【不変の真理】
ゆっくりたちは、とてもゆっくりしていた。
美しい蝶を追いかけて遊び、おいしい木の実や昆虫を食べ、愛する家族の体温に寄り添う。
―――――
おお、いたいた。見ろよあいつらのあの間抜け面。これから自分たちに悲劇が訪れるなんて、微塵も思っちゃいねえだろう。
草を掻き分け、俺は進む。がさがさという音に気付いた一匹のゆっくりが言った。
「ゆっくりしていってね!!!」
はいはい、ゆっくりしていってね。
……俺の、胃袋の中でね。
「ゆぅ、なにして……ゆぎゃぁぁぁ!? れいむをだべないでぇぇぇ!?」
食べないで、って言われてもそりゃあ無理な話。おまえらだって蝶や芋虫を食ったりするだろう。食料にいちいち
「食べないで」
って言われて止めてたんじゃあ、こちらが飢え死にしちまうがな。
さて、包囲は済んだみたいだ。合図が聞こえた。
狩りの始まりだ。
―――――
「ありゃま、ここのゆっくりも全滅だよ」
「最近は異常気象や森林の伐採で、野獣の食べ物が少なくなってますからね。当然といえば当然の結果ですが……」
「増やす側の身にもなってほしいよな。野獣は取るだけ取って全滅させちまうからいけねえよ。……まあ、生き死にがかかってりゃ仕方ないか」
完
最終更新:2011年07月20日 00:45