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【価値とゆん生】

【価値とゆん生】

《赤ゆっくり大特価!! 一匹十円!!》

 捨て売りされていた大量の赤ゆっくりのなかから、テキトーに赤れいむを捕まえて買った。

―――――

「れいみゅはれいみゅだよ!」

「そうか、俺は鬼意惨だ」

「れいみゅはおにゃきゃがすいちゃよ! ごはんちょうだいにぇ!」

「断る」

「……ゆ?」

 赤れいむは、まさかその要求が断られるとは思っていなかった。人間とは、ただ食事を提供するものだと思っていた。

「れいむ。話をしよう。今、お前は俺に食料を要求したな。それは何故だ?」

「おにゃきゃがすいちゃからだよ! そんなこともわきゃらにゃいなんて、おにいしゃんはばきゃなんだにぇ!」

「ふむ。お腹が空いたから、な。わかった。では次の質問だ。……どうして、俺がお前に餌をくれてやらねばならない?」

「……ゆ?」

「お前は、十円のゆっくりだ。ランクでいえば最低ランクに位置し、矯正も適わないほどにゲス化した親から生まれ、性格は傲慢ときている。そんな奴に、どうして食料を与える?」

「ゆゆ? おにいしゃんなにいっちぇるの?」

「餡子の代わりにクソが詰まっているお前にもわかりやすく言うと、『お前にはあまり価値がない』ということだ」

「……かちがにゃい?」

「十円の価値の論議はしないが、な。ほらよ」

 財布から十円玉を一枚取り出し、赤れいむの前に置く。

「それとお前は同等だ」

「……ゆ? これは……たべられにゃいよ!」

 赤れいむは十円玉にかじりついたり舐めたりしていた。

「ゆっくりできるか?」

「こんにゃのゆっくちできにゃいよ!」

「それがお前の価値だ。お前にとっての十円は、俺にとってのお前だ」

「ゆゆ?」

「しかし、十円だって尊い。そもそも、金というものは尊いのだ。そのきらめきに、誰もが眼をくらまされる」

「みんにゃ、これがほしいにょ?」

「……。ああ、そうだ。それがあと何百何千何万枚もあればな」

「おきゃにぇはすごいんだにぇ! じゃあこれはれいみゅがもらっておくよ!」

「好きにしてくれ。……さて、と」

 赤れいむを掴み、外に放り投げた。
 あいつはこれから、どうやって生きていくのだろうか。金の重みと軽さを知って、ゆっくり楽しく生きていくことができるだろうか。

 薄く笑って、窓を閉めた。


      完

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最終更新:2010年10月26日 22:26
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