基地司令は、司令室から硝煙ただよう基地を見渡していた。
オークリー基地の被害は甚大だった。
15輌あった
61式戦車は2輌を残して全滅し、基地内の至るところに配されていた各種砲台も壊滅状態となった。
だが、オークリー基地内部で最大の施設、戦艦用ドックは被害を免れていた。
襲来した3機のザクのうち2機はBlackCatに撃破され、基地の外に待機していた残る1機はそのまま退却していったからだ。
ジオン側にBlackCatの存在がはっきりと確認されてしまった可能性は極めて高い。しかし基地司令はさほど危機感を感じていなかった。
というのも、戦略的に見れば戦艦ドックのなかのもののほうが、BlackCatよりも重要だったからである。
基地司令は制帽を手にとると、戦艦用ドックに向かって司令室を後にした。
† † † † †
L-12格納庫で待機していたオレ達は、基地司令から戦艦用ドックに呼び出された。
戦艦用ドックに入るセキュリティチェックはゲートのそれとは比べ物にならないほど厳密だった。
ようやくドックに入った時には、制服にこびりついた硝煙の匂いにも慣れきってしまっていた。
オレ達は戦闘の直後であり、疲れていた。しかしドックにあったものはそんな疲れを吹き飛ばしてくれた。
オレ達の目の前には、巨大な漆黒の飛行戦艦が鎮座していた。
「新造戦艦、ブラックハウスだ。」
背後から基地司令の声が聞こえた。
「正確にはペガサス級強襲揚陸艦ということになるが、艦籍番号は与えられない。」
「どういうことですか?」
黒猫がきいた。
「この船は公式の連邦戦艦として登録されない。船だけでなく搭載されるMS、
コアファイター、
その他の兵器もまた登録されないのだ。ブラックハウスは今後、独立した秘密戦闘部隊として戦っていくことになる。諸君ら3名はそのためのパイロットである。」
「質問してもよろしいですか。」
「なんなりと、ナガモン中尉。」
「パイロットは我々3名だけですか?」
「現段階ではそうだ。なにぶんMSの絶対数が圧倒的に足りないからな。ブラックハウスに搭載されるのは現状ではBlackCatただ一機。本来はボール2機の支援が必要なのだが地上ではそれもできない。代わりにと言っては難だが、生き残った61式をブラックハウスに搭載したいと思う。」
「基地の戦力がゼロになりますが?」
「ブラックハウスとBlackCatさえ出発してしまえば、この基地には戦略的価値はほとんどない。61式が2輌いたところで、ザク1機相手に3分と持つまい。」
「わかりました。」
「出発日時と最初の目的地は追って知らせる。まずは乗艦したまえ。以上だ。」
基地司令が姿を消すと、黒猫が待ってましたとばかりにブラックハウスに向かって走り出した。乃人もあとに続く。
オレは一度だけブラックハウスを見上げてから、二人の後に続いた。
† † † † †
わたしは胸が高鳴るのを感じていた。新造戦艦。なんていい響きなんだろう。
これにBlackCatが載せられて、そのパイロットがわたしたち。素敵だ。独立戦闘部隊。
詳しくはわからないが、かなり自由な作戦がとれるのではないかだろう?艦長は誰なのだろう。これだけ重要な船を任せられるのだ。
百戦錬磨の強者に違いない。そして
シン・ナガモンや乃人はどんなパイロットなのだろう。
わからないことばかりだけど、わたしは不安はいっさい感じていなかった。わたし達の活躍で、この戦争を早く終わらせたいと思っていた。
そしてそれができると信じていた。
ザクの襲撃から2日後、ブラックハウスに艦長が着任した。わたし達パイロットは艦橋に呼び出され、艦長と対面した。
アズサ・ナカノ中佐。私より5cmほど背が高いが、女性としても小柄なほうだ。つやつやした黒髪のツインテール。
驚いたのはそのあどけなさだ。わたしは身長のせいで幼く見られることがあるけれど、そんなわたしからしてもこの艦長は年下に見える。
「ネコミミとか、似合いそうだな。」
シン・ナガモンが突然ぽつりと呟いた。まったく同感だ。
「にゃ~って言ってみて。にゃ~って。」
わたしも便乗する。
「二人とも、相手は上官なんですよ?」
乃人がたしなめるが、目が笑っていて説得力がまるでない。
「ナカノ中佐はこれが初めての艦長任務だ。古参兵の君たちはしっかりと彼女をささえてほしい。」
基地司令の口調も少し緩んでいた。艦長には周囲を和ませる程度の能力があるのかもしれない。
基地司令はそのまま艦橋をあとにし、わたし達は残った。艦長とパイロットの交流は大切だ。戦艦のクルーは一蓮托生。
互いに相手に命を預けて戦うことになる。今から信頼を築いておいたほうがいい。
そんな言い訳を考えつつ、わたし達は艦長をからかった。
艦長も部下の古参兵の扱いは心得ているようで、恥じらいながらもわたし達の言うがままに遊ばれていた。
「に、にゃあ~///」
「かわいい!あだ名はあずにゃんで決まりだね!」
翌日、ザクとの戦闘に生き残った61式2輌がブラックハウスに搭載された。その作業が済むと同時に命令がきた。曰く、
「第14独立戦闘団(以下
ブラックハウス隊と呼称する)は、明朝0630、オークリー基地を発進、アリゾナ戦域を通過し連邦軍最高司令部ジャブローへ回航せよ。途中敵と遭遇した場合には任意に交戦を許可する。
なお、途中テキサス戦域においてミデア輸送中隊から補給を受けること。
ブラックハウス隊は連邦軍の最高機密に属する。交戦した際には敗北は決して許されない。
いかなる障害に遭遇しようとも、隊の総力をあげてこれを排除し、必ずジャブローに到達すること。諸君の健闘を祈る。」
あずにゃん艦長が船の乗組員を集めてこの命令文を読み上げている時、わたしは周囲を見回してばかりいた。
艦長は乗組員全員(わたし達パイロットやBlackCatの整備兵を含めて)を召集したはずなのに、実際にここにいる人数はその半分にも満たないようだった。わたしはこの疑問を艦長にぶつけようと思っていた。しかしその必要はなさそうだった。
「ブラックハウス隊はこの文書にもある通り、必ずジャブローに到達します。しかしそれまで、みなさんの全員を生きて連れていけるかどうか、私には約束できません。戦局は我が方に傾きつつありますが、ジオンは未だに強大な戦力を持っています。そして彼らの戦闘意欲がただならぬものであることは、みなさんが先日目にした通りです。
さて、すでに不思議に思っている人もいると思いますが、ここにいる人数は本来の半分にも足りません。残りの半分は…」
艦長はここでいったん話をきった。わたしはもうその続きがわかってしまった。
「先日のザク襲来により戦死、又は負傷し、船に乗って戦うことはできなくなりました。」
かすかにどよめきが起こった。無理もない。たった3機のザク相手に、仲間がこれだけやられたのだ。
だが、これから立ち向かわなければならない敵はそんな小さなものではあるまい。
士官になりたての彼らにとってはあまりにショッキングな船出になってしまった。
「人員の補充の見込みは全くありません。慎重に検討した結果、現在の人数でも船はギリギリ動かせると思われます。従って司令部はこのままのメンバーでブラックハウスを発進させることを決めました。
みなさんにかかる負担は大きくなるでしょう。しかしジャブローに着けば補充があるはずです。それまでは全員の獅子奮迅の働きを望みます。どうか頑張ってください。以上です。」
艦長がみんなを解散させたあと、わたし達は艦内の格納庫に向かった。BlackCatの状態を確認するためだ。
格納庫には整備士長のMKⅡと、彼の優秀な助手であるLv.57が待っていた。
この二人はなぜか本名ではなく、奇妙なコードネームで呼ばれている。
しかし整備の腕は折り紙つきであり、連邦軍の整備兵からあつい尊敬を受けている。
MKⅡなどは、61式のエンジン音を聞いただけでどこが悪いのかわかってしまうらしい。
一方Lv.57はコンピュータのほうが専門で、ミノフスキー粒子の影響にも負けずあらゆるハイテク機器を操っていた。
「二人とも、艦長は全員を呼んだはずだぞ。ここで何をしている。」
シン・ナガモンが艦長の呼集に応じなかったことを咎めたが、別段怒っているわけではなかっただろう。
MKⅡはLv.57と顔を見合わせると、肩をすくめて言った。
「機械も私達を呼んでたのさ。」
事実、MKⅡの端正な顔と彼女が着ている体操服には真新しいオイルが付着していた。どうやら二人して整備に没頭していたらしい。
「まぁいいだろう。で、BlackCatの仕上がりは?基地を出ればいつ敵と遭遇するかわからないぞ。」
シン・ナガモンの問いに、今度はLv.57が答えた。
「現状でBlackCatの性能は100%出せます。」
「右手がついてない。たしかどでかい爪をつけるはずじゃなかったか?」
「あんなの飾りです!エロい人にはそれがわからんのですよ!」
「…使い方はマニュアルを読んだからわかるが、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲な。オレに使いこなせるか?」
「中尉の腕前は僕にとって未知数です。保証できるわけありません。」
「はっきりものを言う。気に食わんな。」
「どうも…。気休めかも知れませんが、中尉ならきっと使えますよ!」
「ありがとう。信じよう。」
翌日午前6時30分、ブラックハウスは予定通りオークリー基地を出発した。
クルーの数は絶望的に不足していて、きちんと操艦できるのかかなり不安だったが、発進は意外にもスムーズだった。
ブラックハウスは真南に向かって飛ぶ。
わたしは艦橋に来ていた。右舷から差し込む朝日が眩しい。艦橋CICのフロアはかなり広々としている。
今舵をとっているのは副長の京大尉だ。彼女の家系は名門の軍人貴族で、彼女自身いたって真面目な性格で軍規を重んじるタイプだ。
控え目なあずにゃん艦長とは対照的な存在と言えるかもしれない。
とは言っても、艦長だってかなり真面目で、お茶を飲んでゆっくりする時間よりも訓練が好きらしい。
その艦長は今、レーダー担当のオペレーターであるカントー・ドゲザ少尉のところにいて、何事か話し合っていた。
何かの確認をしているらしい。カントーが一度大きくうなずくと、艦長はCICの中心にある自分の席に戻った。
カントーはそれを見届けると、自分のコンソールに向き直った。と、すぐさまインカムに向かって叫んだ。
「2時の方向にザク4機が接近中!距離7800!」
即座に艦長が命令をくだす。
「コンディションレッド発令、対MS戦闘用意!総員、第一戦闘配備!!」
艦内にブザーが響き渡り、人と物が一斉に動き出した。わたしも大急ぎで格納庫へ向かわなくてはならない。
† † † † †
あずにゃん艦長の元には各部所から配置完了の報告が次々に入ってきていた。各砲台、機関室、カタパルト、そしてMS格納庫。
それらすべてからの報告が出揃った時、あずにゃん艦長はマイクを取り上げると全艦放送のスイッチを入れた。
「艦長より達します。ただ今の訓練の所要時間、4分33秒。初めてとはいえ遅すぎます。3分を切るまで訓練を続けます。総員第一戦闘配備解除、コンディショングリーンに速やかに移行してください。」
船のあちこちから、ため息とも安堵ともとれる、はぁ、という音が聞こえてきた。そう、カントーの報告は艦長の指示によるでまかせだったのだ。
「副長、次からは転進する必要はありません。針路180を維持してください。」
「了解しました、艦長。」
「艦長。」
MS管制担当のアーク少尉が手を上げていた。
「なんですか?」
「シン・ナガモン中尉がBlackCatの発進許可を求めています。」
「なんのために?」
「慣らし運転をしたいそうです。自分はまだBlackCatに乗っていないから、と。」
あずにゃん艦長は少し考える仕草をすると、言った。
「発進を許可します。ただし緊急の際は直ちに帰還するように。ブラックハウスから5km以上離れないように言ってください。」
「了解しました。」
† † † † †
ようやくこいつを操縦するチャンスが巡ってきた。オークリー基地での戦闘を、オレは見上げているだけだった。
3人のパイロットのうち、誰が正式にBlackCatのパイロットになるかまだわからない。
3人ともが乗ってみて、実戦を経験して初めて正式決定が下るだろう。黒猫の腕は確かだ。奴こそニュータイプに違いない。
だがオレだって負けてはいられない。
アーク少尉が発進シークエンスを進める。
「カタパルト接続、システムオールグリーン。発進、どうぞ!!」
「シン・ナガモン、BlackCat、イきます!!」
体がシートに強く押し付けられる。カタパルトからの射出でかかるGはかなり強烈なのだ。
飛び出した機体をうまく着地させ、オレはレーダーを注視した。識別できる範囲においては敵影はない。ゆっくりと練習できそうだ。
疾走、膝立ち、ジャンプ、横ステップ、またジャンプ、後退…。
様々に機体を操ってみると、BlackCatの驚異的な運動性能がはっきりとわかった。この機体はすごい。
BlackCat量産の暁には、ジオンなどあっと言う間に壊滅するだろう。
はやく実戦でこいつを駆ってみたい。そんな邪な気持ちが首をもたげていた。よくない傾向だ。焦りは禁物、じっと機会を待つべきだろう。
遠からずその時はくる。そしてその機会は、予想より遥かに早く巡ってきたのだ。
† † † † †
ブラックハウスの艦橋CICでは、カントー・ドゲザが交代を待っていた。彼女の受け持つレーダーに機影はない。
もっともミノフスキー粒子の干渉でレーダーがはっきりと映るのは本来の70%が限界だった。
とくに左舷側の乱像がひどく、その方向の監視は目視のほうが信頼出来そうだった。
あずにゃん艦長はようやく3分半を切った戦闘配備訓練を未だに続けている。熱心なものだ、とカントーは艦長席を見ながら思う。
あのあどけない艦長が、連邦軍の最高機密を任されている。考えてみればこれは異常なことだ。
あずにゃん小佐にとってはこれが初めての艦長勤務だという。重要な船であるならば、なぜ彼女が艦長なのだろう。
まぁいいや、私には関係ない。カントーはそう思って、コンソールに視線を戻した。そしてそこには、敵を表す機影がはっきりと映っていた。
「レーダーに機影!9時方向、ザク6機、距離8000から接近中!」
即座にあずにゃん艦長がマイクを掴んだ。
「コンディションレッド発令!総員第一戦闘配備!!これは訓練ではありません!!繰り返します!これは訓練ではありません!!対MS戦闘用意。アーク少尉、BlackCatをすぐに呼び戻してください。」
艦内の配置はすぐに完了した。訓練の途中で、すでにほとんどのクルーが戦闘配置についていたのだ。
ブラックハウス全体に異様な空気が漂っていた。
船として初めての実戦を前に、興奮と不安のいりまじった奇妙な雰囲気がブラックハウスを包んでいた。
あるものは笑みを浮かべ、あるものは神に祈り、あるものは表情を変えなかった。
結局クルー達にできるのは自分のなすべきことをすることだけだった。
そしてそれはシン・ナガモンにとっても同じことだった。
† † † † †
アーク少尉から敵を発見したと伝えられ、オレは我が身の幸運を喜んだ。実戦だ。現れたザクは6機、敵にとって不足はない。
ブラックハウスから見える位置まで戻り、戦艦からの援護射撃を受けつつ戦うことになった。あわよくば敵を全滅させられるかもしれない。
いや、絶対に全滅させる。そう決めた。
東から近づいてきたザクは2つのグループに別れて行動した。ツノ付きの指揮官用ザクが率いる4機はまっすぐ突っ込んでくる。
残る2機は大きく北へ迂回し、オレ達の背後へ回るつもりらしい。あまりにセオリー通りの攻撃法だ。
艦長はオレに単独で4機と戦うよう命令した。2機のほうはブラックハウスの艦砲で叩く。艦長の期待に答えなければ。
† † † † †
4機のザクはBlackCatに向かって全力疾走してきた。両翼の2機は左右に分かれ、足をとめて強力なザク・バズーカを撃ちかけてきた。
十字砲火がBlackCatを襲ったがシン・ナガモンはこれをジャンプでかわした。
BlackCatはその勢いのまま一気に距離をつめ指揮官用の懐に飛び込んだ。
指揮官用は白兵戦用のヒート・ホークを振りかざすと、BlackCatに斬りかかった。だがBlackCatの運動性は桁違いだった。
指揮官用はヒート・ホーク振り下ろしたが、BlackCatは難なく身をかわしビームサーベルを抜くと瞬時にザクの胴体を突き刺した。
ザクの装甲が貫かれる強烈な音がして、まるで時間が一瞬止まったかのように双方が動きを止めた。
と、BlackCatが後ろ向きに飛び跳ね指揮官用との距離を離した。その瞬間、胴体を貫かれたザクは大爆発を起こした。
残る3機のザクはその間にBlackCatを中心としてほぼ正三角の配置をとった。
2機は先と同様にザク・バズーカを発射し、もう1機はマシンガンの引き金を引いた。
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3方向から砲火を浴びる格好となったシン・ナガモンは、しかし冷静そのものだった。
彼女は二発のバズーカ弾だけをかわし、マシンガンの弾はまったく避けようとしなかった。
彼女はマシンガンを持つザクに向かってBlackCatを駆った。
その間、機体はマシンガンの銃撃を受け続けていたが、彼女はBlackCatの装甲がそれに十分耐えうることを熟知していた。
連射を浴びせてもまったくひるまないBlackCatを見て、このザクのパイロットは恐怖を憶えたに違いない。
BlackCatの姿がコックピットのモニターいっぱいにまでなった時、ザクのパイロットは自分の死を悟っていた。
BlackCatはまずマシンガンをまっぷたつに叩ききると、ビームサーベルをザクのモノアイに突き刺した。
その時、バズーカを持ったザクの1機が仲間を助けようとBlackCatの背後からヒート・ホークで斬りかかった。
シン・ナガモンは反射的にサーベルを突き刺したザクを盾にし、身を守った。
味方に切り裂かれたザクは爆発はせず、大音響をたててその場に崩れ落ちた。
斬りかかったほうのザクは味方を殺したショックで一瞬呆然となった。シン・ナガモンはその隙を見逃さなかった。
新たなビームサーベルを引き抜き、一瞬でザクの腕を切り落とすと、その腕が握っていたバズーカをゼロ距離で発射し、とどめを刺した。
残る1機はすでに離脱をはかっていたが、シン・ナガモンはこれを見逃そうとはしなかった。
「逃がすかよ!!」
彼女はBLackCatの腰部後面からビームライフルを抜くと、走るザクの頭部を一撃で撃ち抜いてしまった。
ブラックハウスの艦橋では、シン・ナガモンの戦いをクルー達が固唾を呑んで見守っていた。
ブラックハウスはすでに2機のザクを砲撃でしとめ、シン・ナガモンの援護に回ろうとしていたのだった。
だが、その前に戦闘は片付いてしまった。たった1機のMSが、連邦をあれほど苦しめたザクを、しかも4機も、たった数分で撃破してしまった。
「歴史が変わろうとしています。この戦争と、MSの歴史に、大きな変化が起ころうとしています。」
あずにゃん艦長が思い詰めたような顔で言った。戦闘は終わったのに、ひどく緊張しているようだった。
彼女は戦闘配備を解除し、BlackCatに着艦を命じると、艦橋をあとにした。
最終更新:2011年02月01日 23:12