【おともだち】
れいむにはとても仲の良い友達がいる。そのお友達はとても恥ずかしがり屋で無口なのだけれど、いつもゆっくりした表情をしていて、そんなお友達を見ているれいむもゆっくりできた。
「晩御飯ができたよー! たくさんあるからあわてないで食べてね!」
ご飯を持って現れたのは、飼い主のお兄さん。いつもおいしいご飯をくれて、遊んでくれる良いお兄さんだ。
「ゆっくりありがとう! ほら、まりさもたべてね!」
れいむはそう言って、お友達をせかす。しかしお友達は口を開くことはない。
「まりさはお腹がいっぱいなんだよ、れいむ」
飼い主はれいむの頭を撫でながら言った。
「ゆう、じゃあおさきにいただきますするよ! いただきます!」
「はい、召し上がれ」
―――――
ゴムボールにへのへのもへじを描いてまりさの帽子を乗っけただけの玩具が「おともだち」か。あまりにも滑稽で馬鹿馬鹿しく、いつも笑いをこらえるのがつらい。
帽子の元々の持ち主であるまりさは潰して殺した。むろん、殺す前に帽子は奪ったから死臭はついていない。
今日も今日とて、れいむは動かず喋らないお友達を相手にゆっくりしている。
―――――
れいむは、まりさのことが……すき、だよ。ちゅっちゅしたりすーりすーりしたいよ。でも、まりさははずかしがりやさんだから……。
ごめんね、きにしないでね。でも、ずっとふたりでゆっくりしようね……。
―――――
うわっ、きたねえ。ゴムボールにカビが生えてやがる。埃もついてて真っ黒い塊だ。そろそろ潮時か。
―――――
ゆゆっ、まりさのおかおにごみさんがついてる、ぺーろぺーろしてきれいにするよ。
ぺーろぺーろぺーろぺーろぺーろぺーろぺーろぺーろぺーろ…………。
―――――
馬鹿が。お前の唾液で汚れてるんだろうが。はい、じゃあお別れしような。
錐を「まりさ」の肌に突き立てる。
ぱんっ、という音が響いてそれは破裂した。
―――――
ゆわああああああああああああああああああああああ!!
まりさがしんじゃったああああ!
れいむのおともだちがしんじゃったよおおおおお!
ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!
完
最終更新:2010年10月21日 20:44