが、あんなもんはよ。」 琉夏「ダセェ。コウ、超ダセェ。」 琥一「ダセェのはテメェだ。」 〇〇(音楽の趣味合わないんだ……)
琥一「今日のはよ、悪かねぇぞ? な?」 〇〇「琥一くん、あのバンド好きだよね?」 琉夏「悪くはないけどさ、ほら、アタマがさ。」 〇〇「リーゼント?」 琥一「待てコラ。リーゼント上等だろうが。」 琉夏「上等でもダセェもん。」 琥一「バカ。あれはな、ポリシーなんだよ。」 〇〇「まあまあ!」
琉夏「なあ、なに賭ける? 今日の勝負。」 琥一「俺らが賭けても何のメリットもねぇ。……どうだ? 〇〇。」
〇〇「あ~あ……」 琥一「どした?」 〇〇「だって、わたしだけぜんぜん勝負にならないんだもん……」 琉夏「よし。じゃあ、ハンデ。」 〇〇「いいの?」 琥一「仕方ねぇ。左手で投げてやる。ルカ、オマエは?」 琉夏「そんじゃ、後ろ向きで投げる。」 〇〇「それはそれでなんだか屈辱的……」
琉夏「なんか嫌な流れになってきた……」 〇〇「琥一くんすごい! パーフェクト狙えるよ!」 琥一「騒ぐな。まぁ、見てろ。」 〇〇「がんばって!」 琉夏「〇〇ちゃん、語尾にハートマーク。」 〇〇「よし、琥一くんがんばってぇ♡」 琥一「おう! ……あ゛ぁっ!!」 琉夏「ハハハ! 未熟者め!」 〇〇「…………」
琥一「どうも調子が上がんねぇ。」 〇〇「琉夏くん、パーフェクト狙って!」 琉夏「狙う。愛の名の元に。」 琥一「なんだそりゃ……」 〇〇「がんばって!」 琥一「おいおい、ここで脱ぐなって!」 琉夏「え? あ、ヤベ、あぁッ!!」 琥一「バーカ、エロルカ!」 〇〇「…………」
琉夏「前評判はいいよね、この映画。」 琥一「大抵はナンバーワンヒットっつーからな?」
〇〇「今日の映画、どうだった?」
琉夏「スゲェ……なんか涙出てきた。」 琥一「おう、悪かねぇぞ? な?」
琉夏「いいんじゃない? アリでしょ。」 琥一「まあ、これはこれでな? アリだろ。」
琉夏「まあまあ。つまりさ、こう……まあまあ?」 琥一「あ? いいんじゃねぇか?」
琉夏「よく寝た。」 琥一「オチが見えねぇんだよ、オチが」
琥一「……で? どこ見んだよ。」 琉夏「ショッピングは女の子が主役だ。どうする? 〇〇ちゃん。」
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